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設立から2年。秋田・青森・会津・岩手・岐阜と活動エリア拡大

東北全体が
“アプリ開発のメッカ”となる日

東日本大震災を機に設立されたFandroid East JAPAN(FEJ)。間もなく設立から2年が経過しようとしている中、本部のある仙台だけでなく、東北全体に活動拠点を広げている。今回はその中から昨年、設立された秋田支部の活動をクローズアップしつつ、FEJの今後の動向について探ってみたい。

(総研スタッフ/山田モーキン) 作成日:13.04.12

設立から間もなく2年。秋田支部の事例から探る、FEJ活動の軌跡


画面左:Fandroid EAST JAPAN事務局 理事長 原 亮氏
画面右:FEJ 秋田事務局 長谷川敦(株式会社トラパンツ代表取締役)

2011年6月、東日本大震災を機に設立されたFEJは当初、仙台のIT企業や各種団体、個人が集まり「Android開発で、東北に新たな産業を興す」目的で活動をスタートさせた。
活動目標は「3年間で技術者3倍増(輩出目標100名)、アプリ100本リリース」。
その後、「タンシェルジュ」「脳波SPORTS」などの人気アプリを中心に、これまで40近いアプリを生み出した。さらに活動拠点も青森・会津・岐阜・岩手・秋田と着々と支部を増やしつつ、クラウドファンディングによる資金調達の目処がついたことで、法人化への動きが今後、加速しようとしている。

このように設立2年で着実に活動実績を残しつつあるFEJ。今回、FEJの活動によってもたらされた具体的な影響や成果を探るため、秋田事務局の代表を務める長谷川氏、そしてFEJ理事長の原氏の両名の話から、秋田支部の活動ケースにクローズアップしたい。

ひとが交流する。育成する。秋田におけるアプリ開発改革がスタート


昨年、開催された秋田支部キックオフイベントの様子

昨年の10月に設立された秋田支部。そのきっかけは「FEJ本部からの打診」だったという。
「スマートフォンの急速な普及に伴い、以前からアプリ開発をやっていきたいという思いはありました。しかし秋田では横のつながりがなくて、なかなか本格的にアプリ開発しようという機運が盛り上がらなくて。そうした状況で声をかけてもらえたので、大きなチャンスだと感じました」と当時を振り返る長谷川氏。
その後、秋田市内を中心にIT企業やエンジニア・デザイナー個人に声をかけた結果、20名近いメンバーが設立時に集結した。

「秋田は社員10名未満の小さなWeb・システム制作会社が主体で、それぞれ単独ではアプリ開発だけに注力することは難しい。そこでFEJの後ろ盾を生かして、アプリ開発のハードルを下げることができるのは、われわれにとって大きなメリットです」(長谷川氏)
設立総会では、100名を超える参加者が集まった。この数字は、秋田で開催される規模としてはかなり大きなもの。つまりそれだけ地元の期待が高いことを示している。

設立後、秋田支部がまず力を入れているのは勉強会やセミナーの開催を通して、メンバー同士の交流や人材の育成だ。そもそも横のつながりが希薄だった地域だけに、メンバー同士の交流を深め、秋田として今後、どんなアプリを創っていくのか、基本的な方向性を見出そうとしている。また県からも、雇用創出の期待から各種会議の開催等で支援を得ているという。

青森・会津・岩手・岐阜。FEJが仕掛ける各支部の戦略

「秋田をはじめ、地方都市で決定的に足りないもの。それは“刺激”です」と語るのは、FEJ理事の原氏。今回紹介した秋田支部においても、FEJとしてまず手掛けたのは「外部の人間を積極的に秋田に呼んで、講演を通じて接点を生む」というもの。秋田支部キックオフイベントでは、面白法人カヤックの柳澤代表を招いたトークセッションを行うなど、Web・アプリ開発の最先端を走る経営者・技術者の話を共有する場を作ることで、アプリ開発のきっかけを作っていく。それこそ、FEJの大きな役割だ。

「実は今度、“秋田IT県人会”というのを東京で開催する予定です。現在、東京で活躍している秋田出身のエンジニアやデザイナーには、できることなら地元に戻って仕事がしたい、という思いを持っている方が少なくないと考えます。そうした方々にもFEJの活動に関心を持っていただきつつ、ゆくゆくは秋田で活躍できるチャンスを提供できるようにしていきたいと考えています」(原氏)

このように秋田県内外で人と人との交流を活発化させることで、アプリ開発体制の強化を図ろうとしているFEJだが、すでに先行して活動している他の支部では、それぞれ特徴的な動きが見えている。
例えば岩手支部では、岩手県立大と共同で3Dコンテンツを開発するための活動を強化したり、会津支部では、幹事企業が「キネクト」を活用したアプリ開発を手がけたり、仙台のメンバーとともに脳波アプリ開発に注力。
またスマホアプリ開発が盛んな大垣支部では、岐阜県庁との連携でイベント開催を継続しているほか、福島・南相馬のエンジニア5名が大垣で2カ月間アプリ開発の研修を実施する際の橋渡しを行うなど、人材育成の面で積極的に取り組んでいる。


FEJがこれまでリリースしてきた主なアプリ一覧

“東北でアプリを作りたい”というエンジニアを生み出すきっかけの場にしていく


「“東北でアプリを作りたい”と思う若い人を今後、続々と生み出していきたい」と熱く語る原氏と長谷川氏

このように設立から2年で、FEJの活動範囲は着実に広がりを見せ、また地方自治体や教育機関との連携により、各支部が専門分野で独自のアプリ開発や人材育成を展開。まさにこれからが、目に見える成果として続々と現われてくると、原氏は期待している。

また最近では、FEJの活動によって新たな動きが生まれつつあると原氏は語る。
「最近、東京のIT・Web企業を中心にFEJを通して“東北で何か事業をやりたい”という相談を持ち込まれるケースが増えてきています。つまりこれまでの“ボランティア・復興支援”という目的から、あくまで“ビジネス”として成功させるチャンスが東北にはあるという視点で、注目を集めているんですね。これまでFEJが人や物・情報に関して、東北中に巻き込んで活性化させてきた結果、そうした視点を持った企業が、相談相手にFEJを選ぶようになったと考えます」

今後、FEJがさらに発展していくために必要なこととして、原氏が掲げるテーマは。以下の点。
・自走する意識とスキルを持ち、エンジニアが積極的にコミットしていく姿勢を持つこと
・地域や組織の枠を超えて、積極的に対話を仕掛けていく
・未来を大胆の思い描き、若者が夢を挑戦できる東北にしていく

そしてゆくゆくは東北という地で、ITやWebアプリを生み出したいという思いを持つ人を生み出すきっかけを生み出す場にしていくことが、最大の目標だ。
今後、FEJがどれだけの人を巻き込み、そして東北独自のアプリを生み出していくのか?また東北は“アプリ開発のメッカ”になれるのか?ますます加速する活動に、注目していきたい。

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