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最新! 8つのエンジニア職種から採用動向がわかる!職種別 採用天気予報 [10年1〜3月期]
Tech総研の取材や各種媒体の記事などを通して、「2010年の景気回復はない」と言われる今年。そんな中でのエンジニア転職市場について、技術系職種を大きく8つに分け、3カ月間の短期予想を載せた。各分野のベテラン転職アドバイザーたちが求人動向を予報する。
(取材・文/広重隆樹 総研スタッフ/高橋マサシ)
ただ待つのではなく、次のキャリアプランへのチャンスを見逃すな
 暖冬傾向とはいえ、寒風がヒリヒリと肌に痛い夜もある。2009年冬の企業のボーナスは「20年前と同じ」とも言われる低水準に終わり、世界同時不況の深刻さを改めて痛感する年の瀬だった。例年ならボーナスをしっかりと確保してから、ゆっくりと休養。年明け早々にも次のキャリアップのために転職活動をスタートするエンジニアもいるはずなのだが、今年は様相が違う。

 いくつかの職種では求人数の低落傾向に歯止めがかかるところもあり、うっすらと薄日の差す業界も出てきたが、全体的には09年夏から続く低位水準のまま。ほんのちょっと開かれた採用窓口には応募者が殺到し、競争倍率は厳しいままだ。企業が求める採用基準も高止まったままで、これでは求職活動にもいまひとつ意欲が湧かないというもの。
 転職マーケットの厳しさにおののき、寒さに首をすくめ、いつか訪れる春の気配をひたすら待つというのも、もちろんひとつの選択ではある。しかし、今転職するかどうかは別にしても、自分の技術者としてのキャリアをどう構築していくかについては、ひとときも考えを休めることはできない。

 仕事があるだけまだマシ、ボーナスが出ただけまだマシ、という「まだ、まし」的思考は、そこに耽溺するうちに、いつかはエンジニアの成長意欲を根っこから腐らせてしまうに違いない。自分のキャリアプランを考えたとき、今の仕事をいくら続けてもマイナスだと思うのだったら、なぜそこに止まる必要があるのだろう。たとえ荒波であろうと、そこに乗り出すことで新しいキャリアの道を切り開くのは、いつの時代もエンジニアの誇りであったはずだ。
 少なくとも、転職機会の波をとらえるアンテナの感度だけは研ぎ澄ませておいてほしい。
 転居を伴う転職や、職種のチェンジも頭ごなしに否定しないでほしい。不況だからこそ出会える魅力的な職場も、きっとあるはずなのだから。
ページ内の各技術分野へリンクします。
業界別求人人数の推移と今後の予測
 ※2008年10月の「IT通信・インターネット業界」の求人人数を0値として、職種ごとの求人数の推移をグラフ化した。
 ※リクルートエージェントのデータ(2009年11月まで)を基にTech総研編集部が作成。
制御系SE
雨
セットメーカーの求人は冷え込み、自動車サプライヤーの求人は微増
狙われるのはこんな人 画像制御・認識技術、モーター制御、遊戯機器開発技術など
 制御系エンジニアについては、まず携帯電話関連の画像制御ソフトを開発しているソフトハウスからの求人がポツポツと動いています。やはり携帯電話産業のすそ野は広いものだと感じますが、端末メーカーからの求人はほとんどない状態が続いています。
 自動車についても、完成車メーカーは厳しいままですが、サプライヤーからの求人が09年4月時点よりは増えてきました。目立つのはやはりハイブリッド車関係の部品を開発している企業。今後の円高がどうなるかは心配ですが、新年以降は力のあるサプライヤーを中心に、自動車業界の求人が復活してくることに望みをかけています。

 家電関連で生かせる画像圧縮や画像認識等の技術を保有しているソフト開発企業など、テレビなどにとどまらず携帯電話や自動車関連にも使えるような、汎用性の高い要素技術や開発技術を自社で保有する企業が強みを発揮しています。
 航空機、鉄道などの重電系企業は家電関連と比較すると求人はあります。ただ、そこへ転職するとなれば、やはりモーターなど大型の駆動系機器や装置を制御してきた経験が必須。家電ではなく、重電により近いソフト技術ということになります。
 これまでたびたびお伝えしてきた、パチンコなどの遊戯機器業界からも相変わらずニーズはありますが、ほぼ業界経験者に限った求人です。比較的求人ニーズのあった医療機器は、大量採用ではなく、人員不足が出れば求人をするという状況です。ただ、ほかの分野に比べるとまだ吸収力は継続しているほうでしょう。

