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4人に3人が重度のストレス…肉体と精神のバランスを回復せよ 解消の鍵は幼少期にあり!?エンジニアストレス解消法
多くのエンジニアにとってストレスは切っても切れない関係。今回、エンジニア300人が仕事で抱える2008年版「最大のストレス要因」の分析と、普段実践しているストレス解消法について探ってみた。
(総研スタッフ/山田モーキン イラスト/フジモト・ヒデト)作成日:08.05.07
はじめに エンジニアの4人に3人が重度のストレスを抱えている
今回、無作為に抽出した20〜40代の一般エンジニア300人に対してアンケート調査を実施した。そこでまずは下図をご覧いただきたい。なんと仕事で抱えているストレスで、およそ4人に3人という高い確率で、「ストレス度数50%以上」という重度のストレスを抱えている驚くべき事実がわかった。
その一方で、「ストレスがまったくない!」と回答したエンジニアは、わずか7.7%という結果に。
繰り返すが、今回の調査対象はあくまで“ごく一般のエンジニア300人”
その中でこれだけ多くのエンジニアが抱えているストレス要因について、詳しく見ていきたい。
現在、仕事で抱えている「ストレス度数」
その1 エンジニアを極限まで苦しめる5大ストレス要因
先ほどに続き、仕事上の主なストレス要因について聞いた結果を右図に示した。
ご覧のとおりこの結果から、「エンジニアを苦しめる5大ストレス要因」が明らかに。
早速、まずはその中身について、それぞれの代表的なエピソード事例を紹介していきたい。
現在、仕事で抱えている 「最大のストレス要因」
ストレスFile No.1 上司&部下&同僚 毎日繰り返される社内の人間関係ストレス
エピソード (36歳・機械設計)
指示した仕様を満たすセッケイができない。10教えても3できるか否か。やる気がない。すぐ休む。ムダとわかっていてもやらなければならないというのは、ストレスがたまる。
ほかにも・・・
とにかく私の仕事の内容がほかの人たちと違うためか、仕事していても仕事してると思われない。評価も低く、会話しようにも話せる人がいない(機密事項のため)。(33歳・システム開発Webオープン系)
社長の一声で抱えている仕事をすべてストップさせ、社長が持ってきた案件に取り掛からなければならない。その結果、もともと抱えていた案件にしわ寄せがきて納期に間に合わなくなり残業、スケジュールがタイトになりストレスに。(26歳・機械設計)
IT系のリーダーとして業務システムの再構築に携わっているが、ユーザー・プロマネ・開発ベンダーの調整が大変。みな好き勝手言うので落としどころが見つからない。(40歳・社内情報システム)
ストレスFile No.2 容赦ない顧客・常駐先クライアントの無茶な要求にストレスが
エピソード(42歳・サービスエンジニア)
次の注文もだしていることをネタにサービスの契約内容をはるかに超える追加仕様を要求。
できないと別の会社へ発注を切り替えるなどの話を営業にしてやらざるを得ない状況に追い込まれるので、必要以上のプレッシャーが負担となっている。
ほかにも・・・
顧客検証しているはずなのに、バグだと言い張られる。(35歳・システム開発Webオープン系)
なんでも外注のせいにする。また全くフォローがなく何か質問したら自分で考えろといわれ、調べると時間がかかるといわれ最悪。(33歳・システム開発Webオープン系)
人がいないためプリセールス担当なのに重大トラブルに対応している。また金融系の顧客のため要求が厳しく、深刻な状況では1日3回の報告を求められるなどかなりつらい目に追い込まれている。(34歳・プリセールス)
ストレスFile No.3 無意味な会議・打ち合わせに付き合わされるイライラストレス
エピソード(45歳・システム開発Webオープン系)
工程進捗会議が長い。15時から24時まで。報告資料が不十分で考えて話すため時間がかかる。
ほかにも・・・
必ず上司にはメールでCCしているにもかかわらず、見てないくせに会議で順に現状報告を求められる。自分の範囲でない個所を報告している時間も同席しないといけないため、時間が無駄だと感じストレスに。(29歳・システム開発汎用機系)
みんなとコミュニケーションをとることだけが目的のようで、特にゴールを設定していない打ち合わせは非常に眠いし、時間の無駄を感じてイライラする。(30歳・コンサルタント)
仕事がないため、1のことを10見せるよう話を膨らませる。実体がないから突っ込まれるとすぐに馬脚を現す。(34歳・運用保守)
ストレスFile No.4 徹夜・休日出勤・帰って寝るだけ……超過労働ストレス
エピソード(40歳・システム開発Webオープン系)
平日実施できないシステム変更や機器更新、現行システムのデータベース拡張等休日出勤が多く、かつ管理職のため残業手当も出ない。
ほかにも・・・
納期前に3日連続徹夜や、無理なスケジュール設定。(27歳・システム開発Webオープン系)
装置を試運転している際に思うように動作せず、深夜までの作業が数カ月続いた。自分の時間も作れない状態が続いて、心身ともにかなり疲れた。(34歳・制御設計)
製品設計スケジュールが深夜残業と休日出勤を前提に組まれている。しかし残業代は出ない。(28歳・半導体設計)
ストレスFile No.5 エンドレスのコスト競争・迫る納期にますます加速するストレス
エピソード(36歳・機械設計)
コンペジターとの価格競争で、いつも薄利で機械を設計しているため、一生懸命やっても儲かった感がない。
ほかにも・・・
最近、販売単価が下がっているのでカスタマイズもたたかれる。一定の売り上げを営業はどうしても上げるため、仕事量が増える一方、仕事に追いまくられている感覚。(37歳・システム開発汎用機系)
開発依頼を受けたときに「工数は×人日だから余裕だよね」といわれると、実際に着手してから予定工数を超えそうな場合でも自分の技術不足を感じてしまう。(35歳・システム開発Webオープン系)
目標管理制度というのがあり、各個人が目標を設定し半期ごとに行い、査定につながるのでストレスに。(35歳・運用保守)
その2 エンジニアのストレス 昔と今で何が変わった?
ご覧のとおり、ひと言でストレスといってもさまざまなタイプがあり、また、ストレスを受ける側の個人差もさまざま。
そこでさらに、エンジニアが抱えるストレスの性質について探ってみたい。
過去の仕事上のストレスと現在のストレスを比較した上での「性質上の違い」
上の表は過去と現在、ストレスの性質上の違いについて質問した結果であるが、最も多かったのは「若いころのストレスと今抱えているストレスの違い」。
またその「違い」について分析すると周囲からのプレッシャーなどの、より「精神的なストレス」への変化を実感する回答が目立った。

