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読みやすさ&伝わりやすさが大幅アップ!「文章の読み返し」小ワザ4選

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■「読み返し」を工夫するだけで、文章の完成度が高まる!

 

自分が書いた文章を一度も読み返さないビジネスパーソンはいないでしょう(いたとしたら、レッドカードに限りなく近いイエローカードですぞ)。

 

「書く」と「読み返す」はワンセットです。筆者の肌感覚では、文章を書き終えたときの完成度は、よくても70%、悪ければ50%以下です。完成度を高めるためには「読み返し」が必要になります。文章を読み返さないのは、味見をまったくせずに料理をするようなもの。おいしい料理(=読みやすい文章&伝わる文章)を作ることを放棄している状態です。

 

読み返してみて、初めて見えてくる文章の粗や不備は少なくありません。文章の粗や不備とは、「言葉足らず」「説明が不親切」「理由や根拠の抜け落ち」「表現が不適切」「流れが悪い」「冗長」「上から目線」「誤字脱字」など、さまざまです。

 

書いているときは気づきにくい文章の粗や不備をきちんと修正できれば、文章の「読みやすさ」と「伝わりやすさ」がグっと増します。つまり、文章の完成度を100%に近づけることができるのです。

 

とはいえ、なかには「読み返しているけど、文章の完成度が上がっている気がしない……」というビジネスパーソンもいるでしょう。そういう方のために、「読み返す」ときに有効な4つの小ワザを紹介します。

 

■「読み返し」の小ワザ①:時間をおいて読み返そう!

 

文章を読み返すときは、できる限り時間を空けましょう。なぜなら、時間を空けることによって、自分が書いた文章を客観視しやすくなるからです。書き終えたあと、間髪を入れずに読み返すことが悪いわけではありませんが(読み返さないよりマシです)、書いた直後は、書き手としての「主観」が強すぎるせいで、文章の粗や不備に気づきにくい。一方で、読み返すまでの時間が長いほど、意識が「主観」から「客観」へと移行しやすくなります。つまり、より新鮮な気持ちで自分が書いた文章に向き合うことができるのです。

 

1週間前後空けられれば理想ですが、忙しいビジネスパーソンに1週間も時間を空ける余裕はないはずです。では、夕方に書き終えた文章を、翌朝に読み返すのはどうでしょう。これなら、できるケースもあるのではないでしょうか。

 

もし「ひと晩」さえ難しいときは、1時間でも構いません。たとえば、「午前中に書いた文章を、ランチを挟んで読み返す」という具合です。一刻を争う緊急案件の場合は、10分、いえ、5分でも構いません。書き終えたら、いちどトイレに立ち、デスクに戻ってきてから読み返す。あるいは、書き終えたら、いちど5〜10分、別の仕事を挟み、それから「読み返す」というやり方でもOKです。

 

■「読み返し」の小ワザ②:印刷して読み返そう!

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パソコン上で文章を書くとき、多くの人が、パソコンの画面上で文章を読み返します。もちろん、それ自体が悪いわけではありません。読み返さないよりは何倍もマシです。しかし、コンペに提出するプレゼン資料や契約を目的にした営業資料、一斉配信するプレスリリースなど、その文章の重要性が高い場合は、読み返すときに、印刷(プリントアウト)することをお勧めします。

 

不思議なもので、印刷した活字を目の前にすると、意識が「主観」から「客観」へ、つまり、「書き手」から「読み手」へと瞬時に切り替わります。すると、文章の粗や不備に気づきやすくなります。いちど印刷するだけでも、飛躍的に完成度は高まりますが、万全を期したいときは、文面の修正を挟みつつ、2、3回、印刷して読み返すといいでしょう。

 

何度か印刷するときは、そのつど、フォント(書体)を変化させるのも手です。文面は同じでも、フォントが変化するだけで「新鮮さ」が生まれます(その分、客観視しやすくなります)。文章を読み返すときには、書き手としての気持ちを捨てて、どこまで読み手の気持ちになれるかが重要です。フォントの変化は、読み手の気持を手に入れるための秘策と心得ておきましょう。

 

とはいえ、すべての文章を印刷するのは、時間とお金、そして資源(印刷用紙)のコストがかかります。「これぞ!」という勝負文章で活用しましょう。

 

■「読み返し」の小ワザ③:音読して読み返そう!

