格付けしあう女たち~マウンティング女子から身を守る術はコレ|川崎貴子の「働く女性相談室」

「働く女性の成功、成長、幸せのサポート」という理念のもと、キャリア支援やコンサルティング、結婚コンサルタントなど、幅広い領域で活躍されている川崎貴子さん。その経験と、女性経営者ならではの視点から、のべ1万人以上の女性にアドバイスをしてきた川崎さんが、「“働く女性”に立ちはだかるさまざまなお悩み」に、厳しくも温かくお答えするこのコーナー

今回は、「職場にいるマウンティング女子への対応」についてのご相談です。

<今回の相談内容>
女性が多い職場での人間関係に悩んでいます。女性社員の中で、何かとマウンティングしてくる人がいます。夫の学歴や会社、子どものことなど「私はあなたより上」といいたいような内容ばかりで辟易しています。悩んでいる人に「私はそうした悩みがなくてラッキーだけど、大変だね~」といった余計なひと言があるので、不愉快です。「いじめ」というほどではないのですが、ジワジワと疲労感がたまります。どう対処したらよいのでしょうか?
(28歳 事務職)

<回答>
最近常々思います。職場の人間関係は“常在戦場で臨むべし”と。
特に女性は、セクハラやパワハラ、身ごもればマタハラなど、見渡せばハラハラしっぱなし。働く女性たちの相談に乗っていると、仕事に集中できる職場、和気あいあいと協力し合える職場って結構ないものだなぁと思います。どこの会社にも、仲間の誰かにダメージを与えて平気もしくは楽しんでいる妖怪がおるものです。ダイバーシティってまさか、多様な妖怪を受容する職場って意味じゃないですよね?

そして、今回のご相談は「マウンティング女子」ですか。そうですか。
セクハラやパワハラのように相談窓口が設置されたり、裁判沙汰になったりしない分、やっかいですよね。特に、マウンティング女子の話術は、じつに巧妙。世間話の振りや親身になっている振りをしながらターゲットの情報を盗み、致命傷にならない傷を微弱に与えてゆくのがデフォルト。上司から見たら仕事の合間に楽しく談笑しているだけに見える事でしょう。

致命傷にならずとも傷は傷です。被害を甘く見てはなりませぬ。
相談者さんのように疲労を蓄積させる者、鬱々として会社に行くのが嫌になってしまう者、あまりのストレスに転職を余儀なくされる者と、マウンティング女子の餌食になり、マウンティングシャワーを浴び続けると、程度の差こそあれ不利益は被ります。
しかし、前述した通り会社のルールとして取り締まるのはとても難しいので、徹底的な自衛、もしくは威嚇が必要となります。己の身は己で守るしかありません。

先ずは敵の生態を知る事からスタート致しましょう。

【マウンティング女子の生態】
現状の評価や達成感に満足のできない、デイリーに優越感を得ないと気が済まない、という「昔から多かったであろう女性特有の自己肯定感の低さ」が原因の病ではないかと。マウンティング女子の大きな特徴は「プライドが高く、コンプレックスが強い」。努力家で頑張り屋の人も多く、目標達成能力も高い。だから一定数以上の評価は得ている人も多いはず。

強烈なコンプレックスとアンビバレントなプライドの高さが常に飢餓状態で、もっともっと自身を気持ちよくする為にターゲットを求めているのです。

「ターゲットにならない」~自衛 其の一

マウンティング女子の対処法で必ず上がるのが「無視をする」というアドバイスなのですが、職場の人間関係においてあからさまに無視をするのも厳しいところです。せいぜいランチを断り、飲み会では隣に座らないといった事くらいでしょうか?
彼女たちにロックオンされないためには、彼女たちがマウンティングしても面白くない相手になる必要があります。以下、彼女たちが折角マウンティングしても溜飲の下がらない女性のタイプを羅列してみました。

  1. ステージが違い過ぎてライバル心が沸かない人
  2. とにかく仕事にプライベートに忙しそうな人
  3. 自分の興味のない話はあまり聞いていない人
  4. 孤高を貫いている人
  5. プライベートな情報をあまり明かさない人
  6. 自慢しても悔しそうにしない人
  7. 返事やリアクションに魂がない人
  8. もしくは、アルカイックスマイルで諭すように聞いている人

