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顧客が違う!スピード感が違う!女子がいる!180度違う世界?SIからWEBへ…転職組VS残留組の生声レポート!
同じIT技術を駆使しながらも、ワークスタイルや職場環境等、あらゆる点で差異がみられ、比較対照されることの多いSI業界とWeb業界。両者の特徴について、今回は5人の現場エンジニアの生声から探ってみたい。
(総研スタッフ/山田モーキン)作成日:12.06.18
現役SIエンジニアが語る、現在の環境とWebに抱くイメージ
近年、エンジニア中途採用市場の大きなトレンドとして「SIからWeb業界への転職」という動きがある。活況を呈するWeb業界内での人材不足が慢性化している現状において、積極採用を進める企業、華やかなWeb業界に夢や希望を抱くSIエンジニアと、そこには双方の思惑が垣間見える。しかし実際のところ、SIとWeb業界の違いを理解しているエンジニアは、それほど多くないのが現状ではないだろうか。
そこでまずは、SI業界で活躍する2人のエンジニア+その他のエンジニアに、SI業界ならではのワークスタイルや職場環境等の特徴、そしてWeb業界に対するイメージについて語ってもらおう。
Aさん Aさん(24歳)
二次請けのシステム開発企業に就職して3年目。官公庁向けのeラーニングシステムや物流向けアプリシステムなどのプログラミング〜テスト、バグ修正、仕様書のメンテナンスなどのプログラマ。
Bさん Bさん(27歳)
中小のSI企業に就職後、大手企業向けERP導入の要件定義から設計・開発〜保守までをメインに担当。途中で外資系企業に吸収合併されるも、基本的な業務は変わらず。エンジニア歴5年。
テーマ1「SI業界のここが不満!」エンジニアの語る現実
非効率 「SI業界のここが不満!」エンジニアの語る現実 写真
Aさん:SIってよくピラミッド構造に例えられますけど、うちの場合がまさにその構図。お客さんがいて、直請けの企業が受注し、それをさらにうちが請け負うという流れなんです。お客さんや直請け企業から「仕事をもらっている」わけだから立場が非常に弱い。時には理不尽な要求にも応えていかなくちゃならないし、こちらから質問を出しても、その返事が来るまでに時間がかかる。ひどい時は全くレスが帰ってこない場合もあります。
担当する顧客にすべての成り行きが左右される
Bさん:どんなに優秀な技術者がプロジェクトメンバーに入っていても、結局のところ、担当する顧客の資質にプロジェクトの成否が左右される面は否めないですね。最初に仕様を決めていく段階で、そもそもERPのようなシステムを全く理解していない方だと、「なぜこれができないんだ!」と怒られたり、開発を進めていく中で次から次に仕様変更が発生するから、効率よく開発を進められない事態も度々。でも納期には間に合わせなければならないので、最後は力作業で強引にまとめ上げることが多いですね。
でも逆にシステムを理解されている顧客だと、こちらの提案にも耳を傾けてくれるし、早い段階から信頼関係を築いた上で開発ができるから、スムーズに進められます。そういう意味で、やはり顧客の資質に左右される業界ですね。
「言った」「言わない」の押し問答
Aさん:うちの場合だけかもしれませんが、仕事の指示を出すときメールではなくて、口頭で伝えてくることがちょくちょくあります。でもその結果、いざトラブルが発生した時に「言った」「言わない」の押し問答になることがよくありますね。その場合、一番辛い思いをするのがうちの上司。お客さんや直請けと、僕ら現場との板挟みにあって身動きが取れない過酷な状況をいつも目の当たりにしているから、自分は絶対、マネジャー職にはなりたくないと思いますね。
長く使われる一方、技術に汎用性がない
Bさん:特にERPのような基幹システムの場合、一度納入すれば長い期間使ってもらえるという特長がありますよね。ただしERPで使われる技術には汎用性がないので、これまでの経験でキャリアアップしていこうとすると、やはりERPの分野が圧倒的に有利な半面、それ以外へのキャリアチェンジが難しいという面があります。
他にもこんな意見が……
・二次請け企業で、とにかく立場が弱かったですね。先方から送られてくる行程表には、当たり前のように土日も稼働していることになってました。でもこちらから文句は言えないので、そのとおりに従うしかなかったのがつらい部分。

