「仕事がつまらない」状態から脱出したい!というお悩みにベテランキャリアアドバイザーが答えます

「仕事がつまらない」「夢中になれる仕事じゃない」など、自分の理想とのギャップに悶々としたり、「そもそもこの仕事、自分に向いていないんじゃないか」と落ち込んだり。仕事のモチベーションが上がらない状態に悩み、ときには自己否定に入ってしまうことも。

そこで今回は、第二新卒からハイキャリアまで、これまでに5000人以上の転職やキャリア相談に乗ってきたキャリアアドバイザーの吉田智春さんに、「仕事がつまらない」状態から脱出するためのアドバイスを聞きました。

仕事がつまらないと感じている社会人

仕事がつまらない理由を因数分解してみよう

キャリアアドバイザーとしてよく耳にするのが、「仕事がつまらない」「やりがいが感じられない」という相談です。多くの人が抱える悩みではあるものの何がつまらないのか、その理由はひとりとして同じものではありません。

仕事に慣れてきて、就活当時の夢や入社当時のフレッシュな気持ちが薄らいでモチベーションが下がっているだけなのか。つまらないのは会社なのか仕事なのか。仕事だとしたら人間関係なのか、業務内容なのか…と分解し、分析していく必要があります。

気持ちがくすぶってしまう理由を曖昧にしたまま、転職活動などの行動を起こしても、散漫な結果しか生まれないからです。

私が相談者にお聞きするのは、「そもそもどんな仕事がしたくて、あるいは何になりたくて就職活動をし、なぜこの会社を選んだのですか?」ということです。そして、その方にとって大事にしたいことは何なのかをお聞きします。

「仕事がつまらない」というとボヤッとしてしまいますが、こうあるべきはずだったのに、と思っていることが実現できていないからつまらないと感じているはず。

自分がどんな人間で何を大事にしているのかを改めて振り返って、そもそも思い描いていた理想(イメージ)と現実との差をしっかり自分で把握しましょう。

自分の価値観を見つける振り返りの方法は、「自分に合った仕事を見つけられず悩む人に共通する原因は『ごちゃまぜにした3つの価値観』だった!(//next.rikunabi.com/journal/20200728_d01/)」の記事を参照してみてください。

どこに差分があるかわかれば、それを払拭するためにはどうしたらいいかという解決策も生まれます。

つまらないと感じる理由、理想とのギャップを言葉にしてみる

ボヤッとした「つまらない」状態を脱出するためには、まず、つまらない理由を言語化してみてください。思いつく限り、単純な言葉の羅列でも構わないので、メモや手帳などに書き出してみたり、手持ちの端末のメモ機能に打ったりしてみましょう。

そのようにして並んだ理由を眺めてみると、例えば、仕事そのものよりも会社や職場環境が原因になっている、などと気づくことがあるのです。

残業が多くて自分の時間がとれない、通勤時間が長い、会社のIT環境が整っていない、などは物理的な職場環境に原因があると言えるでしょう。
経営の意思決定が遅い、オーナー企業で風土が変えられない、上司がワンマンで上意下達が絶対、などは体質的な職場環境に原因があるとわかります。

また、仕事の中身そのものに、つまらなさを感じる場合もあるでしょう。

最初からガツガツ攻めていく営業職をイメージして就職したのに思ったよりもデスクワークが多い、事務職だけど外回りの業務もやりたくなった、広報でwebの更新ばかりやらされている、などです。

キャリアアドバイザーなどに相談しない場合でも、自分で言葉にしてみることで頭の中が整理されますし、どこに原因があるのか明確にし、自覚することが打開への第一歩になるはずです。

つまらない原因が見えたら、改善策を考える

原因がわかったら、理想と現実のズレに対して、それが許容できる範囲なのか、許容できない範囲なのかを見極めましょう。

ここで、事例をいくつか紹介します。

【Tさんの場合】
特殊機械メーカーに勤務して3年。実力主義の営業部門で成果を出せばインセンティブももらえることに、やりがいや魅力を感じて就職しました。しかし、担当した製品は業界ではトップではなくて二番手。いくら売り込んでも勝てないことにフラストレーションを抱えていました。

