仕事・職場でのストレスを撃退するには?【チェックシートつき】ストレスの原因・対処法を徹底解説 

仕事や職場へのストレスを感じているけれど、どう解消すればいいのかわからず放置してしまっている人は多いのではないでしょうか。しかし、ストレスをそのままにしていると、さらに状況が悪化してしまう可能性があります。これまでに1万人超のメンタルを救ったという「金髪アフロと赤メガネ」がトレードマークの精神科医&メンタル産業医・井上智介先生に、仕事でストレスを感じる理由や解消法などを教えていただきました。井上先生監修による「自分のストレスタイプを知るチェックリスト」も用意していますので、ぜひ活用してみてください。

仕事のストレスを感じるビジネスパーソンイメージ
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仕事のストレスタイプがわかる!ストレスセルフチェックシート

仕事にストレスを感じる要因は人それぞれですが、代表的なものとしては次の4つのタイプが考えられます。

まずは今感じているストレスの原因を把握するために、以下のチェックリストで当てはまると思う項目にチェックをつけてみてください。自分のストレスタイプを知れば、それに適した対処を考えることもできるようになるでしょう。

仕事のストレスチェックリスト

【A群】人間関係のストレス
A-1 職場で常に緊張感を覚えている
A-2 周りの顔色を窺ってしまうことが多い
A-3 上司が忙しそうだと報連相に躊躇してしまう
A-4 自分の意見やアイディアが尊重されていないと感じる

【B群】過剰な業務量や時間外労働
B-1 最近注意力が散漫でミスが増えたように感じる
B-2 以前に比べると一つの業務に時間がかかるようになった
B-3 常にやるべきことに追われ、焦りを感じている
B-4 会議やミーティングの時間を忘れ、遅刻することが増えた

【C群】責任の範囲や裁量度合いがあいまい
C-1 仕事で「どこまでやればいいのか」と迷うシーンが増えた
C-2 物事を自分で決めるのが苦手
C-3 タスクを先延ばしにすることが増えた
C-4 一つの物事を進めるのに、確認に時間がかかるようになった

【D群】キャリアの停滞
D-1 「自分は何もできない」という無力感に苦しむことが多い
D-2 最近、業務の効率が落ち生産性が低下していると感じる
D-3 自身のスキルや能力に自信がない
D-4 新しい知識を習得したり、新しいことに挑戦したりする意欲が湧かない

チェックを終えたら、2つ以上当てはまったものを確認してみましょう。

A群に2つ以上チェックした人
=人間関係のストレスが原因である可能性が高いでしょう。
B群に2つ以上チェックした人
=過剰な業務量や時間外労働がストレスになっている可能性が高いでしょう。
C群に2つ以上チェックした人
=責任の範囲や裁量度合いのあいまいさに最もつらさを覚えている可能性が高いでしょう。
D群に2つ以上チェックした人
=成長実感が湧かずキャリアの停滞感を覚えていることがストレスになっている可能性が高いでしょう。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

仕事でストレスを感じる主な要因とは?

上のリストでチェックした「仕事でストレスを感じる主な要因」について、以下に解説します。自分にあてはまるものを確認し、具体的に「何がつらいと感じているのか」を紐解いてみましょう。

理由1:人間関係

仕事でのストレスの原因の多くは、人間関係によるものです。人間関係に悩み、産業医に心身の不調を訴える人は非常に多いという印象です。

クライアントや取引先など、社外の人との関係性に悩む声もありますが、社外の場合は担当を変えてもらうことなどもできます。一方、社内、特に同じ部署や同じチームの人が相手だと、そう簡単ではありません。ストレスを感じる相手と日常的にコミュニケーションを取らねばならないことに、つらさやしんどさを抱えるケースが多いようです。

また、「自分が評価されていない」と感じることも要因の一つです。自分なりに仕事で成果を出したつもりでも、上司や周囲に認めてくれず「何のために頑張っているのだろう」という無力感や組織への不信感が、ストレスの引き金になることもあるようです。

