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検索の信頼性を上げる「タグ活用」、RSSをメールに変換… 「とりあえずググる」を卒業! TOPエンジニアの検索術
「あの情報、絶対にあったはず!」とわかっていても、ネット上にもPC内にも見つからないという経験は誰にでもあるだろう。そんなヤキモキ解消テクニックを、検索ツール活用の達人に聞く。
(文/川畑英毅 総研スタッフ/根村かやの)作成日:06.08.02
Part1:「探す」だけじゃない!「検索」は情報管理のカギ
 さまざまな情報がネットにあふれるこの時代。ちょっとした調べ物で、検索エンジンにキーワードを入れてみたら、何千件もヒットしてしまい、手に負えなかったりする。逆に、どこかに必ずあるはずの情報にたどり着けなくてもどかしい思いをすることもある。

 また、自分のPCの中に蓄積される情報も、増える一方。ストレージの容量は幾何級数的に伸びていき、その管理もますますややこしくなっていく。
 データが少なかった昔なら、用途別にきちんとフォルダを区切り、さらにそれを階層分けして、整然としたツリー構造に……などということも可能だったかもしれない。しかし今や、そんな手法が通用しない情報の氾濫にさらされているのである。

 情報管理は「分類・階層化」から「検索ベース」へ――これは次章にも登場している、ただただし氏がしばしば指摘していること。もちろん、誰もがウェブの検索エンジンは使っているだろうし、デスクトップ検索も流行。とはいえ、単にそれらを使っているからといって、目指す情報に素早く行き着けるとは限らない。エンジニアなら、この情報の氾濫の中、「さすが!」と言われる“検索術”をもちたいもの。
 日々の情報収集からデータの管理まで――「検索」に一家言もつエンジニアたちに、そのツボを披露してもらった。
Part2:「達人」に聞く情報ツール活用のツボ
ただただし
ただただし
某IT企業勤務のエンジニアにして、ウェブ日記システム「tDiary」の開発者。個人的な日記サイト「ただのにっき」は、エンジニアの間でも人気が高い。Tech総研ブログ上でも、「ただただし@『ただのにっき』のエンジニアいとをかし」を展開中。
「タグ付け」が情報検索の信頼性を上げる
 例えばGoogleやYahoo!などの検索エンジンの場合、情報は「他人の評価」でフィルタリングされて出てくる。しかし、自分だけのデータの場合は、そうした評価付けがない。全文検索では、あまりにノイズが多すぎる。ノイズを少なくし、頼りがいのあるものにするには、どうしたらいいのか……そのひとつの手段が、タグだと思うんです。

 従来のようにジャンルを決めてフォルダ分けをするのでは、1つのデータが2つのカテゴリにまたがっていた場合、どうにもならなくなってしまう。属性検索をベースにすれば、そんな面倒な管理手法は不要。フォルダや階層を考えなくとも、検索で必要なものを引き出すことができます。

 検索に使う属性には日付や位置情報などいろいろありますが、そこに自分で付け加えるのがタグ。もちろん、それには「一手間必要」になるわけで、ちょっと面倒ではあるんですが、そこは“投資”と割り切っています。

 そういうわけで、ツールを選ぶ際の第一の条件は「タグ付けができるかどうか」。
 画像データには、「Picasa」を使っています。人からもらった紙資料などはすべてPDF化、その管理には「iTunes」を使います。これはもともと音楽管理のツールですが、PDFの管理にも使えるんです。
 テキストデータはどこにいても引き出せるように、できるだけネット上に置いておくようにしています。公開可のものはブログに、プライベートのものは自宅サーバーのwikiに。そしてメールは「Gmail」を使っています。

 1つのデータに付けるタグは、普通は2つ3つ、多くても5つくらい。「今の自分ではなく、未来の自分が、このデータを必要としたときにどんな言葉で検索するか」を考えて付けるようにしています。
Picasa
Googleの画像管理ソフト「Picasa」では、写真は撮影日の日付の名前がついたフォルダに入る。ただ氏は、風車が写っているものに「風車」のように、自分なりに設定したタグを付け、検索の絞り込みが行えるようにしている。
tDiary
自ら開発した日記システム「tDiary」は、もちろんタグ付けに対応している。今までに書いた日記から「wiki」タグが付いたものを検索するのも簡単。
ただただし氏の検索のツボ
Otsune
Otsune
アニメーションの会社でシステム管理者を務める。slashdot.jp編集者(『Masafumi Otsuneのslashdot日記』)。ブログ「Graphic Wizard’s Lair」主宰。
大量の情報をすべてGmailに一本化
 僕の情報収集のメインフィールドはネット上ですが、ネットの世界は広いし、ブログ、SNS、掲示板など、さまざまな形に分かれている。そこで僕は、ほぼすべてをGoogleの「Gmail」に集約する工夫をしています。ネットの巡回も、mixiの最新日誌のチェックも、すべて「Gmail」ですませてしまうのです。

