【英語で自己紹介】すぐに使える例文&英語力がなくても好印象を与える3つのコツ

英語で自己紹介をすることになったけど、何をどう話したらいいかわからない─。と困る人は多いはず。「でも、中学レベルの英語で問題なくできます!」というのは、『英語学習のつまずき50の処方箋』の著者である、イングリッシュ・ドクター(R)の西澤ロイさん。ビジネスシーンでも使える簡単な自己紹介のフレーズと、シンプルな英語で相手に好印象を与えられるコツについて教えていただきました。

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ほとんどの人は英語ですぐに自己紹介ができる

もし「英語で1分間自己紹介をしてください」と言われたら、あなたは自信を持ってできますか?

英会話講座で、私が参加者さんたちにそう伝えると、様々な反応が見られます。
「1分間も…!? そんなに英語でしゃべったことがないです」という方も少なくありませんが、終わってみたら(詰まりながらではありますが)2分間しゃべっていた──というケースもかなり多いのです。

たとえば、英語がどんなに苦手だと思っていても、名乗ることは誰でもできます(My name is…)。ほかにも、住んでいるところ(I live in…)や、好きな物事(I like…)、仕事の簡単な説明(例:I am a salesperson(営業)/an engineer(エンジニア)./I work for a bank.<銀行勤務>)などなど、仮に細かい文法や単語の使い方などが不正確であっても、伝わる英語でなんとか表現できる人が大部分です。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

まず日本語で自己紹介ができる準備をしておこう

まず日本語であっても、人前で1分間の自己紹介をした経験がゼロか、ほとんどない人の方が多いのではないでしょうか。たとえ仕事で名刺交換をしたとしても、そこでの自己紹介は会社名や部署、名前などを名乗るだけでしょうし、大抵の場合は相手からの質問に短く答えるだけで終わってしまいます。

ですから「1分間の自己紹介を」と言われたときには、日本語であっても何をしゃべったらよいかまとまっていない人がほとんどなのです。

そもそも日本語でうまくできないことが、英語で上手にできるはずはありません。ですから、まず第一歩目として大切なのは準備──。1つ目のポイントは、自己紹介の内容を事前にきちんと考えておくことなのです。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

英語の自己紹介の構成要素と、すぐに使えるフレーズを紹介!

一般的な自己紹介の流れとして、例えば(1)最初の挨拶、(2)自分の名前、(3)所属や仕事、趣味などの紹介、(4)まとめの言葉を言うのがオススメです。まずは、自分が伝えたい内容を日本語で考えてみましょう。次に、自己紹介に使える基本的な英語のフレーズを以下に紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

最初の挨拶

Hello.(こんにちは)
Hi, everyone.(みなさん、こんにちは)
Nice to meet you.(こんにちは)
I’m so glad to meet all of you.(みなさんにお目にかかれてとてもうれしいです)
Let me introduce myself.(自己紹介をさせてください)

<ワンポイント>

もし、最初の一言をどうすべきか迷うようであれば、相手の顔を見回しながら「Hi, everyone.」と言ってみてください。
きっと「Hi.」と優しく言い返してくれる人が出てくるはずです。

自分の名前

I am Taro Yamada. (私の名前は山田太郎です)
My name is Hanako.(私の名前は華子です)
Please call me “Momo”.(「モモ」と呼んでください)
Everyone calls me “Taka”. (みんなには「タカ」と呼ばれています)

<ワンポイント>

「My name is…」という言い方について「そうは言わない」みたいな論調をお聞きになったことのある方もいらっしゃるかもしれませんが、丁寧に名乗る際に使われる表現ですからご安心ください。

また、余裕のある人は、名前の由来を説明する(例:Hanako means “flower girl”.)のも相手を掴むテクニックとしていいですよ。

勤めている会社や所属する部署

I work for ○○○(Company).(私は○○○社で働いています)
I’ve been with △△ Company for the last ten years.(私は△△社に勤めて10年になります)
I work for the Sales department at □□.(私は□□社の営業部に所属しています)
I’m from ○○○(Company).(私は○○○社を代表して来ています)

<ワンポイント>

日本語では「働いている」という言い方をしますが、その感覚で「I’m working for…」のように現在進行形にすると、「いま一時的に働いている」、もしくは「働きだしたばかりである」といったニュアンスが加わってしまうことがありますので、そうやって敢えて言いたいのでなければ現在形で「I work for…」のように言うのがオススメです。

