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仕事は頑張る、健康は任せたい!多くは望まない300人の生声 わかってくれ!エンジニアが切望する福利厚生ベスト3
会社勤めならば一度は耳にしたことがある「福利厚生」。アウトソーシングの一般化によりサービスの充実が図られる中、実際の理解度や活用度はどうなのか? エンジニアを取り巻く福利厚生の「今」と「賢い使い方」を探る。
(取材・文/ぱうだー 総研スタッフ/山田モーキン イラスト/内山弘隆)作成日:07.10.03
はじめに エンジニア300人に質問!「福利厚生ってどう思う?」
今、エンジニアを取り巻く福利厚生はどうなっているのか? Tech総研では今回、IT・モノづくり系エンジニア合計300人に対してアンケートを実施。レポートの前半では実際の福利厚生の活用傾向を通して、エンジニアの福利厚生とのつき合い方を探った。後半ではエンジニアが切望する「夢の福利厚生像」を紹介。彼らが心から求めている「福利厚生」とは?
その1 エンジニアは福利厚生をこう考えている
まず、福利厚生に対する関心と理解について聞いてみた。右のグラフが示すように半数近くが「関心はあるがよく知らない」という状況である。「関心あり」だけで見た場合、73.6%とかなり高い。しかし会社が提供している具体的なサービス内容について、62.0%はきちんと理解していないという結果だった。
知らない理由としては「忙しすぎて調べる暇がない」が多く、知りたいと思っても「どこで聞いたらよいかわからない」という意見もあった。積極的に調べて活用する人たちがいる一方、制度に期待はしているが、受けられるサービスの内容や手続きについては、企業側から積極的な情報提示がない限り、知らないままで過ごす傾向が強いようだ。

職種別でみた場合、IT系のエンジニアはモノづくり系よりも関心が少し高い傾向にあった。理解度ではIT・モノづくりに大きな違いはみられなかった。
会社の福利厚生についての関心・認知度
よく知らない
「得な情報や便利な情報があるのはわかるが、時間がなくて、調べたりすることができない」(36歳 運用監視)
「有効に利用したいと思っているが、会社からも特に説明がないため把握できていない」(37歳 Webオープン)
よく知っている
「普段の仕事が忙しい分、休日は子供たちとたっぷり楽しみたいので、関心は高いです。&会社側が積極的にアナウンスしてくれるので、労せず情報を得られます」(38歳 制御設計)
「福利厚生は、一般的なサービスと比べると会社のほうが圧倒的にいいし整っているので、利用漏れのないように必ず調べて使います」(36歳 品質管理)
その2 エンジニアの福利厚生、みんなの活用事情はこうだ!
活用経験
1位は「健康」に関するもので、全体の半数以上に活用経験がある。毎年社員の健康診断を実施する企業が多いことからうなずける結果だ。2位は「住宅」。会社が用意した社宅や寮を活用するエンジニアが少なくないことがうかがえる。3位は「レジャー・リラクセーション」。これは保養所やスポーツジムなどを割引で活用できるサービスが一般的だ。

職種別でみるとモノづくり系エンジニアの活用度が目立つ。「ファミリーケア」といった育児支援や託児所サービスはIT系に比べ非常に高くまた「生活支援」である社員食堂や自社製品購入割引なども目立った。大手企業に代表される、昔から福利厚生の充実に力を注いできたモノづくり系企業ならではだろう。
活用したことのある福利厚生制度やサービス
満足度
今度は満足度についてみてみよう。「非常に満足」+「満足」では12.6%と全般的な満足度はそれほど高くないようだ。「不満」+「非常に不満」では35.6%となり、上記の満足度の2.8倍の数値となっている。
不満な理由としては「種類が少ない」「内容がいまいち」といったものが多い。前項での理解度に満足度が比例する傾向がある。サービス内容をよく知らないため不満を感じているケースもありそうだ。

職種別ではモノづくり系の「満足度」はIT系の2倍。活用経験でIT系を上回ったモノづくり系は満足度も上だ。モノづくり系エンジニアのほうが福利厚生をよく使い、しかも満足しているといった状況である。
会社の福利厚生制度・サービスに対する満足度
満足!
「種類も豊富であり、金銭的にも優遇されるケースがある」(29歳 生産技術、プロセス開発)
「かなり充実していると思う。ただポイント制で制限があるので使いにくい点もある」
(36歳 通信インフラ設計・構築)
不満足!
「現実的には利用する機会がなく、加入料金がムダに感じる」(34歳 汎用機)
「種類が少ないし、利用できる条件が複雑で、時間があるときじっくり調べてからでないと利用しづらい」
(38歳 Webオープン)
その3 エンジニアはこの福利厚生を使いたい!
次に、今後使いたい福利厚生サービスについて聞いた。ここではあえてその2と同じ選択肢から選んでもらった。結果は1位「健康」2位「レジャー・リラクセーション」3位「自己啓発」となった。前項の活用経験で3位にランクインしていた「住宅」を「自己啓発」が抜いている。資格取得が盛んなエンジニアならではといったところだろうか。1位の「健康」については、エンジニアの健康への関心の高さがうかがえた。忙しさで体調管理がままならず、成人病やメンタルヘルスに不安を感じている人が多い。何らかの対策を福利厚生で実現してほしいという意見が目立つ。

