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【実録】一通のオファーがエンジニアを変えた!Vol.3
学生時代の研究テーマ「音声技術」に、沖電気工業からスカウトが!
登録しておくだけで企業に自分のレジュメが見てもらえる「リクナビNEXTスカウト」。今回は、学生時代に研究していた音声技術のテーマをレジュメ登録していたことから、音源LSIの世界トップシェアを占める沖電気工業からオファーが届いたエンジニアの実体験談を紹介する。
(取材・文/広重隆樹 総研スタッフ/宮みゆき イラスト/花山由理)作成日:04.08.25
ベンチャーから「音声技術」のトップシェア企業にスカウト転職したケース

「音声」の仕事を安定した環境で追求したい
 学部と修士課程ではコンピュータの音声技術について研究。MIDIを扱うインターフェイスを、UNIXやLinux上で構築するのが主要なテーマだった。ソフトウェア業界で音声を扱う仕事をしたいという思いはあったが、大手システムインテグレーターに就職し、SEになった。
 しかし、音声・マルチメディアへの夢が捨てきれず、BSデジタル放送のコンテンツ作成などを行うベンチャー企業に2001年4月に転職。
 自分でブロードバンド上での事業企画を提案し、いよいよこれからというときに、経営が急速に悪化。2002年の春ごろから、経営悪化のための人員削減が始まった。まだ社歴の浅い自分もその対象になるという予感があった。次の転職をより効率的・効果的に進めるため、転職サイト、人材紹介会社への登録に加え、リクナビNEXTスカウトにも登録を行った。今度こそ安定して、かつ自分の希望に近い仕事ができる会社を選びたいという思いからだった。
宮原祐人さん
宮原裕人さん(30歳)
沖電気工業株式会社 シリコンソリューションカンパニー
ビジネス本部 ロジックマーケティング部音声BU
▼宮原さんのスカウト登録から転職までの流れ (2002年6月〜11月)
宮原さんのスカウト登録から転職の流れ
2002年6月 レジュメ登録
優先度を明確にした背水の陣の転職活動

 2002年6月末に解雇通知があり、1カ月の猶予後、7月末に会社事由による退職。失業保険が出る3カ月間をメドに転職活動を本格化することにした。2度目の転職にあたっての条件は、・企業規模がある程度大きく、経営が安定していること、・労働条件・福利厚生などがしっかりしていること、・自分のソフトウェア技術が生かせること――というものだった。「自分の性格はまず守りを固めるタイプ。会社の経営が安定していないと、思い切って仕事に打ち込めないということがわかり、その安定条件を第一に挙げました」。
 レジュメに記した技術的なアピールポイントとしては、Web、UNIXの開発スキル、ECサイト構築経験など。MIDIなどの音声技術の実務経験はないが、やはり自分が一番やりたいことなので、大学院時代の研究内容を中心に詳細に記した。「オファーは一種のデータベース・マッチング。これで何かひっかかってくれればという期待はありました」
 
POINT
大企業とベンチャー企業での経験を踏まえ、転職にあたっての現実的なプライオリティ(優先度)が明確。転職活動は3カ月間と決め、不退転の決意で集中して取り組んだ。レジュメにはセールスポイントとなる技術要素を学生時代にさかのぼって列挙した。
 
2002年10月オファーが届く
思わぬ大企業からのオファーに驚く

 2002年8月から10月にかけて届いたオファーは20通。あるシステム開発会社からのオファーには興味をもち面接まで行ったが、いわゆる顧客先への出向常駐型だったので決定はしなかった。自分はなるべく開発の上流の仕事がしたい。出向ベースだとまず上流の仕事ができないので、できるだけ自社開発の会社へ行きたいという思いからだ。
 転職期間中には、登録した自分のレジュメを何度も見直し、職務内容がもっとわかりやすく伝わるようにしようと、2度ほど書き直した。失業生活3カ月目に入り、少し焦りだした10月初め。沖電気工業からのオファーが届いた。
 学生時代のMIDIの研究と、その後のソフトウェア開発実績に関心をもっているというような内容のオファー。それまで、沖電気工業が音声・音源関係の事業を展開していることを、実は知らなかった。あわててホームページを読むと、携帯電話や家電に組み込む音源・音声LSIでは高い技術をもっており、世界的なシェアも高いということを知り、がぜん興味をもった。
 
POINT
オファーが届き始めてからも、レジュメを見直し、「わかりやすさ」をポイントに書き直している。沖電気工業が宮原さんに着目したキーワードは「音声」と「ソフト開発」。いわば、2つの技術項目のマッチングで宮原さんの経歴が浮かび上がった形になる。
 
オファーに返信
スピーディーな展開にも落ち着いて対応

 沖電気工業からのオファーにはすぐに返信した。「貴社が音声・音源LSIを手がけていることを初めて知りました」と、そこは正直に書いた。沖電気工業で働くことができればこれほどうれしいことはない、という気持ちを文面に込めた。先方も急いでいるらしく、その後のプロセスはトントン拍子に進んだ。10月に入って初めてのオファーがきて、すぐに面接日が決定。第1週目には第1次面接、翌週には第2次面接、そしてその翌週には最終面接があって内定。11月初めに入社と1週間おきにステップが進んでいった。
 事前に経歴や職務経歴書も公開しているので、企業側とメールだけでもかなり突っ込んだ意思疎通ができた。お互いに納得してから面接まで進めるので、その点は非常に効率的な採用選考方法だとあらためて感じた。
 
