在宅勤務推奨で急増!初心者向け「リモート会議」のOKポイント、NGポイント

「リモート会議」とは、Webや専用システムを使って遠隔拠点とビデオ画面や音声、チャットなどでやり取りを行うこと。昨今の在宅勤務推奨の動きを受け、リモート会議の機会が増えているようです。

その中、画面越しに会話する「ビデオ会議」については、今までやったことがなかった…という人も多いのではないでしょうか。

今回は、働き方の専門家でありオフィスコミュニケーションのプロ・沢渡あまねさんに、リモート会議、中でも「ビデオ会議」初心者向けに、円滑に進めるポイントや注意点などを教えていただきました。

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沢渡さんあまねキャリア工房代表 沢渡 あまねさん

業務プロセス&オフィスコミュニケーション改善士。株式会社NOKIOO 顧問。株式会社なないろのはな 取締役。
人事経験ゼロの働き方改革パートナー。日産自動車、NTTデータなどで、広報・ 情報システム部門・ITサービスマネージャーなどを経験。現在は全国の企業や自治体で働き方改革、社内コミュニケーション活性、組織活性の支援・講演・執筆・メディア出演を行う。趣味はダムめぐり。著書『仕事ごっこ』『職場の問題 地図』『マネージャーの問題地図』『業務デザインの発想法』(技術評論社)、『ドラクエに学ぶ チームマネジメント』(シーアンドアール研究所)ほか多数。

 

場所を選ばない、移動時間がかからない…リモート会議のメリットは大!

従来「会議」といえば、自社内もしくはクライアントの会議室で大勢が顔を突き合わせて行うものでした。しかし、働き方改革を受けたリモートワークの推進により、Web会議ソフトを使ってリモート会議を行うケースが増えています。そして、昨今の在宅勤務推奨の流れを受け、リモート会議を導入する企業が一気に増えているようです。

場所を選ばない、移動時間がかからない、会議室を確保する手間がない、リラックスしながら仕事ができる…など、リモート会議ならではのメリットはたくさんあります。慣れないリモート会議に戸惑っている人もいるかもしれませんが、ぜひポイントを押さえてメリットを最大限享受してください。

活舌よく、発言は短めに!リモート会議のポイント

主に初心者の方向けに、リモート会議を円滑に進めるためのポイントをいくつかご紹介しましょう。

1:ゆっくりと、聞き取りやすく話す

リモート会議の際は、普段よりも口を大きめに開け、気持ちゆっくりと、活舌よく話すよう心がけましょう。

お互いの通信環境によって、音声が聞き取りづらくなるケースがあることに加え、対面よりも相手の表情やその場の空気感が読み取りづらくなり、情報のロスが少なからず発生するためです。

そのロスを埋めるためにも、自身の発言をしっかり正しく伝える努力をしましょう。丁寧な言葉を用いて話す、結論や発言趣旨を始めに示す、なども有効です。

2:発言は細かく区切り、「間」を置く

対面だと、「あの人は質問したそうだ」「意見を言いたそうだ」と気づくことができますが、リモートでは、他者の意思を読み取りづらいもの。発言する際は、一人でダーッと話し続けてしまっては、誰もが意見を挟むタイミングがつかめず、独演会のようになってしまいます。

発言する際には、言いたいことがたくさんあっても短めに区切って話し、一呼吸置きましょう。少し「間」を置くことで、ほかの参加者が質問したり、意見を重ねたりする余地を作ることができます。

とりわけ、会議の序盤ほど「間」を意識するようにしてください。お互いの音声状態を確認するためです。「間」をおくことで、発言者の声が聞こえているか・聞こえやすいかについて、参加者からフィードバックをもらいやすくなります。駆け足で長々発言して、「聞こえませんでした」では手戻りも多く参加者のストレスに。最初に、お互いの音声の距離感を調整し、ベストな状態で会議を進めましょう。

3:議題を明確にし、意見をある程度まとめてから臨む

従来の会議では、意見がなかなかまとまらずダラダラ長引いてしまうこともあったでしょう。ただ、リモート会議の場合は、参加者がいる場所はオフィスや自宅、客先、シェアオフィスなどさまざまですから、ダラダラはNG。リモート会議のメリットは、時間と場所を選ばないことなのですから「さっと集まり、さっと終える」を目指しましょう。

