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サイバーエージェント、pixiv、チームラボの人事部に聞く!

あのIT企業が今年採用した
「凄腕エンジニア」の履歴

スイス出身、Android開発のスペシャリスト。WebGLを自在に操る、国内屈指のJavaScriptエンジニア。Twitter bot開発のプロ。さまざまなハイレベルなスキルを持つエンジニア3名の採用事例について、紹介したい。

(総研スタッフ/山田モーキン) 作成日:12.10.03

 サイバーエージェント・ピクシブ・チームラボ 3名の凄腕エンジニアを紹介

2012年上半期を振り返って、注目のIT企業3社に、期待の中途入社エンジニアを紹介してもらった。今回、彼らの特筆すべき強みと、その強みを見抜いた上で、最大限にその能力を活かそうとする各社の取り組みについて紹介しよう。

圧倒的な開発スピードと貢献マインドを持つ、Androidプロフェッショナル 
株式会社サイバーエージェント

独自のライブラリーまで構築するほど、Androidの豊富な知識と技術力で絶対的な存在に


株式会社サイバーエージェント
Boos Patrick氏

スイス出身のPatrick氏は15歳のころからアジアに関心を持っていた。そしてプログラミングにも関心を持ち、大学で学びつつ、インターンシップで初来日。「2カ月ほどWebショップサイトの作成をしたり、日本語の勉強をしたりして日本が好きになり“絶対に日本に戻ってきたい!”と思っていました」と当時を語るPatrick氏。その思いが強かったからなのか、大学卒業日のその日に、日本のWebサービス企業への入社式に出席したのだ。

入社後は1年半、Android向けの開発を中心にサーバーサイドも含め、Webサービスの開発ノウハウを吸収していったが、ある時転職を決意する。
「社内の組織体制が大きく変わったタイミングで、もっと自分が成長できる環境を求めて、今年になって転職しようと決めました。その中でサイバーエージェントを選んだのは、多くの優秀なエンジニアがいて、なおかつさまざまなWebサービスをこれから続々とスタートアップさせていくことに、大きな関心を持ったことですね」

そして今年3月にサイバーエージェントに入社したPatrick氏は、早くもその非凡な才能や技術力を発揮することになる。
まず彼が携わったのは、「パシャオク」と呼ばれる、新感覚のソーシャルオークションサービス。当時、iOSとAndroid両方の開発が進められていたが、ことAndroidに関しては圧倒的に遅れていて、リリース延期せざるを得ない状況に追い込まれていた。そこに、いきなりチームリーダーとして参加することになったのだ。
「テスト環境が整備されていなかったり、無理に既存のフレームワークを活用することで、効率的な開発が妨げられていたり、多くの要因が開発の遅延につながっていました。そこでテスト用のサーバを構築することで、アプリの中で直接コードを書かずにテストができる環境をつくったり、独自のフレームワークを一から開発し直して、より機能的かつスピーディな開発体制を再構築することに、全力を挙げて取り組みました」

その結果、わずか2カ月弱で開発環境は劇的に改善。なんと順調に開発が進んでいたiOSよりも先にリリースすることに成功したのだ。
その上、そこで構築したAndroid向け開発の手法やノウハウをすべてライブラリに保存し、社内のほかの開発プロジェクトでも活用できるようにしたことで、すでに社内では「AndroidのことならPatrickに」と呼ばれるほど、絶対的な存在となっている。
「私が目指すのは、早くて、きれいで、いいアプリをつくること。そのために私だけでなく、多くの人の助けになれば嬉しいです。今後はAndroid以外の新技術も積極的にキャッチアップしていきたいですね」と、Patrick氏はさらなる活躍を目指している。

圧倒的なスピード+技術力+カルチャーマッチ。Patrick氏を採用した意図


株式会社サイバーエージェント
ネットビジネス総合事業本部
技術人事局
齋藤麻衣子氏

「採用セミナーで最初に彼と面接をしたとき、すぐに技術力の高さを実感しました」と語るのは、Patrick氏の採用に関わった齋藤氏。同社の面接では、Web技術など難易度の高い質問が応募者に投げかけられ、多くの応募者は半分も答えられないという。しかしPatrick氏の答えはほぼパーフェクト。
「さらに当社では外国人採用も積極的に実施していますが、特有の課題として“カルチャーマッチ”があります。技術的に優秀でも、当社の組織風土やカルチャーにマッチしなければ、十分な活躍は期待できません。しかし彼の場合はその点に関しても全く問題を感じることはなく、また人としても、とても魅力的でしたので、ぜひ入社してもらいたいと思いました」(斎藤氏)