・基本的にこれは上司の問題なのかもしれませんが、基本仕様が決まってない状態でとりあえず開発がスタートするケースが非常に多かった。納期は決まっているし、その上実際に開発を進めると不具合や修正点も多く、また顧客からの仕様変更の要求も頻繁に発生するので、開発効率が悪い。

残業や有給が取れないのは「常識」。とにかく仕事がきつくて、急に上司やメンバーが出社してこなくなることも度々。一番つらかったのは地方の自治体の基幹システムを構築するプロジェクトの時、特に期限が決まってない状態で「完成するまで戻ってくるな」的な、片道切符で飛ばされたことがあった。
テーマ2 現役SIエンジニアが抱くWeb業界のイメージ(SIとの対比)
テーマ2 現役SIエンジニアが抱くWeb業界のイメージ(SIとの対比) 写真 オープンで明るいイメージ&多くのユーザーからの評価
Aさん:いろいろな情報をオープンにして、アクティブに仕事をしているイメージで明るそう。またゲームなりシステムなり世界中の不特定多数のユーザーから評価されるチャンスが多いから、刺激になりそう。SIはいろんな意味でクローズドな世界という側面があるので。
可能性を感じる
Bさん:私のいるERP業界の場合、おおよそ大手企業にはすでに導入されているから、全くの新規案件というものが少なくなってきているんですね。そうなると業界としても将来に対する危機感を持っている半面、Web業界にはこの先どうなるのか分からないという『可能性』を感じる部分が多分にあります。
個人情報流出等のリスクが大きい
Aさん:オープンな環境だからこそ、ハッキングや個人情報の流出等のリスクも大きいと思うし、もし自分の担当している案件でそうした事態になったらと思うと、怖いですよね。
その分、SIの場合は基本的にお客さんの要求通りに作ればいいし、1対1の世界だからプレッシャーもある分、情報漏えいなどのリスクに関してはそれほど神経をとがらせる必要はないのかなと。
テーマ3 もしWeb業界に転職するなら、不安やハードルを感じるか?
Aさん:正直言うと、ことスキルに関してはそれなりにやっていける自信があります。SIでも最近はWebオープン系の言語で開発するケースも増えているし、私自身、まだ3年目ですがPHP VB .net C#といった言語による開発経験もあるので。ただそうした技術面よりも人間関係や会社の雰囲気に自分がマッチするか、という不安はありますね。特に自分の場合、まだ人間関係の構築に不安なところもあるので、もし転職するならコミュニケーションスキルを高めてから移りたいと思っています。 テーマ3 もしWeb業界に転職するなら、不安やハードルを感じるか? 写真
Bさん:僕もたまにWeb業界の求人情報をチェックしたりするんですが、「未経験歓迎」とうたっていても、「何らかのアプリを開発した経験」「LAMP環境での開発経験」といった歓迎レベルで明記されているのを見ると、今の自分にはちょっと難しいかなと感じますね。
テーマ4 SIのいいところ
Aさん:苦労しながらシステムが完成した時と、そのシステムが自分の手を離れても毎日、黙々と安定稼働していることを実感できるのは、この仕事ならではのやりがいだと思いますね。
Bさん:Webの開発って短期間でどんどんリリースしていくと思うんですけど、特にERPは顧客との最初の折衝からコンサルティング〜導入まで2〜3年かかることがざら。少なくとも僕の場合は、その長い期間でじっくり顧客にとってベストなシステムを作り込んでいくスタイルがマッチしているので、そこですかね。
Web業界に転身した元SIエンジニアが語る、リアルなSIとWebの違い
続いて、SI出身ながらも昨年〜今年にかけてWeb業界に転職した3名のエンジニアに登場していただき、転職したからこそ見えてきた、SIとWeb業界、双方の特徴や現実について語っていただこう。
今回協力していただいた3名のエンジニア/NHN Japan 株式会社
小林さん(写真右)、麻生さん(写真中央)、山本さん(写真左) 小林さん(27歳/写真右)
前職は社員100人規模のソフトハウスで業務系のシステム開発を担当。今年2月にNHN Japanに転職。現在はゲーム開発に従事