理由2:過剰な業務量や時間外労働

各社で働き方改革への取り組みが進んでいますが、業務量が多い、勤務時間が長いことにストレスを感じている人は今も少なくありません。

残業量を規制されているものの、仕事量が減っているわけではなく、サービス残業をしたり家に持ち帰ったりしてこなしている人は多いようです。その結果、生活リズムが崩れ、ストレスを感じる人は多いようです。

理由3:責任の範囲や裁量度合いがあいまい

自身の仕事責任の範囲がわからず、「どこまでやればいいのかわからない」という不安を常に抱えている人も、ストレスが溜まりやすい傾向にあります。

責任ある仕事を任されない、裁量権がないという不安や不満は、上司に相談したりスキルアップを目指したりするなど対処法を見つけやすいですが、「何をどこまでやればいいのかわからない」という宙ぶらりんの状態は、対処法がわかりづらいもの。仕事の計画も立てられず業務ペースがつかめないため、徐々に心身の負担が募ってしまうケースが多いようです。

理由4:キャリアの停滞

仕事に取り組んでいても成長している感覚が得られない、スキルアップできているという実感がないという場合も、ストレスを感じやすいでしょう。

同じような仕事ばかりしている、雑務が多いなど、日々あまり代わり映えのしない状態が続くことでモチベーションが下がり、仕事に臨むこと自体にストレスを感じてしまうようです。

プライベートの悩み・不安が仕事のストレスになることも

育児や介護など、プライベートの悩みが仕事に影響を与えるケースもあります。例えば、子どもの夜泣きで夜十分に眠れていない場合、疲れが蓄積してしまい、仕事にもストレスを感じてしまう場合などです。仕事に全力投球できていない自分に負い目を感じ、過度のプレッシャーを覚えてしまうこともあるようです。

また、SNSなどで友人の暮らしや活躍を見て「自分はこのままでいいのか」と焦りを感じたり、同業他社の業績悪化のニュースを知って将来が心配になったりなど、周囲の影響や社会不安によってメンタルが不安定になり、仕事へのストレスとなって表れることもあります。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

仕事・職場のストレスを解消する対処法

ストレスの要因や理由が見えてきたら、状況が悪化する前にできることから対処を始めましょう。冒頭のチェックリストで洗い出したストレスタイプ別に、以下の対処法に取り組んでみると、現状が改善され、ストレスが軽減する可能性があります。複数に当てはまる場合は、やりやすいものから取り組むといいでしょう。

【人間関係のストレス】

苦手意識を持つ相手とコミュニケーションを取る際は、メールやチャットなど対面以外の方法を取るといいでしょう。根本的な解決策とは言えませんが、直接のやり取りを減らすことで、ストレスを感じる時間を減らすのが得策です。

どうしても相性が合わず、仕事の進捗や成果にも影響が出ている場合は、上司や人事部などに相談しましょう。人間関係は数字で見えるわけではないので、自分で問題点を発信しないと気づいてもらいにくいもの。現状を変えるには、自ら何らかのアクションを取ることが大切です。

その際、まずは現状を冷静に説明し、現状を変えるにはどうすればいいかと相談するスタンスを取りましょう。現状が組織としてマイナスであることがわかれば、何らかの対処に動いてくれるはずです。

また「評価されない」と感じる人は、まず頑張っている自分自身を認めてあげましょう。その上で、仕事で上げた数字や実績を言語化し、「自分はこれだけやっているが、どうすれば評価されるか」を上司と話し合ってみることをおすすめします。上司が求めている点を改めて理解できる可能性もあります。

もしかすると周囲の評価が十分にあなたに伝わっていないだけかもしれません。相互理解を深めることで、ストレスが軽減されることもあるでしょう。

【過剰な業務量や時間外労働】

業務量が多い場合、まずは自分の業務内容を把握した上で優先順位をつけることが大切です。現在抱えている業務をすべて洗い出し、それらを「重要度高・低」と「緊急度高・低」に分け、「重要であり、かつ緊急度の高い」ものから着手しましょう。これにより生産性が上がり、「業務に追われている感」が少し軽減できる可能性があります。

