渋谷女子高生に直撃☆私がエンジニアを好きなわけ

「想う人に想われず、想わぬ人に想われる」とは、かつてより言われてきた世の常。しかし、もし本当は想われているとしたら……!?　今回は女子高生に、ずばりエンジニアの好きなところを聞いてみた。女子高生が好きでない人も必読！

（取材・文／周防美佳　総研スタッフ／山田モーキン）作成日：08.07.24

大反響を呼んだ『渋谷女子高生に直撃☆COBOLの意味わかりますか？』からはや3年。当時、難しい専門用語には手も足も出ないものの、パソコン関連や携帯電話関連の聞き覚えのある言葉に対して独特の発想力で答えてくれた女子高生の姿に、ある種の感動を覚えた方も多いのではないだろうか。では、ちょうど一世代替わった現在の女子高生は、エンジニアについてどの程度きちんとしたイメージをもっているのだろうか。そこで、女子高生の聖地・渋谷で、またもや突撃インタビューを敢行。彼女たちのエンジニアに対する感想や意見を、たっぷりと聞くことに成功した。好きと言われるのか、それとも……。放課後の教室で一人、彼女を待つ気分で読み進めてほしい。

Case1　天然ちゃん＋まじめちゃんな三人組　りな＆えりか＆なこ（15歳・高1）

―――

エンジニアって聞いて、イメージわく？

なこ

（英語っぽい発音で）エンジィイニアってやつ？

―――

お！わかるんだ！

なこ

……やっぱり、わかんない。たぶん、見ればわかると思う。

りな

エンジニアって、ロボット作ってる人？

―――

そうそう、そういう人！　エンジニアって好き？

えりか

日本の技術を作ってるんだから、悪くないんじゃない？

りな

機械系に強いから、頭良さそう。

なこ

もの作ってるし、未来系だよね。

―――

未来系って？将来性がありそうってこと？

なこ

それ！あ、そういえば「王様のブランチ」で、エンジニア特集やってたよ。

りな

うっそ、マジで!?

なこ

マジマジ！私、見たもん。
IT系って、エンジニアですよね？

―――

そうですね。

なこ

絶対やってたよ！すげーセレブだった！

―――

エンジニアってオタクっぽいとか言われがちなんだけど……？

えりか

そうかなあ？人柄は別として、エンジニアって仕事はいいと思うけど。
オタク系でもそれはゲームとかをやり込んでる人で、作ってる人は逆にすごいんじゃないかな。

りな

ねえねえ、KAT-TUNみたいなエンジニアがいたらいいと思わない？

なこ

それいい！それなら絶対オタクって思われないよ！

―――

エンジニアって、どういう人かわかる？

みく

わかんなーい。わかる？

くるみ

私がわかるわけなくない（笑）!?

―――

エンジニアって……（エンジニアについての説明）

みく

カッコいいんじゃない？

くるみ

頭良さそうだから、顔もいいっていうイメージ。

みく

社会的にまじめそうだよね。

―――

身近に、そういう理系の仕事をしている人いる？

くるみ

いるいる！お父さんが、機械の設計してる。

―――

お父さんを見ていて、どう感じる？

くるみ

なんか難しくて、大変そう。

―――

エンジニアのイメージをよりアップさせるには？

みく

頭いいんだから、スーツでバシッと決めたほうがいいんじゃん！？

くるみ

家に引きこもってるときも、コンビニ行くときもスーツみたいな。
スーツにダテめがねっていう、まんま賢いイメージでOKでしょ。

みく

私、青のワイシャツがヤバイ。超萌える（笑）。

くるみ

わかるわかる！　爽やかな感じいいよね。

みく

もうさ、賢くて爽やかなイメージで固めちゃえばいいんだよ！

くるみ

あとエンジニアって言葉が固いんだよね。

みく

マルキューみたいな名前にしちゃえばいいんじゃない!?

