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口先だけのアイツがなぜ出世する!エリート同僚への嫉妬心★攻略法 口先だけのアイツがなぜ出世する!エリート同僚への嫉妬心★攻略法
口先だけのアイツがなぜ出世する!エリート同僚への嫉妬心★攻略法
口先だけのアイツがなぜ出世する!エリート同僚への嫉妬心★攻略法

「アイツばかりいい思いをしやがって」職場でふつふつと沸き起こるエリート同僚への嫉妬心。認めたくはないけれど、「ねたみ心」に振り回されるのはなおツライ。思わず職場で感じてしまう「嫉妬」について研究してみました。
(取材・文/長谷川恵子 総研スタッフ/木下ミカエル)作成日:03.12.10

(イラスト/サダヒロカズノリ) 
【Part 1】「アイツ、許せない」と感じたエンジニアたちは……
嫉妬心が高じて「会社を辞めた」ケースも

「同僚より発言権が低い」と感じた30歳・研究開発エンジニアのNさん

「同報メール作戦」で反撃
 Nさんは、電気メーカーの研究開発エンジニア。同じフロアで仕事をする同僚のSさんは製品担当のエンジニアである。Sさんは、担当した製品の売れ行きが好調なこともあって普段から発言力が強く、Nさんよりも、皆にチヤホヤされているとのこと。

 ある日、来年発売予定の製品に関する会議が開かれ、そこに搭載する機能を巡ってNさんとSさんの意見は真っ向から対立した。
「冷静に考えれば、周囲もSの意見が正しいとはいえないはず。でも、みんなが支持したのはSの意見だったんです」

 しかし、腹の虫が治まらないNさん。関係者に同報メールを送り、Sさんの見解の甘さや自分の発言の正当性を主張。BCCを使って、会議に参加しなかった上司にも成り行きがわかるようにした。……が、消耗した部分も大きかったらしい。
「その一件でしばらく業務に集中できなかったのはけっこう痛かったですね」

「同僚よりも低いポストしかもらえない」と感じた33歳・SEのWさん

勢いで、会社を辞めてしまった
 ソフトハウスに勤務するWさんは、あるメーカーに常駐して業務系システムの開発を行っている。顧客からの信頼は厚く、担当外のことでもいろいろ相談をもちかけられる状態。一方、同じ会社に常駐する同僚のTさんは自分の担当を淡々とこなすだけというドライな仕事ぶりで、影も薄い。

「ところが、そういう普段の姿を知らない上司は、Tにばかり目をかけるんです。もともとその上司は学歴など表面的なことにこだわるタイプなので、Tの出身校や、もっている資格の数に一目置いているんですね。1年前、同期の中でTが真っ先に主任になったときは『なぜ?』と思いました」

 上司に直訴したり、職場で周囲に成果をアピールするなどの努力もしたが、手ごたえなし。結局1年たっても主任になれなかったWさんは会社への憤りが募り、勢い余って昨年末ついに退職してしまった。しかし、依然として求職中の今は、後先考えずに辞めたことを後悔している。
軽視できない、エンジニアの「認知欲求」
 アメリカの心理学者、アブラハム・マズローが人間の欲求について説いた「欲求5段階説」によると、認められたいという「認知欲求」は、衣食住(それを支える金銭も含む)といった生理的欲求などよりも高次元な(優先順位が低い)欲求とされる。

 だが、プライドをもって仕事に臨むエンジニアにとって、「職場で認められること」はお金と同等、それ以上の価値を持つ場合があり、そこに根ざす「嫉妬」という感情は意外に軽視できないのかもしれない。Part2では、その実態に迫ってみよう。

