デキる人ほど見分けている!?ビジネス上の「本音」と「建て前」

あなたは相手の本音を引き出すのが得意ですか?ビジネスにおいてやっかいなものの一つに「本音と建て前」があります。「打ち合わせではAと言っていたのに、実際の行動はB」なんてことはざらに起こるのが現実です。

このような隠れニーズをうまく引き出せないと、無駄な時間に振り回されたり、あるいは他人に仕事を奪われたりする可能性が出てきます。ビジネスの成否は、本音や隠れニーズを如何にうまく引き出せるかにかかっているとも言えます。

そこで今回は広告代理店勤務時代に3,000人以上のVIPと交流し、「本音の見抜き方」を研究している気配りのプロフェッショナル・後田良輔さんに「本音を『引き出す人』と『引き出せない人』の違い」について話を伺いました。

「発言が本音とは限らない」もの

3000人のVIPと接していて気づいたことがあります。それは、彼らは「相手の発言を全面的に信用していない」ということです。と言っても相手が皆、意識的に嘘をついていて、用心しているということではありません。相手の発言は本音とは限らないこともあると考えています。

例えばお客様で、新しい企画を上司に提案しなくてはいけない人がいたとします。その際、あなたは「来期は〇〇」をやりましょうと、相手の部署目標である利益向上につながる新提案をしたとします。一見、相手のニーズに応えているように見えますよね。でもビジネスの世界では、正論だけが正解ではありません。相手の上司は本当のところ、利益向上よりも自分が手掛けていたプロジェクトの改良案を、来期は取り組みたいと考えているかもしれません。

ビジネスパーソンの複雑な人間関係の中では、正論とは異なるこんな隠れニーズが潜んでいるものです。そしてそんな隠れニーズは、普通にヒヤリングしているだけでは、相手も気づかず、ついつい見過ごしがちなもの。こちらが「発言は本音とは限らない」という前提に立ち、その上で本音をうまく引き出す工夫を仕掛けなくてはいけないと私は思うのです。「案ずるより生むが易し」ということわざがあるように、やってみれば意外と簡単にできます。次からVIPが行っている本音の聞き出し方の工夫をお話ししますので、ぜひあなたの習慣に取り入れて、建て前の罠を回避してください。

×「メールや電話でヒヤリングする」 〇「顔を見ながらヒヤリングする」

働き方改革が叫ばれている昨今、如何に効率的に仕事をこなし、残業が少ないかも評価のひとつに組み込まれる時代となりました。「残業=能力の無い人間」なんて見られたくないですよね。でもだからと言って重要なヒヤリングを、時間短縮できる「メール」や「電話」で済ませてはいけません。

時間短縮が重要な時代だからこそ、相手も「貴重な時間を自分との面会に使ってくれた」と思い、普段話さないことを話してくれたり、雑談の中から無意識の隠れニーズに気がつけることもあります。また「目は口ほどにものを言う」と昔から言うように、相手の目を見ながら話せば口に出せない本音を、相手の目線やしぐさの慌ただしさから見つけることもできるものです。

×「複数人の前でヒヤリングする」 〇「二人きりのときにヒヤリングする」

顔を見ながらヒヤリングすれば良いと言っても、その際にも工夫が必要です。それは人数です。相手の上司の部長や課長が同席の元でヒヤリングした方が、一度に情報収集できて便利と考える人がいます。

しかしそれでは損をします。複数人が同席している場でのヒヤリングでは、相手も建て前しか語れず、隠れニーズをヒヤリングできない結果で終わるからです。上司はAと言っても、実際はBと考えている。上司は部下の手前、Bというけど、本当のところはCが気に入っているなど、人前では建て前しか話せない、また気づけない状況があるものです。

「ヒヤリングするときは必ず二人きり」。これが隠れニーズを引き出す人の工夫です。

×「曖昧に質問する」 〇「具体的に質問する」

「何か困っていることはないですか?」と言われて、すぐに答えられる人は案外少ないものです。でも「〇〇という利益が上がる仕組みがあったら、良いと思いますか?」などと具体的に質問すれば、少なくとも「良い・悪い」のどちらかを答えるのは簡単です。

人は曖昧には無反応でも具体的なことには反応ができることが多いと思います。ヒヤリングの際はぜひ具体例を交えて質問を投げかけましょう。もし相手から「興味がない」と言われても大丈夫。「ではどんなものなら興味がありますか?」と具体を尋ねれば良いのです。この具体のラリーであれば、相手の隠れニーズまでたどりつけます。

また相手のニーズだけでなく「〇〇部長ならどうお考えだと思いますか?」など、「相手の組織のキーマンがどう思うか?」も具体的な名前を出して質問するのもコツのひとつです。冒頭にお話ししたように、組織は上司と部下の思惑が入り組むものです。目の前の人の意向がすべてではないと考えるのが吉だと私は思います。

×「こちらの本音を言わずにヒヤリングする」 〇「本音を赤裸々に言ってヒヤリングする」

「虚心坦懐で話し合う」ということわざがあるように、素直な態度やわだかまりのない気持ちでヒヤリングされると、こちらも本音を話したくなるものです。こちらの本音は言いたくないけど、相手の本音は話して欲しいというのは虫が良すぎるというもの。時には「本音を言いますと、〇〇が知りたいです」と赤裸々に切り出すのもVIPの工夫のひとつです。

まとめ

人の発言は必ずしも本音とは限らないものです。その前提に立ち、ヒヤリングを行えば、「言っていたことと、やっていることが違う」という時間の無駄に振り回されることは少なくなります。ほんの少しの工夫であなたの貴重な時間も生まれ、周りからの評価も高くなるのですから、やらない手はないと私は思います。ぜひVIPの本音の引き出し方を活用してみてください。その工夫が、あなたの人生を180度変えることもあるかもしれません。

プロフィール

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。
著書に、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)『1秒内定面接術」』(インプレス)など。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界からキャリアの悩みをなくすこと」をミッションとする。

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