「若いころに比べ、顧客内での評価が自分の耳にまで入るようになりプレッシャーを感じる」(40歳・システム開発汎用機系)
「若いころは納期的なプレッシャーがストレスになっていたが、現在は他部署や顧客との交渉などの人間関係がストレスになりつつある」(34歳・通信インフラ設計)
「若いころは自分が抱えていた担当分の開発が終わらなかったり、品質が問題だったりという局所的な話だったが、現在はプロジェクトの成否を左右するような大きなトラブルを担当することが多く、負担そのものが大きくなっている」(41歳・システム開発マイコンファームウェア系)。
そこでストレスやコミュニケーション心理に詳しいCPIコミュニケーション心理学研究所の高原氏に伺ったところ、
「今回のアンケート調査結果もそうですが、一般的に社内外を含め人間関係上の精神的ストレスは、あらゆるストレス要因の中でも非常に大きなウエイトを占めます。
その一因として、一見するとさまざまな人とコミュニケーションを図って仕事をしているように見えて、実は精神的に“孤立”している状況に陥っているケースが多いのです。
そのため周りからのサポートを受けられなかったり、親身になって相談できる相手がいない人が、一昔前に比べて増えつつあります」
と、人間関係上の職場環境の変化を指摘している。

またそれに加え,「時代的なストレスの質の変化」があげられる。
例えば今から15年位前までは、まだインターネットも携帯もほとんど一般には普及していなかったが、その後の急速なIT化によって「一人当たりの情報処理量の圧倒的な増加」という現象が生じた。そのためより少ない人員で大きなパフォーマンスを発揮できるようになった半面、仕事量の増加による肉体的・心理的なプレッシャーが重なり、昔に比べかえってエンジニア個人にかかるストレス負荷が増加した面もある。