【Part 2】  実はエンジニアこそ、嫉妬深かった!?
 Tech総研編集部では、30代のエンジニア300人を対象に、世界初?の職場で抱く「嫉妬」に関する調査を実施。どんなことで嫉妬を感じるのか。どう対処しているのか。貴重な(ときにはちょっと怖い?)発言が集まった。
6人に1人は「最近、よく嫉妬する」
Q1.最近、職場の人に、嫉妬するときがありますか?
Q2.相手の何に嫉妬しますか?
第1位…給与や周囲からの評価
「実績以上に給与や周囲からの評価がいい」(システム開発・33歳)
「口先だけで仕事をして、良い評価を得ている」(回路設計・38歳)

第2位…役職や権限
「自分のほうが知識・能力が上なのに、相手の上司に力があり先に昇格してしまう」(33歳・製品評価)
「自分のほうが的確と思われるポジションに別の人間が就いている」(素材関連・39歳)

第3位…仕事内容
「常に新製品を担当している」(テクニカルサポート・36歳)
「旧態依然とした保守的な作業に携わらず、先端領域の仕事を任される」(システム開発・38歳)
「最近、職場の人に嫉妬するときがあるか」との問いには、半数に近いエンジニアが「ある」と答えている。約6人に1人(18%)が、「非常によくある」「よくある」と答えている。妥当な数字にも見えるし、認めたくないだけで、本当はもっといるのかも?とも思える。微妙な結果だ。ただし「全くない」と言い切ったエンジニアは12%だけ。程度の差こそあれ、ほとんどの人は心の中にモヤモヤを抱えているのかもしれない。

 嫉妬の中身に関しては、やはり「給与・評価」がダントツ。次いで「役職・権限」「仕事内容」の順だった。

ねたみはコワイ!? 3割近くが「反撃したい」
Q3.嫉妬する相手への「ねたましさの度合い」は?
Q4.嫉妬した相手にはどう反撃した?

シカト型
「相手にトラブルが起きても手伝わない」(ネットワーク設計・33歳)

妨害型
「雑用をまわす」(システム開発・39歳)
「相手に不利益なことを、周りの人に話す」(システム開発・31歳)


徹底攻撃型
「上司に、会社に対する背任行為をしていることを暴露した」(素材関連・34歳)
 編集部ではさらに、エンジニアの「ねたみ度」を勝手に設定。ねたみの激しさを5つの度合いに分けて質問した。すると、相手に何らかのかたちで不利益をもたらしたいと考える「ねたみ度60%以上」の人が、3割近くも!
 もちろん、「何もしない」(生産技術・34歳)というオトナな態度を選ぶ人たちもいるが、だれでもいつ何時振り回されないとも限らないのが「嫉妬」という感情のコワイところ。
 ちなみに、相手への「ねたみ度80%以上」と答えた中で「これから攻撃に出る」(機械設計・31歳)と答えたエンジニアもいた。一体、何をするつもりなのだろうか……?


エンジニアがいちばん許せないのはどんな人?
 周囲には「エリート」と評されている同僚でも、嫉妬する立場になると素直に認めるのは難しいもの。「あいつは○○がないくせに」とつい相手の欠点を指摘したくなったりする。

 今回実施した調査によると、エンジニアが「職場でいちばんねたましいと感じる相手」と答えたのは、「技術力がないのに、得をしている人」「人間性・常識に欠けているのに、得をしている人」(どちらも28%)が並んでトップだった。
 あなたなら、どんな人がいちばん許せないですか?

職場で「最もねたましい相手」をひとり選ぶとしたら?
【Part3】  「認めたくないけど、嫉妬した」とき、どうする?
エンジニアの声から探る「嫉妬心の攻略法」
 最近、企業では、社員の給与、昇進の早さ、任せる仕事内容などに意識的に大きな差をつけて、エリートと非エリートを選別しようとする動きが目立つようになった。エンジニアの嫉妬心は、ますます「あおられやすい」状況にあるのではないだろうか。

 Part1の事例のように思わぬデメリットを被らないようにするためにも、エンジニアのコメントから、嫉妬心とのつき合い方を考えてみた。

「自分がイチバン」と自己暗示

「今の仕事は自分でなければ(できない)、と思い込む」(システム開発・33歳)
「自分はついている、と思い込むこと(統計学的にもそうらしい)」(システム開発・34歳)

