転職ブログを上手に活用する方法とは?メリット・デメリットも紹介

転職経験者が自身の転職活動の過程をブログで紹介する「転職ブログ」。リアルな体験談は参考になりますが、自分の転職活動にどう活用すればいいのでしょう?そして、そもそもどこまで信用していいものでしょうか?
元リクナビNEXT編集長であり、現在は転職支援サービスを手掛ける黒田真行さんに伺いました。

ルーセントドアーズ株式会社 代表取締役 黒田 真行さん

1989年、関西大学法学部卒業、株式会社リクルート入社。以降、転職メディアの制作・編集・事業企画に携わる。2006年~2013年まで転職サイト「リクナビNEXT」編集長。2013年リクルートドクターズキャリア取締役などを経て、2014年ルーセントドアーズ株式会社を設立。「ミドル世代の方々のキャリアの可能性を最大化する」をテーマに、日本初の35歳以上専門の転職支援サービス「Career Release40」()を運営。

そもそも「転職ブログ」は転職活動に役立つ?

転職ブログを検索すると、自身の転職活動の過程を綴ったさまざまなブログがヒットします。どんな企業に応募し、どんな書類が通ったのか、面接はどのような内容だったのかなど具体的な転職ノウハウのほか、有名企業に転職成功した経験談をまとめた「入社エントリー」、退職したことをその理由とともに報告する「退職エントリー」などもあります。

皆が一斉に活動する就職活動とは異なり、転職活動は孤独なもの。実際に転職を経験した人の体験談や、気になる企業の入社・退職に関する生声が気になるのはわかります。実際、部分的であってもファクトがわかれば自身の活動の参考にできますし、「自分も頑張ろう」という活力も湧いてくるでしょう。

ただ、「あくまで一個人の意見であり、感想である」という前提で見るべきです。もちろん参考にできる部分もあるでしょうが、必要以上に感化されないことです。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

特定の社名を挙げている個人ブログは注意も必要

志望する企業の入社エントリー、退職エントリーを読んで、「悪いことが書かれている。転職してもいいものだろうか」と不安になる人がいるようですが、ブログの書き手とは配属される部署やチームも違うでしょうし、上司も異なると思います。規模の大きい大手企業ならなおさら、部署やチームが細かく分かれており、全く同じ環境に配属されることはまずありえません。

そして、たとえ全く同じ環境下で働いたとしても、人によって受取り方や感じ方は違います。例えば、Aさんにとっては「口うるさくて厳しいクソ上司」であっても、隣のBさんにとっては「自分を育てようとしてくれる頼りがいがあるいい上司」かもしれません。転職ブログも同じで、その人にとってはブラックな会社だとしても、他の社員が皆そう思っているわけではありません。

もちろん、逆も同様です。「入社したら素晴らしい会社だった!」とべた褒めしているブログがあっても、他の人が皆そう感じているわけではないはずです。

さらに言えば、大手企業や有名企業の社名を挙げると、必然的に多くの人が目にすることになります。中には、事実をフラットにまとめているブログもあるでしょうが、多くの人を集めてPV稼ぎをしようと考える人や、承認欲求を満たしたい人、会社への恨みつらみをただぶつけたい人などもいることを理解しておきましょう。

書き手の意図は、文章からにじみ出てくるもの。その意図を織り込みながら、話半分で見ておくぐらいがいいと思います。

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企業が発信する「企業ブログ」「人事ブログ」は要チェック

一方、一個人ではなく、企業が自社の認知度向上やマーケティングなどのために開設している「企業ブログ」や、人事部門が応募者へのアピールのために発信している「人事ブログ」は、チェックしておいたほうがいいでしょう。

企業ブログ、人事ブログは、自社のことをより深く知ってほしいという思いで作られています。相手を知ることは、転職成功のための第一歩。企業研究に役立ちますし、志望動機をまとめる際や、面接対策の参考にもなります。

また、エントリー記事の内容から社風がつかめたり、掲載画像から社員のリアルな表情が垣間見えたりもするので、「入社後すぐに馴染めそうか、自分に合いそうかどうか」も推し量ることができます。

こういう発信は、実は非常に手間がかかるものです。充実した人事ブログを頻繁に更新している企業は、「応募者のことを考え、自社のリアルを伝えたい」と真剣に考えているいい企業と判断することもできます。採用担当者の視点を知るためにも、志望企業であれば必ず事前に目を通しておきましょう

転職ブログは参考情報、ファクトは自分でつかもう

転職経験者の転職ブログよりも、企業ブログ、人事ブログを参考にしたほうがいいとお伝えしましたが、「目にしてしまった転職ブログの内容がどうしても気になる…」という人もいるかもしれません。

そういう場合は、面接の場など選考過程で、自分の目で確認するといいでしょう。社風に不安があるならば、会社を訪れたときに社内の雰囲気に注意してみるとか、面接の場で「人事ブログを拝見したところ若手社員が多く活躍していると感じましたが、普段の職場はどんな雰囲気なのでしょうか?」などと聞いてみるという方法があります。

もちろん、「念のための確認なのですが、ある転職ブログでこのようなことが書かれていたのですがこれは事実なのでしょうか?」とフラットに聞いてみるのも一つの方法です。

いずれにせよ、転職ブログの情報を全て鵜呑みにはせず、その情報が本当に真実なのかを、自分自身で慎重に判断することをお勧めします。

WRITING:伊藤理子 EDIT:馬場美由紀
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