やりたいことに踏み出せないのはなぜ?自分がやりたいことに確信をもつ方法

「働く女性の成功、成長、幸せのサポート」という理念のもと、キャリア支援やコンサルティング、結婚コンサルタントなど、幅広い領域で活躍されている川崎貴子さん。その経験と女性経営者ならではの視点から、のべ1万人以上の女性にアドバイスをしてきた川崎さんが「働く女性に立ちはだかるさまざまなお悩み」に厳しくも温かくお答えするこのコーナー(→)

今回は、「やりたいことに踏み出せないのはなぜ」というテーマを取り上げます。

今のキャリアがある中でそっと胸に手を当てて自分の気持ちに寄り添う女性

今回のご相談は「やりたいことに確信を持つためにはどうしたらよいか」

<ご相談>
現在企業に勤めていますが、他に自分でやりたいことがなんとなく頭に浮かんでいます。ですがその想いがどれくらい本気なのかがわからず、仮に自分がやりたいことにシフトしたとして本当に仕事としてやっていけるのか?と思うと実行に移すのが怖くて動き出すことが出来ません。そもそもどう動き出していいかもわかりませんし、自分のいまの環境を手放す勇気もなく…自分の想いに確信を持つ方法や動き出すためにはどうしたらよいのでしょうか?

学生の頃に「自分のやりたい仕事はこれだ!」と確信を持って就職活動している人はほんの、ほーんの一握りではないでしょうか。

ほとんどの人達は「自分は何が向いているんだろう?」「この会社で活躍できるのかな?」というような期待と不安に包まれ、「真にやりたいこと」を考える間も無く新社会人になります。

でもそれは当然ですよね。世の中にどんな仕事があるのかを知ったのは就職活動中がほぼ初めてで、働いた経験もアルバイト経験のみなら職種も限られます。

その状態で、自分の「やりたい事」が仕事になるのかどうか、自分にはその適性があるか否かを判断するのはなかなか難しいものです。

しかし、働き始めて何年か経つと自分の適性がなんとなく解ってきます。実際に色々な職種の人にも出会うし、自分が「遊びや趣味」だと認識していた領域を仕事にしている人、独立起業した人の情報も入ってくる。

この頃から、「本当にやりたい仕事とはなんぞや」と考えるようになり、それぞれの方向性が見え始めるのではないでしょうか?

ポジティブ派かリスクヘッジ派か?

新しい事を始める際、人間には考え方の傾向があって、ポジティブ傾向の強い人、(以下便宜上、ここではポジティブ派と呼びます)とリスクヘッジをまず先に考えるタイプの人に分かれるなぁ、と私は思っています。

どちらが良い、悪いという訳ではなく、あくまでも傾向です。

ポジティブ派の人は、やりたいことがあると、そのポジティブな側面を重点的に見るタイプの人の事で、彼らはそれに付随するリスクにはあまり注目しない傾向にあります。

急に起業したり、突然全く違う業種業態に転職したりする人にこのタイプは多いです。

一方で、リスクヘッジ派。このタイプの人はやりたい事に気づいた後、失敗の確率を計算ができる人です。

会社経営においては、このポジティブ派とリスクヘッジ派両方がトップに居ると成功しやすいと言われているのですが、会社ではなく一人の中に両方存在させるとするならば、ポジティブ派にリスクを読むスキルを、リスクヘッジ派にはポジティブ思考がプラスされれば双方ともにやりたいことの成功に近づけるのではないかと思います。

ポジティブ思考の一例として、「好きだから、やりたいから、彼ら彼女らはそこに突き進んでいく」ということが揚げられます。

それはポジティブ派の人の「自分に自信や確信があるかどうかをあまり意識したことが無い」という大きな特徴によります。

このタイトルのこの文章を読んでくれている人は、どちらかと言えばこの記事を読まれている瞬間はリスクヘッジ派なのではないかと推測します。

ですから今回はリスクヘッジ派の人達がやりたいことを見つけた際に、ポジティブ思考を身に着け、どのように確信を持ち、行動に移していけばよいかをお伝えしてゆきたいと思います。