また「I’m from…」という表現は、カンファレンスやミーティングなどで、自分がその会社を代表して参加していることを伝えられます。

会社での立場や担当業務

I work in the Human Resources department.(私は人事部で働いています)
I’m a sales manager at ○○○.(私は○○○社で営業部長をしています)
I work as a designer.(私はデザイナーです)
I build applications for smart phones.(私はスマートフォン向けのアプリを開発しています)
I sell software to small businesses.(私はソフトウェアを小規模事業者に販売しています)

<ワンポイント>

会社での仕事を表現する際に、つい名詞を多用して「私は●●の営業です」のような発言を英語に直訳しようとしてしまいがちです。そうすると、難しい単語になりやすいのでご注意ください。

オススメは「動詞を使って表現する」ことです。例えば営業の方であれば
I sell ●● to △△.(私は●●を△△に販売しています)のように言えるでしょう。そうするだけで簡単な単語で表現しやすくなります。

趣味や好きなこと

I like playing basketball with friends.(私は友達とバスケットボールをするのが好きです)
I love to travel.(私は旅行をするのが大好きです)
My favorite sport is soccer.(好きなスポーツはサッカーです)
I play piano in my spare time.(時間があるときはピアノを弾きます)
I enjoy jogging in the park early in the morning.(早朝に公園でジョギングを楽しんでいます)

<ワンポイント>

趣味を語る時に「My hobby is…」と言ってしまいがちですが、hobbyという単語は特別なスキルや専門的知識が必要なことや、収集などに対して使われやすいと言えます。
ですから例えば「My hobby is listening to music.」とはあまり言いません。「My hobby is woodworking.(大工)」や「My hobby is collecting stamps.(切手集め)」といった例のほうが自然な使い方だと言えます。

まとめ・締めの一言

Thank you.(ありがとうございました)
Thank you for listening.(ご清聴ありがとうございました)
It was great talking to you.(お話ができて良かったです)
I look forward to working with you.(これからお仕事でどうぞよろしくお願いします)
I’m looking forward to getting to know you all.(みなさんとお知り合いになれるのを楽しみにしています)

<ワンポイント>

話を終える時に日本語だと「以上です」みたいに言えます。同じことを英語で言おうとすると「That’s all.」や「That’s it.」がありますが、スピーチを締める言葉としては「Thank you.」のほうがずっと印象が良くなります。

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英語の自己紹介で押さえたい!好印象を与えるポイント

さて、私は多くの日本人が英語で自己紹介するのをこの目で見てきましたが、「もったいない…」と感じられる箇所が、実はかなり共通しています。英語での自己紹介を上手に行なえるようになるコツとして、以下にポイントをご紹介しましょう。

名前はファーストネームかニックネームではっきり名乗る

最初のポイントは、自分の名前の伝え方です。これは英語に限らず、日本語の自己紹介でも同様ですが、自己紹介スピーチを聞いていると、名前の言い方がスムーズ過ぎてよく聞き取れない、もしくは耳に残らない人が少なくありません。

これは「相手の立場に立って話すことができていない」とも言えます。自分の名前は、いわば自分にとっては当たり前すぎるもの。ですから、例えば「名前は山田純一です」と、スラスラっとしゃべってしまう人が多いのです。

しかし、相手はあなたのことを知りません。名前は「固有名詞」であり、相手にとっては初めて聞く言葉かもしれないのです。ですから日本語であっても、そこだけゆっくりと大きな声で言うような工夫が大切です。

「名前は、山田、純一、と言います」
これを英語にすると、
My name is Jun’ichi Yamada.
というように、やはりサラッと言ってしまう人が少なくありません。多くの外国人は、日本人の名前に馴染みがないでしょう。一度では聞き取れないかもしれませんし、聞き取れたところで、耳に残りづらいのです。

そもそも、自己紹介はいつでもフルネームで名乗る必要があるのでしょうか。例えば、海外で働く人たちがお互いのファーストネームしか知らないというケースは、割とよくあることです。

ですから私のオススメは、ファーストネームだけを名乗ること。自分が呼ばれたいニックネームを用意してしまうのも良い方法です。もちろん名前を言う際にはきちんと間を空けて、ゆっくり・はっきりと言うことも大切です。

例1:My name is… Jun’ichi.(私の名前は「純一」です)
例2:I’m… Jun.(私は「Jun」です)
例3:My name is Jun’ichi, but please call me… Jack.(「Jack」と呼んでください)

「つまみ食いトーク」をしない

2つめのポイントは、様々な話題を一言ずつ並べるだけの自己紹介は「もったいない」ことです。例えば、日本人がやってしまう典型的な英語での自己紹介は以下のようなものです。