職種別にみた場合、モノづくり系での「生活支援」への活用意向が高い。これは今まで活用したものとして、モノづくり系のポイントが高かった項目である。「生活支援」として代表的な社員食堂や自社製品購入割引はモノづくり系でよく使われ、今後も支持され続けるサービスだ。
今後活用したいと思う福利厚生制度・サービス
健康
「定期的にお知らせがくるので利用しやすい。受診料の負担、予約代行がよい」(35歳 パッケージ)
レジャー・リラクセーション
「リゾート施設を会社が持っていて安く泊まれるので、家族などがきたときに使いたい」(31歳 機械・機構設計)
自己啓発
「自己啓発はモチベーション維持に有効。会社による費用や環境の支援はさらに効果的」
(39歳 回路・システム設計)
その4 発表! エンジニア300人が切望する福利厚生サービスベスト3
さて、今度は実現可能・不可能は問わず、常識にとらわれない「こんな福利厚生サービスがほしい!」を聞いてみた。コメントの中に多く見受けられたキーワードからエンジニアが考える「夢の福利厚生像」3つを抽出。イメージをわかりやすくイラスト化した。さて、読者のみなさんの共感を呼ぶものはあるだろうか?
1位 シリコンバレーか!
機能的でスタイリッシュなデスクに長時間座っても疲れにくいイス。デスクには仕事で使うための最新の機器がずらり! もちろん機材だけでなく技術書などの書籍も会社のお金で買い放題。そんな快適な仕事空間はもちろん個室!! 誰のじゃまも入らず、集中力はノンストップ!
「集中して考えられる時間がほしい」(28歳 生産技術・プロセス開発)
「業務と直接関係ない技術書を会社の費用で買うのはいつも躊躇してしまうので、個室で堂々と読みたい」
(32歳 Webオープン)
「生産性が上がりそう」(36歳 社内情報システム)
2位 おしゃれレストランか!
吹き抜けで開放感のある社員食堂はまるですてきなレストラン。社員なら朝・昼・晩、なんと3食無料! メニューは毎食替わり、カフェテリア方式で好きなものを好きなだけ食べられる。メタボリックが気になる人には、栄養士監修による健康メニューも完備。こんな空間でおいしい食事を囲めば、仕事仲間とのコミュニケーションも活発に!
「夜遅くまで仕事をするとき、夜食がとれて便利だと思う」(36歳 制御)
「懐を気にせず好きなものを食べたい」(36歳 研究・特許)
「今のところがまずすぎる……」(31歳 品質管理)
3位 健康ランドか!
温泉が湧く、広くて清潔感あふれる浴場は24時間使い放題。温泉でほぐれた体はいつでも隣のマッサージ室で癒すことができる。うとうとしたらそのまま眠ってしまってもOK! 女性には仕事で疲れたお肌を回復するエステ施設も! 仕事で疲れた体はここでリフレッシュ!
「気分転換とストレス対策を気軽にできるようにしてほしい」(37歳 コンサルタント)
「仕事柄徹夜が多いのでできればシャワーでなく浴室」(36歳 Webオープン)
「今のオフィスにマッサージチェアはあるが、できれば人にやってもらいたい」(32歳 パッケージ)
まとめ エンジニアを取り巻く福利厚生サービスはこれからどうなっていく?
アンケートの結果、関心はあるがよく知らないという割合の高さが示すように、残念ながら福利厚生を上手に活用しているエンジニアはまだまだ少ないようである。そこで今一度、福利厚生に対するニーズやサービスの現状と今後の展望について、福利厚生のアウトソーシングを手がける株式会社ベネフィット・ワンの白石社長のお話をもとに探ってみた。
福利厚生に対する誤解
「福利厚生でポイントになるのは、実は税制なんですよ」と白石社長が語るように、福利厚生というと健康診断や保養所が真っ先に浮かぶが、視点を変えると実は、雇用される側にとって税制上のメリットが非常に大きい制度なのだ。
例えば社宅や寮。福利厚生費は控除されるため税金はかからない。具体的に独身寮の場合、ひと月1万〜2万円が相場だが、普通に借りると安くても7万〜8万円。雇用される側にとっては毎月5万円程度の節約となり、年間では60万円にもなる。給与として独身社員に60万円ずつ上乗せしてもほぼ同じことだが、その場合は人件費として扱われるため、雇用される側はより多くの税金を払うことになってしまう。これは企業が保有する保養所や託児所などでも同様であり、雇用される側にとってメリットがあるものには税金が優遇されるのだ。
「企業において、福利厚生の充実=経営者の考え方がしっかりしている、といってもいいと思います。今後、雇用される側も福利厚生についてよく理解するようになれば、よい人材はよい会社へという流れになると思いますよ」
白石徳生氏
株式会社ベネフィット・ワン
代表取締役社長

