いつも残業に精を出すITエンジニア。そんなみなさんを「酒」で癒すべく、今回Ｔｅｃｈ総研ではイメージ調査をもとに、ITエンジニア10職種のカクテルを開発。ぜひこのカクテルとともに癒しのひとときを。 （取材・文／ぱうだー　総研スタッフ／ピンク少佐＆山田モーキン）作成日：07.12.20

ロマンチックムード満点のクリスマス。にもかかわらず、毎年「クリスマスは残業だよ……」と涙目になるエンジニアのなんと多いことか。そんな方々に少しでも癒しのひとときを味わっていただきたいと思い、今回Ｔｅｃｈ総研ではITエンジニア職種別カクテルを作ってみました。 まず今回、“人力検索”でおなじみのはてなの協力のもと、職種に関してシュールな（？）イメージ調査を実施した。そして寄せられた3000件の調査の結果を参考にしながら、オリジナルカクテルを得意とするバーテンダーにお願いして「Webオープン」や「汎用機」といった刺激的な名前のカクテルを開発！ また開発したカクテルの気になる味については、Ｔｅｃｈ総研の秘密工作員として暗躍している「ピンク少佐」に吟味してもらうことに……。 さて、でき上がったカクテルはみなさんのイメージどおりになっているのか？　10職種、一気にご紹介！

コンサルタント Webオープン 汎用機 マイコン・制御 パッケージ・ ミドルウェア ネットワーク 設計・構築 インフラ 設計・構築 運用・監視 社内SE 研究・特許

		『feel』は東京、銀座に店を構えて5年目、「ひげ」に特徴がある男性4人が経営するダイニングバー。白・赤・黒が印象的なモダンインテリアの店内。長いカウンターの向こう、棚いっぱいに並ぶ、世界各国から集められた酒の数々が壮観だ。メンバーにはイタリアンレストランで修業したシェフもいるため、お酒はもちろん本格的な料理も楽しめる。初めて訪れても、気づいたら常連のようにリラックスしてしまうバーテンダーの巧みな話術も大きな魅力だ。

Ｔｅｃｈ総研ブログ「ピンク少佐の秘密工作室」を担当。公開のたびにたくさんのご意見が飛び交うＴｅｃｈ総研レポート。世界中のネットワークを巡って、そのＴｅｃｈ総研の「うわさ」を収集することをミッションとしている。

調査結果では「黒」でしたが、コンサルタントの社交的で華やかなイメージからあえて「赤」を使ってみました。ここで使っている『カンパリ』はみなさんもご存じのとおり世界的に有名なお酒。きっと広告費も莫大なはず（笑）。そんな景気のよさをコンサルタントに重ねてみました。 高級感のあるルビーのような「赤」にくぎ付けです。口に含むとフルーツの濃厚な甘みとカンパリ特有の苦味の絶妙なバランス。まさに「大人の酒」ですね。のどを通り過ぎた後、ふいにアルコールがガツンときます。やわらかい口調であっても決して譲らず、ロジカルに力強く攻めたてるコンサルタントにぴったりな味わいですね。

新しい技術が次々と生み出される先進性を明るい「青」で表現しました。IT業界に吹く新しく爽やかな風という意味で、柑橘系とミントのリキュールを使っています。金を配したグラスでさらに未来的なイメージに。 金で飾られたグラスと蛍光色に感じる青がちょっとSF的。ミントの後に、オレンジの香りが口いっぱいに広がる爽やかな一杯。アルコール度数はそれほど高くないのですっきり飲めると思います。いつも新しくわくわくする技術を考えているWebオープンの方々を想像しながら飲むと、さらに味わいが増すでしょう。

責任感が強いと疲れますよね……。グレーがかったベージュは職人気質な汎用機のみなさんの疲労を表しています。疲れには甘いものが効きます。ぜひ日ごろの疲れを癒していただきたいという気持ちを込めて、今回は甘めに作りました。ここで使った『ブラックパイン』はとても珍しいお酒。汎用機のみなさんが駆使する「貴重な技術」にかけています。 地味な外見に気持ちよく裏切られるやさしいカクテル。グラスに顔を近づけるとフルーティーな香りにびっくり。ひと口味わうと、パインやパッションフルーツといった、南国の果物特有の甘さに癒されます。チェリーの飾りもかわいらしい。同じ職場で働く同僚女性に勧めて、見た目と味のギャップに驚く様子をご覧になってみてはいかがでしょう。

調査では「茶」でしたが、マイコン・制御のマニアックで緻密なイメージを「パープル」で表してみました。ここで使っている「パルフェタムール」はニオイスミレを使った薬草系のリキュールです。これを使う有名なカクテルのひとつが「ブルー・ムーン」。ブルー･ムーンには「できない相談」という意味もあります。マイコン・制御のみなさん、お仕事で「できない相談」に悩まされていませんか？ まずグラスの縁を飾るレモンの爽やかな香りにそれまでの酔いがさめます（笑）。口に含むとまずレモンに包まれ、その後薬草独特の苦味が立体的に重なります。アルコール度数は「コンサルタント」級に高い。個性的かつ重厚な味わいが、マニアックなマイコン・制御をイメージさせるカクテルですね。

