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超こだわりの“一筋メーカー”探訪記 この分野なら任せなさい! |
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江戸箒一筋182年!
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料理人から箒職人へ、天保元年創業の老舗で江戸箒をつくる
軽くて、簡単に使えて、装飾が少ないことが「江戸の粋」
![箒](../contents/ts_report/img/201212/002254/body1.jpg)
売れ筋商品のひとつである「極上」の手箒
「取材のときには経歴を説明するのがちょっとね。『父親が箒の職人でずっと見てきました』とか、『昔からこの道しかなかったんです』みたいなことを期待されるでしょ。僕は『箒って売れるのかよ』と思いながら入ってきましたから(笑)」
こう語るのは白木屋中村傳兵衛商店の箒職人、神原良介氏だ。東京・赤坂生まれの33歳。父親は草履のすげ(鼻緒の調整など)の職人で、モノづくりには昔から興味があったが、大学卒業後は主に居酒屋で料理人として働いた。神原氏は「ね、普通の兄ちゃんでしょ」と微笑む。
あるとき、父親と仕事でつながりのある白木屋中村傳兵衛商店に「やってみないか」と誘われて、3年半前に「そのままなんとなく」入社したという。
同社の箒は「江戸箒」。天保元(1830)年創業の白木屋中村傳兵衛商店が、江戸後期に「開発」した。「ホウキモロコシ」という草の穂を使い、柔らかくて、コシのあることが特徴。力を入れずにササッと掃ける。
「箒には地方ごとに文化があって、幅が広かったり、きらびやかな材料を使うものもあるのですが、江戸箒の特徴は軽くて、ちゃちゃっと使えて、装飾が少ないこと。これが江戸の『粋』だったのかもしれませんね」
対面販売も仕事の魅力、お客さんに箒のよさを伝えたい
![]() 株式会社白木屋中村傳兵衛商店 |
同社の箒職人は頭(かしら)の高木清一氏を筆頭に、若い女性職人2人と神原氏の合計4人。普段は作業場で箒をつくっているが、デパートの催事場などで実演する対面販売にも出向く。1年に20〜30回あり、1回の実演が約1週間。神原氏も北海道から九州まで回ったという。 箒の質の差は写真に出にくく、文章でも伝わりにくい。実際に手にして掃いてもらうのが一番だと神原氏は語る。そのため、実演の際に小さな畳板を用意して、お客さんにその場で使ってもらっている。 |
職人が「手箒」づくりを実演、手足を使って編み上げる
穂の「草選り」から始まる箒づくりの工程
先のように箒の素材には「ホウキモロコシ」を使う。茨城県の特定の農家に委託して栽培してもらっている貴重品だ。一方、日本の種をタイへ運んで栽培し、輸入したものも使用している。タイには雨期が何度かあるので年間を通して収穫できるが、国産品の収穫は年に一度なので、どうしても量が少なくなるという。 |
![]() 草選りされた後にまとめられた穂 ![]() 麻糸を編み上げて「玉」をつくる ![]() 紐で玉を縛る「胴締め」 |
「玉」は「耳」が重要、できないと「長柄箒」にいけない
![]() 4つ玉がある手箒。右端の大きめの玉が「耳」 ![]() 両端にある長柄箒の「耳」 |
芯となる中心の穂を決めると、その周囲に別の穂を巻くようにして全体を編み上げていく。糸は常に張った状態にしておき、しっかりと巻きつける。そうしないと完成後に緩んでくる場合があるという。そのため、麻糸は小さな柱に巻き付けて引き出し、手と同時に脚も使い、場合によっては体重を掛けて巻く。 もうひとつ大切な理由は、手箒で耳がつくれないと「長柄箒」へといけないこと。なぜなら、手箒は耳がひとつだが、長柄箒は両側に2つあるからだ。 |
今は「特上」までを担当、草選りができてやっと頭の半分
最初につくった箒は取ってあるが、「誰にも見せません」
耳が終わったらほかの玉を編み上げ、全部を太めの紐で縛る「胴締め」を行う。その後は根元の茎の中心部分を削って、先を尖らせた竹の柄を差し込み、ハンマーで打ち込む。周囲の茎を柄に巻きつけるようにして紐で縛り、穂と柄を固定させる。 |
![]() 竹でできた柄を差し込む ![]() 横糸をつけていく ![]() 店内の壁にかけられたさまざまな箒 |
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超こだわりの「一筋メーカー」探訪記
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