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勝ち組企業の課長クラスが本音を暴露!上司激白!こんな若手エンジニアは使えない
最近の「上司」は大変だ。企業と従業員の関係はドライになり、マネジメント力はより重視され、成果主義で会社から尻をたたかれる。そんな今どき上司の「捨てたくなる部下」を明らかにすることで、「本当に期待されるエンジニア」が見えてくる!
(取材・文/総研スタッフ 高橋マサシ イラスト/みちのく) 作成日:04.06.02
PART1 大手電機メーカーからソフトハウスまでの上司が語る「ダメな部下」
業界で勝ち組といわれる企業に勤める、マネジャークラスのエンジニア3人に、「ダメな部下」を本音で語ってもらった。好き勝手なことばかり……と思うなかれ。全員が「私の場合に限ってですが」とためらうのを、無理やり聞き出した結果なのです!
CASE1「最後まで受け身」じゃ開発なんてできないよ
 私の直接の部下は比較的年齢が高くて、平均で31、32歳。「いうことを聞かない年ごろ」です(笑)。でも、それはそれでよくて、ぶつかってこない人がいちばん困る。そんな人の多くが変に割り切るタイプで、トラブルが起こると決まっていうんです。「あのときはいいませんでしたが、実は……」ってね。こっちは「何を今さら」って怒鳴りたくなりますよ。

 だから、私の考える使えない部下とは、「最後まで受け身の人」です。開発業務では特にツラい。任務を与えてもそれ以上のアウトプットがないし、意思が見えないからこちらのモチベーションも下がってしまう。逆に伸びる部下とは、「自分で考える人」。目的意識があり、自分で動ける人とは、衝突があっても最終的にいい仕事に終わります。

 技術レベルも同じです。この業界は技術革新が速く、以前は製品開発に1年、製品寿命は5年だったのが、今では開発に半年、寿命は1〜1年半。そんな中、技術水準を維持している部下は、3人に1人くらいでしょうか。やはり受け身ではキャッチアップが難しい。
 ただ、性格もあるので、「いわれてやるのが好きな人」もいます。個性の差を超越して、能力を引き出すのが上司の役目かもしれません。でも、日本の企業は上司がプロジェクトメンバーを選べないでしょ。たまたま集まった人間がメンバーなんですから、部下への期待値に差が出るのは仕方のないことだと思います。私はやはり、少々見当はずれでもぶつかってくるエンジニアが好きです。
大手電機メーカー
開発部主任(38歳)
部下の数
・自社内:9人
・協力企業:25人
業務内容
FTTHシステム用の製品開発

CASE2 エンジニアなら「できません」なんていうな
 基幹システム構築のために、開発から運用・保守までをアウトソースしています。主な開発は中国で、私の仕事は窓口である系列企業の管理です。担当は日本人4人とブリッジSEの中国人が2人。主に日本人が相手ですが、外れくじを引いた感じです。
 すぐに使われるのが「これはできません」というセリフ。「本当にできないの?」「別の方法はないの?」と再三突っ込んで初めて、「こういう条件ならできます」と返事がくる。自社の部下なら諭すところですが、協力会社なのでそうもできない。精神論では話にならないから、私が仕様を作って、「これでいいですね」と外堀を埋めてしまったこともありました。

 使えない人とは、「仕事が楽しめない人」だと思います。だからあきらめも早い。最初から「できません」なんて、事情はあっても、エンジニアとして絶対にいいたくない言葉でしょう。実際に「エンジニアとして恥ずかしくありませんか?」といってしまったこともあるのですが、反応はなし。仕事を楽しんでいないので、プライドも育っていないのではないでしょうか。

 使える人は「自分にないところを補ってくれる人」です。私はユーザーを代表しているわけで、耳が痛くても、プロの意見や提案はぜひ聞きたい。1年半一緒に仕事をしてきて、成長しているとは思いますが、今でも私の業務は「監視」に近いもの。これを早く「管理」にもっていきたいです。
大手電機メーカー系SI企業
情報システム部課長(40歳)
部下の数
・自社内:0人
・協力企業:6人
業務内容
自社の基幹システムの構築
CASE3「NOがいえない部下」はYESもいえない
 私は部下に恵まれていると思っています。実際に、目の前の仕事を100点、120点にできるエンジニアは多いんです。ただ、全体的に、横の情報の使い方が乏しい気がします。チームでいくつかの大型Webサイトを手掛けていて、彼らも複数のサイトを担当していますが、個々のサイトを比較して何かを発見するなどが少ないんですね。また、積極的に人脈づくりをする姿勢も足りない気がします。

 個別にいうと部下は2通りに分かれます。新しい仕事に喜ぶ人と落胆する人。新しい仕事を与えるとき、本人のスキルより少し高めに設定します。その内容を聞いて「はい!」と自走する人と、「僕にはだめです」と尻込みする人がいる。後者には謙遜もあるのでしょうが、そんな人を反対方向に向かせるのはすごいパワーが掛かる。だから時には、「それじゃいいよ」といいたくなります。