このように、経験を積むことでプロマネなどの重要ポストに就いたり、IT化による一人当たりの情報処理量の増加によるプレッシャーが重なり、若いころよりも、そして過去よりも現在のほうが重いストレスを受けやすいといえるだろう。
高原恵子氏
高原恵子
CPIコミュニケーション
心理学研究所代表
臨床心理士

聖マリアンナ医科大学付属東横病院神経科にて、臨床心理士として4年間勤務後、(株)iBDにてコミュニケーション研修講師、(株)コーチ21取締役を経て1999年、(有)コミュニケーション心理学研究所を設立し、研修、講演、EAPカウンセリングを中心に活動中。 主な著書に『ストレスをパワーに変えるセルフコーチング』(実業之日本社刊)などがある。
その3 幼少期の経験がいい?エンジニアにオススメのストレス解消法はコレ!
最後に、今回のメインテーマである「エンジニアに効果的なストレス解消法」について紹介していきたい。
まずは右図をご覧いただきたい。
今回の調査対象300人のうち、ストレス解消法を持っている割合はおよそ半数、さらにその中で「解消法に効果あり!」と回答している割合はおよそ7割に上った。
そこで、多くのストレスを日々抱えながらも「自分なりのストレス解消法」をもっているエンジニアに、その具体的な内容について聞いてみた。
その結果、実践ノウハウとして「スポーツ」「趣味・旅行」の2つにほぼ集約された。

「土・日に疲れるくらいテニスをして、その後ビールを飲まずによく寝ることで、ぐっすり眠れて体がスッキリ」(41歳・システム開発マイコンファームウェア系)
「自転車で外に出て、同僚と仕事以外の場所で会う機会を作る。それにより自分だけがストレスを抱えているという、閉鎖的な気持ちにならない」(26歳・サービスエンジニア)

日々実践しているストレス解消法について
「休日は仕事のことを考えず、家族サービスや趣味の釣り、パソコンなどに没頭。それにより翌朝の目覚めがよく、仕事もテキパキこなせる」(43歳・機械設計)
「毎朝ヨガをして呼吸とともにその日生きていくだけの気を取り戻す。それで体調がよくなり、自信がつく」(30歳・通信インフラ設計)


こうした傾向に高原氏は
「ストレス解消に最も効果的なのは、“普段使っていない感覚や筋肉を動かす”こと。特にデスクワーク中心のエンジニアの方の場合、視覚を酷使することが多いのでそれ以外の肉体や感覚を使うスポーツや趣味活動をすることで、肉体と精神のバランスをとることが重要になってきます」

またそれに付け加えて
「できれば小学生以前に熱中していた、幼心に“楽しい”と純粋に思えるスポーツや趣味をすることをお勧めします。その純粋な楽しさは、本能的にその行為が最もストレス発散の効果が高いことを、身をもって証明しているからです」
とアドバイスする。

ただしこれらのストレス解消法が効果的なのは、あくまでそれほど重度のストレスを抱えていない状態のときに限ってのこと。
もし肉体的・精神的にかなり追い詰められてつらい状態にあるならば、まずは病院などの医療機関で適切な治療を受けることが必要だ。
最後に ストレスの質を早めに見極め、適切な対応を
ストレスには、いくつかの段階があると高原氏は解説する。

1適度なストレス・・・・ 変化や刺激をもたらし、より仕事の生産性を向上させる
2過度なストレス(進行1)・・・・ イライラ、肩こり、元気なし→自律神経のバランス乱れる
3過度なストレス(進行2)・・・・ 不眠・胃痛→ストレスホルモンの増大
4過度なストレス(進行3)・・・・ 胃潰瘍・高血圧・うつ病・心筋梗塞

そこで大事になるのは、現在の自分のストレス状態がどの段階にあるのかを早めに見極め、もし過度なストレス状態にあれば、それに見合った適切な対応を行うこと。
今も多くのエンジニアがストレスを抱えている中で、本レポートが何らかのお役に立てることを願ってやまない。
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山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ 山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ
ストレスを抱えたエンジニアの方がこれほど多いとは……。今回の調査で個人的にはかなり衝撃を受けました。適度なストレスは生産性の向上や活性化といった面で必要らしいのですが、明らかに肉体的・精神的に大きな支障をきたしている場合には、自分を守るためにぜひお早めの治療を。

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