誰でもすぐに実践できる「脳を最高の状態にする」12の習慣

ゲームやクイズで脳を鍛える「脳トレ」、適度な運動で脳を活性化する「脳フィットネス」など、近年「脳」の力に注目する動きが高まっています。

その中、米国の著名な栄養コンサルタントであるミシェル・ショーフロ・クック氏は、「脳は食べ物で鍛える時代」と提唱。脳科学、栄養学のデータから脳のパフォーマンスを上げる食事を研究し、その内容を解説した著書『脳にいい食事大全』を発売しました。

本書では、能力自己診断シートから始まり、自身の経験をもとにした「脳にいい食事の原則14」「最強の脳を作る食事術10」「脳のパフォーマンスを最大化するスーパーフード21」を詳しく解説。

そして、食事で脳を鍛えつつ、食事内容以外の方法で「脳を最高の状態にする習慣」を身につける必要性も指摘しています。

今回はこの、忙しいビジネスパーソンでもすぐに実践できる「脳を最高の状態にする習慣12」について、抜粋しご紹介します。

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睡眠、瞑想、ゲーム…誰でもすぐ挑戦できる「脳を最高の状態にする」習慣

著者のクック氏が「脳を最高の状態にする習慣」として挙げているのは、以下の12の方法。

1.1日8時間以上の睡眠でスーパーブレインを作る

眠るだけで脳は健康になり、睡眠が不足すると記憶力は低下する。うまく寝付けない人は、夕食を就寝3時間前に済ませ、就寝前はテレビやスマホなどブルーライトが使われている電化製品は避けること。

2.新しいことを学んで記憶力を高める

頭を使う何かに挑戦することで、脳細胞のつながりが増え、記憶力が向上する。オススメは、かつて学んだ外国語を復習すること。外国語で施行するとき、普段は使うことのない脳のつながりが強化されるためだ。

3.天然の抗菌物質でピロリ菌に打ち勝つ

ピロリ菌は感染性細菌だが、近年認知機能の低下や認知症との関連があることがわかった。病院で検査のうえ、ピロリ菌がいることがわかったら、薬物治療とともに「天然の抗菌物質」である無糖のクランベリージュースやプロバイオティクス「LC1乳酸菌」、オレガノ油、ターメリックなどを併用するとさらなる効果が期待できる。

4.いつもとは違うことをして、脳細胞のつながりを増やす

極端な何かに挑戦する必要はなく、例えばいつもと違う道を通って帰宅するだけでも、脳細胞間のつながりが強化される。そのほか、初めての料理を作ってみる、初対面の人と話をする、美術館に行ってみる、習い事を始めるなどの小さな変化を起こすだけで、脳に新しい回路が生まれ、記憶力が改善する。

5.ストレスの芽を摘んで脳のコンディションを守る

ストレスが慢性化すると、脳のエネルギーが減り、記憶力が低下する。脳のためには、仕事やプライベートの予定をびっしり詰め込むのではなく、「何もしない時間」を作ることが大切。「忙しくてそんな時間を作る余裕がない」と言う人こそペースを落とすべきだ。

6.第二の脳である腸の環境を整える

腸内フローラが健康なバランスを保っているかどうかは、記憶力の優秀さや脳疾患への抵抗力の強さを判断する指針になる。ラクトバチルス・プランタルムなどといった能力アップの有効性が裏付けられたプロバイオティクスのサプリメントを摂取する方法のほか、プロバイオティクスを多く含むキムチもお勧め。

7.太極拳や気功で脳の健康を高める

フロリダ大学の研究によると、太極拳を生活に取り入れている人は、認知機能の低下の度合いが少なかった。ドイツ・ボン大学によると、気功はパーキンソン病の症状改善に役立った。いずれも脳だけでなく、体内の臓器の機能を整える効果がある。

8.瞑想のさまざまなメリットを享受する

瞑想は、脳を傷つけるストレスと、その結果として生じるストレスホルモンを抑制する効果がある。また、脳の4つの領域が影響を受け、脳への血流が増えることもわかっている。まずは1日10分、静かな場所でゆっくりと深呼吸をしながら瞑想することから始めてみよう。

