リクナビNEXTジャーナル

キャリア・ビジネスの情報満載【リクナビNEXTジャーナル】

フルタイムで働く母親の「夫」ってどんな人? 妻から夫へインタビュー

働くママたちのコラム

pocoさんの夫

最近、何かと注目されがちな「ワーキングマザー」ですが、そういえばワーキングマザーの夫も、ほとんどの場合「ワーキングファーザー」ですよね。働きながら子育てするのは大変なんだけど、いま続々と働き始めている母親たちの「夫」もまた、違った意味で(あるいは同じ意味でも)大変だと思います。

実際のところ、どうなんだろう? 女性には分からない葛藤があったりするのかしら。あるいは、個人の感情としては同じで、周りからの見られ方だけ違うのかな?

そんなわけで、フルタイムで働く母をやって2年近く経ったわたくしが、夫のぶっちゃけ話を聞いてみよう、というのがこの企画の趣旨です(写真は夫本人です)。

 

ひとつの事例でしかないのですが、夫は、

「育児・家事をまったくしないハード&ロングワーカー」→「ひとりで半年、乳児の面倒を見た」→「今は働きながら妻と家事育児を分担」

と、比較的いろいろな経験をしてきているので、良いサンプルになるかもしれません。さっそく聞いてみましょーう。

 

▼ 自分の時間なんて全然なかった 

 ええと、やっぱり簡単に自己紹介ですかね?

 適当に書いといて(笑)

 はいはい。夫は建築デザインの仕事をしています。自営業です。

 

 ではさっそく。子供が生まれてから半年は私が面倒を見ていたんだけど、その後の半年はバトンタッチしたよね。そのころって、どんな感じだった?

 休みに入るまでにちょっとずつ仕事を減らしていたので、違和感はなかった。むしろずっと忙しすぎたから、ちょっと休める、自分の時間が持てる、と思ってたくらい。

でも始まってみるとほんと大変で、自分の時間なんて全然なかった。もう少し勉強したり、本を読んだりする時間がとれるんじゃと思っていたけど、全然だめだった。育休中、何もできないと聞いて「まさか」と思ってたけど、本当だった。同業者はバリバリ働いているのに、自分だけ取り残されているような気がした。

 私と同じだ(笑)。こま切れの時間はできるんだけど、10分とか15分とか、ほんとこま切れな上に不定期だよね(笑)。できて息抜きくらい。

 

▼ ママ友・パパ友は欲しい? そうでもない?

 子育てしていて、困ったことはあった?

 子供とふたりっきりでずっと家にいるのは無理だから、児童館とかスタバとか、行ける場所を探してどんどん出ていった。児童館みたいなところに行っても(ママたちに)警戒されるので、ママ友コミュニティみたいなのには入っていかなかったけど。

自分の場合、育児の話だけというコミュニケーションは求めてないので、ママ友・パパ友が欲しいとかは無かった。仕事観が一緒で、かつ育児もしてる人なら会ってみたいけど、見たことないよね。たぶん、男って単純に群れたいという気持ちは薄いと思うし、孤独でも気にならないんじゃないかな?

 そんなもんかね。でも、私も普段からママ友と交流したりしてないかも。

 ママ友って、核家族だったりして情報がなくて困ってる人が集まって助け合うものなんだと思う。あと、夫の愚痴を言ったりとか(笑)。自分の場合は妻に全部相談していたし、正直困っていなかったので、ママ友の必要性って分からなかった。たぶん、配偶者が相談に乗れる場合、ママ友って必要ないんだと思う。

 今はネットで情報集めたりもできるけど、育児での心の支えは必要なのかなと思うね。理不尽だったり、無性に腹立つこととかあるしね。

 

▼ 向き不向きで考えると、役割も固定してしまう

 嫌なことは無かった?

 どこに行っても同情されるか、「パパが面倒を見るなんて良いことだ」と言ってもらえるので、正直、悪い気はしなかった(笑)。一度だけ、バス停でおばあちゃんに(子供が)靴下をはいていないことを指摘されて、「こういうことは男の人には分からないからね」と言われてムカついた。

 ああ、そんなこともあったね。本人は、「あなたの責任じゃない」くらいの気持ちで言ったのかもしれないね。でも、面倒見てるのは俺だぞっていう(笑)。そういう人の夫が会社の重役だったりする、って考えると、暗澹とした気持ちになるね。

 男女でやれることの向き不向きっていうのは、ざっくりとは存在していると思うんだけど、まあそれに関係なく、一応なんでもやれるじゃないですか。「向き不向き」のところを固定して考え始めると役割も固定してしまうし、ますますやれることが偏っていくと思う。

 向き不向きで言うと、私も最初は「私、子育て向いてないわ」と思ってた(笑)。そういえば、夫も最初は危なっかしい感じだったのに、いつの間にかちゃんと「(目が行き届いているという意味で)ママ的パパ」になってたね。なにかきっかけはあったの?