 そのカギを握っているのが、「Plagger」という、Perlユーザーの間では有名なツールです。宮川達彦さんというSix Apartのエンジニアが作っているものです。
 僕は、気に入ったサイトやブログを「Bloglines」に、「面白いけれど、常時巡回するほどじゃないかな」というページは、ソーシャルブックマークの「del.icio.us」に登録しています。「Plagger」を使うと、これらの未読情報や登録情報を自動的に取りにいき、指定したフォーマットで出力することができます。僕の場合は、「Gmail」あてのメールに出力しているわけです。要約だけのRSSから全文を取得、いわば「全文をRSS化」するといった処理を加えることも可能。
 というわけで、「確かネットのどこかで見たなあ」とか、「誰かのmixiで読んだ気がする」なんて情報が、全部、「Gmail」で検索するだけで見つかるんです。
 自分が書いたデータ類も、ほとんど「Gmail」の自分のアカウントに送ってしまうので、PC内を別途検索するといった必要もありません。

 今はソーシャルブックマークやRSSなど、情報を管理・選択するさまざまなサービスがある。それらのサービスのいいところだけつまんで使い、管理も検索も簡単にすませてしまおうというのが、僕のやり方です。
Gmail
Otsune氏の「Gmail」画面。あらかじめ設定された時間間隔で、「Bloglines」に登録したサイトの未読を「Plagger」がメールに変換して送ってくるので、送信者欄にはサイト名が並んでいる。直接「Bloglines」に読みにいく場合、サイト登録数が多いと重くなるので、その点でも快適。
Plagger
「Plagger」は「Bloglines→Gmail」に限らず、入出力をさまざまに組み合わせることができる。Otsune氏は「はてなブックマーク→携帯サイト(CHTML)」でも活用。ブックマークの人気ランキングを1時間に1回CHTML化し、携帯サイトとして読めるように設定し、電車の中などで最新の情報をチェックしている。
Otsune氏の検索のツボ
古橋大地
古橋大地
東京大学空間情報科学研究センター研究支援推進員。東京都立大学理学部地理学科卒、東京大学大学院新領域創成科学研究科で環境学修士取得。(株)オープンGIS勤務を経て2005年5月より現職。また、マップコンシェルジュ(有)を設立、地理情報システム(GIS)トレーニングにあたる。
管理も検索もとことんシンプルに
 僕のデータ管理のポリシーを簡単に言ってしまうと、面倒な分類はなるべくしない、検索もとことんシンプルに。名付けて「やる気のない分類、やる気のない検索」です。

 仕事のデータやテキストは、一切を「日付+仕事名」のフォルダに放り込んでしまう。それ以上の分類や階層分けはしません。そして中のデータに変更を加えたら、フォルダの日付も更新します。検索はもっぱら「Explorer」の検索機能です。
 もらった紙資料も全部スキャンし、PDF化したうえで、同じく日付順のフォルダへ。PDF限定で検索する場合は「Acrobat」の検索機能を使います。こちらは画像も一覧できるので見つけやすい。
 メールはもともと「日付+タイトル」が基本なので、それ以上の加工はしません。メーラーは検索の早さで「Thunderbird」を愛用。

 こうした管理法は、僕自身が情報を頭の中で時間ベースで考えているからでもありますが、直接的には、大ヒットした『「超」整理法』(野口悠紀雄著)のやり方をデジタルに置き換えたものです。
 このやり方だと、単純なフォルダ名の検索でも、常に直近、アクセス頻度の高いものが上位にくることになる。「古くて、最近見ていなかったもの」は順に後ろに押しやられることになりますが、大量のデータの中で、それらは重要度が低いものとして切り捨てていっていいと思う。最新のものを見渡すだけで、だいたい用は足りるのですから。