 全体には、雨が上がった、晴れ間が見えたと言える状況ではないので、登録者の切迫感は強まる一方です。仕事がない、会社が危ないと訴える人が増えています。一方で人員削減を行った企業では、現有のエンジニアに課せられる仕事量が増えているという話も聞きます。
 自分のキャリアにとって今の仕事がプラスであると感じられるなら、負荷の高い仕事でも頑張ってこなすべきですが、そのまま続けてもマイナスにしかならないと感じるのであれば、不況下とはいえ、転職活動を始めたほうがいいと思います。
 今の状況はしばらく続くと見ています。例年は3月の年度末にかけて採用計画を満たすため、駆け込み的な求人を行う企業が増えてくるものですが、今年ばかりはそれも期待できないでしょう。
制御系SEの求人情報 リクルートエージェント
EMCマーケット
キャリアアドバイザー
畠田 仁氏
畠田 仁氏
アプリ系SE
曇りときどき晴れ
再編を勝ち抜く中堅SI企業やネットビジネスに注目
狙われるのはこんな人 インフラ・金融・公共分野での経験、Webアプリの開発経験
 前期(09年10月〜12月)の求人動向は、独立系で、いわゆる1.5次から2次系の下請けといわれるSI企業各社から新規求人が出てくるなど、全体には微増ながらも回復傾向にありました。
 SI業界の内部で仕事のパートナーシップ関係を見直す動きがあり、その再編過程で、1次請けの大手SI企業などからの受注を確保できた企業からは求人が、そこからもれて受注を回復できない企業からは転職希望者が出てくるというような、業界流動化の動きを如実に反映した人材の流れが見られました。

 大手SI企業からは依然としてピンポイントの求人しかありませんが、準大手やユーザー系SI企業には、第2新卒のような素養系の人材を求める動きも出始めています。新卒採用を手控えすぎた反動があるのではないかと思われます。いずれにしても、転職市場活性化の度合いは徐々に高まりつつあり、これが10年1〜3月期も続くのではないかと私たちは予想しています。
 SI業界におけるアプリ系SE需要の背景にあるのは、クライアント企業のうち、エネルギーや通信などの社会インフラ系企業、保険やクレジットカードなどの金融系企業、そして官公庁や地方自治体などの公共セクターで、システム開発のニーズが高まっているからです。
 また、ネットビジネス関連の企業からも、アプリケーション・フレームワーク設計やWebアプリ開発のための人材募集が増えています。この不況期でもネットビジネスは比較的好況と伝えられており、この時期にこそ社内のシステム開発力を高めて、競争優位に立ちたいという狙いがあるようです。

 とはいえ、需給バランス的には、たくさんの求職者が狭い門に殺到するという構造はしばらく続くでしょう。ひとつの求人案件に3〜4日の間に約30人が応募し、そのうち面接に進めるのは5人程度という状況が続いています。厳しい競争は覚悟しなければなりません。
 1〜3月期は、4月以降の入社を見越して、翌年度予算で人材採用を強化する企業が多くあります。そのため、4月入社を前提とした現場の人材不足を解消するための求人が増える可能性があります。1月後半から2月にかけての求人動向に、ぜひ注目してほしいと思います。
アプリ系SEの求人情報 リクルートエージェント
ITマーケット
グループマネジャー
江川理絵氏
江川理絵氏
コンサルタント
曇り
大型案件が動き出す兆しあり、戦略系・IT系ファームに採用回復の動き
狙われるのはこんな人 ロジカルシンキング、ドキュメンテーション能力、ICTの業務知識
 09年上半期には稼働中案件が少なく、一部未稼働のコンサルタントも抱えていたコンサルティングファーム各社に、10月以降は求人再開の動きが目立ちます。受注が見込める大型プロジェクト──例えば公共系クライアントの業務改革プロジェクトや、大手製造業のグローバル・サプライチェーン構築の案件などが動き出し、そのために新たな増員が必要になったのです。
 上半期はピンポイントの即戦力求人がほとんどでしたが、下半期は採用条件に幅がでてきました。場合によっては、ファームでの勤務経験はなくても、ユーザー企業で業務改善に取り組んできたような人ならOK。ただ、基本的には業務分析や業務フロー構築ができるなど、上流工程での要件定義ができることが前提条件になっています。