 私が思う使えない部下とは、「NOがいえない人」。先ほどの前者は「はい!」と引き受けても、仕事に貪欲で思慮深いため、自己の判断でNOを主張します。しかし後者は、自信がないのでNOがいえない。そればかりかYESの判断もできない。これでは仕事が進みません。
 私の直接の部下は年長でも20代後半。若いときって、自分が考える仕事の期待度と実際の現場との、乖離に悩みますよね。その矛盾をため込んだままにされるのがいちばん怖い。悩みや希望を聞かせてほしいですね。
大手ソフトハウス
Web構築チーム課長代理(35歳)
部下の数
・自社内:8人
・協力企業:6人
業務内容
Webシステムの構築・運用保守
PART2 上司と部下の間にそびえ立つ「今どきの壁」
リクルート ワークス研究所が研究の一環として、「就業観や仕事スタイルの世代間格差」の調査を行った。対象は大学・大学院卒の1649人。その分析結果から、上司と部下との間にある「世代の壁」が見えてきた。
株式会社リクルート ワークス研究所 主任研究員 豊田義博氏
背負うものが多い上司vs年上を知らない部下
 今の20代(図のG1世代)の特徴は、「1次情報の大切さを知らない」ことです。大きな原因はインターネット。彼らは情報のほとんどをネットで調達してきた。しかし、これらはだれかに加工された2次情報。本当に自分を伸ばすのは、人と会ったり、足で稼いで入手する1次情報の蓄積です。彼らは他人、特に年上と接する機会が減り、入社していきなり上司が出てくる。
 一方、現在の上司は多忙です。部下の人数は上の世代より減少しましたが、マネジメント量は確実に増えている。純粋な管理職ではなく、プレーヤーとしても期待されている。また、バブル期に大量入社した30代半ば(図のG3世代)は、その後の就職氷河期で入社人数が減ったため、マネジメント経験がどうしても乏しい。そんな彼らが現在、係長クラスとして若い部下の指導に当たっているわけです。
企業人である上司vs自然体のままの部下
 また、今の30代以上には、自分を会社に合わせる合理性がありました。企業の寿命が長く、年功序列が確立していたので、努力をした分の見返りが大きかったのです。加えて、会社は身柄を隔離されたオフィシャルな場。社内ルールに従わざるを得ない事情もありました。
 今の20代は正反対です。企業倒産は珍しくなく、成果主義が導入され、転職に罪悪感はない。将来が保証されない場所に、自分を合わせる必要はないでしょう。社内にいてもメールや携帯電話でプライベートな情報が入ってくるので、会社は特別の場所という意識も薄い。よくいえば、彼らは自然体なんです。
技術職のメリットとデメリット
 このようにお互いの意識のずれは大きいのですが、技術職ならではの特徴があります。若い社員には「やりたいことがわからない」という人が多く、彼らへの目標設定と方向づけに悩む上司は少なくありません。しかし、専門性が高い技術職ではそんな部下は少なく、技術という共通言語がわかり合える土壌にもなる。これは両者にとってのメリットです。
 ただ、デメリットもあります。技術職はほかの職種に比べて業務コミュニケーションの総量が少ないので、「部下をわかった気になる上司」が増えてしまうことです。いずれにせよ、「壁」は消えません。互いを理解する努力は今まで以上に必要です。
世代別に見る就業意識の特徴
PART3 「使えない若手」とはこんなエンジニアだ!


使えない部下の責任者は本人、それとも上司?
 Part1での3人の上司の話と、身近で調査した技術職上司たちの意見を合わせて、総合版「使えないエンジニア」をイラスト化した。もちろん一例。でも、こんな部下や同僚がいたら、「ダメなヤツだよな」って思いませんか? とすれば、この裏返しが「使えて信頼できるエンジニア」ということ。
 考えてみれば、社長でない限りは、ほとんどの人がだれかの部下。リクルート ワークス研究所の豊田氏は次のように提言します。
「現実的には、上司が部下の目線に下りることが大切です。上司が相当の努力をしても部下が変わらなければ、採用ミスかもしれません」
 ならば、「採用ミス」なんてハンコを押される前に、もう少しだけ、こちらから、上司に接近してみませんか?
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高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ
ビジネス誌などで「あなたは理想の上司か?」や「部下はこうしかれ!」なんて記事があるでしょ。しかも今、流行っているでしょ。主観で恐縮ですが、6割の上司はそんなことわかってるって。それでもページをめくるのは、心配だから。僕は悪い人間はいても、悪い上司はいないと思いますよ。ちなみに僕は昔、要領の悪い上司でした。

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