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「グダグダ言うな」「寝なきゃできるだろ」etc暴言20連発 ガマンの限界!顧客が悪魔に見えた瞬間
“お客さまは神様です”――社会人になってこう教わった方も多いのではないだろうか? 日ごろよいおつき合いをしていたはずの“あの”お客さまのまさかのひと言。「神様」のはずが「悪魔」に見えたそのひと言。さて、その気になる内容とは……。
(取材・文/川越宗徳 総研スタッフ/山田せいめい イラスト/能美勉) 作成日:04.12.01
その1 ケース別「顧客が悪魔に見えた瞬間」
 今回、「顧客が悪魔に見えた瞬間」を体験したことのあるエンジニア100人にアンケートを実施したところ、右図のように、「仕様変更」「コスト削減」「納期短縮」の3つのシーンが大きなウエートを占めた。そのうち「仕様変更」の場合においては、そのほとんどが納期直前の段階で突発的に顧客から要求されるケースが多いことがわかり、その理由からより、“顧客を悪魔に見えさせている”ことが推察される。今回は上記3つのシーンに加えて、顧客から浴びせられた、「まさしく悪魔そのものに見えた」強烈なシーンを含め、一挙20連発で紹介する。
図1:「顧客が悪魔に見えた」要求内容
ケース1 納期直前、突然の仕様変更に大パニック!
仕様変更での苦労として、ある程度完成してからの顧客からの要求が多いことがわかった。恐らく顧客側も、納期寸前までに他のアイデアを思いついたりしているのだろうが、エンジニアの立場からすると、“ここまででき上がってしまったものを、今更変更するなんて”という気持ちが強く表れている結果となった。
ケース2 容赦ないコスト削減要求に胃の痛みが……
「3〜4割引きは当たり前だろ」という驚くコメントまで飛び出した結果となっている。コストダウンは確かに最重要項目には違いないが、エンジニアにしてみれば、ディスカウントショップでの買い物とは次元が違うことを、顧客にもっと認識してもらいたいのが本音ではないだろうか? またそのほかの傾向として、長い年月の取引を続けている場合に、“いつもたくさん買っているだろう”といったような、ネゴを迫られるケースが多いようだ。
ケース3 ムチャクチャな納期短縮要求にギブアップ寸前!!
どのケースにおいても顧客側からの強引な要求というのが、アンケート全体を通しての結果だが、こと納期に関してはその傾向が如実に表れている。エンジニア側の都合は一切顧みられず、「寝なければ納期に間に合う」などといった、身勝手ぶりなコメントが特にこのケースでは際立っていた。人対人のつき合いの中で、フィフティーフィフティーとはいかないまでも、頼む側の本来しかるべき姿勢というものを、改めて考えさせられる結果であった。
ケース4 顧客のあまりに傍若無人な態度に思わず「悪魔を見た」
「顧客が悪魔に見えた瞬間」で、一番インパクトのある発言を集めてみた。納期、コスト、仕様変更についてのコメントは、それなりに想像できたところもあったが、会社の休業日まで監視されての追及など、中には到底信じられないコメントもあった。顧客側の発注姿勢にも改善すべき点や課題は多くありそうだ。ただしこの後でも触れているが、どのケースにおいてもエンジニアは決してあきらめず、顧客に対し粘り強く対応している。
その2 気になる!?「顧客が悪魔に見えた瞬間」のその後……
 今までさまざまな「顧客」の振る舞いを紹介してきたが、そのような態度を取られた後のエンジニアの対応と、それを受けた「顧客」の反応をまとめてみた。すると、次のようなことがわかってきた。全体の3/4強は顧客の要求に対して何らかの対応が取られている(図1)。このことからもたとえ無理難題をふっかけられながらも、奮闘するエンジニアの涙ぐましい姿が容易に推察できる。

 それに対する顧客の反応として、満足しているのはわずか15%にとどまる。全体の3/4以上が「当たり前」、もしくはエンジニアに対して不満をぶちまけたり罵倒するなど、高圧的な態度で臨んでいる(図2)。顧客サイドにすればお金を払う以上、「望みどおりにいかなければ納得がいかない」という率直な態度の表れなのだろうが、エンジニアにしてみれば、「約束外のことで不満をのべられても」と思わず反論したくなるところではないだろうか。

 このようなやり取りの結果、顧客(の会社)とエンジニア(の会社)の関係が悪化したのかというと、予想に反して半分以上では特に変化がない(図3)。「取引停止」などマイナスに作用したケースは全体のわずか15%、逆に「関係が良好になった」といったプラス面の効果が21%と、意外にも「顧客が悪魔に見えた瞬間」による悪影響は、強く表れなかった。このことからも、どんなに顧客の無理難題な要求に追い詰められても、エンジニアとして精いっぱいの努力をして対応したことが報われた結果が、このデータに表れているといえる。

 顧客からの過酷な要求に日々苦しめられている現場のエンジニアを支えているのは、自分の技術力に対する思い入れと責任感ではないだろうか。ただ、顧客側としても、その担当者の上司からの圧力など、いた仕方ない部分もぬぐうことはできないだろう。それにしても、今回のアンケートのコメントからは、エンジニアの強い責任感がひしひしと伝わってきた。
図1:顧客の要求への対応
図2:対応後の顧客の反応
図3:対応後の顧客とのつき合いの変化
顧客との上手な交渉術とは?
このレポートを通して、「それじゃ、顧客と上手におつき合いするにはどうしたらいいの?」との思いを強く抱かれた方も多くいるだろう。そこで商談交渉に関し多数の著書がある二木氏に、どのようなことを踏まえて交渉に臨むべきなのか、お話を伺ってみた。

物事を円滑に進めることの基本には、準備というものが必要不可欠だと私は常に訴えかけています。こと、交渉術においても、これは大変重要な位置づけにあるのです。なぜなら、この準備行為には、精神面での余裕、トラブルの未然防止というメリットがあるからなのです。実践的にいうならば、準備することによって、ケースに応じた対応が取れるということなのです。つまり、交渉相手の情報を常に調べておくことが求められているのです。

人間性にもさまざまなタイプがありますし、また、企業にも官庁的な決定が遅いタイプから、できたばかりのITベンチャー企業のように決定は早いが変更も多いなど、それこそ多種多様だからこそ、このような情報を会社組織としてデータベース化する必要があるのだと考えます。そのうえそうした準備をすることによって、逆にトラブルに対する心構え的な一面も用意できるはずです。また、実際に交渉をしている営業の人間との交流も大切な要素の一つといえるでしょう。ですが、準備をしたにもかかわらず、やはりトラブルに見舞われることも少なくはありません。このようなときは、言葉を慎重に選び、内容をきちんと説明し、顧客側とこちら側共にプラスになるような選択をすることがベストと言えるでしょう。

二木紘三氏
二木紘三氏
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。出版社に就職し、2年半ほど編集業務を務める。その後、フリーとなり文筆業に専念している。主な著書に『交渉の技術がみるみる上達する!』(日本実業出版社)など多数。
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山田せいめい(総研スタッフ)からのメッセージ
私も今までにいろいろなアンケート結果を見てきましたが、今回の結果は正直、度肝を抜かされました。レポートで紹介したコメントももちろんですが、その瞬間のエピソードの、あまりに“シビア”な内容にあぜん……。思わずイラストのイメージについて、「ドロドロしたイメージでお願いします」と頼んでしまいました。

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