そのためには、会議の議題を明確にしておき、各自が意見をまとめてから臨むことが重要。資料やデータなどはリモート会議中に、画面上で共有することができますが、あらかじめ共有しておき全員が目を通して臨めばスムーズです。会議の進行役や議事録係などもあらかじめ決めておきましょう。

4: 大声の出し過ぎに注意

リモート会議に臨んでいると、知らず知らずのうちに声が大きくなっているケースが散見されます。対面だと、自然に声のボリュームをコントロールできますが、リモートだと相手の反応がつかみづらく、「聞こえるように話そう」とつい大声になってしまうようです。

しかし、最近のIT周辺ツールは進化していて、例えば雑音の多い場所で話していても機械が学習して話者の声だけを相手に伝えたり、ささやくような小さな声でも拾ってクリアに伝えたりする機器が出ています。私は車の中や、大好きなダム際でリモートワークをすることも多く、その場でクライアントとWeb会議を行うことも頻繁にあるので、音声コミュニケーション用のスピーカーフォンを携帯しています。耳元でささやくような声でも伝わりやすく、まるで相手が目の前にいるかのようにリアルに会話ができますし、ヘッドセットの装着が不要なので、頭部や耳に負担がかからないのもありがたいです。

最近のデバイスは進化しており、大きな声を出さなくても十分に伝わります。始めに相手に自分の声が聞こえているか確認したら、後は自身の声のボリュームに気を配りつつ会議を進めましょう。また、発言者以外は音声をミュートにするなど、雑音の混入を少なくする工夫も大事です。

沢渡さんのリモート会議例

▲沢渡さんが愛用するスピーカーフォン。ヘッドセット装着不要で頭や耳に負担がなく、場所を選ばずにビデオ会議・音声会議が行えるという

5:テキストチャットも併用しよう

Web会議ツールには、テキストチャットを兼ね備えているものもあります。この機能を使えば、映像と音声と併行してテキストで参加者同士でメッセージをやりとりできます。

音声会議やビデオ会議は、どうしてもネットワークの状態によって通信が途切れたり、聞こえにくかったりすることもあります。その場合、テキストチャットも使いながらコミュニケーションを進めましょう。テキストチャットは、「質問いいですか?」「聞こえませんでした。もう一度説明をお願いします」など、ビデオ会議で進行している相手の発言にカットインするのにも重宝します。発言者が気がつかなくても、ほかの参加者が「沢渡さんが質問あるみたいだよ」と拾ってくれることも。

事情があって顔を出したくない人、デバイスやネットワーク環境の都合で音声のみで参加する人がいる場合、相手の表情から反応をうかがうことはできなくなりますが、テキストで反応をうかがったり意思確認しやすくなります。

 

「自宅で」リモート会議に参加する際の注意点

自宅でリモート会議に参加する場合、自宅ならではの注意点がいくつかあります。特に初心者はつい失敗してしまいがちな点をいくつか紹介しましょう。

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セキュリティに配慮する

会議の内容は機密事項である場合も。自宅内であっても、情報が漏れないようセキュリティには十分注意しましょう。

外に声が漏れない場所を選ぶ、家族がいない・通行しない場所を選ぶなど自宅内の「場所」に配慮を。さらに、壁に背を向けて座れば、会議参加者に「後ろから画面をのぞかれていない」ことを示すことができます。

プライベートな事情も考慮し「寛容」になる

とはいえ、リモートワークは自宅などのプライベート空間に仕事が同居している状態です。

「子どもが話しかけてくる」「赤ちゃんの泣き声が入る」「ネコが乱入する」「電話やインターフォンが鳴る」…このように生活音が入ったり、思わぬアクシデントが発生するものですが、いちいち「けしからん」と目くじらを立てるのはNG!雰囲気の良い職場では、みな笑顔で受け入れて流しています。ある意味で、職場の風土が試されているとも言えますね。

