想定外の反応をする天然ちゃんをさばく対応方法5つ

持ちたくないものの一つ:天然キャラの部下

女性からは「天然なんているわけない」と、よく聞きますが、間違いなく、天然キャラは存在します。

合コンなどで「私って天然だから」という女性は偽物。偽物は、可愛く見えるように天然っぽいボケ言動をしたりします。

これに対し、本物は、何のメリットもないところで、不可解な言動をします。 誰が見ても、何のトクもしないであろうところで、ボケるのが本物です。

たとえば、
・左右の靴が違う(もちろん他人の靴を間違えて履いて帰ることもある)
・トイレを流し忘れる
・壁にぶつかる
などの言動です。

カレーナンの女

ある会社に1人の女性Nさんが入社しました。
上司は、歓迎会のランチを企画し、Nさんに好きな食べ物や行きたい店を聞きました。

N「あのインドカレー屋さんに行ってみたいです」

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Nさんの希望もあり、そのインドカレー屋に部署の数名でランチに行きました。
インド人っぽい店員(たぶん別の国)がメニューを見せて説明します。

「ランチのセットは、カレーをここから1種類、ナンかライスをここから1種類選んでクダサイ」
説明を聞いたNさんが質問しました。

N 「ランチセットじゃなくて単品でも大丈夫ですか?」

店員「大丈夫デス」

N 「じゃあ、ナンひとつ」

店員「カレーはどれにシマスカ?」

N 「カレーはいらないです。ナンひとつ」

店員「???カレーはイラナイ?」

N 「ええ、ナンだけで」

上司「Nさん、みんなはランチセットでカレーを頼むけど、頼まなくていいの?一応、君の歓迎会なんだけど・・・」

N 「私、カレー嫌いなんです」

「ナンでカレー屋に来たがった!?」 と、全員で同時にツッコミを入れたことは言うまでもありません。

彼女の言動には、「うわー、可愛いな。守ってあげたい」とか「癒される」という要素は全くなく、ただただ困惑させられます。 ナンだけで栄養は大丈夫なのでしょうか。

これが本物です。

このような天然キャラを部下に持ってしまったときは、注意が必要です。 天然と言われるくらいですから、どこかにズレがあります。

天然部下に「やってはいけない!」

天然の部下を持った際に、絶対にやってはいけないことを紹介します。

1 丸投げ

「仕事は部下に任せよう!」と巷では叫ばれますが、天然部下に任せてはいけません。 「プレゼン資料をまとめておいて」とざっくり指示しようものなら、「プレゼントの候補一覧」が出てきたりします(いや、冗談じゃなく)。
指示した仕事は途中経過もチェックする必要があります。

2 「わかりました」の笑顔を信じない

天然部下は「わかりました」とニッコリ言うことが多いです。 そんな笑顔を見たアナタは、「わかったって言ってたし、大丈夫だろう」と思い込んでしまいます。
しかし、アナタの「わかった」と部下の「わかった」は、同じ日本語か?と感じるくらい違います。

指示「金曜までにA社に、B・C・D社の3社分のデータを送らないといけないから、3社からデータを取り寄せて、まとめておいてくれる?」

天然脳内「金曜(・・・週末・・・飲み会。フフフ。) までにA社に、B・C・D社の3社分のデータを送らないといけないから、3社からデータを取り寄せて、まとめておいてくれる?」
→「えっと、金曜までに、A社からデータを取り寄せてまとめる」
→「わかりました」(ニッコリ)

天然部下の脳内では、特定のキーワードに反応して妄想が始まることがあります。 文脈の中の一部の言葉だけを取り上げて「わかった」と言ってしまうのです。
笑顔も、「理解」の笑顔というより、妄想内の楽しいことに対する笑顔です。


3 略語で伝える

天然部下は理解していなくても、「わかった」と言ってしまう傾向がありますので、専門用語、カタカナ語、略語を使ったやりとりは危険です。

ミーティング=MTGくらいなら分かるだろうと思い、

「来週7日14時にMTGよろしく」というメールを送ろうものなら、

天然脳内「MTG?三菱東京UFJ銀行の略?14時に銀行に行くってことか」
→「かしこまりました」 となります。

天然部下を持ったら

このように天然部下と仕事するのはめんどくさいです。
マニュアルも読まないし、読んでも誤読します。 細かく進捗確認をしなければならず、仕事の管理に手間がかかります。

