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若手エンジニア100人が激白!上司が情けなくなった瞬間
上司の言動に思わず“情けない”と感じた瞬間はないだろうか? 20代後半のエンジニア100人に、自分の上司がとった言動に対して思わず“情けない”と感じたときのエピソードについて聞いてみた。その気になる内容は……。

(取材・文/川越宗徳 総研スタッフ/山田せいめい イラスト/Shu-Thang Grafix)作成日:04.08.25
その1 厳選!実際にあった「上司の情けない瞬間」
 ここで、アンケート結果を基に上司の情けない瞬間を5つのパターンに分類してみた。このパターンにおける、上司の決定的な情けない瞬間を実話にもとづいて記すとともに、ほかのシーンでの発言語録も併せて紹介する。
ケース1 責任放棄する上司に「情けない…」
エピソード
 顧客のシステムでのトラブル発生時の話。ちょうど仕事も片づいた夕方6時半を過ぎたときのことでした。そろそろあがろうとして机まわりを整理し始めたところ、1本の電話がなったのです。出てみるとお得意様のA社からで、システム上でのトラブルに至急対応してほしいとの要望でした。さほど難しいトラブルではなかったので私で事足りたのですが、業務報告の意味もあり、課長あてに連絡を入れました。電話に出てきた課長はなぜかご機嫌でした。よく聞くとまわりも騒がしく、すでに居酒屋で出来上がっているのです。状況を説明する私に対して課長は信じられないひと言を……。
上司が情けなくなった瞬間(投げやりな発言)
その後…
 課長は以後、部下から無責任な上司のレッテルを貼られてしまい、信用がなくなってしまいました。そのうえ、信用を失ってしまった現在もそのことに気がついていないのです。

※ ほかにもこんな「情けない」発言が……
「会社のシステムだから仕方ない」(25歳・システム開発)
「この件はほかの人に任せてるから詳細はよくわからないんだよ」(26歳・運用)
ケース2 仕事がまるでできない上司に「情けない…」
エピソード
 エンジニアのスキルを判断する材料にネットワーク構成の理解が一つのポイントになってくると思うのですが、私の上司は自分が間違えて指導しているにもかかわらず、その部分を間違えるとそのことに対して烈火のごとく怒るのです。そもそも、自分が間違えて指導したことなのに理不尽な理由づけで怒鳴るので、思わずあなたが間違えて教えたせいじゃないかと激しく抗議しました。
上司が情けなくなった瞬間(泣き言を言う)
その後…
 上司は自分の間違いを省みず、結果、部下から指摘をされましたが、その後にしおれて泣き言を吐いただけにとどまらず、しまいには泣き出してしまう始末でした。

※ ほかにもこんな「情けない」発言が……
「だって具合悪いんだもん」(28歳・制御設計)
「やらなきゃいけないんだけどねー。へへへっ」(28歳・運用・保守)
ケース3 身勝手な振る舞いをする上司に「情けない…」
エピソード
 社内で人事異動があり、私がそこの部署のシステム構築を引き継いだときの話です。当然、クライアントとの契約書や仕様書があるので、その確認をするために、上司に確認を願い出ました。実際問題として、その確認を怠ったがために契約内容と違ったシステムを作る可能性もありますし、最悪は契約破棄にもなりかねないからです。私としては最低限のことを確認しようとしたにもかかわらず、彼はこんなひと言を……。
上司が情けなくなった瞬間(逆切れの発言)
その後…
 上司の半ば逆切れ状態の発言を聞いて、何も言えなくなってしまいました。言葉を失ってしまった私に対して、上司はまるで追い討ちをかけるように“したり顔”でした。

※ ほかにもこんな「情けない」発言が……
「お前がもっとしつこく俺に頼めば遅れることはなかった」(28歳・半導体設計)
「私はお前よりも長く生きてるんだから、お前の考えより私の考えが正しい」(26歳・研究開発)
ケース4 部下に対して冷酷非情な上司に「情けない…」
エピソード
 エンジニアという仕事をしていると、納期厳守ということが大前提になってくると思うのですが、大変であればあるだけチームが一丸になる必要があると思うのです。それでも納期前、時間が押し迫ってきたら終電まで残業をしたり、時には会社に泊まりこんでの徹夜作業だってあることは読んでくださっているエンジニアの方ならだれでも経験なさっているのではないでしょうか? そんな折、わが上司殿は残業や徹夜を続けている私たちに向かってこんなことを言ってしまうのです。
上司が情けなくなった瞬間(冷淡なひと言)
その後…
 この上司は叱咤はするけど激励はしないタイプなので、結果的に私を含め、部下のモチベーションは下がる一方に。意見をする気を失ってしまった私はその後、この上司と距離を置くようにしました。

