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納期遅れ、ドロドロ人間関係、トラブル対応を逆手にとる 修羅場経験を高く売る職務経歴書の作り方 納期遅れ、ドロドロ人間関係、トラブル対応を逆手にとる 修羅場経験を高く売る職務経歴書の作り方
納期遅れ、ドロドロ人間関係、トラブル対応を逆手にとる 修羅場経験を高く売る職務経歴書の作り方
納期遅れ、ドロドロ人間関係、トラブル対応を逆手にとる 修羅場経験を高く売る職務経歴書の作り方
納期遅れ、ドロドロ人間関係、トラブル対応を逆手にとる 修羅場経験を高く売る職務経歴書の作り方
職務経歴書は、応募先企業に自分を高く売るための絶好のプレゼンテーションツール。実績やスキルを伝えるだけでは、ライバルに差をつけられない。そこで、トラブルや失敗などの体験を、貴重なキャリアとしてうまく売り込むちょっと意外な作戦を伝授しよう。
(取材・文/伊藤敬太郎 総研スタッフ/宮みゆき イラスト/kucci(クッチー)) 作成日:03.12.24
作戦1 「短期開発をこなして納期死守」をアピールする
作戦1「短期開発をこなして納期死守」をアピールする
 プロジェクトの短期化が増加し、厳しい納期の仕事を受けなければならないケースは増えている。連日徹夜で納期に間に合わせたあの経験をどうにか、アピール材料に生かすことができないか?
職務経歴書ダイジェスト
2002年9〜12月

POSレジシステムの開発を担当

<PR欄>
 POSレジシステム開発の際には、会社の人員削減の影響もあり1人で担当。当初は機能数も少なく、1人で十分だという会社の認識だったが、その後、機能追加の要求が続き、とても1人でこなせる量ではなくなった。しかし、開発メンバーの増員はされなかったため、
2カ月間休みなしで頻繁に徹夜をすることで、納期までに無事終了させた。
ここがNG!
Point
修羅場経験は
「問題解決力」でアピールする



 修羅場自慢だけでは、問題解決能力のアピールとして効果が薄い。体力・精神力があることはマイナスにはならないが、この後に人員の拡充に関する建設的提案をしているなら、それをぜひ記述しよう。
2003年4〜6月

機械系制御システム開発に従事(メンバー:6人)

<PR欄>
 2002年4〜6月のプロジェクトでは、設計・開発を担当。3カ月という短納期の案件だったが、平均睡眠時間3時間、ほぼ休みなしで期日までにやり遂げた。プロジェクト終了後、
リーダーと協力して、無計画な受注が続く営業部門の体質改善を文書で要求し、一部受け入れられた。
ここがGood!
Point
業務フロー改善の設計力を
さりげなくアピール



 厳しい納期を乗り切ったことに加え、その後、会社の体質改善に関する提案をし、成功している点や、「リーダーと協力して」という下りで自分がかかわっていることが明記されている。ここまで書いておけば、面接時に突っ込んでもらえるので、さらに詳細な内容は口頭で伝えられる。
人事はここを評価する
 確かに徹夜続きでもへこたれない体力・精神力が評価されることもある。だが、人事が本当に評価するポイントは、きついスケジュールを生み出す問題点を改善するためにどう主体的に動いたか。納期がらみの苦労はその後の行動があって初めてアピールポイントになる。
作戦2 「トラブル・失敗」経験をPRする
作戦2 「トラブル・失敗」経験をPRする
 納品したシステムにバグが見つかり、クライアントが激怒! こうしたトラブルはエンジニアにはつきもの。あえて職務経歴書に書きたくないという人もいるかもしれないが、どう解決したかをうまくアピールできれば……。
職務経歴書ダイジェスト
2002年9〜12月

サブリーダーとして運輸系企業A社のERP会計システム開発を担当

<PR欄>
 ERP会計システム開発の案件では、テストが不十分だったため、システム導入後に不具合が生じ、クライアントの会計システムを数時間止めてしまった。修正したことによるデータバグが発生したもので、その後、
テストケースの見直しを行い、再度同じようなケースにぶつからないよう対処した。
ここがNG!
Point
サブリーダーとしてプロジェクト推進した経験をアピール


 トラブルの内容、その後の対策ともに記述されているものの、ことの経緯をなぞっているだけなので、トラブルの大変さ、その対処における工夫・努力がいまひとつ見えてこない。また、チームとしてどう対処したかだけでなく、サブリーダーとして自分がどうかかわったかをはっきりと書く必要がある。
2003年4〜9月

F社の業務用基幹システム開発プロジェクトを担当

<PR欄>
 F社のプロジェクトでは、ややパートナー企業任せにしていた部分で、仕様漏れなどが続出するという問題があった。急遽、パートナー企業の体制を一新してもらい、休日返上で対応したが、納期をオーバーしてしまった。その後、
プロジェクトマネジャーとして、パートナー企業に対するスタンス、管理方法の改善のため、社内やパートナー企業の担当者と話し合い、マニュアルを作成。部門内で徹底させることで、その後は同様のトラブルは起こらなかった。
ここがGood!
Point
納期オーバーもその後の
対応・解決策でアピールできる



