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週刊 やっぱりR&D 求人トレンド解析室 解析テーマ 金型技術

モノづくりの原点とも呼べる金型設計。近年、アジア諸国のコスト圧力に苦しんでいたが、ここにきて
メーカーのモノづくりに対するソリューションプロバイダーへと進化することで、独自の存在感を示す
企業が続出している。大企業すら動かしてしまう金型メーカーの原動力とは何なのか。
(取材・文/伊藤憲二 総研スタッフ/高橋マサシ) 作成日:05.01.05
モノづくりを支える基盤技術が独自のスタイルで再浮上
業界事情
 日本の製造業のレベルを世界ナンバーワンに押し上げた、原動力のひとつが金型技術。特に精密金型は日本の独歩技術として、世界中の注目を浴びてきた。近年は中国、東南アジアなどのサプライヤーに価格競争で敗れ、事業売却や廃業が続出し、金型技術の継承が危ぶまれる局面もあった。
 そんな中、金型の設計や製造に新しい技術を盛り込み、上位メーカーに対するモノづくりの提案力をもつメーカーが一躍、勝ち組企業として注目を浴びている。

 存在感を示している金型メーカーは、いずれも金型製造について独自のノウハウをもっていることが特徴。例としては、3D-CADによる作業工程を工夫して、どのような形状の金型でも一発で切削加工できる技術や、金型の精度をナノ領域まで引き上げると期待されている、マイクロ放電加工などの新工法が挙げられる。
 また、環境規制の高まりに伴い、六価クロムなどの規制物質ではない代替材料を提案したり、通常の樹脂材料で実現できる曲率を再計算して発注者に逆提案する、CAD/CAM/CAEシステムの構築企業もある。

 金型は元来、モノづくりとは切っても切れない関係にある。ことに精密機械の量産に際しては、高水準の技術をもつ精密金型の供給が必要条件となる。そのため近年では、デジカメ、プリンター、自動車部品、マイクロマシンなど多くの分野の大手企業が、先端技術をもつ金型メーカーを自社で囲い込もうと、争奪戦を繰り広げるケースまで出てきている。
 金型設計のロジックを構築したり、工作機械を開発したりといった作業は、製造業のプロセスを凝縮したもの。「やっぱりモノづくり」という志向のエンジニアにとっては、想像以上に面白みのある業界だろう。
採用動向
 金型はメーカー各社にとっては必要不可欠なデバイスであるため、人材ニーズも高い状態が続いている。リクナビNEXTでは「金型」をキーワードに検索すれば、求人情報を常時入手できるだろう。

 金型づくりというと古典的技術と受け取られがちだが、実は求められるスキルが多彩だ。まず必要とされるのはCATIA、IDEASなどの3D-CADの経験。だが、人材不足感が強いため、工業デザインや試作に携わったことがあれば、3D-CADの経験がなくても採用されるケースは珍しくない。3D-CCDによるスキャニング、ポリゴン生成などの経験も有用。
 ソフトウェアの取り扱いに精通するようになれば、実際の加工を行うマシニングのスキルは自然と身につく場合が多いので、こちらも未経験を気にする必要はあまりない。

 意外に重視されるのは化学、素材、構造力学といった金型以外の経験だ。3D-CADのソフトは世界で数種類しかなく、ソフトによる優劣はあまりない。差がつくのはむしろ、設計支援のための独自のアイデアやデータベースのほうだ。
 世界の環境規制を知り、規制回避のための素材を選定するといったノウハウは、試作金型や量産金型をつくるだけの状態から脱却を図る金型メーカーにとって、このうえなく貴重な財産なのだ。高分子化学、有機化学、薬品などの知識や技術スキルに自信のあるエンジニアなら、その点をアピールするのも効果的である。
 モノづくり大国日本を支えてきた金型業界は、プロダクツのトータルソリューションパートナーに進化すべく、自己改革を続けている。まさに今が狙い目の業界である。


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