My name is Jun’ichi Yamada.(名前は山田純一です)
I am a salesperson at ABC Company.(ABC社で営業をやっています)
I enjoy reading books.(趣味は読書です)
And I also like baseball and soccer.(野球とサッカーも好きです)
Thank you.(ありがとうございます)

このような自己紹介の何が問題かというと、様々な話題の“つまみ食い”だけで終わってしまっていることなのです。
英語では、最初に言ったことが「トピックセンテンス」になります。トピックセンテンスとは、「これから○○について話をしますよ」という前置き文のことです。
上の自己紹介例でいうと、以下は全てトピックセンテンスになります。

I am a salesperson at ABC Company.(ABC社で営業をやっています)
I enjoy reading books.(趣味は読書です)
And I also like baseball and soccer.(野球とサッカーも好きです)

つまり、それぞれの話題についてもっと深掘りして伝えるべきところで、さっさと次の話に移ってしまっているのです。ですから聞き手は、せっかく興味を持ったところで「え、もう終わり…!?」と、肩透かしを食らってしまうのです(それも3回もですよ!)。

1つの話題で最低三言は話す「スリーピッチ法」を磨こう

イングリッシュ・ドクター(英語学習の“お医者さん”)である私が、「つまみ食いトーク」の“治療薬”としてオススメするのは「スリーピッチ法」というやり方です。

ピッチ(pitch)というのは、野球のピッチャーがボールを投げること。つまり、「一言」で終わらせてしまうのではなく、3球連続して投げ込むつもりで、少なくとも「三言」は言うようにしましょう

<仕事を説明する例>

I am a salesperson at ABC Company.(私はABC社で営業をしています)
We sell ○○ to about 1,000 companies.(1,000社以上に○○を販売しています)
Our clients are all over Japan.(我々の顧客は日本中にいます)

<趣味を説明する例>

I enjoy reading books.(趣味は読書です)
I read 10 books every month.(毎月10冊は読みます)
I have read all the Haruki Murakami books.(村上春樹の本は全部読んでいます)

<好きなことを説明する例>

I like soccer.(サッカーが好きです)
I enjoy watching soccer matches on the Internet.(ネットでサッカーの試合を見て楽しんでいます)
My favorite player is Take – Takefusa Kubo.(好きな選手はタケ、久保建英選手です)

こうやって、1つの話題を深掘りして話す練習をすることが、英語における表現力を高める練習にもなります。ぜひやってみてください。

自己紹介が上手になることが、英会話上達の第一歩!

「英会話ができるようになりたい」と、思う方は多いでしょう。私がオススメする学習法は、まずは英語での自己紹介を上手にできるようにすることです。

何度も練習や実践を繰り返し、経験を積むことで、1分間の自己紹介が次第に自信をもってできるようになっていきます。そうしたら次は、その中の1つの事柄について、さらに1分間話せるように練習しましょう。

仕事のこと。趣味のこと。好きなこと。最近の出来事──。そうやって1つずつ、自信をもって英語で話せる話題を増やしていくのです。そうすることで、あなたの英会話力は着実に伸びていきますし、苦しい暗記などをすることなく、楽しみながら上達していくことができるのです。

なお、先ほどご紹介した「スリーピッチ法」は、拙著『英語を話したいなら、まずは日本語の話し方を変えなさい!』(SBクリエイティブ)でご紹介しているテクニックの1つです。英語で自己紹介と言われても、「英語がうまく出てこない」「どう表現したらいいか分からない」という方のお役に立てるテクニックがたくさん載っていますので、ぜひチェックしてみてください。

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英語学習のつまずき50の処方箋西澤ロイ(にしざわ・ろい)イングリッシュ・ドクター

イングリッシュ・ドクター。
英語に対する誤った思い込みや英語嫌いを治療し、心理面のケアや、学習体質の改善指導を行なっている。英語が上達しない原因である「英語病」を“治療”する専門家。
ベストセラーとなっている『頑張らない英語』シリーズ(あさ出版)、『英語学習のつまずき50の処方箋』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほか、著書は累計17万部を突破。YouTubeチャンネル「イングリッシュ・ドクターの非常識な英語学」が好評を博している。

「イングリッシュ・ドクター」HP
YouTubeチャンネル「非常識な英語学」

取材・文・編集:鈴木恵美子
記事制作日:2020年12月3日 記事更新日:2024年2月28日
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