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理系が多い、アルゴリズムの考案は得意、でも計算はPC任せ… 一般人と比較!「エンジニアは数字に強い」は本当か?
一般にエンジニアというと、理系出身者が多く数字や計算に強いイメージがある。今回、その真偽の程を探るべくエンジニアとそれ以外の一般職、合計300人のアンケート調査 を実施してみた。
(総研スタッフ/山田モーキン イラスト/岡田丈)作成日:08.04.24
今回のテーマ:エンジニア150人VS一般職150人 数字・計算力チェック
今回、無作為に抽出したエンジニア(ソフト・ハード系職種)150人と、エンジニア以外の職種(主に営業・事務・経理・公務員・医療系etc)150人に対し、以下の3つのポイントについてアンケート調査を実施した。

・ 「数字&計算」が得意or不得手?
・ あなたの仕事において「数字&計算力」はどれだけ必要とされる?
・ エンジニアはほかの職種に比べて「数字&計算力」が高い人が多くいると思う?


それぞれの調査結果についてはこの後、順を追って紹介していくがその前に今回調査したエンジニア150人&一般職150人、それぞれの「理系・文系出身比率」を右図に示した。
一昔前に比べればエンジニアでも文系出身者が多く活躍するようになってきたが、今回の調査対象者データを見る限りでは全体の半数超を理系出身者が占める結果に。
また一般職では逆に理系出身者は26%で、文系出身者54%の半数以下であった。

ではこうした基礎データを踏まえたうえで、上記3つのポイントについて紹介しよう。
エンジニア150人vs一般職150人理系文系の割合比較
エンジニアVS一般職 数字・計算が得意なのはどっち?/数字・計算力の得手・不得手割合比較
分析チェック!
一般職に比べ1割以上、計算の得意なエンジニアが多い
また高校数学を境に、得意→不得意に陥る傾向が


エンジニアに関して、「大変得意」「得意」を合わせて半数を超える58%が回答しているのに対して、一般職では両者合わせても42%と過半数に届かない結果に。
両者「得意」「不得意」の理由コメントを分析してみると、昔から算数や計算が好きだった割合が高かった一方で、微分・積分などに代表される高校数学で挫折したことで一転、苦手意識をもつようになった割合も少なからずいた。
さらにエンジニアの中で「不得手」と回答している中でも、「計算は早いが高等数学は苦手」「暗算は得意だが、数学の証明問題が苦手」といったように、決して数字・計算のすべてが苦手というわけではない人の割合も、一般職に比べて高い傾向にあった。
そのため、上のデータ以上にエンジニアのほうがより数字・計算を得意としている割合は高いといえるだろう。
エンジニアVS一般職 業務上、数字・計算力が必要とされるのはどっち?/仕事における「数字・計算能力」の必要割合比較
分析チェック!
データ上はほぼ同じ比率。
エンジニアでは主に各種データ分析、一般職では経理系でそれぞれ高い要求が


ご覧のとおりデータ上では両者、ほとんど同じ比率で特に目立った差異は見られない。
エンジニア・一般職とも6割以上が「業務上、数字・計算能力が必要」と回答している。
ただし、その数字・計算力が求められる業務内容についてさらに分析してみると、両者それぞれに大きな特徴や傾向が見られた。
まずエンジニアでは、データベース設計・データ集計・エネルギー分析・シミュレーター計算・プログラミングなど、ソフト・ハード問わず各種データ分析業務を中心に、高い計算力が求められる。
その一方、一般職では伝票処理などの経理業務や、営業での売上管理など主に「経理事務職」と「営業職」において、高い計算力が求められる傾向が高かった。
また逆に数字・計算力が求められない理由としては両者とも、「計算はPCや電卓に任せればすむ」という理由が最も多かった。
エンジニアVS一般職 エンジニアが一般職に比べ「数字・計算力が高い人」が多いと思う?/エンジニアがほかの職種に比べ「数字・計算力が高い人」のいる割合が高いと思う割合
分析チェック!
一般職が思う以上にエンジニア自身は、「数字・計算力が高い人」は多くないと考える

