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月平均4万円!エンジニアの
お小遣い事情を探ってみた |
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内閣府が2012年8月24日に発表した月例経済報告によると、個人の消費傾向は緩やかな増加傾向にあるという。だが世界景気減速などの影響もあり、まだ景気の先行きは不透明だ。そんな中、堅実派が多いとされるエンジニアのお小遣い事情を探ってみた。
(文/中村仁美 総研スタッフ/宮みゆき イラスト/絵理すけ) 作成日:12.10.01
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エンジニアのお小遣い平均金額は4.4万円。同年代会社員より高め!
2011年3月に起こった東日本大震災や欧州金融不安による円の高騰、台風12号による被害などさまざまな災難に見舞われたことから、景気が低迷していた日本。しかしここ最近は緩やかではあるものの、景気は回復基調にあるという。その影響からか、個人の消費マインドも上昇している。内閣府の月例経済報告(2012年8月)によると、ここ3カ月の平均はほぼ横ばいながら、旅行への支出は増加し、外食への支出も下げ止まりつつあるという。
新生銀行が発表した「2012年サラリーマンお小遣い調査」では、4年連続して減少していたお小遣い額が今年はアップし、3.96万円になったという。同結果は全国の男性会社員約1000人、20代〜30代の女性会社員、男性・女性パート・アルバイト約1000人の2000人の平均値。20代〜30代の男性会社員に限ってみると、お小遣いの平均は4.02万円と報告されている。
では、エンジニアのお小遣い事情はどうか。Tech総研では2012年7月に24歳〜35歳のエンジニア1000人にアンケートを実施。その結果、エンジニアの1カ月のお小遣いの平均金額は4.4万円だった。会社員の平均金額よりも、エンジニア平均金額の方が3800円ほど高い結果になった。
お小遣いの最大値は30万円、最小値はゼロ円。ゼロ円と答えた人の多くが、「決まった額はない」「必要なときに必要なだけ使う」と答えていたため、本当にゼロという人はごく少数だが、中には「趣味がないのでゼロ円で大丈夫」という倹約家も。平均の倍である10万を超えている人は127人もいた。エンジニアのお小遣い事情はかなり明るいと言えそうだ。
お小遣いの使い道の第1位は「飲み代・食事代」、2位は「ゲームやマンガ、アニメ」
では実際にそのお小遣いを何に使っているのだろうか。最も多かったのは第1位の「飲み代・食事代」という回答で、317人が飲食に費やしていた。この回答の中には、自身の食費も含まれているが、多くの人が飲み会やお酒の付き合いなど、オン・オフの人脈形成やネットワークづくりに費やしていることがわかった。 次に多かったのが第2位の「ゲームやマンガ、アニメ」という回答で174人。ゲーム代として挙げているそのほとんどは1万円以下だったが、中には「ゲームセンターに4万円、ネットゲームに5万円費やしている(重電メーカー・生産技術/32歳)」と回答したエンジニアも。ゲーム市場、中でもソーシャルゲームは急拡大している。その背景にはスマートフォンの普及、オープン化によるサードパーティのタイトル数増加などが挙げられる。ゲームにお小遣いを費やす人が多いのも、手軽にネットゲームを楽しめる環境がそろってきたからだろう。 |
(※複数回答)
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さらに近年のネットゲームの多くは、アイテム課金モデルを採用している。ジャストシステムの調査によると、アイテム課金の月平均使用額は課金ユーザーの約9割が5000円以内としている。だが、3万円を超える課金ユーザーも2.3%いるという。手軽にネットゲームが楽しめる環境が用意されており、入手困難なレアアイテムや経験値を上げるアイテム、季節限定のアイテムなどが目の前に現れると、ついついお金を費やしてしまうということか。
お小遣いの使用用途第3位は、「スポーツ」(172人)。この回答にはゴルフやテニス、サッカー、スポーツクラブなど自らがスポーツを楽しむために費やすものだけではなく、野球観戦やサッカー観戦なども含まれている。IT系エンジニア、EMC系エンジニアともに、仕事で体を動かす場面はそれほど多くない。だからこそ、プライベートでは体を動かして、心身ともにリフレッシュを図る人が多いのかもしれない。
第4位は122人が回答した「書籍・雑誌代」。多くの人が3000円〜1万円と答えていたが、中には毎月4万円かけている人も。どんな書籍・雑誌を購入しているか詳細は不明だが、自己啓発本を毎月約2万円購入していると回答したエンジニアもいた。
第5位は81人が回答した「洋服代」。この回答結果から、最近はおしゃれ好きなエンジニアが多いということもわかった。
第6位は「車・バイクなど」、第7位は「音楽・映画」、デジタル機器は8位
エコカー補助金などの政策により、2012年上期の新車販売台数はリーマンショック前(07年)の約284万台を上回る294.7万台となり、好調を維持している自動車業界。しかしながらエンジニアのお小遣いは「車・バイクなど」第6位と、あまり使われていないということがわかった(78人が回答)。
実はこの回答数には少数だが「自転車」も含まれている。「車・バイクなど」と答えた人が少なかったのは、若年層の車離れとも関係している。総務省統計局「全国消費実態調査」などによると、若年層、中でも単身世帯の乗用車購入率は年々低下しているという。乗用車だけではなく二輪も同様だ。
日本自動車工業会が2011年に実施した「二輪車市場動向調査」によると、新車購入の平均年齢は48.5歳。中古車購入の平均年齢も43.5歳となっており、30代以下のユーザー数は減少しているという。若手エンジニアも世間同様、車離れが進んでいるということだろう。
第7位の「音楽・映画」に使うと回答した人は69人。「CDやDVDの購入」「ライブやコンサート」に費やすだけではない。小数派だが「楽器や機材の購入」「スタジオのレンタル費」「ライブ活動」「ボイストレーニング」と回答した人も。
意外にもPCやガジェット、家電を含む「デジタル機器」はお小遣いの使い道上位にはなく、第8位という結果に(48人が回答)。また、内閣府の月例経済報告では個人消費が増えているとされた「旅行」は第9位(41人)。日々忙しいだけに、旅行する時間がなかなか取れないから、この順位になったのかもしれない。そして第10位は、通信費(30人)というランキングとなった。いまやガラケーとスマホ、スマホとスマホ、スマホとタブレット・コンピュータなど、モバイルデバイスを2台持ちする人も珍しくはない。またモバイルルータの利用者も増えている。このようなことを考えると、今後、通信代のランキングはもっと上位にくるようになるかもしれない。
堅実さの一方でギャンブルに大金を投じるエンジニアも
エンジニアの堅実さを表すような回答も多数見られた。英会話や習い事など自己投資に費やすという回答はもちろんだが、「全額貯金」「FXや株式投資」など、資産運用に回すと回答する人も。既婚者のエンジニアで出産への備えとするという答えもあった。
堅実さとは反対にパチンコやパチスロ、競馬などギャンブルと答えた人も28人いた。この回答者の中には、「お小遣いはパチスロで増やしている」というプロまがいなツワモノも。とはいえ、ギャンブルは水物。やはり出費は抑えたほうが身のためであろう。
こうしてみると世相を反映しながらも十人十色のエンジニアのお小遣い事情。自由に使えるお金とはいえ、無駄に使ってはもったいない。例えばスポーツならリフレッシュや健全な体をつくる、飲食なら友達との交流を図ったり新たなネットワークをつくったりというように、何かしらのリターンが得られるよう、賢く投資しよう。
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