 これまで述べたのは大手総合ファームの動きです。こうした動きがIT系ファームにも広がるのが、年明け1〜3月期の特徴ではないでしょうか。
 背景には、クライアントの大手企業に根強いコスト削減意識があるからです。 いずれ不況を脱したときに、現状の従業員数のままでいかに業績を向上させるかが企業にとっての課題になっており、そのためのITシステムの再構築が求められているのです。
 IT系ファームの側も、不況期だからこそ必要な業務の洗い直しをクライアントに提案し、受注獲得に向けて動き出していました。受注に成功したファームからの求人が、これからは都度増えてくる、と私たちは見ています。

 求人増に伴いコンサルタントの採用基準も徐々に広がっていくと思いますが、必須となるスキルはITスキル全般に加えて、通信・ネットワークなどの知識があると尚可だと思います。なぜ通信が必要かと言いますと、顧客が抱える課題を解決する手段が単なるITだけでは難しくなってきているからです。
 モバイル環境を駆使するなどして、時間と距離の制約をなくすことで業務を効率化するなど、ICT(Information and Communication Technology)の視点が欠かせないからです。
 もちろん、よりベーシックなロジカルシンキング、ドキュメンテーション能力などが、採用の前提になることは言うまでもありません。
コンサルタントの求人情報 リクルートエージェント
総合企画部1グループ
リクルーティングアドバイザー
垣見大介氏
垣見大介氏
ネットワーク
曇り
データセンターやインターネット系企業からの求人が堅調
狙われるのはこんな人 基礎的なサーバーの知識・経験、高トラフィックの経験
 年が明けても、前の期に比べて全体の求人数、求人傾向に大きな変化は見られないだろうと予想します。ただ、全体的に採用に至る確率が高まってきたので、天気マークは一段階明るいほう(くもり)へ変えました。
 09年の業界のキーワードは「クラウド・コンピューティング」であり、今後はこれに関連する求人も増えてくるだろうと見ていますが、まだ本格化しているわけではありません。目下の求人ニーズの中心を担っているのは、やはりデータセンター、ホスティングサービス、ハウジングサービスなどの企業です。
 従来のデータセンター専業企業だけでなく、ユーザー系SI企業やネットワーク商社が新たにデータセンター業務に乗り出すケースが増えており、それに関する求人が出てきているのは前の期と同じ傾向です。そこでまず求められるのは、LinuxやWindowsなど、ライトなサーバーOSの技術です。

 ひと口にデータセンター業務と言っても、ビジネスのフェイズによって求められるエンジニアの経験は変わってきます。サーバー運用だけならWindows、UNIX、Linuxのいずれかのサーバー経験で携われますが、設計・構築・増築が中心となるとより高いスキルと経験が必要になります。さらに、データセンターそのものの立ち上げ業務となると業務的、ビジネス的な経験が必須となります。
 一方で、コンシューマー向けのサービスを自社インフラで提供する、いわゆるインターネット系企業からの求人も、引き続き上向きで推移すると思います。音楽・動画配信、携帯ゲーム、ブログなどのサービスが好調で、そうした企業はインフラ拡充のために従来のネットワーク系エンジニアだけでなく、これまで業務系SIをしていたエンジニアにも食指を伸ばし始めています。

 SI企業にいたエンジニアがインターネット系企業の技術を知ると、皆一様にレベルの高さに驚くようです。サーバーとひと口に言っても、基本的に業務時間内だけ動けばよい業務系と違って、コンシューマー向けサービスは24時間安定的に稼働させなければなりません。しかも、動画を配信するなどの業務では負荷の度合いが格段に違います。
 それに耐えうるサーバーを構築するためには、単にサーバーベンダーからマシンを買ってきてセットするだけでなく、マザーボードや各種パーツを自分たちで選定して、徹底的にチューニングすることも多いようです。インターネット企業からの求人が堅調とはいえ、ハードルも高まっていることに注意が必要です。
ネットワークの求人情報 リクルートエージェント
ITマーケット
キャリアアドバイザー
森 琢郎氏
森 琢郎氏
電気・電子系
曇りときどき雨
大手自動車サプライヤーの一部は求人回復だが、楽観視はできず
狙われるのはこんな人 回路設計、シーケンサー、電験3種、PLCに加えてPMの経験
 まず、自動車業界で動きがあります。いわゆるティア1クラス(トップレベル)のサプライヤーの一部で、電気自動車関連の求人が出てくるようになりました。これは09年秋口までには見られなかった傾向で、自動車業界における採用回復の兆しになればよいと思っています。
 とはいえ、人材を厳選する傾向はますます強まっています。世界同時不況に陥る前の好況期に、人を採りすぎてしまったという経験が企業担当者にあるからでしょう。かつては、「業界や製品と問わず、回路設計経験があれば即採用」という企業もありましたが、今は同一業界で対象技術もほぼ同一の人が最優先されるようになりました。つまり、実質的に自動車業界内の転職者にしか、道は開かれていないということになるのです。

