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シスコ&サン・マイクロシステムズ 外資系人気2社の事例から検証 最先端技術を駆使する 外資系サポートエンジニアの実力
サポートエンジニアには、開発職と比べて技術初級職のイメージがないだろうか。ところが外資系ベンダーにとっては、サポートエンジニアこそ先端技術が集約されたポジション。転職市場で人気の2社を例に、その実力と存在理由を探る。

(取材・文/中村伸生 総研スタッフ/山田モーキン)作成日:07.06.19

はじめに  外資系ベンダーでは「サポートエンジニア」職に先端技術が集まる
セールスサポート、カスタマーサポート、プロダクトサポート、アフターサポート等々、実は「サポートエンジニア」として分類される職域は幅広い。いずれも営業活動や製品の安定稼働を技術で支援する仕事だが、ベンダーとして顧客とかかわる範囲は広く、どのプロセスで活躍するかによって、職種名と仕事内容が変わるのだ。そして「サポート=support=維持・支援する」という言葉から、営業職や開発職と異なりあくまでも付随的な役割をイメージする人が多いだろう。さらに、ごく簡単な保守サービスを担う職種もサポートエンジニアに含まれることから、一般に開発職よりも技術レベルで劣るというイメージがあるのではないか。
そのため転職市場の最前線において、サポートエンジニアに関する採用側と応募者の間で、職種認識のミスマッチが起きている。特に外資系ベンダーにおいて顕著である。実際は多くの企業が、開発職に匹敵する高いスキルを求めているのだ。他方の応募者側の目には、サポートエンジニア職がキャリアに見合った仕事内容、待遇、技術的な刺激があるポジションに映っていない。
そこで、シスコシステムズとサン・マイクロシステムズという外資系人気企業2社を例に、改めて外資系ベンダーにおけるサポートエンジニアの真のミッションとやりがい、その技術レベルについて検証してみよう。
検証事例1: シスコシステムズでは、ソースコードにアクセスできる限られた職種
シスコシステムズは、エンジニアにとってもはや説明の必要がない、IPネットワークを構成するスイッチやルーターの世界トップメーカー。常に世界最高水準のIP機器を世に送り出すと同時に、インターネットがもたらす新たなソリューションを提案し続けている企業である。そんなシスコにおいて、サポートエンジニアはどのような役割を担っているのだろうか。採用部門のマネージャである長谷部氏に伺った。
シスコの最先端=IPの最先端、シスコのサポート技術とは

シスコにおいてサポート職は何を担い、どのような人材が集まっているのだろうか。長谷部氏は次のように語ってくれた。

「シスコでは障害対応時に必要なナレッジをWebでユーザーに公開し、サポートプロセスの自動化を図っています。このツールによって、ほとんどの障害はユーザーサイドで容易に解決できるようになりました。それでも時として解決が図れない問題が発生します。顧客が従来のネットワーク資産を生かしながら、継ぎ足しでシスコ製品を導入した場合などは、われわれが想定していない障害が起こり得るのです。そうした場合などにおいて、最終的に対応するのがテクニカルサポート職です。障害の中には製品のバグが原因ということもあります。そんなときは、ソースコードを見たり、不具合の解消を米国の開発エンジニアと協議したりもします。IPの最先端といわれるシスコの最先端テクノロジーが集約された、OSのソースコードを見ることを許された国内でも数少ない存在……このことだけでもサポート職の重要さと技術レベルの高さをわかっていただけるでしょう。もちろん、相応のスキルが求められますし、こうしたミッションをすぐにこなせる人材の採用は難しいですね。実際の採用活動においては、IPに関する何らかの技術に精通したシニアレベルの方、もしくはポテンシャルを秘めた方を状況に合わせて求めています」
長谷部 亘氏
シスコシステムズ株式会社
人事本部HRマネージャ
長谷部 亘氏
多くのCCIE取得者に混じってスキルアップが図れる環境

「実際のサポートチームは精鋭ぞろいですね。CCIEを取得しているエンジニアが数多くいます」。
長谷部氏はこう切り出してサポート部門を紹介してくれた。CCIEとは、言うまでもなくシスコ認定資格の最高峰。世界で通用するネットワークエンジニアのプレミアムライセンスである。

「現実のミッションとCCIEの内容がリンクしていることが多いので、資格は単なる“ハク”ではなく、必要となるスキル標準と言えるかもしれません。
言い換えれば、CCIEの取得を目指すなら国内で最も望ましい環境と言えるでしょう。社内には顧客のほとんどの環境を再現できるラボがあり、多くの実例に触れられます。またWebで世界中のケーススタディを参照することも、それどころか世界中の同僚と電話やメールでコンタクトを取ることも可能です。日本のサポートエンジニアが解決した事例が海外から参照されることも少なくありません。ISPへのサポートなどに関しては日本が進んでいますので、自分たちが得たナレッジが世界中で共有されるものとして残ったりしています。IPの最先端で、今、何が起きているのかを目の当たりにすることが可能なのです。また、各種トレーニングメニューが社内ネット上で公開されているので、自らプランを立てて学べる環境も整っています。シスコのサポートエンジニアは、IPにおける最高度のスキル獲得を果たせるポジションと言えるでしょう」
検証事例2 :サン・マイクロシステムズのサポートエンジニアは、Webシステムの最前線を切り開く
既に社会のインフラとなった観がある数々のWebおよび基幹システム。それを支えているサーバーでトップクラスの実績を誇るサン・マイクロシステムズ。SPARC/Solarisアーキテクチャに基づく優れた技術に加え、Java技術の先駆者として知られるなど、同社のテクノロジーの先進性には疑う余地がない。そんなサンでも、カスタマーサポートは特別なポジションにあるという。約10年前にソフト開発職から同社への転職によってサポートエンジニアとなり、現在はマネージャーを務める吉田氏に話を聞いた。

