「夫婦“円満”か“不仲”かは相手次第」のウソ。誰と結婚しても結果は同じ!――山口拓朗の「夫婦円満法」

今年で結婚20年目。2度の離婚危機を乗り越えて、今ではお互いが相手を認めて応援し合い、それぞれのビジネスを発展させている山口拓朗さん、朋子さんご夫婦。拓朗さんは文章の専門家として、これまでに著書を10冊以上出版。奥様の朋子さんは主婦の起業を支援するオンラインスクール「彩塾」の塾長として、これまでに600名以上の門下生を輩出。2016年から夫婦そろって中国での講演をスタートさせるほか、「夫婦コミュニケーション」をテーマにした講演活動にも力を入れています。

そんな山口拓朗さんが自身の経験から編み出した「夫婦円満法」を公開するこのコーナー。第7回は「じつは誰と結婚しても同じ?」です。

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えっ、結婚は誰としても同じ?

結婚は誰としても同じです。

この意見について、あなたはどう思いますか? 「バカバカしい。幸せになるか、不幸になるかなんて、相手次第に決まっているじゃないか」と思う人も多いかと思います。「結婚して幸せになれるかどうかは相手次第である」という考え方は独身者の間にも根強くあります。

事実、「幸せになりたいから、いい結婚相手を見つけないと!」と躍起になっている婚活者も少なくありません。自分にふさわしい「大和撫子」を探し求める男性や、自分にふさわしい「白馬の王子様」を待ち焦がれる女性。どちらも根底には「結婚して幸せになれるかどうかは相手次第である」という考えがあります。

「結婚は誰としても同じです」という意見が、極端であることは承知しています。しかし、決して冗談で書いたわけでもありません。少なくとも筆者夫婦は、よくこの意見で一致します。事実、「結婚は誰としても一緒だよね?」「ホントそのとおりだと思う」という会話をよく交わしています。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

「悪い」のは相手で、「正しい」のは自分?

多くの既婚者が、パートナーに何かしらの不服や不満を抱いています。“悪いのは相手”で、“正しいのは自分”という考えです。

【夫が妻に抱く不服や不満(一例)】
・すぐにヒステリーを起こす
・ネチネチと愚痴を言う
・「いつ昇給(出世)するの?」とプレッシャーをかけてくる
・自分(夫)の親を毛嫌いする
・家事を手抜きする

【妻が夫に抱く不服や不満(一例)】
・話をちゃんと聞いてくれない
・わたし(妻)への思いやりが感じられない
・家事を手伝ってくれない
・いつも自分(夫)ばかり飲み歩いている
・休日に家でダラダラしてばかりいる

パートナーに不服や不満を抱いているということは、つまり、「相手に態度や行動を改善してもらいたい」と思っているということです。それゆえ、不服や不満が溜まると「疲れているときにネチネチ言うなよ!」と怒鳴ったり、「ねえ、もっとちゃんと私の話を聞いてよ!」とヒステリックになったりして、相手を責め立てるのです(大げんかに発展することもあります)。口に出せる夫婦はまだいいほうです。長い年月、不服や不満を溜め込みすぎて、取り返しのつかない事態に陥る夫婦も少なくありません。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

「鏡の法則」とはどういうものなのか?

筆者夫婦も、以前は同じように罵り合っていました。「夫婦関係が悪くなったのはおまえ(あなた)のせいだ」「おまえ(あなた)が◯◯しないのがいけない」「おまえ(あなたが)が◯◯するのがいけない」という具合に、お互いに責任を相手に押し付けていました。そして、なんとかして相手を変えようとしていたのです。

しかし、責任を相手に押し付けている限り、問題は解決しません。なぜなら、他人を変えることはできないからです。人間が変わるのは、唯一「自分が変わろう」と思ったときだけなのです。このことに例外はありません。たとえ夫婦であれ、相手を変えることはできません。

相手が変わらないとしたら、どうすればいいのでしょうか? 諦めるしかないのでしょうか? いいえ。解決策がひとつだけあります。それは「自分が変わる」ことです。

じつは夫婦間で起きているほとんどの問題は「鏡の法則」に起因しています。ミリオンセラーを記録して話題となった野口嘉則著『鏡の法則』に以下の記述があります。

現実に起きる出来事は、一つの『結果』です。『結果』には必ず『原因』があり、その原因は、あなたの心の中にあるのです。つまり、あなたの人生の現実は、あなたの心を映し出した鏡だと思ってもらうといいと思います。

鏡を見たら自分の頬に泥がついていたとします。あなたがその“気に入らない泥”をとろうとして鏡に手をのばすと、指が鏡にガツっとぶつかります。どれだけ頑張っても、泥を取り除くことはできません。

では、泥を取り除く方法はないのでしょうか? そんなことはありません。もうおわかりですね? 顔を洗って頬についている泥を洗い流せばいいのです。すると、鏡に映っていた自分の頬からも“気に入らない泥”が取り除かれます。

