「自分の強みがわからない」という悩みを抱えている社会人や就活生は少なくないようです。自分の強みがわかると、仕事のパフォーマンスが上がる、成果が出しやすくなる、転職活動や就職活動に活かせるなど、さまざまなメリットがあります。そこで、自分の強みの見つけ方・活かし方のコツを株式会社人材研究所・曽和利光さんに詳しく解説してもらいました。

目次
「自分の強み」とは「自分ならではの特徴」のこと
強みや弱みは、任されている仕事内容や会社の社風、職場の状況によって、いかようにも変わっていきます。
例えば、「好奇心旺盛」な性格は、新しいものや流行りを生み出す広告代理店においては“強み”になりますが、ミスのない着実な仕事を求められる金融機関では「注意力に欠ける」として“弱み”に捉えられることもあるでしょう。
ほかにも、「感情の起伏がなく物静か」な人は、新規営業の仕事をする上ではマイナスになることがあるかもしれませんが、高級ホテルのフロアスタッフにおいては、落ち着いた穏やかな振る舞いにお客様からの信頼が寄せられるかもしれません。
つまり、どんな環境でも不変の強みや弱みというものはなく、あるのは「特徴」だけです。似たような言葉である長所や短所も、あくまで特徴の一つです。「自分の強みがわからない」と悩むとき、「強み」を「特徴」と捉え直して考えていくといいでしょう。
仕事や職場で「自分の強み」を把握する4つのメリット
自分の特徴を理解することは、仕事で求められる能力を身につけ、パフォーマンスを上げるための基本中の基本と言えます。具体的には、次の4つのようなメリットが考えられます。
仕事で成果を出しやすくなる
「自分の強み=特徴」を知ることは、仕事のパフォーマンスを高める上で欠かせません。
ハイパフォーマーの特徴は、企業によってさまざまですが、どの業界、どんな仕事においても共通する要素の一つに「自己認知の高さ」があります。自分の特徴をしっかり理解する「自己認知」は、あらゆる能力のベースになっています。
学習能力や成長意欲は多くの企業が求めるものですが、自己認知が低いと、できていないことをできると思い込むため、学ぼうと努力したり、改善に向けて工夫を凝らしたりすることがありません。
逆に自己認知が高ければ、自身の強みを活かして力を発揮し、足りない部分を補強すべく学んだり改善したりすることができ、自ずと仕事で高いパフォーマンスを上げられるようになります。
周りに強みをアピールでき、チャンスが広がる
自己認知が低いと、当然ながら周りに自分の強みを伝えることもできませんが、自己認知が高ければ、「自分の特徴、強みは○○です」と正しくアピールすることができます。
周りに自分を理解してもらうことができれば、例えば「この仕事はAさんの強みが活かせそうだから、彼に任せてみよう」「新しいプロジェクトではBさんの力が発揮できそうだから、メンバーに入ってもらおう」など、仕事でチャンスが広がることが期待できます。
強みに応じた仕事が回ってくれば、成果が出せる可能性が高く、結果的に評価も高まるという良循環が生まれるでしょう。
組織やチームの中での「自分の役割」がわかる
自己認知が低く自分の特徴が理解できていないと、チームで仕事をする際に何をすべきかを正しく捉えることができません。
スケジュール調整が苦手なのに「進行管理をやらせてくれ」と申し出てプロジェクトが難航したり、プレゼンテーションの経験がほとんどないのに「自分が発表する」と前に出て、クライアントから顰蹙(ひんしゅく)を買ってしまったりすることもあるでしょう。
また、自分の好き嫌いや得意不得意を理解していないことで、物事の認識がゆがんでしまうこともあります。好きなものをひいき目に見てしまうバイアスに気付けないのも、弊害の一つ。ビジネスにおいては、客観的事実に基づいた判断が欠かせませんが、自己認知が低いことでそのジャッジが間違ってしまう可能性があるのです。その結果、組織の中でうまく力を発揮できず、評価を下げてしまう恐れもあります。
組織やチームでは、いろいろな人が各々の強みを発揮し、弱みを補い合いながらシナジー生み出しています。自分の特徴を理解していれば、組織やチームの中でどういう役割を担えばいいのか、どのような方法で貢献すればいいのかつかむことができ、1+1=3以上の相乗効果を生み出せるようになります。
また、どんな経験を積み、どんな強みを磨けば、より組織やチームに貢献できるのか考えられるようになり、自身の強みをさらに磨き上げ、尖らせることもできるでしょう。
就職活動や転職活動での自己アピールになる
自分の特徴を正しくつかめば、それを就職活動や転職活動での自己アピールに活用することができます。