やりたいことに確信を持つには実現イメージと強みの理解が必要

まずリスクヘッジ派の人達は「自信が無い」というレッテルを自分自身に貼りがちです。

これには二つのデメリットがあって、一つは「自信」に注目しすぎて、より自分に自信が持てない状況を作り出してしまう事(自己暗示)。もう一つは、自信の無さを「やらない理由」にしてしまう事です。つまり言い訳ですね。

例えば「自分にそんな才能は無い」「そもそも自信が無いのに始めても失敗するに決まっている」等、何かをやりたいと思いながらやらないで済む方法を探してしまったりします。

そこで、「やらない理由」にしないためにも、自分が実現できるということを自分自身に理解させることが大切です。そのためには

①自分自身が近い未来にやりたいことを仕事にしているイメージを強く持つこと

②自分自身が実現できる強み、力があることを理解すること

が大切です。

具体的には今やりたいと思う事から「自信」の有無を先ずは排除して、少し先の未来の、やりたい事を仕事にしている自分のイメージにフォーカスしてみましょう。それと同時に、ご自身の強みを5つ挙げ、常に意識するように習慣づけましょう。

例えば、私の場合は「胆力」「自己肯定感の高さ」「社交性」「問題解決能力」「ロジカルシンキング」が挙げられます。実はこれに対して弱みは50個ぐらいあるのですがそちらには目を向けません。強みに注目していると何かやりたい事があった時に、「こんな強みを持つ私ならできるに違いない」と確信を持ちやすくなるからです。反対に、弱みに注目して生きていると「こんな弱みばかりの私ができる筈がない」と思ってしまいがちなのです。

今のキャリアで得ているものとこれから得られるものを比較するべし

実現するイメージを作るところまでできました。ですが、今手にしているもの、続けてきた仕事、お給料などイメージや確信だけではどうにも判断しきれないこともありますよね。

その場合は、徹底的に調べるというのも一つの手です。リスクヘッジ派の人はありとあらゆるリスクを想定できる人なので情報収集能力に長けている人が多いです。

自分と同じような転職をした人、同じようなキャリアチェンジをした人等、その道の先輩はネット上にも多くの事例を残してくれている事でしょう。

そして、今ではSNSで、その見ず知らずの先輩たちと簡単につながることができます。その人たちの仕事ぶりを拝見したり、直接コンタクトしたりしてできる限りの情報を集めましょう。

その上で、今の自分の仕事や、そこから得られるメリット、働き方などと比較検討するのもありではないでしょうか?

私が提示したい「優先順位の高い判断材料」とは、①継続性、②市場性、③将来性の3つのポイントになります。

①継続性:本当にその仕事が好き、もしくは得意なので継続が可能か?

②市場性:現在において価値ある仕事として対価が払われているか?

③将来性:最後には未来に向けて仕事として成り立つものか?AIにその仕事を奪われなさそうなものか。もしくはその仕事で培ったスキルが転換できるか?

こちらを考えた上で今の自分の仕事や、そこから得ているメリット、働き方などと比較検討するのもありではないでしょうか?

やりたいことに確信が持てた後は前向きなアクションを!

比較検討した後も「やりたい事」だった場合、もう機は熟したも同然。

その夢への一歩が確実なものにするために、同じ仕事や働き方に関心があるコミュニティに入ったり、プライベートの友人に決意表明したり、未来に向けての前向きなアクションは積極的に取り組んでゆきましょう。