 ないけど……ほんとに覚えていない。

 そうなの!?

 ずっと近くで見ていると、勝手に分かるようになってくるんだと思うよ(笑)

 母親と一緒だ!

 

▼ 子供と向き合った経験を経て、仕事でプラスにつながったこと

 半年間、仕事は実質ほとんどやれなかったと思うんだけど、子供と向き合ったことで仕事のプラスになったことはある?

 子供を持っている家庭の状況とか、社会福祉とか、地域社会とか……抽象的にしか捉えていなかったことがリアルになったこと。実際の課題が具体的に描けるし、そういうテーマの提案でもぐっと説得力が増すと思う。今は(男性の育児参加の)過渡期だから、自分のような経験をしたことは売りになるな、と。これから売りにしてみようかな、と(笑)

 1歳で子供を保育園に預けることにして、仕事に復帰したわけだけど、すぐに仕事モードに戻れた? 前と変わったことはある?

 少しずつ続けていた仕事があったので、スムーズにそっちに移行した。その後、仕事がたくさんできたので、結構あっという間に前の感覚に戻った。忙しいときは以前と変わらないし、時間があるときは子供の面倒を見る、という感じ。

今はもうちょっと仕事の時間がほしくて、時間の使い方がうまくいってないかなと思ってる。自分のような仕事だと、興に乗るまで時間がいるし、打ち合わせの時間が深夜だったりしてマチマチだし、気持ちの切り替えが難しい。夕方に一度帰って一緒にご飯食べて、お風呂に入れて……で集中力が切れてしまうと、結構なロスになっちゃう。子供は朝方の生活なので、早朝型の方が良いのかもしれない。

あと、やっぱり今でも同業者に置いていかれるんじゃないかっていう感覚がある。(自分の業種で)成功しててイクメンやってる人を知らないから、もっともっと仕事しないといけないんじゃないか、と思ってる。

 激務だしねえ。ヨーロッパは状況が違いそうだけど、やっぱり身近な人で比べるよね。

 国内にいて、国内の仕事をしてるわけだしね。

 

▼ 子供がいる人生を選ぶ

 世間の「イクメンパパ」について、どう思う?

 どうって、別にみんな大変なりにがんばってるんじゃないかな? 身の周りにまったくいない。ていうか、ほんといないよね、イクメン。身の周りで会ったことない。自分なんか珍獣扱いだもん。

夫が大黒柱でも、みんな育休とって子育てを経験してみるべきだと思う。正直に言えば、育児してみるまで自分の母親(専業主婦)はかわいそうだと思っていた。でもやってみたらすごく大変で、同時に、やる意味とか価値とかが見えてきた。

あと、子供がいることでなくなる時間は、合理的に考えると仕事にとってマイナスなんだけど、子供がいないと社会が続かないでしょ。だから子供がいる人生を選んだ。

 

 ついでに聞いちゃうけど、二人目とか考える?

 うん、ちょっと今の状況だと難しいっすね、正直。

 あ、やっぱりそうですよねー(ハハハ)

 子供が二人いたら楽しそうだけど、確実に今よりもさらに仕事しなくなると思うので(笑)。主夫になってしまいそう。

 それはそれで?

 だめでしょ(笑)

 ですよねー(ハハハ)

 逆に、主夫と結婚したかったわけじゃないでしょ(笑)

 そうだね。やっぱりお互い仕事の話ができるのがいいと思ってる。育児も含めて共通の話題はありまくるので、それはそれでいいのかもね。

 

* *

  

想像はしていたけど、仕事の面でも育児の面でも、「自分と同じだ」と思うことばかりでした。普通に男女とも働いて、同じように休みをとって子育てするわけだから、同じなのは当然といえば当然なのかもしれません。

ちょうど、前に書いた記事が「母親目線での共働き育児」でした。

ワーキングマザーになるべきか迷っているあなたへ。私が「やっていける」ようになるまで - リクナビNEXTジャーナル

ワーキングマザーになるべきか迷っているあなたへ。私が「やっていける」ようになるまで - リクナビNEXTジャーナル

夫の場合は自営業なので、「会社での見られ方」などの課題がないのですが、会社員の方の、しかも社内で出世していきたいと思っている方の苦労は、また別にあるだろうなあと思いました。

働いていても「育児をすることが当たり前」な女性も大変なんだけど、育児をしない人がまだまだ多い男性が働きながら育児をするのも、また大変。どちらの側も、実際に事例が増えていくことが、ひとつの解決策につながっていくのだろうと思います。

 

それにしても……二人目の壁は……厚い……(ガクッ)

著者:poco (id:glasstruct)

id:glasstruct profile

アラサーのサラリーウーマン。業界人にまみれた仕事漬けの日々から一転、子育てを始めるとクリーンな世界が眩しいっ。共働き子育てや建築デザインなどについて、ブログ「glasstruct log」に綴っています。

 

 >>「働くママたちのコラム」はこちら

働くママたちのコラム