Webマーケティングの業界において、今注目を集めている広告のひとつが「ネイティブアド(ネイティブ広告)」です。ネイティブアドとは、掲載面のコンテンツ内容やデザインを周囲のコンテンツに自然に溶け込ませることで、これまで以上に自然な形でユーザーの目に留まるように設計された広告のことです。
ネイティブアドに分類される広告
ネイティブアドの広告フォーマットについては、アメリカの広告業界団体IABが6つに定義されており、その定義に基づくとGoogleやYahoo!で表示されるリスティング広告もネイティブアドの一部となります。ただ、現在「ネイティブアド」と言う場合は、「インフィード型広告」と「レコメンドウィジェット型広告」を指すケースが多いです。
インフィード型広告
FacebookやTwitterのタイムライン上に、友人の投稿と同じような形で表示されたり、GunosyやSmartNewsなどのアプリで、記事と記事の間に表示されたりするフォーマットがインフィード型広告(インフィード広告)と呼ばれるものになります。テキストだけでなく、動画などのコンテンツが配信できるケースもあります。
レコメンドウィジェット型広告
ニュースサイトなどの記事の下に表示される関連記事などの中に、広告が表示されるパターンです。多くの場合、記事というよりも閲覧しているユーザーに合わせて表示内容が設定されるターゲティング広告となります。OutbrainやYahoo!コンテンツディスカバリーなどが主要な配信元になります。
ネイティブアドの特徴
ネイティブアドの特徴は、まずは何よりもCTRの高さです。他のコンテンツとなじむように設計されていることで、ディスプレイ広告などと比べてCTRが高く出やすい傾向にあります。またコンテンツを回遊している状況での遷移となることから、一般に滞在時間や1セッションあたりのPVが他の広告と比べて伸びやすいという傾向もあります。
ネイティブアドの注意点
そのように、他のコンテンツとなじむように設計されていることから、ともすればユーザーの誤認を生みかねないというリスクをはらんでいます。そのため、ネイティブアドを表示する際は<PR>など、一見してそれが広告とわかるような表記を入れることが、業界のルールとして制定されています。
代表的なインフィード広告について
ネイティブアドの中でも、今特に注目され、出稿も増えているのが「インフィード広告」です。Yahoo!などの主要メディアも積極的に展開してきているインフィード広告の中でも、特に人気が高いのが「Gunosy」と「SmartNews」の2大キュレーションアプリです。
Gunosy
1,000万ダウンロードを超えるニュース・キュレーションアプリの定番で、DAU(Daily Active User)率は40%を超えると言われています。ユーザーの記事閲覧状況からGunosyが独自カテゴライズした、25のクラスタに対して広告を配信できることが特徴です。
SmartNews
Gunosyと並ぶニュース・キュレーションアプリの定番で、こちらもダウンロード数は1,000万を超えています。ユーザーの年齢層も幅広く、50代以上の利用者が30%を超えるというのも特徴の一つです。
インフィード広告運用のポイント
Gunosy、SmartNewsのインフィード広告の運用のポイントの一つが、「クリエイティブ」の運用です。他の記事と並び、「タイトルテキスト+サムネイル画像」で構成されるフォーマットにおいては、以下に効果の高い、または効率の良い組み合わせを見つけられるかが重要なポイントになります。
そのためには、テキストとサムネイルを複数用意し、掛け合わせたパターンを数多く入稿し、PDCAをまわしながら最適化を図る運用を行う必要があり、その運用をしっかりと実現できるかどうかが、ネイティブアドの効果に直結するといっても過言ではありません。
Webマーケティング業界においては、刻々と新たな広告手法が生まれていきますが、そのすべてを詳細まで把握することは困難です。まずは広告の特徴、そして効果を決めるための変数を把握し、どういう運用をしていけば効果がでるのかを設計することが肝要です。
そのために必要な基礎知識として、本稿を参考にしていただければ幸いです。
監修:リクナビネクストジャーナル編集部