面倒な人はこうやり過ごそう!仕事にも役立つ「鈍感力」のススメ

悪気なく無神経なことを言われたり、気が利かない行動を取ったりする面倒な人に悩まされた経験はありませんか?上司の発言や顧客の叱責など、ストレスになりそうな発言を受け流すポジティブなスキルとして役立つのが「鈍感力」。
先ごろ著書『繊細な人  鈍感な人 無神経なひと言に振り回されない40の考え方』を上梓した作家であり、心理カウンセラーの五百田達成さんに、「鈍感力」をどのように仕事の場で発揮すればいいのか、語っていただきました。

面倒な上司の話を聞く人イメージ
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「鈍感力」は面倒な人をかわすための必須スキル

相手の気持ちを察しない。それどころか追い打ちをかけるような言葉を投げかけたりする。そんな面倒な人たちの言動に悩まされたり、振り回されたりすることはありませんか?

例えば、上司に失敗して落ち込んでいるのに、「だから言ったじゃない」「やると思った」などと心無いことを言われた。一生懸命説明しているのに、「そんなことよりさ~」といきなり別の話題に切り替え、自分のペースでその場を仕切り出す顧客。遅刻してきたことを注意すれば「それについては謝るよ」と、なぜか上から目線で言い返してくる職場の同僚──。

空気を読み、察する力の強い繊細な人ほど、そうした言動にモヤモヤ、イライラさせられ、傷ついてしまったりします。とはいえ、言い返したりしたところでストレスが溜まるだけ。こうしたシーンで役立つのが、相手の言葉や行動をうまくやり過ごす「鈍感力」です。

「鈍感」な人には、気が利かない、他人の気持ちや言動を理解するのが苦手、空気を読んだ発言ができないといった、ネガティブなイメージがあるかもしれません。しかし、「鈍感力」は鈍感さを必要に応じて、戦略的に使うポジティブなスキルです。無神経な発言にイラっとしたり、ストレスが溜まりそうな叱咤を受けた際は、さらりと受け流す。あえて鈍感なふりをしてかわす「鈍感力」を身につけることをお勧めします。

面倒な人の言動に「鈍感力」を発揮する対処法

では、面倒な人たちの言動に対し、鈍感力をどう発揮したらいいのか。以下に、対処法の代表例をいくつかご紹介します。その時々に合った対処法で、自分の心を平穏に保ちましょう。

「空気を読んだうえでスルー」する

仕事の場面で「無神経な言動や振る舞い」に直面することがあったら、まずは相手の心理を推察しましょう。単にイライラしているだけなのか、自己顕示欲を発揮したいのか、それとも意識高い系を演じたいのか…など。そのうえで、なぜそんな無神経なことを言ったのか考えてみれば、対処法が見えてきます。

例えば、課長に「今お時間よろしいですか?」と話しかけたら、「見てわからない?忙しいんだよ!」と怒鳴られたとします。こちらからすれば、「急いで確認したいことがあるけど、忙しそうだからいきなり話しかけずにお伺いを立てたのに…」とモヤモヤしてしまいますよね。

怒鳴られたことに対してショックを受け、「タイミングを見計らわなかった私が悪いんだ」と自分を責める人もいるかもしれません。しかし、課長がイライラしているのは課の営業数字が未達成だからかもしれないし、直前に部長に詰められたせいかもしれません。少なくとも、きちんとお伺いを立てたあなたに対してイライラしているわけではありません。

こう推察できれば、怒鳴られたことに対してモヤモヤ、クヨクヨすることはなくなり、「私のせいじゃない」とスルーできるはず。少し経って課長が落ち着いたころ、何食わぬ顔で「お時間よろしいですか?」と話しかければOKです。

このほか、失敗に対して「だから言ったじゃん!」など今さらな指摘をしてきたり、「自分ならそんな失敗はしない」などとマウンティングしてきたりする相手にも有効です。多くの場合、「相手の優位に立ちたい、知識をひけらかしたい」だけ。そう推察できれば腹も立たなくなるし、下手に反論するよりも「そうなんですね~!」「やっぱり~?」などと軽く受け流すほうが賢いと言えます。

対人関係のストレスの多くは、この「わかったうえでのスルー」で収まることが多いので、覚えておくといいでしょう。

心の中で反論する

理不尽なことを言われたら、「反論する」のが正しい対処法ではありますが、そうもいかない場面もあるでしょう。

例えば、クライアントに「前に言っただろう!?なんで忘れたんだ!」と怒られたものの、いくら考えても言われた覚えがない…などのケース。相手は大事なクライアントだし、「聞いていません!」とは言いにくい。そんなとき、ぐっと堪えて「申し訳ありません、すぐ対応します!」と謝る一方で、心の中だけで「私は悪くない!」と反論することで心の安定が得られます。