入社後の活躍ぶりは先に紹介したとおりだが、すでに会社側の期待をはるかに上回る成果を出している。「当社ではネイティブ環境とブラウザベース、2つの開発を進めていますが、Patrickが最初に配属された『パシャオク』は、ネイティブ環境下での開発において、社内で最も大きな規模のプロジェクト。そこでAndroid開発だけでなく、サーバサイドまですべての開発領域ですぐに成果を出したインパクトは、とても大きかったんです」と、齋藤氏もPatrick氏の活躍ぶりに驚かされたそうだ。
しかもPatrick氏は「朝9時出社、夕方18時退社」を一貫して守り続け、仕事と生まれたばかりの子供や家族と過ごすプライベートの両立を図っていることも驚き。その分、勤務中の集中力はすさまじいという。

今後、Patrick氏が持つ圧倒的な技術力や開発ノウハウを社内全体に横展開し、サイバーエージェント全体の技術力を底上げすることが期待されている。

物理研究から転身した国内屈指のJavaScriptエンジニア ピクシブ株式会社

WebGLを自在に操る実力が評価されて入社した、JavaScriptエンジニア


ピクシブ株式会社
エンジニア
高山 温氏

今年3月、イラストによるコミュニケーションサービスで有名なピクシブ(会員数約512万人:2012年10月3日時点)に入社したのが、今回紹介する高山氏(27歳)。実は、入社前はイギリスの大学やカナダの大学院で物理学の研究者を目指していたという。それがなぜ、Webエンジニアとしてピクシブに入社することになったのか? それはカナダの大学院時代に趣味で始めた、JavaScriptのプログラミングがきっかけだった。

「まず、物理の研究でもプログラミング経験があったこと。さらにJavaScriptは自分がいつも使っているブラウザ環境で使える上、普段利用しているWebサイトで使いにくいと思っているような機能に関して、JavaScriptを使えば改善できると知ったことがきっかけです」
それからJavaScriptに関する最新情報を集めるべく、1日100通ものW3CやWHATWGのメーリングリストをチェックし、特にWeb標準に関する議論を随時自分のブログで公開。当時、まだJavaScriptに関する最新情報が不足していたこともあり、日に日に高山氏のブログが注目を集める存在に。いつしかはてなのブックマークで多い時には数百マークを記録するほどになっていたという。

「これまでに“WebSocket”や“HostMessage”という機能を公開してきましたが、最も大変だったのは“WebGL”。当時、ニコニコ動画で“MikuMikuDance”にはまっていて、なんとかJavaScriptで3Dアニメーションを実現させたい!と思って何度もチャレンジして、ようやく完成、公開にこぎつけたんです。その時はかなり反響がありました」
しかも高山氏はJavaScriptだけにとどまらず、RubyやPython、Haskellといったほかの言語のブログも次々と開設し、情報を発信。多い時で7つのブログを運営するほど、プログラミング技術に没頭したのだ。

その後、高山氏は物理学研究の道から、Webプログラミングの道へキャリアチェンジし、転職活動を開始。ほかにもいくつもの企業の内定を獲得しながら、ピクシブに入社した。
「ピクシブに決めたのは、ユーザー自身が創り上げる、ピクシブにしかない“文化”が確実に存在していること。ここから世界に向けて、自分の力でさらに魅力的なサービスや文化を発信していきたいという思いが強かったからです」
入社後、早速JavaScriptの技能を活かして、2012年のエイプリルフール企画や「pixivコミック」などのサービス企画開発から、ユーザー行動の解析にいたるまで、早くも社内の中心的役割を果たしている。

JavaScriptだけではない“ハンパない実力” 高山氏を採用した意図


ピクシブ株式会社
開発マネージャー・UXデザイナー
清水 智雄氏

今回、高山氏を採用した責任者である清水氏は、高山氏を“あらゆる面でハンパない実力を持っている”ことに驚き、採用を即断即決したという。
「きっかけは社内のメンバーから“面白い人がいる”と言われて、彼のブログを見たこと。その中で公開されていたJavaScriptの多彩な表現力に驚きました。特に今年、当社ではJavaScriptによる開発ニーズが高まる一方で、その言語を使えるエンジニアが圧倒的に不足していました。そこですぐ、彼と会う機会を作りました」と、その当時を振り返る。

初めて会った時、高山氏の才能に対してさらに驚いたそうだ。
「事前にプレゼンの資料をつくってきていて、それを私たちの前で発表してくれました。pixivが抱える課題と具体的な解決方法、さらに世界進出を成功させるアイディアなど、3つ以上の提案をしてもらいましたが、そのどれもが実現性と説得力のあるものばかりで、本当にびっくりしました」