採用ページや求人票などから応募企業が求める人材像を読み取り、それに合わせて自身の特徴を強みとしてアピールすれば、より評価されやすくなります。就職活動の場合はポテンシャルがあると受け止められ、転職活動の場合は即戦力となり得ると判断されやすいでしょう。
【すぐにできる】自分の強みを手っ取り早くつかむ方法
自分の強み=特徴を知るにはいくつかの方法があります。まずは、すぐにできる簡単な方法を2つご紹介しましょう。

周りの人に聞いてみる
自分の特徴を知る上で、他者からの客観的なフィードバックは欠かせません。周りの同僚や上司、友人に「私の強みや持ち味は何だと思いますか?」などと聞いてみるのは有効です。ただ、フィードバックをもらうときは必ず「ポジティブフィードバック」をしてくれる人にお願いしましょう。「強みがわからない」と自信を持てない中で、ネガティブな指摘ばかりしてくるタイプに向き合うと、ますます落ち込んでしまうからです。
スカウトサービスのある転職サイトに登録するのもいいと思います。転職する予定がなくても、経歴を登録しておくと、さまざまな企業からスカウトメールが届きます。文面には、「あなたの〇〇の経歴、△△での経験を拝読して、ぜひ話を聞いてみたいと思いました」など、具体的にどこを評価してスカウトを送ったのかが書かれていることが多く、強みをつかむ上でのヒントが得られます。
自分では強みだと思っていなかったことが、ほかの企業からすれば魅力に映るのだとわかれば、自身の特徴を改めてとらえ直すことができるでしょう。
診断テストを活用する
診断テストなどを活用して、自身の特徴を客観的に洗い出すのも一つの方法です。
日本人は相手の気持ちを察したり先読みしたりする傾向があるため、「私の強みや持ち味を教えて」とお願いしても、フィードバックすること自体に抵抗感を覚える人が少なくありません。こちらが「ありのままを伝えてほしい」とお願いしたとしても、「こんなことを言ったら、気にしてしまうのではないだろうか」と不安を覚え、話を多少盛ったり、ネガティブに受け止められそうなことを伝えなかったりする可能性もあります。
その点、診断テストは膨大なデータをもとにした客観的な物差しで、あなたという人物の特徴、持ち味を診断してくれます。他者から正しいフィードバックが得にくい場合、もしくはフィードバック内容がピンと来ないという場合は、セカンドオピニオンとして診断テストを活用するといいでしょう。
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【じっくり分析】自分の特徴を言語化して強みを明確にする方法
時間に余裕があるならば、「自分の特徴を細かく言語化する」ことにぜひ挑戦してみてください。自分にじっくり向き合うことで、より精度が高く、実態に即している強みを深掘りできるでしょう。ポイントとなるのは「国語力」です。
経団連では、企業が学生を採用する際の「選考時に重視する要素」を継続して聞いてきました。それによると、2001年から2019年まで上位5項目は20年間ずっと変わらず、「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」「協調性」「誠実性」です。
しかし、たとえ企業が「当社はコミュニケーション能力の高い人材を求めている」といっても、“コミュニケーション能力”が示す内容が企業によって異なるため、具体的な意味を正しくとらえることはできません。
こうした多義的な言葉を、一義的なものに言い換えて考えることは、自分の特徴を整理する上でも大切です。「悪く言えば」どんな特徴になるかも一緒に言語化してみましょう。「自分の強みがわからない」というビジネスパーソンの中には、自己肯定感の低い人も少なからずいて、「自分には強みなんてない」と口にします。しかし、前述の通り、仕事内容や職場環境によって強みだと思っていたものが弱みになったり、弱みだと思っていたものが強みとしてパフォーマンスにつながったりします。強みや弱みはなく「特徴」だけがあるため、自分の特徴はすべてポジティブに言い換えることができるのです。
例えば「敏感でストレスに弱い」のは、「感受性が豊か」の裏返しですし、「受動的で自分を出せない」のは、「役割意識が強い」の裏返しです。
アピールできるほどの強みはない…と思い込んでいる人も、表を参考にしながら、自分に対して持っているネガティブな評価をポジティブに言い換えてみましょう。
私の人事コンサルティング経験から、「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神(挑戦心)」「協調性」「誠実性」を、各企業がどのような意味で使っているのかを整理すると、次のような「よくある意味」に言い換えられることがわかりました。次の章では、企業が選考時に重視する要素を言い換えたものを一覧(※経団連調査をもとに株式会社人材研究所作成)にして紹介します。
