純粋?異常?○○すぎるエンジニア vol.9 |
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葉っぱの下で理想のデスク環境を |
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何かに対して深いこだわりを持つエンジニア、つまり“○○すぎるエンジニア”を探すこの企画。今回紹介するエンジニアは、言葉よりもビジュアルで説明した方がわかりやすい。なぜ机の上に大きな“葉っぱ”があるのか?その真意を探ってみたい。 (総研スタッフ/山田モーキン) 作成日:13.01.17
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大きな葉っぱがトレードマーク!? デスク環境にこだわりをもつエンジニア
○○すぎるエンジニア
アライドアーキテクツ株式会社
システム本部
あいおーえす あぷりけーしょん えんじにあ
岩間 亮氏
プログラマをはじめとしたエンジニアの多くは、業務時間の多くをデスク周りで過ごすことになる。そのため、少しでも快適で、なおかつ業務に集中できるデスク環境を求め、PCや周辺機器、デスク、チェア等自分なりのこだわりを持って選ぶエンジニアも少なくない。
今回紹介する岩間氏も、そんなエンジニアの一人。しかしその“こだわり度合い”はちょっと異質だ。例えば職場に入ると、彼のいるデスク周りだけが他とは明らかに違う。デスク全体を覆う巨大な葉っぱ。モニターやキーボード、トラックボールなどこだわりのアイテムに囲まれてPCと向き合う姿。そのひとつひとつに、彼なりのこだわりや理由がある。
早速、その理由について彼に語ってもらおう。
暗い環境がベスト。自宅と全く同じ環境を忠実に再現
私の理想は、すべて自宅に実現されているんです。
例えば“明るさ”。家では基本、電気を付けずに作業することが多いのですが、それは蛍光灯のまぶしさが苦手で、仕事に集中できないから。
ただその明るさを職場で再現しようとしても、他の社員もいる中で実現するのは難しい。そこで行ったのが、自分のデスクをすっぽり覆う「蛍光灯除け」を設置することでした。他社のエンジニアのブログからヒントを得たこの“葉っぱ”(※下画像参照)は、イケアで、3000円くらいで購入したもの。傍から見ると明らかに目立って異様ですが(笑)、非常に作業効率はいいですね。
あとはモニター・キーボードやトラックボールなどもこだわっていますが、そもそも仕事をするときの姿勢にも、自分なりのこだわりをもっています。
自宅のチェアは「クルーズ&アトラス」という名の製品で、低座・後傾姿勢の理論により、疲労の少ない理想的な作業スタイルを実現したもの。つまり、体を少し斜めの姿勢にしながらキーボードを打てるので、この姿勢で長時間仕事をしていても、あまり疲労は感じませんね。高価なものなのでまだ会社ではとりいれられていませんが、いずれはこの環境も社内で再現したいと思っています。
せめてもの再現として、デスクではフットレストに足を乗せています。傍から見れば、休憩しているようにしか見えない場合もありますが(笑)、かなり気に入っています。
もちろん、デスク周りだけでなく開発環境そのものも、より快適にする工夫はしています。
普段はiOS向けにObjective-cによる開発を行っていますが、“AppCode”と呼ばれる開発環境ツールを活用したり、そもそも開発ツールの翻訳プロジェクトのメンバーとして参加して、自分に合うツールを自分の手で活用できるように工夫したりしていますね。
他の社員にも積極的にいいモノを勧めることで、環境改善に貢献
もちろん、こうした自分にマッチした環境に変えていくのは、勝手にやっているわけではありません。一応、事前に上司に相談してから導入しているわけですが(笑)、今の会社は結構自由な環境なので、こうした環境が実現できています。
それにここまで自由に自分のやりやすい環境にしたのだから、それなりのパフォーマンスは出さないといけないと、逆にいいプレッシャーになっていますね。
入社してまだ2年あまりですが、今では他の社員にも積極的に自分がいいと思ったものを勧めています。例えば、自分も自宅で使っている「キーボードアーム」。これだけで作業効率が着実にアップしますし、何より見た目が気に入っているんです。秘密基地にある操縦機械のようで(笑)。これもいずれは社内に導入したいと思っています。
少しでも快適な環境でみんなが仕事をすれば、作業効率も上がるし、成果にもつながる。その上、早く帰れてプライベートの時間も充実させることができる。悪いことはなにひとつないんです。
だからこれからも、今よりもっと開発環境を改善してくれるツールがあれば積極的に導入していきたいですし、周りにも広めていくつもりです。周りからすれば、おせっかいになるかもしれませんが(笑)。
岩間氏こだわりのツール類。フットレストなど、岩間氏が勧めて、他の社員が実際に利用しているアイテムも
岩間さんが勤務する企業:アライドアーキテクツ株式会社の事業方針
アライドアーキテクツ株式会社
社長室 戦略人事
マネージャー
澤田 翼氏
「やりたいことをやらせてあげたい。それが私たちアライドアーキテクツのエンジニアに対する基本的な姿勢です」と語るのは、人事担当の澤田氏。
ソーシャルメディアマーケティングのプラットフォームを企業向けに提供している同社には現在、約100名の社員のうち、20名程度がエンジニア。サービス開発の外注はせず、すべて内製にこだわっていることが、同社の特徴であり強みとなっている。
「ソーシャルメディアマーケティングはこれから成長していく業界で、多くのテクノロジーを必要としています。そのため、内製によってコアテクノロジーを蓄積し、さらにビジネス感覚を併せ持ったプログラマやエンジニアの育成を積極的にサポートしていくつもりです」
今回紹介した岩間氏も、そんな会社側の意向に応える形で、自分が楽しく仕事ができる環境を作り上げ、これまで成果を出してきている。
「彼が楽しそうに仕事をしていれば、きっと職場全体にいい影響を及ぼしてくれる。それによって成果を出し、自分たちが新たなマーケットを創出していくことでハッピーになる。そんなスタイルが理想ですし、その理想に向かって努力できる方に、仲間になってほしいですね」
【今回の○○】より快適に、より楽しく開発できる環境づくりは全エンジニア共通のテーマ
同社が現在注力している、Facebookキャンペーンアプリ「モニプラ」
冒頭でもふれたが、エンジニアなら誰しも、少しでも仕事に集中できる環境を構築しようとする意欲を持っている。しかし現実は会社の制約などにより、その実現が困難なケースも多い。しかし今回紹介したケースのように、エンジニアが楽しく快適に業務に集中できる環境づくりをサポートする企業も増えてきている。
あとは岩間氏のように、どこまでこだわって自分にマッチした環境に作り変えていけるか。そこにこだわりを持ち続けることが、これからのエンジニアにとって決して無視できない、重要なテーマになるかもしれない。
このレポートの連載バックナンバー
純粋?異常?○○すぎるエンジニア
仕事や技術を愛するあまり、ときにはやや異常(?)にすら映ってしまうエンジニアのプロフェッショナリズム。“○○すぎる”人々を通じてエンジニアらしさを解明します。
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