 自動車以外では、医療機器メーカーからの求人が続いています。ここでは機器の開発・設計だけでなく、サービスエンジニアの需要もあります。どういうエンジニアが医療機器業界へ転職するのかというと、私自身が担当したケースでは、自動車業界の先行きに展望を感じなくなった車載機器開発のエンジニアの例があります。回路設計の技術をベースに、PL経験も豊富な人で、迎え入れる側としては将来の技術リーダー候補生としての期待があったようです。やはり技術プラス、マネジメント経験がモノを言うのだと思います。

 前回も述べましたが、重電系企業からの採用も相変わらず続いています。例えば、プラント内で配電盤制御などの仕事に従事する電気設備エンジニア。シーケンサー、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)の経験や電験資格が必須です。これらの経験者や資格保持者は転職市場に少なく、売り手市場は当面続くでしょう。
 このようにやや回復基調にある電気・電子系求人ですが、心配なのは年明けの景気です。円高の動向次第では「二番底」の到来とも言われていますが、そうした不安があるのか、12月に入ってから「様子見」の企業が少し出てきたように感じます。1〜3月期の状況を楽観することは、現時点ではできません。
電気・電子系の求人情報 リクルートエージェント
EMCマーケット
キャリアアドバイザー
関野光剛氏
関野光剛氏
機械・メカトロ系
曇りときどき雨
自動車サプライヤーに動き、ニッチトップ企業はいまだ狙い目
狙われるのはこんな人 英語力、プラント設計、生産技術、エアコン機構設計など
 年明けも、求人倍率は横ばいから微増という状況が続くと思われます。自動車業界ではサプライヤーを中心に、電気自動車開発の需要を受けたエンジニアの求人が若干出てきています。これまで採用を圧縮してきた企業も受注増や黒字化のメドがつき、中には人手不足から、現場のエンジニアの負荷が限界に近いほど高まっている企業もあると聞いています。
 ただ、採用については、各企業ともに慎重です。現況では社内のローテーションでは補充できない人材を求めています。スキルについては即戦力で、かつ英語力必須の傾向が顕著です。

 また、12月には半導体装置メーカーの一部から求人がありました。これまでずっと採用を控えていた分野ですが、輸出向け製品に需要回復の動きがあるとのことです。ただ、あくまでもピンポイントの採用で、高い経験・スキルが求められていました。年明け以降も求人が続くかどうかは微妙なところです。
 前の期にも触れましたが、省エネ・環境系の仕事、例えばエアコンの機構設計、原子力や水処理といったプラント設計などの求人は、今期も継続するでしょう。なかなか採用条件に合致する人材が採れないという背景があります。
 また、不況に強い業種といわれる医療機器や食品工業、さらにはパチンコなどの遊戯機器業界からの求人も続いています。医療・検査の現場で使われる分析機器の設計、食品・医療業界の工場での生産技術などが注目されています。

 年明けの景況については断定的なことは言えませんが、たとえ求人が今後回復したとしても、採用基準がこれまでより高くなることは目に見えています。いたずらに大手企業ばかりを狙ったり、勤務地にこだわりすぎると、それだけで採用機会を減らすことになります。一方で、いわゆるニッチトップの製品や技術をもつ中堅・中小企業の求人には底堅さがあります。
 企業規模にこだわらず、自分の転職条件を幅広くしておくことが、不況期の転職活動では大切なこと。また、外資系企業でなくても今や英語力はある意味で条件ですので、それを含めたコミュニケーション能力を鍛えておくことも欠かせません。
機械・メカトロ系の求人情報 リクルートエージェント
EMCマーケット
キャリアアドバイザー
桃井直子氏
桃井直子氏
半導体系
雨
苦境がつづく半導体業界で、パワー半導体に一筋の光か
狙われるのはこんな人 省電力用途のパワー半導体技術、組み込み系の経験
 最初から暗い話で恐縮ですが、半導体業界の苦境は1〜3月期も続くと見て間違いないでしょう。11月、12月の求人数を見ても伸び悩みが続いており、さらに輪を掛けて、数少ない求人に応募しても内定がなかなか出ない状態。業界全体の景況感からも回復の材料がまったくない状況です。ただの雨模様というより、雨足がますます強くなってくるという印象です。