※ ほかにもこんな「情けない」発言が……
「なんで残業しないんだ?」(27歳・回路システム設計)
「スキルがないくせに文句を言うな!!」(28歳・制御設計)
ケース5 顧客対応であたふたする上司に「情けない…」
エピソード
 どんなシステムでもそうだと思うのですが、やはり人間がプログラムしたものですから完璧などということはなかなかありえないだろうし、逆に、エラーやクレームに対していかに迅速に正確な修正と対応をするかというのが顧客に対しての誠意であり、エンジニアの本来備えていなくてはならないことだと思うのです。私の上司は、クレーム処理を適当にすませようとするところがあるのです。先日もメールシステムの関連でトラブルが発生しました。電話で対応していた上司は、あることないことそれは適当にその場を取り繕おうとしていました。ところが顧客はそんな対応には納得できず、論理的に上司を責め始めました。
上司が情けなくなった瞬間(あたふたした様子)
その後…
 この後、私が電話で対応するはめに。上司の場にそぐわない対応に対して顧客サイドは怒り心頭だったので、先方に納得していただくのにかなり苦労しました。あまりにも情けないのでその後は、上司を全く相手にしなくなりました。

※ ほかにもこんな「情けない」様子が……
抗議したことに反論もできず、ただ聞くだけで結論も出なかった。(29歳・生産技術)
問い詰めたら、トイレに行くなどと言って離席したまま戻らなかった。(28歳・システム開発)
その2 上司の情けない言動が部下に及ぼす悪影響とは
図1:「上司が情けなくなった瞬間」に遭遇した時の、上司に対する部下の反応 図2:図1を受けての上司の反応

 ここで、アンケートの結果をまとめてみた。今回のアンケート結果から次のようなことがわかってきた。情けない瞬間に遭遇した際、実に41%の人が抗議をするなどの何らかのアクションを起こしている。(図1参照) また、無視をするなどの無言の抵抗をしている人も35%おり、75%の人は強い反感を覚えているという結果が導き出されている。 これに対しての上司の反応は、きちんと部下を納得させる行動に出た人は全体のわずか4%にとどまり、ほとんどが理不尽な言い訳をするような結果となっている。(図2参照)
 また「その後、人間関係がどうなったか」という調査では、これを受けて人間関係としての上司と部下の関係が80%という大きな割合で悪いほうへと移行している。またモチベーションという点においては実に60%弱の人が低下してしまうという結果を導き出している。逆に奮起してモチベーションをあげた人はわずか5%にとどまった。きちんとお互いに話し合ったケースでは逆に関係は良好化しており、人間関係の大切さがうかがえる。

 どのような業種でも人間関係の善し悪しによってモチベーションが影響を受けるのは必至のようだ。今回の結果を見て大切なことは、問題点が発生したことそれ自体ではなく、その後、いかにきめ細かなケアをすることに尽きるのではないだろうか。

コラム 「理想の上司」ってどんな人?
 これまで上司を情けなく感じた瞬間をさまざまな例やアンケート結果をもとに紹介、考察をしてきたが、ここで技術人材育成フォーラムにて人材育成にご尽力されている宮武氏に理想の上司とはどういうものなのかお話をお伺いしてみた。
宮武正哉氏
宮武正哉氏
1959年、(株)リコーへ入社。97年退職するまでに複写機などの新製品企画、技術企画などを担当。社内にて技術人材開発統合システムを構築。94年には(社)企業研究会の「技術人材育成フォーラム」創設にかかわり、代表幹事、以後参与として新しい技術人材開発のあり方について研究。本年6月に参与を退任。
主な著書
「21世紀の技術人材開発マニュアル」企業研究会
 まだ係長のころの出来事です。上司が1週間ほど出張することになり、私に印鑑を渡してこう言ったのです。
「私が留守の間、君に決済を任せるからこの印鑑を渡しておこう。必要と判断したら君が押しなさい。結果については私が責任をもつから」

 私は戸惑いました。そんな決済権限のある印鑑を渡されて一体どうしたらいいのだろうかと。いざ、印鑑を手にするとなかなか押せないものですね。普段、どうせ駄目なら上で拒否されるだろうとダメモトで帳票類を作成していたので、何げなく押されているその印鑑の重みというのを痛烈に感じました。結局、決済を迷うことはありませんでしたが、私はこの上司が全権委任してくれた心情に何とかこたえようと逆に奮起したものです。後に管理職になってみて、彼は単に私に仕事を与えたのではなく、権限委譲することによって素晴らしい教育をしてくれたのだなと感じました。

 上司たる者は、方針と目標を明示した後は、部下一人ひとりに「やる気」「やりがい」を感じさせながら、正しい評価と育成ができる人でなければなりません。と同時に若いエンジニア側が、仕事や評価を与えてもらうのではなく、自らのスキル、成果、願望を積極的にアピールすることが必要になってくるといえます。これらのことからも、理想の上司を生み出すには、上司の姿勢と同時に、若手エンジニアの姿勢も重要な要素になるのです。
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山田せいめい(総研スタッフ)からのメッセージ
今回は部下の視点からみた、上司の欠点を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか? 上司の方にとっては耳の痛い話であったり、また逆に激しく反論したいと思う方など、受け取り方はさまざまだと思います。ただひとついえるのは、部下にとって上司の言動が大きな影響を与えるということ。特に上司のみなさん、ご意見お待ちしています。

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