リストの「よくある意味」の各項目をクリックすると【別の表現・関連する表現・似た表現】や【悪く言えば】(短所としての表現)を知ることができます。
「強み(長所)」の言語化の手助けにしてください。
よくある意味 | 内容 | |
コミュニケーション能力 | 論理的である | 論理的な筋道を立ててわかりやすく考えたり、説明したりすることができる |
客観的である | 自分の価値観や先入観、偏見に引きずられずに、客観的な思考や話し合いができる | |
感受性が豊か | 相手の感情や思いを想像したり、集団の空気を読んだりすることができる | |
表現力が豊か | 自分の考えていることを、たとえ話や適切な言葉遣いで表現することができる | |
交渉力がある | 実現したいことをするために人を納得させる交渉ができる | |
社交的である | 人が好きで、たくさんの人とうまくやっていくことができる | |
主体性 | 自律的である | 人から言われなくても、自分自身で考えて、動き始めることができる |
責任感がある | なにか問題が起こった時、自分の責任だと考えて、当事者意識を持って行動できる | |
活動量が旺盛 | 何をするにしても、高いエネルギー量で活発に行うことができる | |
独立心がある | 自分一人だけでも、やらなくてはいけないと思ったことは行動に移すことができる | |
前向きである | チームの目標に対して、常に前向きに意味付けして、取り組もうとする | |
創造力がある | 既にあるものではなく、自分から新しいアイデアを生み出すことができる | |
チャレンジ精神 (挑戦心) |
好奇心がある | 経験したことのない新しいことでも何でもやってみようと思う |
達成意欲がある | 夢や理想、目標、志が高く、それらを達成したい、やりきりたいと強く思う | |
向上心がある | 自分の能力やスキルを高めていきたいと強く思う | |
冒険心がある | やったことがないことやリスクのあることも、頑張ればできるという自信が持てる | |
変革力がある | 今あるルールや環境などの制約条件にとらわれずに、必要に応じて変えようとする | |
曖昧耐性がある | 不確実で曖昧なことに対しても、あまり不安に思うことなくいることができる | |
協調性 | 和を重視する | チームで物事を進める場合、全体の和を重視して、自分のすべきことを考える |
役割意識がある | 自分の特徴をよく理解していて、チームの中で果たすべき役割がわかっている | |
貢献心がある | 人や所属するチームに対して、貢献したいという強く思う | |
統率力がある | 自らが率先して、チームの和や一体感を作り出そうとすることができる | |
適応力がある | やらなければならないことは、素直に前向きに、フットワーク軽く始めることができる | |
落ち着いている | どんなことが起こっても動揺することなく、安定して行動することができる | |
真面目である | 期待されていることや役割について、しっかりとこなそうとする | |
誠実性 | 継続力がある | やり始めたことは、途中で困難なことが起こっても諦めずに続ける |
正直である | 嘘をついたり、話を盛ることはせず、事実に基づいて、人と正直に相対する | |
素直である | 自分がわからないことや、間違っていると思った時は、言われた通りにやってみる | |
几帳面である | どんなことでも正確に丁寧に間違いがないようにしようと行動する | |
信念が強い | 抵抗や障壁があっても、自分が正しいと思う信念に基づいて行動する |
【一覧(1)】「コミュニケーション能力」の言い換え表現
「コミュニケーション能力」において企業がよく使っている意味や内容、「別の表現・関連する表現・似た表現」「悪く言えば」を紹介します。
- 論理的である
論理的な筋道を立ててわかりやすく考えたり、説明したりすることができる
【別の表現・関連する表現・似た表現】論理的思考力、ロジカル
【悪く言えば】理屈っぽい
- 客観的である
自分の価値観や先入観、偏見に引きずられずに、客観的な思考や話し合いができる
【別の表現・関連する表現・似た表現】冷静、批判精神、フラット、クリティカル
【悪く言えば】冷たい、クール
- 感受性が豊か
相手の感情や思いを想像したり、集団の空気を読んだりすることができる
【別の表現・関連する表現・似た表現】敏感、センシティブ、空気が読める