業務量の多さを上司に相談することも重要です。現在抱えている業務内容、負担度合い、時間外労働の多さなどを具体的な業務内容を言語化して報告・相談し、指示を仰ぎましょう。上司は、部下一人ひとりの業務内容や業務量を完璧に把握しているわけではありません。「部下から報告・相談を受けて初めて、過剰なしわ寄せがいっていることを知った」というケースは多いのです。
「業務量について相談すると、能力が低いと思われないだろうか」と不安に思う人もいるようですが、自身の業務適正化を図り生産性を高めるのはもちろん、組織としての力を高めるためにも必要なことだと理解しましょう。

【自分の仕事内容や役割に対する不満】

この場合も、上司に相談するのが手っ取り早い方法です。一つひとつのタスクについて、責任の範囲やどこまで裁量を持って取り組めばいいのかを確認しましょう。

もう少し手軽な方法を試したいという場合は、責任の範囲に迷ったら自分なりの判断で手掛けてみて、上司の反応を見てみたり、場合によっては「○○までやりましたが大丈夫ですか?」などと報告・確認したりすれば、何がどれぐらい求められているのかおおよその見当がつくでしょう。

同じ仕事に取り組んでいるチームメンバーとの情報共有も大切です。今、誰がどの業務に取り組んでいるのか、全員の業務を「見える化」することで、責任の所在が明らかになり、「自分はここまでやればいいんだな」と判断しやすくなります。定例ミーティングの場で自ら今の業務内容を共有したり、チームでのタスク共有ツールの導入を提案したりして、働きかけてみましょう。

重要な決定事項などは、できるだけメールやチャットなど文字で上司に報告し、振り返ることができるようにしておくとよいでしょう。

【将来のキャリアに対する不安】

今のあなたは自身の経験やスキル、キャリアに自信を持てていない状況です。まずは、自己肯定感を高めることが現状を打破する第一歩。これまでの経験を振り返り、うまくいったことや成果を出せたこと、モチベーション高く取り組んだことを洗い出してみましょう。自分の成果や強み、持ち味などが洗い出され、自己肯定感が高まるでしょう。

仕事以外のことに取り組むことで、自分の成長を実感するのも有効です。新しい趣味を見つけて一から取り組んでみたり、興味を持っていたテーマを勉強してみたりすることで、「昨日よりできるようになった自分、知識が増している自分」を実感でき、自信が増すでしょう。

趣味や勉強で得たワクワク感が、仕事にも好影響を与える可能性もあります。雑務やルーティンワークであっても、「今より早くできるよう工夫してみよう」「面白さを感じられるやり方を試してみよう」など、意欲をもって取り組めるようになるかもしれません。

【プライベートな悩みや不安からくるストレス】

まず、自分が不安を感じていること自体を責めたり、ネガティブに捉えたりする必要はありません。同年代の人と自分の境遇を比較したり、世の中の悪いニュースに心配を募らせたりするのは、特に若い人なら誰もが抱えやすい感情で、決しておかしなことではないのです。

その上で、「自分がコントロールできないことに悩んでも、事態は変わらない」と割り切り、自分の強みや好きな何かに目を向けることが大切です。目の前にある与えられた仕事や、自分自身の努力で前に進められる事柄に集中できれば、いつの間にか不安が払拭されていくことも多いでしょう。

仕事のストレスから解放されたビジネスパーソンイメージ
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仕事のストレスを放置するとどうなる?

仕事のストレスを放っておくと、次のような弊害が考えられます。いずれも、判断力が鈍りミスが増え、仕事で信頼を失ったり、ひどくなると心身に大きな負担となり、病気を引き起こしたりする恐れもあるので、放置するのは危険です。

睡眠障害

疲労やストレスが溜まると多くの場合、まず睡眠障害が現れます。疲れているのになかなか寝付けなかったり、夜中に何度も目が覚めてしまったり、朝早く起きてしまったりするケースが多いです。十分に寝たはずなのに「よく寝た」という感覚がなく、朝から疲れを感じるという人も少なくありません。