ただ、天然キャラは、ときに大化けします。
左脳思考では辿り着けないアイデアを出してくることがあります。

偉大な人物の言動を見ると、「この人、天然?」とよく感じます。
普通じゃないから辿り着ける境地なのでしょう。

たとえば、スティーブ・ジョブズ。

iPhone用にゴリラガラスという強いガラスを導入する際のやりとりです。 取引先のウィークス氏から魅力的な説明を受けたジョブズは、6カ月でできるだけたくさんのガラスを作るよう頼みます。 これに対し、ウィークスは難色を示します。

「作れないんですよ。いま、そのガラスを作っている工場はないんです」
「心配はいらない」がジョブズの答えだった。
(中略)
ウィークスをじっと見つめる。
「できる。君ならできる。やる気を出してがんばれ。君ならできる」
(『スティーブ・ジョブズ Ⅱ』ウォルター・アイザックソン/著より)

なに、この会話。

ジョブズさん、「作れないんですよ」ってセリフ聞いてました?
全く話が噛み合っていません。話を聞かないにも程があります。

『スティーブ・ジョブズⅠ・Ⅱ』を通読すると、至る所に天然キャラの言動が見えます。 どう考えても、彼は天然キャラだったと思いますが、偉大な発明品を残し、歴史に名を刻みました。

天然部下を持ち、めんどくさいと思っているアナタ。その部下は、大化けするかもしれませんので、粗雑に扱いすぎないよう気をつけてください。

では、このような天然キャラは、どのようにさばけば良いのでしょうか。 そのヒントは、スティーブ・ジョブズの近くにいた人物の行動から見つかりました。

ファデルはジョブズに会うのははじめてだったが、こちらが一番いいと思うデザインをジョブズに選ばせるコツを伝授されていた。
選択肢を3つ準備して、最後に自分のいち押しを見せる。ファデルは最初のふたつのダミーのドローイングを描き、本命の発泡スチロールの模型を大きな木製ボウルの中に隠して4階にある役員用会議室の長テーブルの上に置いていた。
(『ジョナサン・アイブ』リーアンダー・ケイニ― /著より)

アップル社の人たちが、いかにジョブズに気を使っていたかが分かるエピソードです。
彼らは、ジョブズの天然キャラの言動にもパターンがあることを見出し、うまく対処し、ヒット作品を世に出しました。

天然キャラの言動は、私たちからすれば想定外のものですが、彼らなりのパターンがあるのです。

カレーナンの女、再び

先ほど紹介した「カレーナンの女N」にもパターンがありました。

後日談を紹介します。

上司「Nさん、好きなお酒はあるの?」

N「焼酎が好きです」

というわけで、焼酎が豊富なお店で飲み会を開きました。芋焼酎や麦焼酎のメニューを渡すものの、Nさんの反応はイマイチです。

N「私、しそ焼酎しか飲まないんです」

「焼酎が好きです」発言は、しそ焼酎ピンポイントの発言でした。
ストライクゾーン狭すぎです。
彼女は、しそ焼酎だけを5杯ほど注文していました。

もう一つ。

上司「Nさん、カレー以外に嫌いな食べ物あるの?」

N「うーん、嫌いなものですか?特にないですね」

上司は焼き鳥の盛り合わせを注文。
Nさんにも取り分けようとすると、

N「あ、私、肉は食べないんです」

上司「えー、さっき嫌いなものないって言ってなかった?」

N「うーん、思いつきませんでした

肉が嫌いって、飲み会で頼めるメニューの幅が半分くらいになります。 それでも思いつかない。
好き嫌いというより、「食べ物」の定義から外れているわけです。

飲食のやりとりだけでも、徐々にNさんの思考パターンが見えてきたのではないでしょうか。

「焼酎」をもっと具体化したり、「食べ物」をもっと広げれば、コミュニケーションが成り立ちそうです。 そう、天然にもパターンはあるのです。 それぞれの天然キャラのパターンを読めば、仕事もうまく進むはずです。

