成果主義を導入する企業が急増している。しかし、エンジニア個人がどんな影響を受けるのかといった具体的な内容はなかなか見えてこない。そこで、Tech総研では、この成果主義をエンジニアがどうとらえているのかを25〜39歳のソフト・ネットワーク系、電気・電子・機械系エンジニア1000人を対象に調査を行った。
まず着目したいのが「成果主義浸透であなたの給与・賞与はどう変わると思うか?」という質問の答えだ(データ1)。「増える」「変わらない」を足した割合はほぼ8割となり、全体的には楽観的にとらえているようだ。また、エンジニア給与WAVE!「
月給制と年俸制どっちがお得?」でも触れたが、実際に成果主義が導入されている企業で働くエンジニアは、今後の収入増のささやかな期待をもつ傾向が強くなる。
そこで、「成果主義」が導入・開始されている企業、まだ導入されていない企業に勤務しているエンジニアそれぞれに給与制度の満足度を聞いたところ、明らかに導入されている企業で働く人のほうの満足度が高い(データ2)。
もちろん、これは1000人の意見を大きくまとめたものなので一概にはいえないが、数字を見る限り、エンジニア個人にとっては、従来の年功序列的な給与制度より成果主義における給与制度のほうが好ましいようだ。
だがその理由を聞いてみると、
「同業種・同職種の中では比較的もらっている」「今の時代を考えると、それほど悪い金額だとは思っていない」といったやや消極的な満足度から回答している人が8割と、かなり多いのが気になるところだ。一方、
「正当に評価されるようになった」「社長や上司と交渉もでき、納得している」という回答も2割の少数派ではあるが存在している。また、
「評価に偏りがあり、納得いかない」「正当な評価ができる上司だとは思えない」といった、自身への評価に対する不満が多いのも事実である。