やっぱ、根回しでしょ

「うらやましいと思ったときに、同様のことが自分でも起こるように画策する」(プロセス開発・31歳)
「常に職場の仲間と仕事以外でのつき合いの時間をとる」(機構設計・34歳)
「つき合う相手を考える」(システム開発・36歳)

別の分野で勝ちにいきます

「違う面で認められるように頑張る」(医薬品関連・30歳)
「自分に集中して、自分だけにできることを見つける」(ネットワーク設計・39歳)

えーい、もう味方にしてしまえ

「相手の長所を認める」(回路設計・30歳)
「相手の優れた面を学び、それを超える努力をする」(研究・39歳)

これができれば、イチバンなんですが

「自分の姿を見直す」(医薬品関連・35歳)
「マイペース」(システム開発・34歳)
「自助努力、向上心の維持」(研究・36歳)

嫉妬の中身から「職場の健康状態」がわかる?
 コメントの中で気になったものがある。「あまりに醜い人事をやめればすむこと」(テクニカルサポート・39歳)と職場の問題を指摘する声だ。

 嫉妬によってエンジニア同士が切磋琢磨でき、個々の成長がうながされるような環境なのか。ねたみ、そねみによる足の引っ張り合いが横行し、エンジニアを腐らせる環境なのか。
 つい抱いてしまった嫉妬心と向き合えば、職場環境のよしあしも見えてくる!?

『嫉妬学』の著者、和田秀樹氏がすすめる嫉妬心とのつき合い方
『嫉妬学』の著者、和田秀樹氏がすすめる嫉妬心とのつき合い方

『嫉妬学』日経BP社 
『嫉妬学』の著者、和田秀樹氏がすすめる嫉妬心とのつき合い方
嫉妬したら「キャリアアップのチャンス」と考える
 嫉妬とは、「相手のほうが自分より勝っている」と感じるときに沸き起こる、ある種の不快感、攻撃的感情のことです。
和田秀樹(わだひでき)氏 和田秀樹
(わだひでき)氏


精神科医。心理学、人材開発、大学受験などのフィールドを中心に、テレビ、ラジオに出演、雑誌や数多くの単行本を執筆し、精力的に活躍。
公式サイト『ヒデキワダドットコム』http://www.hidekiwada.com
 嫉妬の解消法には二通りあります。ひとつは相手をダメにして相対的に勝とうとすること、もうひとつは自分が頑張って相手を抜こうとすることで、「発展性のある嫉妬」といえます。

 本質的には、嫉妬は一概に悪いものとはいいきれません。中村修二氏や田中耕一氏のような内発的な強い動機のある人を除き、人は「勝ちたい」という思いがなければ技術的な向上も難しいからです。
 ですから嫉妬そのものを悪いと思わないことですね。負けても悔しいと思わない、向上心のない人のほうがむしろ考えものです。

動機がなんであれ、自力で成果を出した人の勝ち
 では、悔しさに振り回されそうになったらどうするか。嫉妬は相手に対し逆転可能だと思えるときにこそ感じる感情。このことを再認識し、「足を引っ張る型」でなく、「自分が勝とうとする型」へ自分の心持ちや態度を切り替えられるかどうかが重要です。

 嫉妬心で頑張るのは動機が不純だ、などと思う必要はありません。仕事というのは動機が何であれ、その結果で判断すべきものなのですから。

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木下ミカエル(総研スタッフ)からのメッセージ
周囲からよく「マイペースだね」と言われます。同僚に嫉妬しないほうだと思いこんでいたのですが、テーマを研究しながら、「正直にこれまでを振り返ってみると、意外とそうでもないかも」と感じてドキッとしたりもしました。
みなさんの場合はどうですか? ご意見・ご感想をお待ちしています。

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