開発職からサポートエンジニアになって痛感した“技術の多彩さ”

吉田氏の前職は航空機などの制御システムのソフト開発エンジニア。それを聞けばかなり高度なミッションを担っていたことを連想できるが、吉田氏がサンに転職した理由は、国内大手から外資系に転職するエンジニアの典型例だった。

「新卒時から開発職として過ごした7〜8年間は、確かにやりがいに満ちていたのですが、30代より先は開発の最前線を離れる管理職になる道しかありませんでした。私としては先端技術に触れる仕事を続けたい。そこで転職を決意したのです。サンを選んだのは技術力の高さに加えグローバルなステージがあると考えたからです。サポート職であることは納得していました。むしろ開発をやってきた人間から見ると、気楽に取り組めると思っていました。
  ところが入社後すぐに、技術面で鼻を折られることに。先輩、同僚たちの技術理解の深さと幅広さに圧倒されたのです。例えばネットワークに対しても、OSに関しても、ストレージについても、膨大な技術と知識をもち、システム全体に視野を広げてあらゆる問題解決に対処するスキルは、私の想像を超えたハイレベルなものでした。ああ、開発エンジニアは自分の製品のことしか知らないものだな、と反省したのを覚えています」

吉田 隆之氏
サン・マイクロシステムズ株式会社
カスタマーサービス統括本部
デベロップメントテクニカルサポート
テクニカルアカウントマネージャー
吉田 隆之氏
サンではサポートエンジニアがビジネスの成功を左右する

サポートエンジニアの奥深さを知った吉田氏は、同僚に追いつくべく最新の技術を習得しつつ、サポート業務を通してWebおよび基幹システムの最前線で、その進化に立ち会ってきたそうだ。

「サンはWebおよび基幹サーバーにおけるトップクラスのベンダーとして、さまざまな基幹システムの立ち上げにかかわってきました。その多くは、今までになかったWebによるサービスやECの仕組みを実現したり、それまでとケタ違いのアクセスを許容しなければならなかったりと、チャレンジングなものばかりでした。また、その多くはダウンが許されない、ミッションクリティカルなシステムです。それでも障害は起こります。そのときに備えてシステムが二重化されていたりしますが、同じトラブルが連続する可能性は高い。原因を究明するとともに復旧のための作業は秒読みです。
ここで早期復旧できないと、ネット社会の動きをストップさせてしまう……そんな意識を背負ってサポート業務に臨んできました。この危機感は事業の成否に直結する顧客企業も同じです。

また、こうした危機局面を最新かつ最高レベルの技術でクリアするためにスキルを磨いているのがサポート職の私たちです。障害をクリアするたびに、顧客からの信頼は厚いものになっていきました。そして今、Webおよび基幹システムの最前線では、顧客が新しいWebシステムの立ち上げや大幅な更新で新しいアーキテクチャを選択される際、まず何よりサポートの技術力と対応力が問われるようになっているのです」
おわりに 外資系サポートエンジニアの魅力とはズバリ、「世界最先端のテクノロジーに触れられること」
以上、シスコシステムズとサン・マイクロシステムズの2社の事例を通して、外資系ベンダーにおけるサポートエンジニア職の技術レベルの高さとミッションの重要さが見えてきた。では、改めて見直すと、転職でサポートエンジニアを目指す魅力は何なのだろうか。それは、第一に要求される技術レベルが高く自らのスキルを磨ける業務であること。次に、情報システム・ネットワーク社会の最先端で課題解決型の業務を担っていることではないだろうか。
エンジニアとしてみた場合、開発職以上に最高水準の技術に触れられ、刺激的なミッションを任される魅力があるかもしれない。

上記2社とも、メインでお聞きできたのはカスタマーサポート職であった。では営業活動を支援するセールスサポート職を含めて企業側の採用動向はどうだろうか。リクルートエージェントでキャリアアドバイザーとして活躍する佐々木康友氏は次のように語る。
「外資系ベンダーに限らず、サポート職の求人需要は増加傾向にあります。その半面、求職者の数は微増。この需給バランスのギャップはますます大きくなっています。企業側の採用ニーズとしては、幅広く全般的な技術を経験しているエンジニアよりも、UNIXやLinux、セキュリティなど、個別の技術に精通したエンジニアを求めていますね。本国とのやり取りも発生しますから英語力も期待されますが、まずは何よりも技術スキルが必要です。待遇面に関しても開発職と同レベル。転職市場でサポート職は上級エンジニアと見られているんですよ。最新テクノロジーに触れられること、業務課題の解決という取り組みがいの大きな仕事ができることから、開発職からのスキルチェンジも少なくありません」

佐々木氏の求人動向の説明から、図らずもサポートエンジニアの魅力が漏れてきた。そして、そのことに気づいているエンジニアは、もう動いているのだ。
それでは最後に、外資系サポートエンジニアの魅力をおさらいしておこう。

外資系サポートエンジニアならではの魅力

外資系人気2社のサポート職を検証し、応募者のイメージと採用側のギャップが明確に見えた。こんなに“取り組みがいがあって技術を磨けるポジション”を放っておく手はないと言えるのではないだろうか。
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山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ 山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ
皆さんは今回取り上げたサポート職に対してどんな印象をお持ちでしょうか?今回、特にサン・マイクロシステムズの吉田さんのお話を伺ってサポート職がある意味、もっともエンジニアらしい仕事のような気がしました。紹介した以外にもサポート職には数多くの仕事領域がありますので、ぜひそちらにもスポットを当てていきたいと考えています。

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