手始めに、参加者の自宅でネコが「にゃーん」と鳴いたら、テキストチャットで「にゃーん」と返してみてはいかがでしょうか?それだけで場が和みますし、本人の気持ちも楽になりその後の会議がスムーズに進むでしょう。

参加者に従来のビジネスマナーを強要しない

一部に、自宅であっても「仕事中だから」という理由で、スーツ着用でのリモート会議出席を強要する企業があるようですが、これはリモートワークの良さである効率面をすべて無視した行為です。

繰り返しになりますが、リモートワークのメリットは場所を選ばない、移動時間や手間がかからない、リラックスしながら仕事ができること。普段はスーツ着用の会社であっても、リモート会議においてはある程度のカジュアルは良しとして、ほかの参加者がカジュアルな格好をしていても咎めないようにしましょう。カジュアルウェアなら、クリーニングやアイロンがけの手間や労力、電力も節約できます。

ただ、カジュアルと「だらしない」は別。寝ぐせのついた頭、寝起きそのままの服装などは相手に不快感を与えかねません。自分がリモートワーク中に会議に参加する際も、最低限「人前に出られる格好」で臨みましょう。

また、顔出しを強要するのもいかがなものでしょうか。事情があって顔を出したくない、あるいは自宅の様子を映したくない人もいると思います。アイコンの投影でOKとする、あるいは最初だけ顔を出してもらって(なりすまし防止のため)、その後は背景を消してもOKとするなど柔軟に運用しましょう。

カメラの切り忘れ、ミュートし忘れに注意!

初心者に多いのがこのミス。無事にリモート会議を終えたのはいいけれど、カメラやマイクを切り忘れて、こちらのプライベートがダダ漏れだった…というケースは実は少なくないので注意しましょう。

実は私は、逆のパターンでの苦笑い経験があります。以前IT企業に勤務していた頃、海外拠点のプロジェクトメンバーとのWeb会議が頻繁にありました。その日も、深夜に自宅から参加。「音声会議」のつもりで参加したのですが、誤ってカメラをオンにしてしまい、世界各国の参加者に「風呂上がりにTシャツ1枚で、ガリガリ君を食べながら会議に参加している私の姿」をさらしてしまったのです。ドイツやUSAのメンバーから「お前が手に持っているそのクールなキャンディは何だ?」と聞かれて気づき、さーっと青ざめましたが後の祭り。開き直って「ガリガリ君。これが日本のソウルフードだ。どうだ、クールだろ?」と返し、笑いを取りました。

ビデオ会議や音声会議は、このような予想外なアクシデントもつきもの。それを咎めるのではなく、楽しむようなココロの余裕も必要かもしれません。

リモート会議に慣れる=自身のアップデートにつながると考えよう

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今はまだリモート会議に慣れていない人が多いかもしれませんが、リモート会議に慣れ、うまく使いこなすようになれば、「ビジネスパーソンとしてのスキルアップ」につながります。

従来型の対面の会議では、会議室にただ集まり、ゴールも決めぬままダラダラ議論することも多かったかと思います。事前に必要な情報をインプットし、考えをまとめて臨むこともせず、会議室の中で一から情報共有が始まったりする。そして結局何も決まらぬまま終了し、議題は次に持ち越し…これではいつまで経ってもっても先に進まず、組織の生産性も個人の生産性も一向に上がりません。

一方、リモート会議は「場所を選ばない、移動時間や手間がかからない」「さっと集まり、さっと終えられる」のが特徴。この特徴を活かすべく、リモート会議前に考えをまとめて話す内容を構造化してナンバリングしたり、結論からわかりやすく伝えられるよう準備したりすることで、そういう思考習慣が定着し、仕事そのものの効率も上がります。

仕事の効率が上がれば、その分新しい仕事にチャレンジしたり、新たな分野の勉強をして知識をインプットするなど、自身の経験値を増やすことが可能になります。今はまだ、遠隔での会議に違和感を覚える人もいるかもしれませんが、「リモート会議に慣れることは、自らのアップデートにつながる」と前向きに捉え、どんどん会議の主導権を握ってほしいですね。

EDIT&WRITING:伊藤理子

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