「〇〇さん、最近太ったと思わない?」「あの人、劣化したよね?」などと悪気なく第三者の見た目をディスり、同意を求めてくるタチの悪い人にも、「心の中で反論」がお勧め。「あなただって劣化しているじゃないですか?」などと嚙みつきたくもなりますが、デリカシーのない人に言ったところで、空振りに終わるのが目に見えていますし、そもそも見た目を指摘するような人にレベルを合わせてしまうのはこちらが損。「さらっとかわして、心の中で思い切り反論する」が賢いやり過ごし方です。

物理的に距離を取る

こちらは何も悪くないのに、一方的に噛みついてくる面倒な人もいます。例えば、仕事でミスをした後輩を労わろうとしたのに、「そのときの私の気持ちがわかりますか!?」などと感情のままに言い返されたら…。「君の気持ち、わかるよ」と慰めたら、「デキる先輩にわかるはずがない!」と言われ、「わからない」と返したら「なぜわかってくれないんですか!」などと、火に油を注ぐ結果になりそうです。

この例に留まらず、「こちらの思いを察することなく感情的に攻撃してくる」人に遭遇したら、下手に慰めたりフォローしたりするのではなく、いったんスルーして、距離を取るほうがいいでしょう。ある意味、もらい事故のようなもの。こちらは全く悪くないのであれば、落ち着くまで触れないのが吉です。

もし相手が親しい友人や大事な後輩などの場合は、心配していることを伝えたうえで「もし吐き出したくなったら声を掛けて」とその場を離れ、攻撃されない距離でそっと見守りましょう。

相手の発言に乗っかる

やたらと自慢話ばかりをひけらかし、マウントを取る人は一定数存在します。周りがうんざりしていることにも気づかず、「オレ、大したことやってないのに、契約してもらえちゃうんだよな~なんでだろう?」などと自虐しながら実は自慢する面倒くさい人もいます。

安易に「すごいね」で返すと、相手はますます気持ちよくなって話が止まらなくなる恐れがあります。相手はマウンティングしたいだけなので、繊細な人なら心がすり減ってしまいます。かといって、「本当に大したことしてないのにね」などと返すのも気が引けるでしょう。

そんなときは、相手の自慢話に思い切り乗っかり、「やっぱり営業部のエースは違うね~!」などと冗談めかして、受け流しましょう。「自慢したいんですよね、どうぞどうぞ!」というように笑いに変えてしまえば、相手は恥ずかしくなって引き下がってくれるでしょう。

「鈍感力」は変化の激しい時代を生き抜くために必要な力

日常生活だけでなく、働き方に新たな変化をもたらすニューノーマル時代は、今まで高く評価されてきた「空気が読める人、気が利く人」にとって生きづらい時代になっていくと思います。心の平穏を保ちつつ賢く生き抜くためには、「空気が読める人、気が利く人」を卒業する勇気も必要かもしれません。

一方で、人の気持ちに敏感に気付くことができるのは立派な才能です。相手の人々の微妙な気持ちの変化を察知してうまく立ち振る舞える力は、チームビルティングやマネジメントなどあらゆる場面で活かすことができます。

お勧めしたいのは、才能である繊細さや気遣いはそのままに、必要なときに前述のような鈍感力を発揮して、うまくやり過ごすこと。周りの状況を読みつつ「ここでは繊細さを発揮して、ここは鈍感力で割り切ろう」などと使い分けることができるようになれば、ビジネスパーソンにとって最強のスキルになると思います。

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作家、心理カウンセラー 五百田達成(いおたたつなり)さん

繊細な人  鈍感な人 無神経なひと言に振り回されない40の考え方米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て、五百田達成事務所を設立。個人カウンセリング、セミナー、講演、執筆など、多岐にわたって活躍中。 専門分野は「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」「SNSと人づきあい」「ことばと伝え方」。「スッキリ!!」(日本テレビ)、「この差って何ですか?」(TBS)ほか、テレビ・雑誌などのメディア出演も多数。新刊 『不機嫌な妻 無関心な夫 うまくいっている夫婦の話し方()』をはじめ、著書『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』『話し方で損する人 得する人』『超雑談力』はシリーズ80万部を超えている。 オンラインサロン「おとなの寺子屋~文章教室~」も好評。五百田達成さん公式サイト(
最新刊は『繊細な人  鈍感な人 無神経なひと言に振り回されない40の考え方()』

WRITING:伊藤理子 EDIT:馬場美由紀
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