これが「鏡の法則」です。

◆原因=自分の頬に泥がついている
◆結果=鏡に映る自分の頬にも泥がついている

◆原因=自分の頬についている泥を洗い流す
◆結果=鏡に映る自分の頬から泥が取り除かれる

じつは夫婦間でも、同じことが起きています。「鏡の法則」の力学が作用しているのです。パートナーという存在(現実)もまた「自分を映し出す鏡」にすぎません。したがって、目の前の現実を変えたいのであれば、相手を変えようとするのではなく、自分を変えなければいけません。自分に起こる問題の原因は、すべて自分の中にあるのです。

法則は極めてシンプル。相手は「自分の鏡」です。

たとえば、あなたが相手に「嫌われている」と思っているとしたら、それは、あなたが相手の欠点や短所にばかり目を向けて嫌っているからです。一方で、あなたが相手から「好かれている」と感じるなら、それは、あなたが相手の魅力や長所に目を向けて好意を抱いているからです。

同じように、相手が自分に対していつもイライラしていると感じるなら、それは、あなたが相手(あるいは、他の何か)にイライラしているからかもしれません。あなたが、そのことに気づいて、自分のイライラを手放した瞬間から現実が少しずつ変化していきます。相手が自分に対してイライラするという現象も消えていきます。自分側の「原因」を取り除くことで「結果」が変化するのです。

筆者夫婦もこの「鏡の法則」のパワーを知って以降、相手を変えることを完全にやめて、自分が変わることを心がけるようになりました。すると、次第に相手のイヤなところが消えていったのです(まるで相手が改心したかのように感じます)。もちろん、現実が変化するまでには多少のタイムラグがありますが。

自分のコンプレックスや負の感情を手放すことが、夫婦関係改善の第一歩

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くり返しになりますが、夫婦関係を改善したいのであれば、その方法は、相手は自分の鏡(投影)であることを理解したうえで、相手を変えるのではなく、自分を変えることです。とくに相手のイヤなところばかり目につく人は、自分の中に多くのコンプレックスや短所、ネガティブな感情を所有している確率が高いです。

自分の中にコンプレックスや短所、ネガティブな感情があることに気づいたら、そのことを紙に書き出したうえで「これまでありがとう」と声をかけながら破り捨てましょう(ゴミ箱に捨てましょう)。そうすれば、あなたの現実は少しずつ変化していくでしょう。あれだけ嫌悪していた相手の様子も少しずつ変わっていくはずです。

コンプレックスを取り除くことができたら、同時に、未熟だった自分を許して、徹底して自分を大切にしましょう。「鏡の法則」を当てはめるなら——自分のことが好きになれない人は、相手から好かれることもありません。逆にいえば、自分のことを好きになることができれば、相手からも好かれるはずなのです。

あらゆる人間関係に作用する「鏡の法則」

さて、冒頭の一文に戻りましょう。

結婚は誰としても同じです。

この意見に対する見方が少し変化した方もいるのではないでしょうか。結婚相手が誰であれ、夫婦間で起きる問題の原因は、常に自分自身にあるのです。たとえば、「価値観が合わない」という理由で離婚した人が別の人と再婚した場合、その人自身が変わっていない限り、新しい相手に対して、また「価値観が合わない」と言い始める恐れがあります。自分が変わらない限り、相手への不満を持ち続けることになるからです(相手が誰であるかは関係ありません)。人生の現実は、その人の心を映す鏡です。そういう意味において「結婚は誰としても同じ」なのです。

さて、ここまで夫婦関係という文脈のなかで「鏡の法則」の解説をしてきましたが、言うまでもなく、この法則は、あらゆる人間関係で効力を発揮します。自分が怒れば相手も怒る。自分が拒めば相手も拒む。自分が笑えば相手も笑う。自分が手を差し伸べれば、相手も自分に手を差し伸べる。極めて単純な法則です。「鏡の法則」をポジティブに活用すれば、関係性がかんばしくなかった同僚や上司、友人らとの関係性も改善されていくでしょう。

もしもあなたが自分自身をポジティブに変化させることができれば、身近な人間関係を筆頭に、あなたの人生におけるあらゆる現実がポジティブに変化するはずです。「鏡の法則」はすべての人に対して平等に作用するのです。

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著者:山口拓朗

『残念ながら、その文章では伝わりません』著者。

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伝える力【話す・書く】研究所所長。「伝わる文章の書き方」や「好意と信頼を獲得するコミュニケーション術」「売れるキャッチコピー作成」等をテーマに執筆・講演活動を行う。最新刊の『残念ながら、その文章では伝わりません』(大和書房/だいわ文庫)のほか、『「また会いたい」と思われる!会話がはずむコツ』(三笠書房/知的生き方文庫)など著書多数。起業家の妻・山口朋子と「対等な夫婦パートナーシップで幸せな人生を作る方法」など夫婦関係の築き方をテーマにした講演も行っている。『世帯年収600万円でも諦めない! 夫婦で年収5000万円になる方法』(午堂登紀雄、秋竹朋子著)にも夫婦で取り上げられている。

山口拓朗公式サイト
http://yamaguchi-takuro.com/

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