9.ストレッチと有酸素運動で記憶力を向上させる

ストレッチ運動や有酸素運動は、長・短期的な記憶力を高める効果がある。ハンブルク大学によると、毎週一定の時間ストレッチをした被験者の短期記憶が高まり、週に1~2時間サイクリングのエクササイズをした被験者の長期記憶は6カ月後に高まった。週に2階の1時間のストレッチか、週2回の1時間以上の有酸素運動を目安に。

10.ゲームとパズルで集中力を高める

ゲームやパズルは、短・長期的な記憶力、情報の保持、集中力を高める。アルツハイマー病や外傷性脳損傷などの脳疾患に罹患している人でも、記憶力ゲームやコンピューターによる脳トレーニングプログラムに参加すると、認知機能の改善がみられる。加えて、ゲームやパズルはストレスを和らげる効果もある。

11.ウォーキングで脳を大きく成長させる

週に3回、きびきびとしたペースのウォーキングや適度なジョギングを40分行うと、認知症の悪影響を抑制する効果が見られた。ゲームやパズルは脳にいいとはいえ、部屋に閉じこもるばかりではなく、近所を散歩する習慣をつけよう。車や公共交通機関を使って通勤しているならば、歩ける区間を探してみたり、駅や会社ではエレベーターやエスカレーターではなく階段を使うよう心がけるのもいい。

12.食べ過ぎに気を付けて脳を守る

食べ過ぎは記憶力低下や認知障害を招くという研究結果がある。盛りつけの量を少なくする、ビュッフェやお代わり自由の店は避けるなどの工夫をしよう。誰かと一緒に食べる、テレビを見ながら食べるのも効果的。

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「脳に悪いストレス」から身を守る8つの方法

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仕事が忙しくて休憩も取れない、リフレッシュする方法がわからない…という人のために、「12の習慣」の中から特に「ストレスの芽を摘んで脳のコンディションを守る」について解説したい。
著者は「脳に悪いストレスから身を守る方法」として、以下の8つの方法を挙げている。

・食事を抜かない

脳を最適な状態に保つには安定したエネルギー供給が重要。時間がなければ無塩のナッツ類を。

・水をたくさん飲む

脳細胞や神経細胞が適切に機能するには十分な水が必要。1日を通してこまめに水分補給を。

・ビタミンB、Cを十分に取る

これらはストレスによって枯渇する。サプリメントや食材で補給しよう。

・意識的に休養を取る

風呂に入る、昼寝をする、早めにベッドに入るなど、リラックスして英気を養うための時間を意識的に作ろう。

・ストレスを感じる相手とは距離を置く

心の声に従い、ストレスの原因になっている相手とはできるだけ関わらないようにするのが◎。

・浪費をしない

経済的なストレスはIQに悪影響を生じさせるという研究結果がある。クレジットカードを財布に入れないなどの工夫を。

・新鮮な空気を吸う

仕事の合間に屋外に出て新鮮な空気を吸うだけで、ストレスホルモンのレベルを下げることができる。ものの1分でOK。

・瞑想する

これら8つのシンプルな方法を実践すれば、ストレスが和らぎ、脳の健康を保つことが可能になる。少し意識するだけで、仕事の能率も上がるはずだ。

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脳にいい習慣、脳にいい食事術を取り入れアタマを鍛えよう

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今回ご紹介したのはごく一部ですが、本書で紹介されている「脳力アップ」の方法のはどれも、誰もが簡単に実践できるものばかり。特に脳にいい食材の選び方、脳の活性化に効果的な食事術は、ストレス社会で生きる現代人ならば日常生活に積極的に取り入れたいところです。

また、本書の巻末では、脳にいい食材をふんだんに使った「レシピ」も紹介。例えば、脳の炎症を軽減するターメリックを入れ、卵の代わりに脳の有害成分を排除する豆腐を使う「エッグレススクランブル」、脳細胞の健康を保つオメガ3脂肪酸を含む亜麻仁油を使った「脳力アップバター」などなど。まずはこれらのレシピに挑戦して、「脳を最高の状態にする習慣4」の「いつもとは違うことをして、脳細胞のつながりを増やす」を実践してみてもいいかもしれませんね。

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▲参考書籍:『脳にいい食事大全~1分でアタマがよくなる食事の全技術』/ミシェル・ショーフロ・クック:著、児島修:訳/ダイヤモンド社

EDIT&WRITING:伊藤理子

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