白石徳生氏

福利厚生のアウトソーシングサービスで12年の歴史をもつ草分け的企業のトップ。「サラリーマンの生協」をつくりたいというビジョンのもと、会員230万人というスケールメリットを生かし、さまざまな分野でサービスを拡充し続けている。
福利厚生、今までとこれから
この10年、日本企業は福利厚生費を縮小してきたが近年、景気回復で企業は人材を積極的に採用しようという流れに変わってきた。特に人材不足が叫ばれるエンジニア業界では、給与だけでないほかの待遇をアピールし、よりよい人材を採用しようと努力を続けている。
「今、ワークライフバランスという言葉が注目されています。職場環境だけでなくプライベートも充実・安定させることで、結果的に従業員の生産性が上がるという考え方です。コンプライアンスの観点からも働く環境をよくすることは企業にとって必須。これからは福利厚生制度を充実させることで、ワークライフバランスを適切なものにしていこうという流れがますます加速されると思います」

世の中の人々の価値観が多様化するのに伴い、福利厚生サービスも多種多様になっている。その中でも今後ますます充実が期待されているサービスとはなんだろう。
「育児支援・介護支援、ヘルスケア、自己啓発の3つですね。特に育児・介護に関しては労働人口減少による女性の社会進出をサポートする意味で必須になるでしょう。ヘルスケアについては、エンジニアだけでなくほかの職種でも自殺や鬱病などのメンタルヘルスが問題視されています。福利厚生としても何らかの対策がとられていくことでしょう」

福利厚生に対する企業側の取り組み姿勢が明らかに変わりつつある今、エンジニアにとっても「自分にとって本当に役立つ福利厚生サービス」について改めて、考えてみる必要がありそうだ。
おまけその1 エンジニアの賢い福利厚生活用術(転職編)
何かと面倒そうに感じる福利厚生サービスの活用。しかし福利厚生のいちばん大きなメリットはお金に関するところにある。転職をする際、自分の待遇が良くなるのかどうか、福利厚生についてもきちんと確認するのが大切。
「自分が得ている報酬の全体像(トータルコンペンゼーション)について考えてみましょう。欧米ではごく普通の考え方ですが、実は本当の待遇は福利厚生+賃金なんですね。例えば先述例で挙げた、社員寮で節約できた60万円は報酬の一部といえます。ほかにも会社独自の基金・退職金・年金などもそうです。待遇というととかく賃金だけが注目されますが、福利厚生として扱われるこれらの金額はばかになりません」(白石氏)
待遇=福利厚生+賃金
転職する際、給与アップに注目して福利厚生が手薄い企業に移り、結果的に報酬がマイナスになったという例もある。今の自分のトータルコンペンゼーションをきちんと把握するとともに、転職活動の際も、気になったら遠慮なく人事担当に福利厚生制度について聞いてみよう。
おまけその2  エンジニアが思う、福利厚生が充実していそうな企業とは?
今回の調査では「どんな企業が福利厚生に力を入れていそうか」、エンジニアが抱いているイメージを聞いてみた。職種別のランキングはグラフのとおり。
ランクインした会社に抱くイメージの共通点は自由な働きやすさ。エンジニアの中では、自由な社風=個人を尊重=福利厚生も充実というイメージがありそうだ。
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高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ 山田モ―キン(総研スタッフ)からのメッセージ
私自身はいわゆる“フリー”の身分で福利厚生とは全くもって縁がないんですが、「福利厚生が報酬の一部」という考え方は、とても新鮮でした。あまり福利厚生に対して理解がない方はぜひ一度、報酬の一部という認識をもって、今勤務されている企業が提供する制度やサービスを見直してみる価値は大いにあると思います。

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