一方、今の職場の人達に迷惑のかかるような「突然の退職」や「突然の転職」はやめましょう。

人のご縁の大切さ、巡り巡る縁の不思議さに、長い仕事人生の中で私は何度も何度も救われてきました。

是非、義理人情を忘れずに、立鳥跡を濁さずに夢への一歩を踏み出してほしいと思います。

今のキャリアを持ったまま、やりたいことを「お試し」でやってみるのも◎

やりたい事を仕事にすると決めたけど、自分の適性に未だ不安がある人には、週末起業や、アルバイトという形で「今の仕事を捨てずに」経験できる方法をお勧めします。

現在では副業可の企業もだいぶ増えてきました。フレックス制やテレワーク導入等で自分が使える時間のコントロールがしやすくなった人も多いかと思います。

副業がだめでもボランティア活動で体験してみるのも良いかと。実際の体験は、思うよりずっと力強く、ご自身を後押ししてくれるかもしれません。

捨てたもの以上に得られたものは挑戦したという自信

私は「絶対にやりたい」と思っていた起業を25歳の時に強行した、リスク計算が当時できなかったポジティブ派です。

マネジメント経験も無く組織を作ったため、当時の社内はもめごとばかりで、「これ、何の修行なの!!!」と毎日涙目だった記憶があります。

私が人間的にも未熟だったためにお別れした社員もたくさんいました。未だにその頃の夢を見るぐらいですから、あの頃の仲間の手を離したことは、私の大きな後悔になっています。

でもそれでも、あの時、仲間はほかに二人居て、やりたい事業もあり、「これはビッグウエーブだ!」と勘違いした私がもしいなかったとしたら、今私はどうしていたんだろうと思いぞっとします。

経験が無いから、リスクが高いから、と先送りにしていて、経験を積めば積むほど勇気が無くなって起業できなかったとしたら、今私が持っているすべてが無かったのだろうと思うとあのタイミングで良かったのだとやはり思うのです。

転職や独立も同様で今まで築いてきた既存の人間関係を手放すなど捨てるものもあるかもしれません。

私自身、失敗もあったけれど、「チャレンジした」という自信は一生もので、その後の人生で何度も自信喪失しそうな時、25歳で起業した自分を思い出したものです。

私にとってあのタイミングとは、「やりたい事がみつかった時」ただそれだけでした。人脈もコネも経験もお金も全部足りないのに「えいや!」と起業したことが、当時は最悪だと思ったけれど、振り返ればベストタイミングだったという訳です。

やらないで後悔するよりも挑戦してからレジリエンスすることの方が重要

最近、娘達に「何のために働くの?」と問われると、「幸せになるために働くのだ」と答えています。

やりたい事に進んだが故、過去の私のように、経験不足で大切な人達を失ったり、スキル不足でマネジメントに頭を悩ませたり、というデメリットを感じる時期もある事でしょう。

転職のケースでも、転職先には想像を超える仕事や人間関係が待ち受けているかもしれません。

ただ、長いスパンで見れば、その時苦労したこともノウハウになるものだなぁ、と、当時は悩みぬいた女性マネジメントでしたが試行錯誤があったからこそ、現在は「女性マネジメントのプロ」として仕事をさせてもらっている私は思うのです。

何が功をなすかわからないし、何が失敗につながるかなんて本当の事はわかりません。

そして、失敗しない人生なんてありえないと、山あり谷ありだった社長人生の中でも感じてきました。

何かあっても大切なのはレジリエンスであり、計算したって転ぶときは転ぶんです。だとしたら、リスク計算による判断よりも、「こっちの方が幸せ」という判断軸でキャリアビジョンを描いていって良いのではないでしょうか?

人生は一度きり。やらない後悔よりやる後悔を経験した方が、将来自分の事をちゃんと認められる気がします。

そして、自分の事をちゃんと認められるようになると、人は「幸せな仕事人」になれるのではないでしょうか?

回答者:川崎貴子

f:id:kashiemi:20171127101518j:plainリントス(株)代表。「働く女性に成功と幸せを」を理念に、女性のキャリアに特化したコンサルティング事業を展開。
1972年生まれ、埼玉県出身。1997年、人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性に特化した人材紹介業、教育事業、女性活用コンサルティング事業を手掛け、2017年3月に同社代表を退任。女性誌での執筆活動や講演多数。(株)ninoya取締役を兼任し、2016年11月、働く女性の結婚サイト「キャリ婚」を立ち上げる。婚活結社「魔女のサバト」主宰。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女性マネージメントのプロ」「黒魔女」の異名を取る。2人の娘を持つワーキングマザーでもある。

川崎 貴子氏の記事一覧

イラスト:yoko

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