 新しい、機能の優れた検索ツールを使いたい人から見れば、あまりにプリミティブかもしれないけれど、僕が極力シンプルに抑えたいのは、「ハードにもOSにもアプリにも深く依存したくない」ためでもあります。コンピュータの世界は変化が激しいですから、今後どんな変化があっても、このやり方なら、破綻なく新しい環境に移ることができます。
Acrobat
「Acrobat」によるPDFの検索。自宅、事務所、研究室の3カ所に同機種のスキャナーを設置し、紙の資料は即座にPDF化。同一資料が複数の仕事にまたがる場合、複数のフォルダに同じものが入る場合もあるが、ネットストレージが大きい今は「こだわらない」。
Explorer
フォルダ名は8桁の日付+仕事名や人名などのシンプルなもの。この下に階層は作らない。「分類はこだわりだすときりがない」ため、最小限にとどめる。「Googleデスクトップ」による検索を使うこともあるが、日常は「Explorer」で十分という。
古橋大地氏の検索のツボ
増井俊之
増井俊之
独立行政法人産業技術総合研究所、情報技術研究部門所属。工学博士。Palm OSや携帯電話などに使われている、予測とあいまい検索に基づく日本語入力システム「POBox」の生みの親。情報検索、情報視覚化などユーザーインターフェースに関連する各種の研究を行う。
不確かでもたどり着ける検索がテーマ
 仕事柄、検索ツールは市販のものを使うよりも、自分で作るほうに興味があります。
 そもそも検索とは何か……人が何か仕事をするとき、「何」を「どう」するのか、もうその時点で検索ですよね。普段の生活の中で、「面白い映画ない?」「おいしいレストラン行きたいね」というのも検索。極論すれば、「人生は検索」なんですよ。
 しかし、おいしいレストランを探したい場合に、Googleで「おいしいレストラン」と入力しても、個別のレストランが見つかるとは限りませんよね。というわけで、出発点が不確かでも、目指す情報にたどり着ける検索が、私の重要なテーマのひとつです。

 例えば「ピテカン辞書」は、可逆的なズーミング、あいまい検索を組み合わせた検索手法をもつ辞書。最初表示されている数語から、単語をマウスでドラッグしていくことで、その周辺の単語が次第に現れてくる。キーボードから入力すれば、綴りの一部から、あるいは間違った綴りからでも検索が可能です。
 ネット上の情報なら、「del.icio.us」などのソーシャルブックマークも便利ですが、検索用のタグを自分でいちいち付ける必要があります。その手間を省くために自分で作ったのが「索引ナビゲータ」で、タイトル中の単語をそのまま区切ってタグ化する機能をもっています。

 これとは別に、ネット上で見て回った情報に関しては、ページを表示した瞬間にURLを逐一、取得・記録しています。ブラウザ「Firefox」には「Greasemonkey」という、Javaスクリプトを簡単に組み込む機能があり、それを利用したものです。この記録を検索すれば、過去自分の見たページを引き出すことができます。
 もうひとつ、読書のための管理・検索手段として構築したのが、「本棚.org」。これは自分の蔵書でも気になっている本でもどんどん登録して、「自分の本棚」をウェブ上に構築できるもの。
 ほかにも、日付や位置情報など、さまざまな属性にまたがって、それが「近い」データをいもづる式にたぐる「近傍関係による検索」など、いろいろなことを試しています。
索引ナビゲータ
増井氏によるブックマークシステム、「索引ナビゲータ」。「POBox」同様、1文字入力ごとに検索結果を絞り込んでいくインクリメンタル検索が可能。
本棚.org
増井氏が公開している「本棚.org」。例えば「自分と似通った本を多く登録している人たちの中で、ほかにどんな本が人気があるか探す」というような、読書に関する検索機能が秀逸。
増井俊之氏の検索のツボ
Part3:「ツールそのまま」ではない一工夫を
 今や誰もが使うさまざまな検索ツール。しかし、例えば「漫然とググってみる」だけでは、求める情報にたどり着けるとは限らない。

 ・タグを活用して、検索の際のノイズを減らす自分なりのフィルタリングをかける。
 ・自分に必要な情報を極力一元化し、何度もあちこちで検索する手間を省く。
 ・むしろ検索そのものをシンプルに。情報自体が膨大なので、引っかかる情報だけが必要なものと割り切る。
 ・検索ツール自体の機能・インターフェースをさらに進化させる……。


 登場していただいた4人の方は、使っているツールは一部共通するものの、仕事の分野も違うためか、その検索のポイントには差がある。しかし、単純に検索ツールに頼るのでなく、一工夫、二工夫を凝らしているのは同じ。皆さんも、彼らのやり方を参考に、ぜひ自分なりの検索術を磨いてほしい。
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  根村かやの(総研スタッフ)からのメッセージ  
根村かやの(総研スタッフ)からのメッセージ
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たださんいわく、「埋もれた古いデータを検索することより、最新のデータを検索することのほうが大切。少なくともこの仕事をしている限りはね」。エンジニアでも「過去の事例を検索する」などの場面がないとはいえませんが、苦労して探し当てても「これは古くて使えない。最新のデータはどこ?」となることのほうが多いかもしれません。過去と未来と、どちらを向いて検索するのか。それもまた「検索術」のツボだと感じました。
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