 ただ、少しはよい話も出てきました。自動車のエレクトロニクス化や環境対応車などで注目されているパワー半導体分野では、大手サプライヤーなどから若干の求人の動きがあります。
 パワー半導体は、半導体の世界では比較的地味な技術とされてきたので、経験者はさほど多くはありません。ただ、ハイブリッド車の走行系はもとより、従来車においても一層の省電力化を目指して、エンジン周りからモーター、エアコンの駆動に至るまで、パワエレは不可欠のテクノロジーになりつつあります。ですから逆に、この分野のエンジニアに希少価値が出ているのです。企業が求めたいのは即戦力の経験者ですが、ポテンシャル採用の可能性もあります。
 これに限らず同じ半導体でも、組み込み技術までをカバーできるエンジニアには、まだ求人があります。そこでは、組み込みソフト技術の汎用性が強みを発揮することになるでしょう。

 とはいえ、全体的に業界は沈滞を続けています。この時期に転職活動を行うのなら、 例えば関東圏だけにとどまらず対象を全国に広げてみるとか、アジア系外資系企業への転職にチャレンジしてみるとか、一種の「冒険」が欠かせません。もちろん、外資系への転職では英語力は必須。TOEIC500点以上であればかなりの武器になります。
 たとえ今すぐ転職しない人でも、将来の転職可能性の幅を広げるためには、技術スキルを縦横に広げること、語学力を磨くことは当然の課題となっています。
半導体系の求人情報 リクルートエージェント
EMCマーケット
キャリアアドバイザー
関野光剛氏
関野光剛氏
化学・材料系
曇りときどき雨
求人は技術営業やテクニカルマーケティング系にシフト
狙われるのはこんな人 開発職ではリチウムイオン電池、石油化学系プロセスなど
 化学・材料系エンジニアにおいて、材料開発や基礎研究の求人はほとんど動いていません。研究費の削減、研究拠点の日本撤退などが背景にあります。化学系で唯一動きのある求人は技術営業やテクニカルマーケティングの求人です。求人職種が、川上から川下へ完全にシフトしている状況と言えます。世界に販路を拡大したり、海外拠点との連携を取っていくことを目指してのことです。
 数少ない開発系を製品技術別で見ると、今動いているのはリチウムイオン電池、接着剤、めっきプロセス、石油化学系プロセスなどです。いずれも当該分野での経験者が求められており、採用過程では細かいところまで技術のすり合わせが行われます。つまり、採用基準は高止まったままです。

 求人数もまた09年中盤以降、低いレベルで増えもせず減りもせずのフラットなまま。転職希望者も変化がないため、求人倍率は横ばいというのが昨年下半期の動きでした。この傾向は1〜3月期も続くと見ています。
 こうした硬直した状況で転職を成功させるためには、発想の転換が欠かせません。「自分は研究職、開発畑だから」と閉じこもっていたのでは、なかなか転職先は見つかりません。マーケットを幅広く見る、自分の可能性を広げる、志向を変えるといったチャレンジも必要です。
 中長期的に見れば日本国内のマーケットは縮小する一方で、これからはどうしてもアジア新興国の成長力に期待するというのが大きなトレンドになってくるでしょう。

 もちろん、海外勤務への適応力や語学力は必須ですが、それがある人には今はよいチャンスかもしれません。例えば、日本に研究開発拠点をもっていた外資系化学メーカーが、グローバル戦略の一環として、量産工場を中国へシフトするという動きもあります。日本での研究開発拠点と中国工場をブリッジ的に橋渡しし、量産工程を管理できるエンジニアであれば、いつでも採用したいという企業は少なくないのです。
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EMCマーケット
キャリアアドバイザー
桃井直子氏
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