食欲の低下や乱れ

食欲の乱れは、ストレスが溜まっているサインの一つです。食欲がなくなる人もいれば、逆に過食になるケースもあります。しょっぱいものや甘いもの、脂っこいものなど、同じような味のものばかり食べたくなるというのも、心身のストレスが原因とされています。

身の回りのことが億劫になる

ストレスが進行すると、何をするにしてもやる気が出なくなります。仕事だけでなく食事や入浴、家事など、身の回りのことも億劫になってしまうケースもあります。おしゃれが好きだったのに服装に無頓着になった、楽しみにしていた趣味の集まりまで億劫になったという場合は、かなりの危険信号です。

集中力、記憶力の低下

心身の疲労が蓄積すると、集中力や記憶力が低下します。仕事でケアレスミスが増えたり、ミーティングをすっぽかしたりすることが増えてしまうでしょう。
優先順位も付けにくくなり、一つの業務が終わった後、次に何をすればいいのかすぐに判断できず、仕事に少しずつ遅れが生じ、知らず知らずのうちに大量の業務を抱え込んでしまう人もいます。

人との会話を避ける

ストレスによって精神的なエネルギーが不足すると、周囲との会話を避けるようになる傾向があります。家族や親しい人との会話も減り、職場でも孤立してしまうケースが見られます。また、気持ちに余裕がなくなるため、些細なことでイライラして周囲の人に感情をぶつけ、関係性を損なってしまうこともあります。

それはNG!効果が期待できない仕事のストレス解消方法

実は、仕事のストレスを解消するために多くの人がやっていることの中には、効果が期待できず、お勧めできない方法もあります。あなたも同じことをしていないかチェックしてみてください。

「我慢」は問題を先送りにしているだけ

よく見られるのが「我慢してやりすごそうとする」ことです。これは問題を先送りにし、長期的にストレスをため続けるだけで何の解決にもなりません。いずれ爆発してしまい、余計に事が大きくなってしまう可能性もあるため、前述したいずれかの方法で現状を変える取り組みをしましょう。

「無理に前向きに捉える」ことも、ストレスが溜まっているときには避けましょう。自分の感情を無視する行為は、心身に負担を与えます。つらいと感じているならば、その気持ちを受け止めたほうが心身へのダメージを減らせます。その上で、現状を改善する取り組みに一刻も早く着手することをお勧めします。

飲酒や夜遊びは疲れが溜まり、逆にストレスになる

飲酒や夜遊びも、実はストレス解消に適していません。ストレスを軽減し、心身の疲労を回復するのに効果的なのは、何をおいても「睡眠」です。飲酒も夜遊びも、睡眠時間を削ることになる上、過ぎれば良質な睡眠が得にくくなってしまいます。

また、SNSや動画、ゲームなどを楽しむことは一定のストレス発散になりますが、寝る前にだらだら行うと、神経が高ぶって寝付きが悪くなる上、脳の疲れも取れにくくなります。夜に動画の視聴やゲームをする際は「時間を区切る」「スマホを別室に置いてから就寝する」などのルールを決めましょう。

「眠くないのに布団に入る」とますます眠れなくなる

多くの人が「良かれ」と思ってやっているものの、実は逆効果な行為に「まだ眠くないけれど布団に入る」というものがあります。

ストレスが溜まると、なかなか眠れないなどの睡眠障害が現れます。そんなとき、眠くないのに布団に入って無理に眠ろうとすると、「布団=眠れる場所かわからない」と認識してしまい、不安でますます眠れなくなる恐れがあります。

30分以上経っても、まったく眠れる様子がないときは、一旦布団から出て眠くなるのを待ちましょう。その際は、買ったものの手が伸びない「積ん読(つんどく)」状態の本を開いてみるのも一案。なぜなら、ある種の「退屈さ」には眠気を誘う効果があるからです。あくびが出て眠くなってきたら、改めて布団に入るとよいでしょう。

仕事でストレスを溜めないために習慣化したいこと

仕事でストレスを溜め込まないために、普段からできることをご紹介しますので、ぜひ取り組んでみてください。

規則正しい生活

規則正しい生活を送ると、夜自然に眠れるようになり、心身の疲労が回復しストレス軽減になります。それにより、仕事へのやる気が高まることも期待されます。
まずは、朝起きる時間を一定にすると、リズムが整いやすいでしょう。そして、起きたらカーテンを開けて朝日を5分ほど浴びると、体がしっかり覚醒し、15時間後ぐらいに眠くなるホルモン「メラトニン」が分泌され、夜に自然な眠りが促進されます。