―――

エンジニアってイメージできる？

ほのか

なんとなく。頭良さそうだよね。難しそうな仕事だからすごそう。

みさき

むしろどこが悪いのかわかんない。ぜひぜひ付き合ってって感じ！

―――

身近に、エンジニアの人っている？

みさき

お兄ちゃんがエンジニアになりたいっていって勉強してる。
エンジニアって幅広くてよくわかんないから、頑張ってって感じだけど。

―――

じゃあ、あんまりマイナスイメージはないんだ？

みさき

エンジニアも、オシャレだったらいいんだけどね。
お兄ちゃん、ぜんぜん見た目気にしてないもん！

ほのか

私は、パソコンずっといじってるとかまったく問題ない！
でも、やましいことやってたらヤだな。

―――

エンジニアってオタクっぽいとか言われがちなんだけどどう？

みさき

ぱっと見、オタクってわかんなきゃいいんじゃない？
ちゃんと現実見えてれば、問題ないでしょ。
室内での仕事が多いから、オタクって思われちゃうんじゃないかな。

ほのか

そういう人は、美容院に1万円持って行って、おまかせで切ってもらったらいいんだよ。
顔なんて髪形とか次第でどうにでもなるんだしね！

―――

エンジニアって、どういう人かわかる？

あさみ

うーん……プログラマ？

りな

何かを作ってる人？

―――

おお！正解！ずばり、エンジニアって好き？

あさみ

みんなにとって、意味のあるものを作ってるからいいんじゃないかな。

りな

プロで、ひとつのことに一直線って感じ。手に職系だよね。

あさみ

そういう人ってさ、なかなかそのすごさを披露できないじゃない？
だから、もったいないよね。

―――

どうすればその良さが伝わるかな？

あさみ

えっと……文化祭みたいなのやったら!?
私たちの高校でも、文化祭のときはいつも地味なパソコン部が、「おおすごい！」ってものを作ったりするんですよ。
だからエンジニアもそういうのをやったらいいと思う。

りな

私、占いのシステム作って、メールで送ってほしい～！

あさみ

それいい！毎日楽しいし、アドバイスもらえるのうれしいよね。
つまりはさ、エンジニアについて正しい知識をもってもらえればいいんだよ。
人間としてのイメージをよくするってことも、必要だと思うけどね。

りな

私は機械オンチだから、エンジニアの人にそばにいてほしいな。

あさみ

エンジニアは外見じゃなくて、中身で勝負ってことですよ！

最終的に集計した結果、30人中26人とおよそ9割もの女子高生が、エンジニアに対していいイメージをもっていることがわかった。仕事の詳しい内容についてはわからないまでも、理由の問いかけに「なんとなく」という回答はほとんどなく、何かしら明確なイメージがあるようだった。しかし、そのほとんどがポジティブな内容というのは、数ある職業の中でも例外的ではないだろうか。いずれにせよ、エンジニアは女子高生のハートをがっちりとつかんでいるようだ。

今回調査対象になったのは、「情報」の授業が全国の高校で必修化された2003年の3～5年後に入学した女子高生たち。ある程度の作業を自分たちが経験していることで、そのプロフェッショナルであるエンジニアをイメージしやすくなっているのかもしれない。今までネガティブな印象で語られがちだったエンジニアだが、本当は『ひとつの道を極めた人』であり、賞賛されるべき職業なのである。そのイメージに近い形が今回の調査で、エンジニアと直接的な接点のない女子高生にきちんと伝わっているのは意外であった。いずれにせよ、これはエンジニアに対する風向きが変わってきている証拠。これからは自信をもって、女子高生と接してもらいたい。

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山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ

冒頭でも触れたとおり、この企画を始めたのが今から3年前。そのころはまだ茶髪やルーズソックスを履いた女子高生が渋谷の街を"占拠"していました。そのころに比べれば少し見た目のイメージも変わりましたが、あっけらかんとしたノリでインタビューに答えてくれるスタイルは、相変わらずでした。みなさんからのご要望さえあればまた、渋谷を突撃します！