「新入社員」を巻き込み、チーム力を上げる!“1日20分の習慣”とは?

『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』(明日香出版社)の著者である石川和男さん。石川さんは、建設会社総務部長・大学講師・専門学校講師・セミナー講師・税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパービジネスパーソンです。そんな石川さんに今回は「新人を巻き込んでチーム力を上げる方法」についてお聞きしました。

プロフィール

石川和男(いしかわ・かずお)

f:id:asukodaiary:20170309141602j:plain建設会社総務部長、大学、専門学校講師、セミナー講師、税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパーサラリーマン。大学卒業後、建設会社に入社。管理職就任時には、部下に仕事を任せられない、優先順位がつけられない、スケジュール管理ができない、ダメ上司。一念発起し、ビジネス書を年100冊読み、月1回セミナーを受講。良いコンテンツを取り入れ実践することで、リーダー論を確立し、同時に残業ゼロも実現。建設会社ではプレイングマネージャー、専門学校では年下の上司の下で働き、税理士業務では多くの経営者と仕事をし、セミナーでは「時間管理」や「リーダーシップ力」の講師をすることで、仕事が速いリーダーの研究を日々続けている。
最新刊の『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』(明日香出版社)ほか、『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(明日香出版社)など、勉強法、時間術などのビジネ

ハガキに切手を貼らずに出す…

私は冒頭でも触れたように、建設会社の総務部長として仕事をする一方で、大学・専門学校の講師、セミナー講師の仕事も掛け持ちしております。講師仲間には、私のように平日は会社勤めをし、週末になると講師業を行う講師が大勢います。

そんなメンバーと集まったときは毎年のように「新入社員にはいつも驚かされる」という話題で盛り上がります。

例えば私の会社の新入社員の場合…こんなことがありました。

お土産で頂いた寿司を社員で食べようと、新入社員に冷蔵庫まで醤油を取りに行くようお願いしました。すると、「すいません、ありませんでした」との答えが。仕方なく買いに行こうとすると「あの~刺身醤油というのはあったんですが、それだとダメですよね?」と言うのです…。「いやむしろ寿司には、その方がいいから」と叫びたくなりました。

他の講師の会社では、仕事中にもかかわらず、LINEの通知音がうるさい新入社員に注意したところ「あっ!急に友達が増えたんですよ~」と嬉しそうに返答してきたり、始業時間になってから朝食(おにぎり)を食べだす者がいたり、自分の腕時計を見て「うん」と頷きながら、毎朝2分ほど遅刻してくる新人(彼の腕時計は2分遅れているのでしょうか…)がいたりと、各社話題に事欠かないわけです。

こんなケースもありました。30通の封書を新入社員に出しておくように依頼したら、3日後に全て戻ってきた。見たら切手を貼っていない。頼んだ新人の通信手段は電話、メール、LINE、ハガキであっても年賀状……切手の存在を知らなかったのです。

「常識」を理解する・理解してもらうための“1日20分の習慣”

もちろんすべての新入社員がこのような感じではありません。私の新入社員のころよりも優秀でしっかり仕事を進める新人も多く、大変頼もしく思っているのも確かです。しかし中には…というわけです。

私の世代(世代というよりは個人に関わる部分もありますが…)とは異なる「常識」を持つ新入社員が、同じチームで働いています。そういった新入社員の持っている「常識」を理解しようと努めるか、それとも理解せずに放置したままにするかで、今後のチームのあり方が大きく変わってきます。また、新入社員に社会的な「常識」(もちろん、「こうすべき」というものはないと思いますが、社会人としてこれは知ってほしい・押さえてほしいというラインはあると感じています)を理解してもらうことも重要です。新入社員の「常識」を理解し、また新入社員に社会の「常識」を理解してもらうことで、チームにとけ込みやすくなり、早期に戦力となることができるのです。

 

新入社員の「常識」を理解する、新入社員に社会の「常識」を理解してもらう…そのために、私が実践している方法を紹介しましょう。

それは業界紙や日経新聞を毎朝午前中に15分だけ読んでもらい、5分以内で気になる記事を報告してもらうことです。チームに新入社員が1人の場合、1日計20分の習慣です。

直接の仕事とは関係ありません。「そんなことで?」と思われるかもしれませんが、次のようなメリットがあります。

1.限られた時間の中で、重要な情報を見つける能力を養う

仕事を始めたばかりのころは、「締切感覚」をまだしっかり持っていない場合があります。決められた時間で最大のパフォーマンスを上げるという、ビジネスパーソンにとって必要なスキルを習得するために、限られた時間で新聞を読み、重要な情報を見つける訓練をするのです。次第に慣れてくると仕事においても優先順位をつけられるようになり、必要な仕事に絞って対応することができるようになるでしょう。

2.プレゼン能力を養う

新入社員にとって、なかなかプレゼンをする機会はありません。毎日上司や先輩を前に、新聞で見つけた重要な箇所を分かりやすく説明することは、お客さまへの商品説明や企画提案などに役立ちます。

3.新入社員の意見が分かる

自分が興味を持つ部分と異なる部分に興味があるかもしれません。また、何気ないと感じた部分に強い疑問を感じるということもあるかもしれません。新入社員の興味の対象や疑問に思うことを理解する、よいきっかけになるのです。

4.コミュニケーションがとれる

新聞という媒介を通して「共通の話題」ができます。正直年齢が違うことで「話が合わないなぁ」と感じてしまうこともあるかもしれませんが、これなら自然とコミュニケーションを取ることができるのです。

最後に、この方法を実践するうえで重要なポイントをお伝えします。それは「相手(新入社員)の意見について、否定しない」ということです。例えば、あるニュースの特定の部分に強い関心を持ち発表した場合、「本質的な問題はそこじゃないんだよな…」と感じて「なんでそこに興味持ったの?そこってそんなに重要?ズレてない?」と言ってしまう…これでは、いつまでたっても理解しあえる関係性を作るのは難しいでしょう。そもそも発表内容に正解はなく、どこにどんな興味を持つかは個人の自由です。「どうしてここに興味を持ったんだろう」と相手に対して興味を持って接することが重要です。

本当にそれは「常識」なの?

いつものように週末講師仲間で集まったとき、職場コミュニケーションの専門家の方が、こんな話をしていました。

ある会社の新入社員が、メールで「このたび一身上の都合により退職させていただくことになりました……」と退職の連絡をしてきました。直接会って話すことも、電話で伝えることもなく、メールのみだったそうです。

この対応に対して、人事の担当者は「職場に来て、せめて百歩譲っても、電話で退職の報告をするべきだろう!」と怒り、新人に電話をしました。すると、

「えっ!なぜダメなんですか?昨年20社以上の会社に面接して不採用になりましたが、不採用の連絡は全てメールできたんですが……」と答えたそうです。

退職するときの連絡は直接伝えるべき、せめて電話ですべき…一方で入社試験の結果、不採用だった場合、俗に言う「お祈りメール」のようにメールで連絡がくる…。確かにこの例を見ると、「なぜ退職の連絡は直接伝えることが必要なのか」という問いに対して明確に答えることができない部分もあるかもしれません。

「これはこういうもの」「こんなもの常識」というのは、もしかすると勝手に作られたものだったり誰かの思い込みによるものだったりするかもしれません。

世代に限らず、年齢や国籍などによって持っている常識は異なります。常識が違うから「コミュニケーションが取れない」「仕事が伝わらない」「使えない」と嘆く前に、相手の常識を認め、受け入れる必要があります。お互いの考えを認めることで、コミュニケーションが図れ、仕事も円滑に進むようになるのです。

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