想定外の反応をする天然ちゃんをさばく対応方法5つ

そこで、ありがちな天然キャラの主要パターンと対応方法を紹介します。


1 「いや、それどういう意味?」

・対象:横文字を使いたがる天然

天然キャラに対して、略語を使ってはいけないとお伝えしました。
逆に、天然キャラが発した略語、専門用語、カタカナ言葉を真に受けてはいけません。
あなたが理解していない言葉はもちろん、天然キャラが「このレイヤーではもっとバッファを」などと、カタカナ用語をそれらしく使い始めたら、どういう意味で使っているのか確認しましょう。

勘違いして使っているか、脳と口が分離している可能性大です。


2 「どんな事実があったの?」

・対象:うわさ好き天然

天然キャラは、論理が飛躍することが多いです。キーワードや結論に飛びついてしまう傾向があります。
「田中がチームを抜けたがっている」という話を聞いたら、そういうものだと思い込んでしまいます。実際に田中さんからの話も聞いていないのに、憶測で断定的に話を広げてしまいます。

天然キャラから憶測の発言をされたら、実際には田中さんが何と言ったのか、根拠となる事実を確認するようにしましょう。


3 「ハッキリ言うぞ」

・対象:ドヤ顔の天然

どこをどうしたらそんな自信が出てくるのか、全く理解できないレベルの仕事なのに、「自信作です!」と企画書を渡してくる部下がいます。
そういう企画書を見て絶句しているとマズイ。

天然キャラは「言葉にできないほど感動している!」とポジティブな勘違いをしてしまうのです。 彼らに「コメントできない心理を察してくれ」というのは無理があります。

オブラートに包んで指摘すると、都合良く解釈してしまいます。

ハッキリとフィードバックをしないと、今後も振り回されます。
時にはオブラートを外して伝えることも必要です。


4 「それは理由にならない」

・対象:天然の言い訳

「天然」と呼ばれるだけあって、彼らの価値観は常識では測れません。 ミスをしたときの言い訳に、トンデモない価値観を前提にしているものがあるので、ちゃんと指摘しておきましょう。

たとえば、新人の部下が取引先とのやりとりで、ウソをついて問題になったケースです。
それを指摘すると「新人なんで、わからなかったんです」と言い訳してきます。
いや、ベテランでも新人でもウソはダメでしょう。
「新人」というのは、論理的な言い訳になっていません。
彼らは、そのような理由になっていない言い訳をしてきます。その際、彼らの「その場しのぎのウソは許される」等のズレた価値観が見えることがあります。

価値観がズレていると気づいたら、基本的な道徳から伝えなければならないのです。


5 「代わって」

・対象:パニック中の天然

天然キャラは、ちょっとしたことでも混乱しやすいです。
落ち着いている状態でもおかしな言動をしている人が、混乱したら何を言っているのか理解できるわけがありません。 そんなときは、天然キャラの言葉を翻訳してもらいましょう。
天然にもパターンはあります。彼らとよく話している同僚、過去の上司など、パターンを知っていそうな人から話を聞いた方が早いです。

まとめ

以上、天然キャラのさばき方をお伝えしてきました。 天然キャラの部下を持つと、めんどうですが、時に「自分って、こんなにちっぽけだったんだ」「カレーが嫌いでもインドカレー屋に来て良いんだ」と気づかされます。 天然キャラに振り回されている方は、自分の視野を広げてくれる試練だと思って楽しんでみてください。

P.S.
最後の5つの対応方法は、書籍『めんどうな人をサラリとかわしテキトーにつき合う55の方法』で取り上げています。詳しく知りたい人はチェックしてみてくださいね。

著者:石井琢磨

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『めんどうな人をサラリとかわしテキトーにつき合う55の方法』著者。弁護士。幼少時から家族が次々と壺を買わされるという、ダマされ環境で育つ。偏差値35から中央大学法学部に合格。在学中に司法試験一発合格、消費者事件を中心に活動中。

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