そして入社後も、JavaScriptだけでなく、RubyやPHPなどほかの言語も活用して複数のサービス開発に尽力、なんと入社1カ月でチームリーダーのポジションを任されるまでに。
「技術力だけでなくコミュニケーション力や企画力、さらに迅速な対応力やマネジメント力もある彼には今後、さらに大きな活躍を期待しています。また、今後は若手社員の育成にも取り組んでほしいと思っています」

botで作成したサービスが評判になった、Twitter開発のスペシャリスト 
チームラボ株式会社

ネットゲーマーが趣味でつくったサービスが評判に。世の中を驚かすアイデアを数々生み出すエンジニア


チームラボ株式会社
エンジニア
ムッツー氏

“ウルトラテクノロジスト集団”として、多様なWeb・業務システムの開発を手がけるチームラボに入社したムッツー氏(社内でのニックネーム)もまた、異色の経歴を持つ。専門学校を卒業後、SI企業のプログラマとして、エンジニアのスタートを切ったものの、激務のために体調を崩し退職。実家に戻り静養しながら、次に入社したのがヘルプデスク職という、全く異なる職業。「家から一番近かった」(ムッツー氏)という理由で決めたが、やはりプログラマとしてWebシステムの開発がしたい意欲が高まり、転職を決意したのだ。
「正直なところ仕事に身が入らず、当時ネットゲームにはまって大会に出たこともありました(笑)。でもプログラマとして活躍したいと思いが、徐々に高まっていったんです」

しかし数年のブランクがあり、再びプログラマとして活躍することに不安を感じていたムッツー氏は、今後Webシステム開発の主要言語になるであろうPHPの勉強を兼ねて、さまざまなサービスやアプリを開発した。その中のひとつで、現在12,000人以上のフォロワーがいるTwitter botの「わかったー」というサービス。この「わかったー」が、チームラボへの転職に大きな影響を与えた。

「“わかったー”は、何でもわかっていることを自負し、フォローしているユーザーの特定の語句を含むPostに反応し『@×××(アカウント名) 〜ですね、わかります』などと自動的に発言するシステム。ハッキリ言って、初めての人にはちょっと意味不明なサービスかもしれません(笑)。でもどうせつくるなら、ユーザーを驚かせるようなものを!と思うので、自然とこうなりました。そうしたら意外と評判がよくて、気づいたらリリースから4年経った今も多くのユーザーに楽しんでもらっています」

その「わかったー」がたまたま、チームラボの関係者の目に留まったことから連絡を取るようになったことがきっかけで、入社した。その後、「コレカモ.net」のサービス開発に携わり、早速その実力を発揮することに。
「後から聞いたんですが、コレカモ.netは、Twitterと連動したサービス開発をテーマにしていて、Twitter botでの開発経験のある私の力が活かせそう、ということで入社が決まったそうなんです(笑)」

その後も、「わかったー」のようなユニークなアイデアを、社内で数々提案しているというムッツー氏。「削除されたユーザーが幽霊として画面上に現れる、なんてアイデアを出して没になったり(笑)」と語る一方、実際に多くのサービスに実現しているものもあり、今後も世間を驚かせるサービスを生み出したいと力強く語る。

Twitterのノウハウ&先進的かつユニークな視点。ムッツー氏を採用した意図


チームラボ株式会社
取締役
田村哲也氏

「初めてムッツーさんと面会したとき、本当に社会人として仕事をこなしていけるのだろうか、と不安な気持ちは正直、ありました」と語るのは、当時ムッツー氏の採用に関わった田村氏。静養のため実家に戻り、プログラマとは全く関連のない仕事に就きつつ、さらにネットゲームにはまっていた彼を見て、しっかり定時に出社したり、周りの社員とコミュニケーションを交わすことができるのか? と不安な気持ちがあったのも事実だという。

しかし半面、彼の技術、特にツイッターbotにおける、企画力や開発ノウハウは高く評価していた。さらに当時、同社ではツイッターと連携したWebサービスの開発に着手していたこともあり、ムッツー氏の力を必要としていた。
そこでまず“アルバイト”という形で採用することで、本当に彼がしっかり仕事をこなせるのか様子を見ることに。そして田村氏は、ムッツー氏の活躍ぶりや成長ぶりにびっくりさせられたという。

「毎日定時に出社し、周りのメンバーに対しても積極的にコミュニケーションをはかったり、時には夜遅くまでフォローする。それに加え、技術力に関してもツイッター関連の開発知識が豊富で、なおかつアーキテクトやプログラミングも含め、開発全般を普通にこなせる。さらにわれわれにはないユニークな考え方や企画力を持ち、大きな刺激を与えてくれる。技術力だけではなく、人間性も含めとても優秀な方であったことに驚きました」

その後正式な社員となって、今も活躍しているムッツー氏。いち早くTwitterに目を向けユニークなbotを開発したように、今後も新しい領域にいち早く目をつけ、開拓していってほしいと、田村氏はムッツー氏に大きな期待を寄せている。

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