【悪く言えば】過敏、ストレスに弱い
- 表現力が豊か
自分の考えていることを、たとえ話や適切な言葉遣いで表現することができる
【別の表現・関連する表現・似た表現】話がうまい、わかりやすい、語彙が豊富
【悪く言えば】口だけで中身が伴わない
- 交渉力がある
実現したいことをするために人を納得させる交渉ができる
【別の表現・関連する表現・似た表現】対人影響力、説得力、ネゴシエーション
【悪く言えば】ゴリ押し、圧が強い
- 社交的である
人が好きで、たくさんの人とうまくやっていくことができる
【別の表現・関連する表現・似た表現】人が好き、仲良くなれる力、協調性
【悪く言えば】孤独が苦手
【一覧(2)】「主体性」の言語化・言い換え表現
「主体性」において企業がよく使っている意味や内容、「別の表現・関連する表現・似た表現」「悪く言えば」を紹介します。
- 自律的である
人から言われなくても、自分自身で考えて、動き始めることができる
【別の表現・関連する表現・似た表現】自発的、自分から動く、自走
【悪く言えば】自分勝手、自由すぎる
- 責任感がある
なにか問題が起こった時、自分の責任だと考えて、当事者意識を持って行動できる
【別の表現・関連する表現・似た表現】自責性、使命感、当事者意識
【悪く言えば】自分を責めてしまう
- 活動量が旺盛
何をするにしても、高いエネルギー量で活発に行うことができる
【別の表現・関連する表現・似た表現】エネルギー量、バイタリティ、活発、意欲的
【悪く言えば】暑苦しい
- 独立心がある
自分一人だけでも、やらなくてはいけないと思ったことは行動に移すことができる
【別の表現・関連する表現・似た表現】自立心、自立している、孤独に強い
【悪く言えば】仲間に入ろうとしない
- 前向きである
チームの目標に対して、常に前向きに意味付けして、取り組もうとする
【別の表現・関連する表現・似た表現】ポジティブ思考、楽観的、意味付け力
【悪く言えば】能天気
- 創造力がある
既にあるものではなく、自分から新しいアイデアを生み出すことができる
【別の表現・関連する表現・似た表現】発想力、クリエイティブ
【悪く言えば】既知のことへの無関心
【一覧(3)】「チャレンジ精神(挑戦心)」の言語化・言い換え表現
「チャレンジ精神(挑戦心)」において企業がよく使っている意味や内容、「別の表現・関連する表現・似た表現」「悪く言えば」を紹介します。
- 好奇心がある
経験したことのない新しいことでも何でもやってみようと思う
【別の表現・関連する表現・似た表現】知的欲求、知識欲、新しいもの好き
【悪く言えば】飽きっぽい、すぐ別のことをする
- 達成意欲がある
夢や理想、目標、志が高く、それらを達成したい、やりきりたいと強く思う
【別の表現・関連する表現・似た表現】目標達成意欲、理想主義、野心家、意欲的
【悪く言えば】欲求不満、喜べない
- 向上心がある
自分の能力やスキルを高めていきたいと強く思う
【別の表現・関連する表現・似た表現】成長意欲、熟達志向、学習能力
【悪く言えば】意味がわからないと動けない
- 冒険心がある
やったことがないことやリスクのあることも、頑張ればできるという自信が持てる
【別の表現・関連する表現・似た表現】危険を厭わない、未知志向、リスクテイカー
【悪く言えば】向こう見ず、慎重でない
- 変革力がある
今あるルールや環境などの制約条件にとらわれずに、必要に応じて変えようとする
【別の表現・関連する表現・似た表現】革新的、改革者、変える力、ルールブレイカー
【悪く言えば】言うことを聞かない
- 曖昧耐性がある
不確実で曖昧なことに対しても、あまり不安に思うことなくいることができる
【別の表現・関連する表現・似た表現】楽観的、肯定的、根拠のない自信、ストレス耐性
【悪く言えば】きちんとしない、だらしない
【一覧(4)】「協調性」の言語化・言い換え表現
「協調性」において企業がよく使っている意味や内容、「別の表現・関連する表現・似た表現」「悪く言えば」を紹介します。
- 和を重視する
チームで物事を進める場合、全体の和を重視して、自分のすべきことを考え
【別の表現・関連する表現・似た表現】調和志向、協力的、控えめ
【悪く言えば】同調する、流される
- 役割意識がある
自分の特徴をよく理解していて、チームの中で果たすべき役割がわかっている
【別の表現・関連する表現・似た表現】ポジショニングがうまい、責任感
【悪く言えば】受動的、自分を出さない
- 貢献心がある
人や所属するチームに対して、貢献したいという強く思う
【別の表現・関連する表現・似た表現】忠誠心、利他的、感謝欲、For the team