全部は無理でも、一つや二つは習得して自衛していただきたい所。

「テクニックで逃げる」~自衛 其の二

それでも捕まってしまったという女性には、マウンティング女子を遠ざける二つの忍法を伝授します。

【忍法パーティ・スルーの術】
これはパーティで良く見かける光景で、私も不本意な相手にロックオンされたときに度々使用しています。最初はあいさつや社交辞令なんかを笑顔で話したりするのですが、その場から逃げるために「あ、○○さん!」と、あたかもずっと探していた人がやっと見つかった風を装い、人だかりに手を振り、目の前の相手に「すいません、ちょっと失礼しますね」と慌てふためいて(でも残念そうに)その場を去る、という小賢しい術です。実際のところ○○さんはいないので小芝居ではあるのですが、これは大人の社交術でもあります。幸い、職場には人が大勢いますので、小芝居をせずに済むことも多いでしょう。遠くに確認できた他部署の人めがけて「○○さーん!」と走り寄ってゆきましょう。何回か続けば、この人は世間話に付き合ってくれない人と認定されますので、それはそれでしめたものです。

【忍法すり替えの術】
相手のストレスレベルを下げる「傾聴スキル」。あえて、その逆を張ってゆきましょう。話の腰は積極的に折り、相槌にバリエーションを付けず、常にビッグクエスチョンで「あなたにとって彼氏って何?」とか、「あなたの結婚観は?」など、答えづらい質問を繰り出しましょう。
さらには、彼女が話している話の単語を勝手に奪い、自分の話にもっていけるなら上級者です。例えば彼女が「昨日どこか行った?私は彼とディズニーランドに行ったんだけど」と言った傍から「ディズニーランドっていえばね!私、大好きで毎月行っていて、特に○○が好きで、いろんな人にも勧めているんだけど初心者はあまり好きじゃないみたいで」と自分の話にがーっと持っていきましょう。
これらを続けていると、「この人としゃべるとストレスがたまる」というマウンティング女子からありがたい称号を授与され、放置してもらえる事うけあいです。

今後もつきあっていきたい仲間なら…

今回の相談をうけて、改めて自分の周囲にマウンティング気質の人がいたらどうするだろう、と考えました。対等なビジネスパートナーやママ友(あんまりいないけど)で、今後も付き合っていきたいと思える人の場合…。マウンティングすること以外は良い所のいっぱいある人なのでしょう。考えた結果、以下の方法をとるだろうと思いました。

まずは冗談っぽく打ち返して相手に気づいてもらう方法。マウンティング女子は無意識で繰り出している人も多く、自分が「マウンティング女子である」という自覚が全くなかったりします。それで、陰口を言われたり、人が去っていきやすい訳です。

マウントされたと思ったら間髪入れずに

「ちょっ…!マウンティング?これがはやりの?!」

と、つっこみます。
それでもいまいち伝わらず、私の夫の学歴や年収や勤務先を聞いてきたら、「うちの親戚のおばさんが会うたびに同じことを聞くんだけど、○○ちゃんもそういうの気になるタイプ?」とフラットに聞きます。「うるさい親戚のおばちゃんみたいだよ」を伝えるために。

あとこれは、私の職業病ですが、カウンセリング力を駆使して彼女の話を掘り下げ、コンプレックスが生まれた背景や満たされない思いを傾聴し倒すと思います。その人の心の深淵に一番興味があるからで、彼女への理解が深まったり、彼女のストレスレベルが下がったら、歩み寄れる気がするからです。

 

偉そうな事を書き綴りましたが、他人と比べて優越感を得ることは、私だって、マウンティング女子の被害者たちだって、口に出さないだけでひっそり、でも確実に繰り返しているはずです。強烈な劣等感に襲われたり、体調や立場が急激に変わったりしたら、私たちだってマウンティング女子になる恐れは十分にあります。特殊な性格の特殊な人がなる病じゃないところが、「マウンティング女子」という症例の一番こわいところだと感じ、今回襟を正した次第です。

そして、イージーに他人を使って得る快楽は、やっぱりリスクが高くてタチが悪いのです。
誰もが保持しているであろうマウンティング女子の種を発芽させないために、他人と比べなくても幸せを感じる何かを、私たちはもっと意識的に増やしていく必要がありそうです。

 

回答者:川崎貴子

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リントス(株)代表。「働く女性に成功と幸せを」を理念に、女性のキャリアに特化したコンサルティング事業を展開。
1972年生まれ、埼玉県出身。1997年、人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性に特化した人材紹介業、教育事業、女性活用コンサルティング事業を手掛け、2017年3月に同社代表を退任。女性誌での執筆活動や講演多数。(株)ninoya取締役を兼任し、2016年11月、働く女性の結婚サイト「キャリ婚」を立ち上げる。婚活結社「魔女のサバト」主宰。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女性マネージメントのプロ」「黒魔女」の異名を取る。2人の娘を持つワーキングマザーでもある。

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イラスト:yoko
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