業務の「見える化」を行い、目標を決める

自分が抱えているタスクを「見える化」すると、優先順位をつけられるようになり、業務が効率的かつスムーズに進められるようになります。さらに目標を決めてスケジューリングをすると、進捗管理もしやすく「ここまでやった」という達成感も得ることができるでしょう。

こまめな報連相

仕事に対するストレスの大半は、上司に現状を報連相することで軽減されます。上司が部下の置かれている状況や抱えているタスクを把握し切れていないケースは多く、現状について素直に相談することで解決の糸口が見えてくるでしょう。

人間関係に行き詰まっている場合は、別のチームをアサインしてもらったり、業務量が多いのであれば、一部をほかの人に割り振ったりするなど、状況改善に動いてくれるはずです。ストレスを溜め込む前に、こまめな報連相を心がけましょう。

睡眠時間を確保する

繰り返しになりますが、ストレスへの最も有効な対処法は「睡眠を取る」に尽きます。
身体も心も、同時に休ませることができるのは睡眠だけです。まだ心身の不調が深刻化していない段階であれば、睡眠が最も効果的であり即効性もあります。

睡眠不足であると実感しているならば、今より1時間、睡眠時間を増やしましょう。家でだらだらとテレビやネットを見ている時間を削り、睡眠に充てることをお勧めします。

睡眠の質を上げるには、ゆっくり湯船に浸かってリラックするのも大切。その際、寝る90分前にお風呂から上がるようにすると、一度上昇した体温がゆっくりと下がり、自然な眠気がやってきます。リラックスできる音楽を聴く、アロマを炊くなども良質な睡眠につながるのでお勧めです。

適度に体を動かす

同じ姿勢のままでい続けると、身体への負担を感じやすくなり、ストレスもたまりやすくなります。デスクワークが多い人も、定期的に立ち上がったり伸びをしたりして、身体を動かしましょう。日常で歩く量を増やすのもお勧め。通勤のときに階段を使うようにする、別のフロアのトイレに行く、車通勤ならば敢えて入口から遠い場所に止めるなど、ちょっとしたことでいいので、習慣として取り入れるとリフレッシュにつながります。

仕事にストレスを感じたら、自分自身に優しくなることが大切

「忙しい」が常態化すると、自分自身を見失いがちになってしまいます。その結果、もう十分頑張って成果を上げているのに、「まだまだスキルがない、努力が足りない」などと自分を責めたり、自信を失ったりしてしまう恐れがあります。

前述したような「ストレスへの対処法」は、「自分自身に優しくなる方法」でもあります。小さな工夫でも、続ければやがて大きなよい変化となって表れますので、ぜひ取り組んでみてください。そして、どうしてもつらい気持ちが解消できない場合は、一人で抱え込まないこと。友人や家族、同僚などに、しんどい気持ちを打ち明けてみてください。もちろん産業医でもOKです。

誰かに胸の内を明かすことで、気持ちが楽になるだけでなく、ストレスの中身が整理され、自分に合った対処法が見えてくる可能性もあります。その上で必要なら周りに頼り、勇気を出して休むことも考えましょう。仕事のストレスは誰でも感じるものであり、決して自分のせいだと思わないことが大切。無理をせず、自分のペースで前に進んでほしいですね。

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メンタル産業医・精神科医 井上 智介さんメンタル産業医・精神科医 井上 智介さん

兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動中。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。さらに、すべての人に「大ざっぱ(rough)」に、「笑って(laugh)」人生を楽しんでもらいたいという思いから、SNSや講演会などで心をラクにするコツや働く人へのメッセージを積極的に発信中。『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)、『職場の「しんどい」がスーッと消え去る大全』(大和出版)など著書多数。

記事制作日:2024年9月11日  記事更新日:2025年5月28日
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