【悪く言えば】個を大事にしない
- 統率力がある
自らが率先して、チームの和や一体感を作り出そうとすることができる
【別の表現・関連する表現・似た表現】リーダーシップ、チームマネジメント
【悪く言えば】強引、ワンマン
- 適応力がある
やらなければならないことは、素直に前向きに、フットワーク軽く始めることができる
【別の表現・関連する表現・似た表現】フットワーク、スピード感、すぐやる
【悪く言えば】無思慮、慎重でない
- 落ち着いている
どんなことが起こっても動揺することなく、安定して行動することができる
【別の表現・関連する表現・似た表現】情緒安定、鈍感力、自信
【悪く言えば】鈍感、テンションが低い
【一覧(5)】「誠実性」の言語化・言い換え表現
「誠実性」において企業がよく使っている意味や内容、「別の表現・関連する表現・似た表現」「悪く言えば」を紹介します。
- 真面目である
期待されていることや役割について、しっかりとこなそうとする
【別の表現・関連する表現・似た表現】勤勉、信頼できる、責任感
【悪く言えば】融通がきかない
- 継続力がある
やり始めたことは、途中で困難なことが起こっても諦めずに続ける
【別の表現・関連する表現・似た表現】粘り強い、やり切る力、ストレス耐性
【悪く言えば】方向転換が苦手
- 正直である
嘘をついたり、話を盛ることはせず、事実に基づいて、人と正直に相対する
【別の表現・関連する表現・似た表現】飾らない、よく見せようとしない
【悪く言えば】バカ正直、嘘も方便がない
- 素直である
自分がわからないことや、間違っていると思った時は、言われた通りにやってみる
【別の表現・関連する表現・似た表現】従順、まずやってみる、批判的でない
【悪く言えば】従属的、だまされやすい
- 几帳面である
どんなことでも正確に丁寧に間違いがないようにしようと行動する
【別の表現・関連する表現・似た表現】正確性、慎重、きっちりしている
【悪く言えば】遅い、曖昧さを許せない - 信念が強い
抵抗や障壁があっても、自分が正しいと思う信念に基づいて行動する
【別の表現・関連する表現・似た表現】正義感、ポリシーがある
【悪く言えば】頑固、考えを曲げない
自分の強みが活かせる場所を目指せば活躍しやすく、採用選考も通りやすい
繰り返しになりますが、環境によって特徴は強みにも弱みにも変化します。したがって、せっかく自分の特徴をつかめても、それが強みとして活かせない環境ではパフォーマンスを発揮しにくく、メリットを享受しにくいでしょう。
「今いる環境は特徴を活かしにくい」と感じるならば、手掛けている業務の中で強みを活かせそうな業務にリソースを集中して成果を上げるか、もしくは「強みを活かしやすい環境に異動・転職する」のも方法です。
転職を考える場合は、どんな特徴が求められる仕事内容や企業カルチャーなのかといった企業分析が欠かせません。自分の特徴が強みになる環境を選ばなければ、特徴は弱みにもなってしまうからです。
例えば、「チャレンジ精神」を求める企業は多くありますが、事業内容や社風によって、「チャレンジ精神」の中身はさまざまです。
好奇心旺盛な人を求めているのか、達成意欲ややり切る力を求めているのか、改善を繰り返す向上心が必要なのか。「チャレンジ精神」が指す一義的な内容をきちんと理解することが重要。そのために、応募先企業の仕事内容や配属部署のカルチャーに関する情報収集は念入りに行いましょう。企業の求人情報はもちろん、ホームページなどで発信している情報にできるだけ多くチェックするといいでしょう。その上で、応募書類や面接で自身の特徴を強みとしてアピールすれば、選考も通過しやすくなるでしょう。
社内異動の場合も同様で、異動願いを出す前に気になる部署の雰囲気やカルチャー、求められるものなどをリサーチし、慎重に検討することが大切です。
株式会社人材研究所・代表取締役社長 曽和利光氏
1995年、京都大学教育学部教育心理学科卒業後、リクルートで人事コンサルタント、採用グループのゼネラルマネージャーなどを経験。その後、ライフネット生命、オープンハウスで人事部門責任者を務める。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立。
『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『コミュ障のための面接戦略』(星海社新書)など著書多数。新刊『部下を育てる上司が絶対に使わない残念な言葉30』(WAVE出版)、『シン報連相~一流企業で学んだ、地味だけど世界一簡単な「人を動かす力」』(クロスメディア・パブリッシング)も話題に。