漠然とした「何か仕事がうまくいかなくて、つまらない」理由が、「売りたいのに売れない」ことだと自覚したTさんは、隣の部署で同じようなに二番手品を扱いながら結果を出している先輩に相談。話を聞くことで、自分の営業の仕方に改善の余地があることを見つけたのです。しかし、もし売れない原因が、自社製品では同価格帯・性能面で勝る業界NO.1の他社製品にどうしても勝てない(一番手の製品を扱ってみたい)、ということであれば、転職という選択肢をとっていたかもしれません。

【Mさんの場合】
同じく営業職。新規開拓をバリバリやる自分をイメージして就活したのに、実際にはルートセールスの担当になり、既存のお客様を回ってフォローするばかり。ルーティン化した仕事につまらなさを感じるとともに、このままでは自分が成長できない、実績が上がらなければ給料も上がらず、将来設計にも影響するという焦燥感がありました。

Mさんは、ルートセールスではなく新規開拓をやらせて欲しいと上司に相談。しかし「入社から3年はルートセールスがわが社のルールだから、無理だよ」と言われたのです。
理由を分析し、上司にたずねてみたことでMさんの場合は、自分の中でも納得感が生まれました。ルートセールスの3年の間に顧客対応を身につけ、既存客からの声を自分なりに拾い上げて次の訪問に活かすなど、営業としてのベースを身につけたら、次のステップに行けるのだと腹落ちできたのです。

時間軸で判断し、行動を起こす

理由が分析できたら、原因に対処すべく改善策を考えると同時に、時間軸で判断してみましょう。

つまらない仕事の原因は「今だけのもの」か「ずっと変わらないもの」か「時間が経てば変わる可能性があり、その時間は自分にとって許容範囲」かを考えてみます。

例えば、上司とソリが合わないことが一番の理由だとしても、時間軸によって許容できるかどうは違ってくるでしょう。

会社の規模が小さく会社にいる限りその人が上司で逃れられない、ずっと一緒にやっていくことが心身の負担になるようなレベルなら、転職を考えることも一つの方法です。

しかし、その上司が退職まであと数年のベテランでいろいろなノウハウを持つなら、そのノウハウを引き出して自分のものにするための時間と割り切り、うまく利用したらどうですか、とアドバイスすることもあります。

あるいは、大きな会社であれば異動もあるでしょう。上司の異動は期待できないけれども、この仕事をやり続けたいというのであれば、相談してみてからでも遅くありません。周囲の部署の先輩や上司に相談する方法もありますし、少なくとも辞める決断をする前に人事に必ず相談するようアドバイスしています。

ただし、どんな仕事も自分が面白がらなければ、仕事は面白くなりません。

例えば、大企業に総合職で入社したら、どこに配属になるかわかりません。最初の仕事を「これに出会ったのも何かの縁」と思い、目の前の仕事をがむしゃらにやってみることで開けていくこともあります。その中で、自分のとっての得意と不得意を見つけていくのです。

単調な仕事でもいかに楽しく面白くするか。

受け止め方次第で工夫し努力する姿勢が生まれ、あなた自身の成長にもつながるでしょう。

そして、周囲はそんなあなたを見ているものです。
前向きに取り組めば、周囲が手伝ってくれたり、先輩が教えてくれたりするようになるから、さらに楽しくなる。そんな幸せなループが生まれます。

そんな風に行動を起こしてみて、それでもやはり今の環境では仕事が面白いとまではいかないだろう、と判断したら。その時は、さらに大きな行動が必要になるかもしれません。

ひとつとして同じ会社はありません。もし環境を変えることでその人が気持ちよく楽しく働ける幸せなループが作れるのであれば、私もそのお手伝いをしていきたいと思っています。

吉田智春さん

新卒でリクルート人材センター入社。企業向けの営業、営業企画、新サービスの立ち上げなどを行いキャリアアドバイザー歴は通算20年、第二新卒~ハイキャリア、シニア層まで広く担当し、これまでに6000人ほどをサポート。「転職をお手伝いした方が、入社先で昇進され、その方の部下の採用のお手伝いをさせていただいたことも。企業と転職者の間に立って、フラットに相性のよいつながりの支援をしています」

インタビュー・文:中城邦子

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