たびたびＴｅｃｈ総研で取り上げてきた、エンジニアの恋愛実態。今回は恋人のいる男性エンジニアが感じている恋愛の理想と、その現実を徹底追及。エンジニアは、日々発生する理想と現実のギャップに対して、どのように対応し、解決しているのだろうか？ （総研スタッフ／タニー只野　イラスト／濱隆一）作成日：07.10.04

	今回、Ｔｅｃｈ総研ではエンジニアの「恋愛の理想と現実」を確認すべく、200人の「彼女がいる」エンジニアを対象に、恋愛についてのアンケート調査を行った。まずは恋愛の前提になる好きなタイプとともに、現在お付き合いしている彼女のタイプを聞いてみた。「好みのタイプ」という、いわば恋愛の初期段階のフェーズにおいて、エンジニアの理想はどのくらいかなえられているのか。 　結果はグラフに示すとおり。理想のタイプと現実にギャップが発生しているのは全体の約半数。ということは、タイプだけに限っていえば、半数は理想どおりの恋人を見つけていることになる。ちなみにエンジニアに人気の理想のタイプは、全体の約3割を占める、「明るく活発なタイプ」。
	しかしながら、理想の恋人を見つけられた場合も、そうでない場合も、交際を始めて相手のことを知ってくると、いろいろギャップも見えてくるのが恋愛の奥深いところ。次の項では、恋愛における理想と現実のはざまで揺れるエンジニアの秘めた思いと、その対処法について聞いてみた。

ショッピングや食事など、恋愛の各シーンにおいて、理想としていたイメージと現実のギャップを感じ、とまどったことはないだろうか。ここではその具体的なエピソードを、アンケート結果からご紹介する。

	欲しいものは先に金額などをリサーチし、ターゲットを決めて買いに行くのがショッピング。エンジニアは、価格と質、使用頻度のバランスを重視する傾向に。 とっさに(変なものの)買い物に付き合わされる。なぜついていかなければならないかわからない。なので、ついて行ってから後悔することあり。（38歳 宮城県 光学技術） たくさんバッグを持っているのに、いくらでも欲しがる。そのくせ一度も使っていないバッグがある。軽くはたしなめるが、自分の給料の中からやっていることなので、強くは言えない。（38歳　北海道　システム開発（汎用機系）） 2万〜3万円するただの半そでのシャツにしか見えないものを普通に買うこと。洋服が好きなので何も言わないようにしている。（39歳　東京都　システム開発（Web・オープン系））

	おいしいものを食べられるのであれば、有名であることやオシャレな店であることは優先順位の低いエンジニア。ここでも食事は価格と質のバランスを重視。 はやっているというだけで店を決めてしまうのが気になる。しかしある程度、流行を押さえておく必要はあると思うので、とりあえず行ってみる。（32歳　熊本県　研究、特許、テクニカルマーケティング、品質管理ほか） 食べるものや食べる所に関しても彼女はとにかく高いもの、高級なものが好きで、自分は安くてもうまいものが好きなので困ります。安くてうまいものを食べに連れて行き、なるべくわかってもらうようにしているが、高級なものもたまには食べに行っておく。（39歳　静岡県　システム開発（汎用機系）） ちょっと休みたいだけなのに、高いカフェに入る。ドトールで十分なのに。でも入ったら入ったでゆっくりくつろげるので、これもアリだなと思うようになってきた。感化されてる？（39歳　東京都　システム開発（Web・オープン系））

	せっかくの二人きりのデート。普段忙しいだけに、時間は効率的に使うため、事前に予定を決めて思いっきり楽しみたいもの。 デートコースなど、あらかじめ行動を決めれば効率よく回れるのに、そのときの思いつきであちこちに行かされる。しかし行く場所の先々で喜ぶので、結局、許してしまう。（39歳　神奈川県　パッケージソフト・ミドルウェア開発） 余裕をもって行動したいのに、待ち合わせの時点から常にギリギリで行動する。仕方ないので常に予定の中で優先順位をもうけ、時間がなくなってきたら優先順位の低いものを省いて行動するようにしている。（31歳　大阪府　システム開発（Web・オープン系）） 移動手段やかかる時間について不思議なくらいむとんちゃく。予定を決めさせるとめちゃくちゃで、まずそのとおりに行きたいところに行けたためしがない。まぁ、途中で旅程をあきらめてハプニング的にほかのところを回ったりするのが面白くもあるので、それなりに楽しんでいる。もう慣れた。（36歳　滋賀県　回路・システム設計）