最後の質問では、両者で大きな違いが見られた。
一般職の方たちがエンジニアに対するイメージとして、「数字・計算力が高い人」が多くいそうだと回答する割合が、全体の57%なのに対し、当のエンジニア本人は逆に「数字・計算力が高い人」はそれほど多くないと回答する割合が、53%と過半数を超えた。
一般職側の意見としては、「コンピュータ関係は理数系のイメージだから」「数字を取り扱う仕事のイメージが強い」といった印象が強いようだ。
その一方、エンジニア側の意見として「文系出身者も多いので当てはまらない」「計算よりもひらめきが重要」など、必ずしも「エンジニア=理系=数字に強い」とはならないと考えている人も多い。
ただし、逆にエンジニアで「数字・計算力が高い」割合が多いと回答している人は、「論理的思考が大事なので、必然的に数学が得意な人が多い」といったコメントが目立った。
まとめ:エンジニアの数字・計算力は高いが、それ以上に論理的な思考ができるタイプが多い
以上、3つのポイントからエンジニアの数字・計算力の実態について探ってみた。
結論としてはやはり、というべきかほかの一般職に比べて総じて数字・計算力の高い人が多い傾向が見て取れる。
しかしそれは必ずしも「エンジニアだから数字・計算力が高い」という単純な構造ではない。
それ以前にまず、エンジニアという仕事の多くは総じて「論理的な思考」を求められる傾向が強くある。そのため、物事を論理的に考えられるエンジニアが多く、そのひとつの結果として数字・計算力の高い人も多い、ととらえるべきなのかもしれない。

ただしエンジニアの中にも論理的思考や数字・計算が苦手な人も多くいることは、今回の調査結果からみても明らか。エンジニアにとって「数字・計算力」が高い人ほど活躍できるチャンスがあるわけで今後のキャリアを考えたとき、苦手な人ほどより論理的思考や数字・計算力を高める必要がありそうだ。
コラム:今からでも遅くない!「数字・計算力」を鍛えるテクニック
「数字・計算力が高ければいいに越したことはないけど、この年になったらもうスキルアップなんて……」とあきらめているエンジニアも多いのではないだろうか。
今回、大人になってからでもちょっとした“コツ”で数学的センスを高めることができるテクニックについて、理数系専門塾を開いているエルカミノ代表の村上氏に伺った。

理系の条件は「一般化」したがること

今回のアンケート結果を拝見しましたが、数学を苦手になる方の多くは、中学や高校あたりを境にその傾向が強まるようです。
それは、だいたい中学までの数学教育は「このやり方でやればできる」という公式を覚えれば誰でも解ける問題が多いのに対して、そこから先は問題の解き方を自分で考案しなければなりません。そしてこれこそが「理系の能力」なのです。

そもそも数字に強いといわれる理系の方は、文系に比べてあらゆる物事を「一般化=フォーマット化」したがるもの。
例えばA、B、C、Dという4つの問題を解くとき、文系の方は一つずつ個別に問題を解く傾向があるのに対し、理系の方は「ABCDすべてに対して通用する公式=フォーマット」を考案しようとします。4つまとめて、より簡単に解きたいという「めんどくさがり」でもあるんですけど(笑)。

数的センスを磨く「フェルミ推定」とは

ここで重要なのは、既に出来上がった公式やロジックを覚えることではありません。そのロジックが出来上がるまでの過程であり、それが数字に強い方に多い「論理的思考」につながるわけです。

そこでその「論理的思考」を簡単に養うための方法として「フェルミ推定」というものがあります。フェルミ推定を簡単に説明すると、仮説や推定を組み合わせて「おおよその数字」を見積もる方法です。
例えば
「シカゴ(人口約300万人)にピアノ調律師は何人?」という問題があったとします。
そこで、4つの段階で仮説を立てて、推定していきます。

村上綾一氏
村上綾一氏
理数系専門塾エルカミノ代表

大学卒業後、大手進学塾に勤務し最上位コースを指導。退社後、株式会社エルカミノを設立し、出版事業、教育事業を行う。教育部門「理数系専門塾エルカミノ」では直接授業も担当し、生徒を数学オリンピック(算数オリンピック)へ多数送り出している。
2008年公開映画デスノート「L change the World」で数理トリックの制作を担当。
主な著書に『絶妙な数字で考える技術』(明日香出版社刊)などがある。


……といった具合に「おおよその数字を仮定」していくことで算出していきます。
これを数字の苦手な人に説明すると「そんなおおざっぱな計算で本当に合ってるの?」なんてよく不思議がられますが、実はこのくらいおおざっぱに計算しても十分「誤差」の範囲に収まるもの。
意外にも数字に苦手な方のほうが逆に、「細かい数字」にこだわる傾向にあります。
でもあまり一つひとつの細かい数字に捉われすぎると、いつまでたっても答えは導き出せません。

ですから、例題のようにまずは「物事を“おおざっぱ”にとらえる」思考を養うことが数字や計算に強くなる秘訣で、それは大人の方でも可能なことです。
数字に強くなりたいと思われるエンジニアの方には、ぜひこの「おおざっぱ」に考える方法を試してください。
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山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ 山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ
私も昔、7年ほど公文式に通っていた経験から数字や計算が大の得意“だった”んです。でも今回のアンケート結果にもあったように、中学の関数、そして高校の微分・積分で完全にリセットされてしまいました……。上のコラムを参考に、もう一度鍛え直そうかと考えています。

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