麻生さん(33歳/写真中央)
前職は小林さんと同じ会社で10年近くシステム開発を担当。直近ではマネジメント業務も。今年3月に転職

山本さん(31歳/写真左)
前職は大手独立系SIer企業でWeb系やCRMの導入開発業務を担当。今年1月に転職
テーマ1 SIからWeb業界に移ったきっかけは?
小林さん:もともとプログラマとしてゲームを作りたかったという思いがあり、ちょうど昨年、当社の社員から声をかけていただいたことがきっかけです。NHN Japanにはハンゲームがありますし、今がそのチャンスかなと思って。
転職に際して、特に不安はありませんでしたね。それよりもゲーム開発に携われることに魅力を感じていました。

麻生さん:僕も当社の社員からの紹介です。10年くらい在籍していて、以前からこの業界で長くやっていくのは難しいなと、うすうす感じていたのでちょうどいいきっかけになりました。僕も特に転職に際してやっていけるか大きな不安はなかったのですが、円滑な人間関係が築けるか、という点だけが唯一、不安と言えば不安でしたね。

山本さん:僕は数年前から転職を考えていました。なかなか自分の提案が受け入れられない現状に業を煮やして、まず部署移動を考えていたのです。ちょうどその時に2人と同じように当社の社員から誘ってもらって。それならばいっそのことと思い、転職を決意しましたね。ただ前の職場で「山本が担当で良かった」と信頼していただいていたお客さんと離れなければならないことには、少し後ろ髪をひかれる思いはありました。
テーマ1 SIからWeb業界に移ったきっかけは? 写真
テーマ1 SIからWeb業界に移ったきっかけは? 写真
テーマ2 Webならではのスピード感や周囲のモチベーションの高さが魅力
小林さん:社員のクリエイティブなものを生み出そうとすることに対するモチベーションが高いことに驚きました。前職に比べて社員の年齢層が若くて気の合う人が多いという印象。あと女性が多いのが新鮮ですね(笑)

麻生さん:プロのクリエイティブ集団といった感じで、とにかく華やかな印象ですよね。
麻生さん 写真
山本さん 写真 山本さん:一番驚いたのが業務中、検証の為にゲームをしている姿(笑)。もちろんみんな、まじめに仕事しているのですが、前職では絶対にあり得ない風景ですね。

小林さん:今、ゲームの開発を担当していますが前職と比べて「答えがない」というのが大きいです。リリースしてユーザーの反響を見ながらブラッシュアップしていく。その中で少しずつ新しい発見をしながら、答えを見つけていくのがこの仕事の特徴ですし、自分にとって面白い経験ですね。
山本さん:開発のスピード感は全く違いますし、大きな失敗はできないという緊張感はありますね。自分が手がけた機能をリリースしたとき、すぐに数万のアクセスがあって、「常に多くのユーザーに自分の仕事ぶりがチェックされている」という感覚があります。特定の顧客だけに評価されていた前職にはない感覚ですね。 小林さん 写真
SIとWeb リアルな声から見える両業界の特徴
以上、現役でSI業界の中で活躍するエンジニアと、SIからWeb業界への転職を果たしたエンジニア、双方から両業界の特徴について語ってもらった。
その結果をまとめると、以下のような内容になる。
SI業界,・特定の顧客を相手に比較的長い期間、開発を進めていく,・ピラミッド型構造上、二次請け以降のポジションでは顧客との意思疎通がうまくいきにくく、効率的ではない傾向がある,・リリース後、長期間運用されることが多い Web業界,・クリエイティブでスピーディなワークスタイル,・まずリリースしてユーザーの反響を見ながら答えを探していく方法論,・不特定多数のユーザーを相手にすることのやりがいとリスク
Web業界に移ろうかどうしようか、迷っているエンジニアも少なくないのではないか。この先、今いる業界に踏みとどまって活躍するか、それともWeb業界への転身を決意するか。その答えを出すのは、エンジニア一人ひとりの価値観やキャリアの方向性によるところが大きいが、少なくとも上記で挙げたポイントは、今後の進む道を判断する一つの参考になるはずだ。
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山田モ―キン(総研スタッフ)からのメッセージ 山田モ―キン(総研スタッフ)からのメッセージ
ここ数年、SIからWeb業界に転職するケースが増えていますが、現実には両業界の間には見えない壁のようなものがあると感じているエンジニアもいるようです。必ずしもWeb業界がSIよりいいという結論にはなりません。今回のレポートを機に、引き続き両業界の動向を見守りながら、その特徴を深堀りしていきたいと思います。

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