	用件がなく、しかも時間が遅いのであれば、わざわざメールや電話で連絡を取る必要はないのでは。合理的かつ効率的なコミュニケーションが理想。 メールの回数が半端じゃなく多いこと。返信が遅れると、どうしたの？というメールが送られてくるし、内容もたいした意味がないメールがほとんど。しかし怒らすと怖いので、遅れたりした場合は、とことん謝りまくって難をしのいでいます。（28歳　茨城県　回路・システム設計） メールに絵文字を効果的に入れないと、冷めていると怒られる。「面倒くさい」と言いながらもその後数回は気をつけて、相手の様子を見ている。（27歳　埼玉県　回路・システム設計） 毎日時間が遅くても電話しないとふてくされる。ある程度は相手に合わせたが、一定の時間経過後にその点について二人で話し合った。ちょっと改善した。（31歳　宮城県　運用、監視、テクニカルサポート、保守）

	プレゼントは、基本的に「彼女の欲しいもの」を購入するというエンジニアが多いが、やっぱり手に入れるプロセスも理解してほしいのだ。 欲しいものを聞き、店頭になくてもネットを駆使して探し出した。既に店頭販売はしていないものだったのでかなり喜んでくれるかと思ったが、意外と淡白な反応だった……。（37歳　東京都　システム開発（Web・オープン系）） ブランド品はできる限り買わない。手作りできる範囲で、彼女の欲しいものを作成する。彼女は驚いていた。（28歳　群馬県　システム開発（Web・オープン系）） 100円ショップで買ってきたかわいい置物をプレゼントしたところ、ネックレスとか指輪とかがいいと言われた。仕方ないので一緒にデパートに行き、彼女の好んだペンダントを購入した。うれしそうにして、身に着けていた。しかし、自分の価値観との相違にはっきりと気付いた瞬間でもあった。（31歳　埼玉県　システム開発（Web・オープン系））

ここでは、思い描いていた彼女の姿と違う側面を見てしまい、衝撃を受けたエピソードを紹介する。全体的に「おとなしいタイプかと思ったのに」という声が非常に多かった。

前項に続いて、今度は逆に好感度が上がったエピソードをご紹介する。いちばん多かったのは定番である「意外に料理上手」というキーワード。また、自分の知らない知識を知っていることに魅力を感じるエンジニアも多かった。

最後に、理想（想像）とのギャップを感じたあとの、彼女に対する気持ちの変化を聞いてみた。結果はグラフのとおり。逆に好感度が増したのが47％と、約半数を占めている。その内訳として、想像以上だったプラス面だけでなく、一般的にマイナス部分を垣間見てしまったとしても、「部屋が思ったよりも散らかっていたが、自分もわりと部屋は散らかっているほうなので、親近感がわいた。（27歳　埼玉県　システム開発（Web・オープン系）」など、逆に新鮮さや親近感を感じ、好感度が上がったとするポジティブな意見が多かった。 　また、「極限状態の彼女の対応が見られてよかった。（33歳　東京都　システム開発（Web・オープン系）」など、想定外のシーンに置かれたときも冷静に判断し、特に好感度まで影響を及ぼさないエンジニアが多かったのも特徴的だ。

	今回のアンケートから見えることは、恋人との関係性をよくしていくために、さまざまなギャップを冷静に受け止め、逆にポジティブに解釈し、解決策を見いだしていこうとするエンジニアの真摯な姿である。全体的にネガティブなコメントはほとんど見られず、ギャップに戸惑いつつも、そこから新たな知識や経験を身につけようとしているようだ。エンジニアの恋愛に生じるギャップを探った今回の特集。どうやら恋愛のゆくえはとてもまぶしく、そして明るいことがわかったのだった。