 

文章を読み返すときに「音読」できればベターです。音読は、黙読よりも時間がかかります。なぜなら、目で読み取った情報を、口から発するには<①文章を脳にインプットする>→<②口からアウトプットする>という「文字」から「話し言葉」への変換作業が必要だからです。

 

時間はかかりますが、その分、言葉の過不足や誤字脱字、リズムの悪さ、不適切な言葉など、細かい粗や不備に注意が行き届きやすくなります。口に出さずに読む黙読の場合は、読んでいるようで、実は読み流している(読み飛ばしている)ことも少なくありません。それでは「読み返し」の効果を上げることはできません。

 

音読したときに、ほとんどストレスを感じず、なおかつ、納得できる内容であれば合格点ですが、(悪い意味で)引っかかりを感じるときは、文章が「読みにくいぞ!」「意味が不明だぞ!」「くどいぞ!」「納得できないぞ!」などの改善シグナルを発している証拠です。シグナルに応じて、文章を改善しましょう。

 

■「読み返し」の小ワザ④:第三者に読んでもらおう!

 

上司、同僚、部下、友人、身内……など、文章を読んでくれそうな人が周りにいるときは、ぜひ読んでもらいましょう。なぜなら、「他人の粗はよく見えるが、自分の粗は見えない」のが人間だからです。これを文章作成に置き換えるなら「他人の文章の粗はよく見えるが、自分の文章の粗は見えない」となります。おそらく、書き手自身の「思い入れ」や「思い込み」の強さが、“見る目”を曇らせるのでしょう。だとすれば、なおさら、曇りのない目をもつ「第三者」に読んでもらう方法は有効です。

 

おもしろいもので、他人が書いた文章に対しては、粗や不備がよく見えるものです。第三者から「これってどういう意味?」「ここが分かりにくい!」「ここの言葉を◯◯に変えたら?」など、アドバイスや指摘を受けたときは、できるだけ前向きに、その助言を受け取りましょう。書き手の主観に固執しすぎると、独りよがりの伝わらない文章になってしまう恐れがあります。

 

「読みやすい文章」や「伝わる文章」を書きたいなら、照れやプライドは禁物です。文章の目的を伝えたうえで「おかしいところや、分かりにくいところがないか、率直な意見をもらえますか?」とお願いしてみましょう。第三者からフィードバックをもらうクセをつけると、文章力も急速に磨かれていきます。

 

なお、第三者として適任なのは「お世辞がうまい人」よりも、「素直に意見や感想を述べてくれる人」です。「第三者の厳しい目(!)」こそが、文章の完成度を劇的に高める特効薬です。

 

■「読み返し」を怠らない人は、文章で頭一つ抜け出せる!

 

「読み返す」ときに取り入れたい4つの小ワザを紹介しました。文章の内容や、その文章の重要度、デッドライン(締め切り)などにもよりますが、4つのうちの一つか二つを実践するだけでも、文章の完成度が格段に高まります。4つすべてを実践できれば、限りなく100%の完成度に近づくでしょう。

 

くり返しになりますが、文章作成には、「書くこと」だけでなく、「読み返すこと」も含まれています。プロの物書きでも、読みやすく伝わる文章を書いている人ほど、「読み返し」の作業に注力しています。もちろん、今回お伝えしたような「小ワザ」も活用しています。あなたも今日から「読み返し」の達人を目指してください。

 

著者:山口拓朗

『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』著者。

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 伝える力【話す・書く】研究所主宰。「伝わる文章の書き方」や「メールコミュニケーション」「キャッチコピー作成」等の文章スキルをテーマに執筆・講演活動を行う。「読み返し」を含む推敲のスキルは『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(日本実業出版社)に詳しく掲載。モットーは「伝わらない悲劇から抜けだそう!」。

 

山口拓朗公式サイト
http://yamaguchi-takuro.com/