15秒で決まる!人の心をガッチリつかむ「3分スピーチ」のコツ

3分スピーチ、あなたは何を話していますか?
これまで3000回以上のMCを経験されてきた丸山久美子さんに、「上手にあがりを隠して、人前で堂々と話す・ふるまう方法」について伺うこの連載。今回のテーマは「人の心をつかむスピーチ」についてです。

丸山久美子(まるやま・くみこ)
まるっと空気を掴むMC、展示会専門接客アドバイザー
1982年、和歌山県生まれ。「人前で話せるようになりたい!」という憧れを叶えるべく、20歳で展示会プレゼンターとしてデビューするも、本番中に手が震えてマイクを落とすなど、さまざまな大失敗を繰り返す。「あがりを克服する方法」や「緊張をなくす方法」を模索するが、改善どころか逆にあがりに拍車がかかり、体調にまで悪影響が。しかし、憧れを捨てきれず、「あがり」や「緊張」と向き合い独自のメソッドを開発。再スタートを図る。以来、展示会やイベントへ3,000回以上出演し、リピート率90%を超える人気MCに成長。2015年から講師活動を開始。「人前で話せるようになりたい!」と願う全国の人々へ、「あり方とやり方」の両面から具体的なノウハウを提供している。
Twitter:Kumiko Maruyama

こんにちは!まるっと空気をつかむMCの丸山久美子です。
私は司会者として大勢の人のスピーチに立ち会い「人の心をつかむスピーチができる人」の特徴を探してきました。そこで面白い事実に気が付きました。

スピーチというと、「立場が強い人や地位が高い人の方が上手」というイメージがあります。しかし、政治家や社長クラスの方々の中にもスピーチが苦手な人はいますし、逆に新入社員やパートの方々でも魅力的なスピーチができる人はたくさんいます。

つまり、立場や地位に関係なくコツさえ分かれば誰もがスピーチで人の心をつかめるという事です。
今回は「スピーチのコツ」についてお話します。

一番大切なのは「最初の15秒」

スピーチは出だしですべてが決まると言っても過言ではありません。

私はもともと極度の緊張しいで、人前でのスピーチはとても苦手でした。
そんな私でも今では「スピーチが上手!」と言われるようになりました。
スピーチをする上で毎回こだわっているのは、最初の15秒です。どこへ行っても、誰が対象でも、「自分だけの15秒パターン」を作っておくのです。

私の場合は、最初の15秒でこの3つを伝えています。

【丸山流15秒パターン】
1あいさつ
2自己紹介
3話す内容を簡潔に

例えば…

1「改めまして!みなさん!こんにちは!」(あいさつ)
2「まるっと空気をつかむMCの、丸山久美子です。」(自己紹介)
3「今日は〇〇についてお話しします。」(話す内容)

スピーチは、話し始める時が1番緊張します。
緊張すると私たちは、無意識に言い訳トークをするようになります。
「話す内容を考えてなくて…」など、大切な最初の15秒間に言い訳を伝えてしまうのです。逆の立場になってみると、準備していないスピーチを聞きたいと思いますか?思いませんよね。

最初の15秒で、言い訳トークをしてマイナスな印象を与えるのか?それとも、しっかりあいさつをして、名前を名乗り、内容を伝えるのか?
後者の方が、魅力的なスピーチに仕上がる事は一目瞭然です。
緊張してアタフタしないためにも「自分だけの15秒パターン」を用意しておきましょう。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

スピーチの内容、ポイントは3つ

最初の15秒で、ぐっと聴衆の心をつかんだところで、そのあとのスピーチはどのように構成すればいいのでしょうか。

内容に関しては、3つのポイントがあります。

1、「なぜその話しをしたいのか」理由を述べる
これを伝える事で、あなたの価値観や人柄を伝える事ができます。
聞き手にとって役に立つ情報だと思った場合、なぜ役に立つと思ったかまで伝えるとベスト。自分が話したくて選んだ場合は、なぜ話したいと思ったか、その理由を素直に伝えましょう。
例えば
「私は○○がとても好きです。職場では真逆の印象を持たれている気がしていました。もっと皆さんに本当の自分を知っていただけたらと思い○○の話をする事にしました!」
このように「話し手の本気の想い」を込める事で、スピーチはグッと魅力的になるのです。

2、データをとり入れる
「○○は△△です。」と断定する場合、その根拠をデータで示しましょう。ネットで調べたり、資料を持参したり、自分で統計をとってみても良いでしょう。きちんと根拠を示す事で、準備をしてきた事も伝わります。
データは具体的に把握できるよう、数値化して伝えましょう。数字は暗記する必要はありません。「調べてきたのですが…」と言いながらカンペを見つつ話してOKです。

3、最後に必ず重要項目を復唱する
残念な事に、1度聞いただけでは内容を覚えられないのが人間の特徴です。だからこそ、スピーチの最後に、最も伝えたい内容を繰り返し伝えましょう。
あなたの想いなのか、賞賛に値するという事なのか、根拠となるデータなのか、スピーチで言った中から「最も伝えたい事」を復唱するのです。
あなたが伝えたかったメッセージを、しっかり聞き手に届けて終了しましょう。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

最後に…スピーチの心構え

最後にスピーチのクオリティに多大な影響を与える「時間に対する捉え方」についてお話します。

スピーチの持ち時間が「3分」の場合、皆さんはこの3分をどう捉えますか?
この時間に対する捉え方が自己中心的な人ほど、スピーチが下手です。
自己中心的な人は「持ち時間3分=自分に与えられた時間」と捉えます。
自分に与えられた自分のための時間なので、スピーチの内容は自分が話したい事になり、思いついたままの構成で話すなど、自分勝手な印象のスピーチになるのです。「3分」という持ち時間すら大幅に過ぎる事も多く、聞き手はウンザリします。
魅力的なスピーチをする人は真逆です。
ただでさえ忙しい相手から3分の時間を「いただいている」と捉えます。
このタイプの人は、聞き手が興味のある内容を事前にリサーチし、構成も聞き手が理解しやすいよう調整します。結果、聞き手にとって分かりやすく共感を得るスピーチになるのです。

ビジネスパーソンにとって、時間は貴重なものです。
自分勝手に話して相手の時間を奪うのか、それとも、限られた時間を有効活用できるようしっかり準備をして臨むのか。
これらを意識して、魅力的なスピーチを披露していきましょう。

【参考図書】

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『上手にあがりを隠して人前で堂々と話す法』

著者:丸山久美子 出版社:同文舘出版

 

 

 

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