自社製品の開発という「自由さ」や、チームワークがある職場を南国の快活なイメージに例えてみました。ベースになるのは代表的なトロピカルフルーツリキュール『マンゴヤン』。いろいろなしがらみから自由になって、ひと口飲んだらみんなが友達になるような、そんなイメージのカクテルです。ぜひ打ち上げでパーっと飲んでいただきたいですね。 なんとトロピカルな……！　見た目からしてこれぞ自由な南国系カクテルという佇まいです。アルコール度数は低め。お酒が苦手な方でも何杯も飲めてしまいそうな勢い。職場のお仲間とわいわい飲めばさらにチームワークが強化されそうな、また、お仕事の緊張もときほぐしてくれそうな明るいカクテルです。

ネットワークがつながり広がっていく様を、調査結果のベージュに似た印象のやわらかいピンクで表現しました。実は『ブランデー』はワインには向かない、酸味の強いぶどうを使って蒸留したお酒。酸味の強いぶどうはワインでは「弱点」ですが、ブランデーでは「長所」に変わります。そんな組み合わせの妙を、つなげるための知識を駆使するネットワーク設計・構築になぞらえてみました。 これはさっぱりしていますね。見た目ほど甘くないので、甘いものが苦手な男性でもいけると思います。レモンの酸味が際立ち、仕事でたまった疲れもとれそう。炭酸がのど越しよく、アルコール度数も低めなのでごくごく飲みたいカクテルです。飲み終わった後には、ネットワークならぬ、心地よい酔いが広がっていくのを感じることでしょう。

インフラを維持する見えない努力とミスがあってはならない厳しさを、パキっとした透明感で表現してみました。カクテルでフレッシュライムを使うと味が締まります。このライムにさらにミントを加えたシャープな風味は、インフラ設計・構築のみなさんが日ごろお仕事で感じている緊張感に通じるのではないでしょうか。 見た目どおりのシャープな味わい。ほかのものと比べてかなりドライで男性的な雰囲気です。ミントの香りの後にオレンジの爽やかさが残る。シャープなだけにアルコール度数はかなり高め。油断していると一気に酔いが回ります。インフラ設計・構築のお仕事同様、気を引き締めて飲みたいカクテルです。

厳密にシステムを監視し、あいまいなことは排除する運用・監視のイメージを、境目がはっきりわかるプースカフェ・スタイルで。こうやって層にするには、お酒の比重（糖分）を計算して、慎重に注ぎ重ねていく高度な技術が必要なんです。まず層の状態をじっくり「監視」していただいてから、一気に召し上がっていただきたいカクテルです。 見た目が個性的！　3層が絶妙なバランスをとり、時間をおいても混ざらないところが不思議です。お勧めのとおりひと口でいただきました。生クリームとカカオの風味がまろやかで、まるでデザートのよう。でもアルコール度数はかなり高め。ほっとするけどガツンとくる、穏やかにみえても確実にシステムを守っている、まさに「運用・監視」な感じです。

社員のためによりよいシステム環境を整える＝「会社の世話女房」というキーワードを連想。いろいろ相談を持ちかけてくる社員をやさしく包み込む社内SEを、やさしい味わいで表現してみました。スイカやモモといった、小さいころからなじみのあるどこか懐かしい味わいを、ほっとするやわらかなピンク色に合わせています。 わあ、ピンク少佐のピンク色（笑）。　夏休みにお母さんがおやつにスイカやモモを出してくれたことを懐かしく思い出すような、ほっとする味わいです。アルコール度数が低いので、ジュースのように飲めそうです。社内SEには懐が深い方が多いのでしょうか……。何かと相談したくなる、そんなカクテルです。

日本の高い技術力を支えている研究・特許の分野。そこから生まれる日本製品。そんな連想から、「Made in Japan」である日本酒を使いました。研究・特許の細かく繊細なイメージを透明感のある白で表現しています。コツコツと実績を積み上げていく日本の男、そんな実直な味わいのカクテルです。 見た目がシンプルなので、かえってどんな味か興味がわきます。味わいはきりりと引き締まり、さっぱり。甘さはほとんどなくドライ。日本酒の存在感を後からしっかり感じます。飾り気はないけれど誠実、そして繊細さを併せ持つ「研究・特許」のイメージにぴったりです。

さて、飲んでみたいカクテルはありましたか？　ITエンジニアといっても、ご存じのとおりいろいろな職種に複雑に分かれています。今回ご紹介したカクテルが、みなさんの職種の特徴の一部だけでも際立たせることができていれば幸いです。 最後に今回カクテル作りにご協力いただいた『feel』のバーテンダー藤田氏から、エンジニアのみなさんへのメッセージをお送りします。

	ITエンジニアはテクノロジーで情報を扱うお仕事だと思いますが、実はバーも僕たちバーテンダーにとって情報を操る場なんです。 バーには毎夜知らない人が集まっていろんな話をしています。慣れないと「敷居が高い」と感じがちなバーのカウンターですが、そこには必ず会話がある。 初めてのお客様であっても、カウンターで会話を楽しめる気配りをするのも僕たちバーテンダーの仕事。専門的な世界を日々追究するエンジニアのみなさん、たまにはバーで違う世界の人たちとぜひ交流してみませんか。会話から生まれる新鮮な驚きが、めりはりのある毎日を彩るかもしれません。