POINT
レジュメが事前に公開されているため、その後の採用プロセスが早く進むという利点が、オファーにはある。それだけに、メールにはすぐに返信するなど、レスポンスのスピードにも気をつけたい。
 
面接を受ける
「就活」の原点に戻り面接で自己アピール

 転職活動における自分の課題は、書類よりも面接だと考えていた。これまでの転職活動で、自分が何をしたいのかを、企業側に明確に伝え切れていなかったという反省があったからだ。思えば、最初の就職は教授推薦。ほかの学生がするような、徹底した自己分析、企業・業界分析などをしてこなかった。「新卒時の就活に戻った気持ちで」自分はこれまで何をしてきたのか、これから何をしたいのかを、ノートに書き出した。
 その結果、自分はスペシャリスト志向というよりはゼネラリスト志向。開発畑一筋というより、将来はマネジメントのほうへ進みたいのではないかと思うようになった。面接では、学生時代の部活まで戻って、人を束ねるマネジャーとしての資質があることも訴えた。
 
POINT
事前の自己分析を通した、将来のキャリアに対するビジョンは、面接での一つひとつの言葉に重みと真実味をもたらす。2つの前職経験を通して、基本的なスキルはできており、即戦力性が高いことも、自然にアピールできた。
 
 
2002年11月 転職決定
「この人と仕事をしたい」という思いが強まる

 仕事は何をするかということ以上に、だれとするかが重要だ。1次面接で現在の上司・松原弘明部長と話ができたのは幸いだった。音声LSI技術のみならず、マーケティングや事業戦略のエキスパートである、「この人の下でなら自分のキャリアを伸ばせる」と感じた。
 2次面接では本社の採用担当者が、沖電気工業の強みだけでなく弱みも率直に語る姿勢に打たれた。弱さがあるからこそ、それを強化するために中途採用を強め、会社全体が変わろうとしている。それがよくわかった。
 面接の過程で、「学生時代のMIDI技術やその後培ったソフト開発力をコア技術にしながら、将来はマーケティングのほうでも活躍してほしい」というオファーがあった。漠然とゼネラリスト志向だと思っていたが、マーケティングという仕事は初めて。ただ、これまでの自己分析で開発系のスペシャリストでいくよりは、自分の幅を広げるほうがよいと考えていたので、そのオファーにも強い興味がもてた。
 こうして両者が納得し、新しいキャリア形成への方向をつかむなかで、転職が決定した。
 
POINT
面接では最初から現場の技術担当者が同席し、技術内容のすり合わせが行われた。これまでの経歴や面接で話した志向性をふまえ、企業側も新しい職種を提案。それに柔軟に対応できたことが、採用決定につながった。
検証 なぜ宮原さんはスカウトされたか?
「宮原さんは、社会人経験3年の“第2新卒”カテゴリーに属する。学生時代の『音声』技術はこれまでの職場では生かされていなかったが、それを追求する姿勢がレジュメに明確で、まずそれが目を惹いた」と、松原さんは言う。採用時には、音声とソフト開発という2つの技術要素があり、かつ商品企画・マーケティングへとキャリアを伸ばせる人材を求めていた。「宮原さんとの、メールと面接でのやりとりは、その可能性を十分に感じさせるものでした」。(松原さん)
沖電気工業株式会社
シリコンソリューションカンパニー 
ビジネス本部 ロジックマーケティング部 音声BU
部長 松原弘明氏
ネットを媒介に企業を研究し、自分をよりよく知ってもらう方法とは?
 
 スカウトは、求人企業にとって一種のデータベースを活用した採用方法だ。企業はさまざまなキーワードを組み合わせて、登録者のキャリアを検索している。登録者からすると予想外の企業がフィットする場合もある。それだけに、登録レジュメにはより広く技術・職務経験を記したほうがよい。
 あらかじめレジュメを見ているのだから、企業の採用意欲はほかの選考方法に比べて、一段階高いところからスタートしている。宮原さんの場合も、その後の選考プロセスはスピーディーに進行している。こまめに、かつ迅速にメールをやりとりすることで、そのスピードにしっかり対応していくことが採用決定につながる。
オファー可能性を上げるマル秘テク
・一度登録したレジュメは何度も見直す ・オファーの受信状況や面接でのやりとりをふまえ、レジュメの内容を書き直す ・学生時代の研究内容や、仕事には生かせなかったが自分の得意技術なども書き込む ・将来のキャリアに対するビジョンを明確に訴える
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宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ
キャリアとしては評価されないと思っていたMIDIの知識でスカウトされた宮原さん。それも自分では考えつかなかったその分野のトップシェアの企業から! そんな予想もしていなかった企業に出合えるのも「スカウト」の魅力です。ぜひ、みなさんも試してみませんか?

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