 「納期オーバー」自体は評価にならないが、ポイントはその後の問題点改善のための行動に関する記述。自分自身が主体的にどんな行動を起こし、その結果どうなったのかを具体的かつ簡潔にまとめており、効果の高い自己PR文になっている。
人事はここを評価する
 失敗しなかったことより、失敗をどう克服してきたかを人事は評価する。その意味ではトラブル解決のエピソードは問題解決能力をアピールする好材料となる。その際、状況を知らない人事担当者でもピンとくるくらいに具体的にわかりやすく記述するよう注意したい。どうせならトラブルの深刻さも解決のプロセスもリアルに伝えなければ損だ。
作戦3 「ドロドロ人間関係解決」をコミュニケーション能力でPR
作戦3 「ドロドロ人間関係解決」をコミュニケーション能力でPR
 クライアント、上司、同僚、後輩……。エンジニアならずとも、仕事を進めていくなかでは、予期せぬ衝突は多々ある。そんな人間関係の課題を解決した経験をコミュニケーション能力としてどれだけアピールできるだろうか!?
職務経歴書ダイジェスト
2003年2月〜6月

携帯電話のファーム開発を担当

<PR欄>
 携帯電話のファーム開発チームに在籍していた当時は、作業が多くなるとメンバーを増やし、作業が少なくなるとメンバー削減のくり返しだった。そのため全体を知っている人間が少なく、新しいメンバーに教える時間もない状況だった。人数はいるのに私を含め2人に作業が集中し、職場のモラルも極度に低下した。そのため、
上司に改善提案を何度か繰り返した。
ここがNG!
Point
状況変化に適した改善提案
をした結果をアピールする



 上司への改善提案の結果はどうだったのかを記述したい。どう働きかけたかも、きちんと説明すればアピールポイントになる。「直属の上司だけでなく、部長にも文書を提出するなどできるだけの努力をし、言いたいことは理解してもらえた」という記述を加えただけで、問題解決能力に関する評価はガラリと変わってしまう。
2002年2〜8月

Web制作部門にサブリーダーとして配属(メンバー:5人)アパレル系G社をはじめとする企業のWebシステム構築を担当。

<PR欄>
 Web制作部門に配属された当時、営業と開発チームの関係が悪く、さらにプロジェクトリーダーである上司が営業・クライアントサイドの言いなりだったことから、上司とメンバーとの関係も悪化。そこで、私がサブリーダーの立場ではあったが、
上司を説得し、営業やクライアントとの話し合いの場に参加。納期の延長などの交渉を行い、結果、社内の状況改善につながった。
ここがGood!
Point
少人数のプロジェクトも
十分アピールポイントに



 大規模プロジェクトでのマネジメント経験でなくても、このケースのように、数人規模のプロジェクトでも十分個人の能力のアピールになることがある。このように、上司を巻き込んで行動し、問題を解決して結果を出したというエピソードのアピール度は高い。
人事はここを評価する
 エンジニアのコミュニケーション能力はもちろん大切。職務経歴書では、人間関係から生じた困難を自分で動いて解決する人間関係構築力や、その実績が注目される。波風立てることを恐れず、他人を巻き込んで状況を変えていく力があるかを人事は見ている。
人事が語る「トラブル・失敗体験」のキャリア価値
 今回アドバイスしていただいたのは、株式会社ワークスアプリケーションズ 管理部人事担当マネージャーの小島豪洋氏。
「当社は、問題の根本的な原因を把握して、主体的に問題の解決を行う問題解決能力を重視するため、面接では、今までに挙げた“最大の成果”と同時に“最も苦労したこと”について話を聞きます。もちろん、ただ単に苦労話が聞きたいわけではありません」

 職務経歴書に経験したプロジェクト、使用言語などのスキルを書き込むのは当たり前。
しかし「それだけでは、その人の能力は見えてこない」と小島氏。プロジェクトの内容だけではその人がどれだけ貢献したのか見えてこないし、スキルや資格は陳腐化してしまう。厳しい状況に陥ったときに、どう考え、動いたかを知ることで初めてその人のポテンシャルを判断する材料が得られるのだという。

 そこを職務経歴書でアピールするにはどうしたらいいか? まず、自分が今までの業務で最大の修羅場は何だったのかをまず振り返ってみる。そして、自分がそのときに課題を解消するための行動を起こし、結果状況が改善できていたとしたら、そのエピソードを採用し職務経歴書の<PR>欄に詳細に記述しよう。この変化のスピードが速い時代に、環境の変化に強い「旬のキャリア」として売り込む、今がその絶好のチャンスなのだ。
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宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ
短期開発や、メンバーの削減などで、以前よりも責任範囲の多い仕事をこなすエンジニアが増えているようです。実際にどんな修羅場を体験しているのか調査した「エンジニアの壮絶☆修羅場 総決算」もご用意しました。ぜひ合わせてご覧ください!

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