「時間短縮」をするために必要な“考え方”とは?

『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』(明日香出版社)の著者である石川和男さん。石川さんは、建設会社総務部長・大学講師・専門学校講師・セミナー講師・税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパービジネスパーソンです。そんな石川さんに「残業しないチームと残業だらけチームの特徴」についてお聞きしました。

毎朝の出社準備 無駄な時間とストレスをかけていませんか?

私が20代前半のころ。深夜2時、3時まで起きているような生活を続けていました。そのため、毎日寝不足の状態。朝も家を出なければならない時間ギリギリまで寝ていたように思います。

そんな感じなので、朝の準備はまさに1分1秒を争う状態でした。

朝起きて顔を洗って、歯を磨きシャワーを浴びて頭を洗い、コンディショナーをつけ、ドライヤーで乾かし、髭を剃り…とにかくやることが多い。

そこで使っていた歯ブラシや歯磨き粉、シャンプー、コンディショナー、ドライヤー、電気シェーバーは、当時経済的にあまり余裕のなかった私は、安さを基準に選んでいました。

しかし今は…

年齢を重ねるなかで、「朝の準備に膨大な時間を取られるのは馬鹿らしい…」と考えるようになったわけで…。時間を短縮することができるなら多少高くてもそちらを選ぼうという考え方に変わったのでした。

例えばバスタオル。安いからといって吸水力の弱いタオルだと時間がかかるんですよね…。拭き心地も悪く、何度も拭かないと拭ききれない。時間は無くなるし、毎朝不快感まで残ります。

ドライヤーも、安いからと品質の悪い製品を選んでは、乾くのに時間がかかる。髪も傷む。「風量、風速、風圧」を考え、髪の傷まないナノケアやマイナスイオン効果がある製品を選ぶことが、時間短縮になり、さらにストレスも和らげる!ということに気づけたのでした。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

「これを使えば、どれだけ時間短縮につながるか?」

突然ですが、皆さんに質問です。

「ここに4,000円と1万円の電気シェーバーがあります。あなたなら、どちらを買いますか?」

この情報だけだと「4,000円のシェーバー」を選ぶかもしれませんが、続きがあります。

「4,000円のシェーバーは経済的ですが、剃るのに毎朝10分間、しかも剃り残しアリ。1万円は高価ですが、剃るのに3分間、しかも剃り残しナシ」

金額で比較すると前者のほうが6,000円お得ですが、時間で検証すると後者は毎朝7分間も短縮できます。差額は6,000円、年間300日剃るとしたら、1日平均20円の差です。5年間は使えるとして、差は1日平均たったの4円です。

4円ケチって1日7分間を無駄にするか?1日4円出費して7分間の時間を短縮するか?こう考えると、7分間短縮できる1万円の電気シェーバーを選ぶ方がもしかすると多くなるかもしれませんね。

もちろん考え方は人それぞれ。私の場合には、「これを使うことでどれだけ時間短縮につながるか」や「どれだけ快適な気持ちになれるか」といった基準で価値を見極め、買い物をしています。もちろん場合によっては安いものに飛びつくこともありますが…特に使用頻度の高い日用品などは、先ほどの基準を持って買っています。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

時間短縮の究極の選択肢

さて最後に。電気シェーバーについての続きです。

そもそも「髭を剃らない」という選択肢はどうでしょうか?もちろん会社によっては髭を剃らないといけないということもあるでしょう。営業職の方はお客様に会う時に髭をきちんと剃らねば…とお考えの方もいることでしょう。でも、本当に本当に「剃らなければダメ」なんでしょうか?

「4,000円と1万円の製品のどちらかを買う」という以外の選択肢、「買わない」という選択肢を見えていましたか?(ちなみに私はサラリーマンとしては珍しく髭を剃っていないので、買う必要がありません)

これを仕事におきかえてみてください。つまり、「やらない」という選択肢もあるということです。

古いやり方、以前からある仕事、何となく慣習で続いている書類作成など効率的に行うためにお金をかけて改善することもできますが、やる必要が無い可能性もあります。

「やらない」という選択肢がそもそも見えていない状態にはなっていませんか?この選択肢も視野に入れながら、仕事を進める必要があるのではと思います。

f:id:asukodaiary:20170309141602j:plain【プロフィール】石川和男(いしかわ・かずお)

建設会社総務部長、大学、専門学校講師、セミナー講師、税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパーサラリーマン。大学卒業後、建設会社に入社。管理職就任時には、部下に仕事を任せられない、優先順位がつけられない、スケジュール管理ができない、ダメ上司。一念発起し、ビジネス書を年100冊読み、月1回セミナーを受講。良いコンテンツを取り入れ実践することで、リーダー論を確立し、同時に残業ゼロも実現。建設会社ではプレイングマネージャー、専門学校では年下の上司の下で働き、税理士業務では多くの経営者と仕事をし、セミナーでは「時間管理」や「リーダーシップ力」の講師をすることで、仕事が速いリーダーの研究を日々続けている。
最新刊の『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』(明日香出版社)ほか、『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(明日香出版社)など、勉強法、時間術などのビジネス書を6冊出版している。

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石川和男 公式サイト https://ishikawa-kazuo.com

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