緊張は「とる」ものではなく「付き合う」もの――3000回以上のMC経験者・丸山久美子の「人前で堂々と話す方法」

「プレゼン」は、多くのビジネスパーソンにとって避けては通れない仕事の一つ。大事なクライアント先でのプレゼン、プロジェクトのキックオフに大勢の社員の前でプレゼン、朝礼で「最近の気づき」について課のメンバーの前でプレゼン……などなど。

しかし、大事なプレゼンともなると緊張してしまい、本来の伝えたいことがしっかり伝わらない……という経験をされた方も多いはず。そんな方のために、今回は“まるっと空気を掴むMC”として、これまで3000回以上のMCを経験されてきた丸山久美子さんに、「上手にあがりを隠して、人前で堂々と話す方法」について伺う連載がスタートしました!

第1回目となる今回は「緊張との上手な付き合い方~心構え編~」です。誰しも「緊張はする」もの。それを前提に、緊張との上手な付き合い方について解説します。

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丸山久美子(まるやま・くみこ)

まるっと空気を掴むMC、展示会専門接客アドバイザー

1982年、和歌山県生まれ。「人前で話せるようになりたい!」という憧れを叶えるべく、20歳で展示会プレゼンターとしてデビューするも、本番中にてが震えてマイクを落とすなど、さまざまな大失敗を繰り返す。「あがりを克服する方法」や「緊張をなくす方法」を模索するが、改善どころか逆にあがりに拍車がかかり、体調にまで悪影響が。しかし、憧れを捨てきれず、「あがり」や「緊張」と向き合い独自のメソッドを開発。再スタートを図る。以来、展示会やイベントへ3,000回以上出演し、リピート率90%を超える人気MCに成長。2015年から講師活動を開始。「人前で話せるようになりたい!」と願う全国の人々へ、「あり方とやり方」の両面から具体的なノウハウを提供している。

Twitter:Kumiko Maruyama

9割以上が緊張しい

あなたは、人前で話す時、緊張しますか?

企業研修などの会場で聞いてみると、9割以上の人が「Yes」と答えます。

はじめまして!まるっと空気を掴むMC・丸山久美子と申します。

私は、展示会やイベントのステージで話すMCをしています。

ですが、実は根っからの緊張しいなんです。「嘘だ!」と思うかもしれませんが、本当です。緊張して手が震え、ステージ上でマイクを落とすなど、数々の失敗や、苦い経験を味わってきました。

「緊張しない自分になりたい」「緊張を無くしたい」と思い、本やネットで情報を集めたり、病院へ行った事もあります。しかし、いつまでたっても緊張は消えず、むしろ悪化していきました。そして体調も崩し、人前で話す事が怖くなり、一時はステージに立てなくなってしまいました。

仕事ができなくなるほど、緊張を悪化させてしまったわけですが、今となってはこれが人生の転機でした。緊張を無くす事ができないならば、上手く付き合う方法を探そうと視点を変えたのです。そこから何年もの月日をかけて、緊張と付き合う方法を見出していきました。そして今では、3,000回以上のMC現場を経験し、書籍や研修を通じて緊張に悩む方々へノウハウを伝える活動を行っています。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

緊張は〇〇〇〇〇の証拠!

私達は、どんな時に緊張するのでしょうか?一緒に考えてみましょう。

例えば、朝起きて歯を磨く時、緊張しますか?いつも通り会社へ向かう時はどうでしょう?

よほど気がかりな事でもない限り、緊張せず過ごせるはずです。

では、新規のクライアント先でコンペを行う時はどうでしょう?……私なら心臓が飛び出るほど緊張します!

この様に私達は、慣れている事へは緊張しないのですが、不慣れな事へは緊張してしまうのです。

不慣れな事……例えばコンペを任されたとしましょう。新規受注がかかった重要なコンペです。責任は重大です。緊張しすぎて逃げ出したくなる。……でも、あなたは逃げない。不慣れだけど、自信もないけれど、逃げずにチャレンジするはずです。そう、人は不慣れな事へチャレンジする時に緊張するのです。

つまり、緊張はチャレンジしている証拠!逃げずにチャレンジしようと頑張っている証拠なのです。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

緊張しいなあなたは偉い!

緊張は、チャレンジしようと頑張っている時に起こるものです。職務放棄して逃げる道ではなく、チャレンジする道を選んだ時に起こるものです。たとえ、嫌々でも無理矢理でも、逃げずにチャレンジする。そんな人を皆さんはどう思いますか?私は「偉い!」と思います。きっと、緊張しいな人は、チャレンジ精神旺盛で成長意欲の高い人です。成長したいという気持ちがあるからこそ、不慣れな事にもチャレンジできるのではないでしょうか。

どうか、皆さんも、頑張る自分に気づいてあげてください。認めてあげてください。そして、偉い!と褒めてあげてください。

自分にとって1番身近な人は、他でもない、自分自身です。

これからは、緊張を感じたら「チャレンジしようと頑張ってるんだ!自分、偉い!」と褒めてあげましょう!

緊張とあがりは別物

「人前で緊張すると、頭が真っ白になって、話したかった事を忘れてしまう」と言う人がいます。皆さん、緊張のせいと思っているようですが、実は違います。

頭が真っ白になってしまうのは、あがっている証拠です。この様に、緊張とは別物の「あがり」が発生すると、人前で頭が真っ白になり記憶が飛ぶ事もあります。

私は、あがりは緊張の集合体だと考えています。チャレンジしようと頑張り緊張する事は素晴らしい事です。しかし、むやみやたらに過度な緊張を重ねると、心と体に負担がかかり過ぎて、「これ以上は無理!」というサインとして「あがり」が発生するのです。あがりは、自分からのSOS。もう無理!と悲鳴をあげている状態です。

この様に、緊張とあがりは全くの別物なのです。

緊張しながら頑張る自分のためにも、あがりを発生させないよう対処する必要があります。

では、その対処法を具体的に紹介していきましょう。

人前で頭が真っ白にならない方法

f:id:k_kushida:20180131125850j:plainまず、台本を準備しましょう。話したい内容を書き出しておくのです。

多くの人が「何も見ず話す方がカッコイイ」と思っていますが、私達のような緊張しいの場合は違います。人前で立つだけでも緊張する私達には、内容まで暗記する余裕はありません。過度な負担は、あがりを引き起こす原因になります。ですから、自分への負担を軽減するためにも、事前に台本を準備し、その台本を見ながら話すのです。

大丈夫、カッコ悪くなんかありません。台本の1行目にぜひこう書いてください。「ちゃんと伝えたいので、台本を準備しました。見ながら話す事をお許しください。」

9割以上の人が緊張しいなのです。事前に準備して頑張る姿を見て、カッコ悪いと思う人なんてそうそういません。むしろ、きちんと準備をしてきたあなたに好感すら覚えるでしょう。

【参考図書】

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『上手にあがりを隠して人前で堂々と話す法』

著者:丸山久美子

出版社:同文舘出版

 

 

 

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