長“期間”労働の時代に必要なビジネススキル、どう獲得する?

「将来がなんとなく不安だ」
「もっと成長したいけど、どうしてよいかがわからない」
「自分にしか出来ない仕事をしたい」

働き方改革やニューノーマルが叫ばれる昨今。残業ゼロはもちろん、テレワークの加速により出社する必要がない、なんてことも、もはや当たり前の時代になりました。こうした働き方の多様化によりワークスタイルの選択肢が増えた一方、社会全体の高齢化と老後の生活の不安から、これからは長“期間”労働の時代になることが予想されます。

あなたは今、長く働き(選ばれ)続けるために何をしていますか?

今回は広告代理店勤務時代に3,000人以上のVIPと交流し、彼らの「ビジネススキルの磨き方」を研究している気配りのプロフェッショナル・後田良輔さんに「ビジネススキルを身につけるための鍛え方」について語っていただきました。

ガッツポーズする逞しげなスーツ姿の男性

成長の秘訣は「ビジネス筋トレ」にあり

3000人のVIPを観察していて、発見したことがあります。それは、彼らは「会社はスポーツジムのようなものである」と考えているフシがあるということです。

通常、スポーツジムは自分でお金を払ってマシンを使う権利を買い、自分の体を鍛えることになります。しかし会社の仕事はお金がもらえる上に、スキルは自分自身に「貯まる」仕組みになっています。

つまり、仕事はビジネス筋トレ、でもあるのです。この仕組みを利用しない手はありません。VIPはこの事実を強く意識していて、自分の本業はもちろん、それ以外の付加価値向上につながる「本業外の仕事」にも自らすすんで取り組み、ビジネススキルをアップさせていました。

「コミュ力が高い」「問題解決が得意」「営業なのに経理に詳しい」「製造担当なのにマーケティング知識がある」など、本業に加えて別のスキル・能力にも強みをもつケースはその一例です。

これらの本業スキルプラスαのビジネス付加価値は、普通に働いているだけではなかなか身につかないもの。意図的に時間をかけ、少しずつ鍛えていかなくてはなりません。

VIPはこのことを知っており、「会社=お金がもらえるスポーツジム」を有効活用し、自分の伸ばしたいスキルを、仕事を通じて鍛えていました。

でもどうやって?
今回は、その取り組みの方法をご紹介したいと思います。

VIPは通常のビジネス筋トレだけでなく、意欲的に「ビジネス自主トレ」をも活用しています。それも前のめりに取り組む。ここがポイントです。

ビジネススキルの向上は、現場経験を通じて磨くことがもっとも早道です。元メジャーリーガーのイチローは言っています。「何かを『やりたいという人』と、何かに『なりたいという人』がいる」と。同じような言葉ですが、前者は他者依存で後者は自分依存の姿勢です。望む人生があるならば、それを獲得するための自主的な行動が必要です。

まだ若手のうちは与えられたミッションをこなすことで精一杯、どうしても受け身になりがちですが、それで自動的に成長すると考えるのは甘いのが現実というもの。ぜひ自分の意思で自分の働き方を改善し、自分改革に取り組んでみませんか?

次から、多くのVIPが取り組んでいた「ビジネス自主トレ」の仕方についてお話しします。どれも簡単で、使い勝手の良いおススメの方法ばかりですので、ぜひ試してみてください。

ビジネス自主トレの手順① デキる人を見つける

昔から「仕事は目で盗むもの」と言われるように、デキる人を手伝い、その仕事ぶりに触れるのは、自分一人の勉強よりも遙かに優れた効果があるものです。

そこでまず行いたいのは「デキる人を見つけること」です。

手始めに、あなたの周囲で「定時後も仕事をしているけど意欲を感じる人」に注目してみましょう。「残業は仕事がデキない人がやるもの」と考える人もいますが、実際はどうしても残業をしないとこなせないほど仕事で頼りにされていたり、基本のミッションを終わらせた上で「自分がやってみたいプロジェクト」を進めていたりする人が隠れているものです。この場合はやらされ残業ではなく、自主トレをしている可能性があります。

また、「大きな利益を会社に与えている人」「日中、会議続きで昼間に業務ができない人」「明らかな特殊技能を持っている人」などが一見残業などしていないように見える場合、実は家でこっそり“自主トレ”をしている可能性が高い。そんな人たちは仕事がデキると言われる秘密を必ず持っています。会社でガツガツ長時間仕事をしていなくても成果を出している人たちがいるなら、その秘密を聞き出してみるといいでしょう。

こんな風に、まずはデキる人を見つけてください。それがあなたを成長させるビジネス自主トレの第一歩となります。

「どんなに探しても、身の回りにそんな人見つからない…」という人は、ネットの力を借りましょう。デキる人の中には発信力がある人も多いです。SNSで常に自らの働き方やアイディアを発信している、業界で有名な人を見つけ、チェックしてみてください。

ビジネス自主トレの手順② デキる人を手伝う

あなたが身につけたい付加価値を持っている人を見つけたら、彼らの仕事を手伝ってみましょう。デキる人は案外、誰かに手伝ってほしいけど、テレワークが加速し目の前に人がいないので、雑用を抱えて困っているものです。

「よろしかったらお手伝いさせてください」というだけで、案外簡単に弟子入りすることができ、彼らの仕事術を無料で体感できるようになります。

データ整理や企画書作り。はたまた彼らが付き合っている一流の人脈など、彼らの仕事を手伝うだけで、あなたが知らなかったデキる人の仕事術に触れることができるのです。

「守破離」という茶道や武道の修行の過程を表す言葉があるように、仕事においても、まずは優れた人の教えを守り真似るのが上達の近道です。

「人は一緒に過ごす時間がもっとも長い5人を平均した人物である」と米国の組織心理学者のベンジャミン・ハーディは言っています。自分の付加価値を向上させたいなら、5人の中にデキる人を意図的に入れていくのが、自分改革の王道です。

身の回りにデキる人が見つからず、ネット上などで探し出した人は、彼らが発信しているやり方を実践してみてください。

ビジネス自主トレの手順③ トレーニングメニューを「朝と夜」に仕分けする

デキる人の仕事術と併せて身につけたいのが時間術です。

健康を害さずに自主トレタイムを有効活用するために、「朝と夜」に自主トレメニューを仕分けする工夫をしかけましょう。

人には「作業に向いている時間」と「考えるのに向いている時間」が存在しています。そこで自主トレを「会社のための作業」と「自分のための投資作業」に分類するのです。

例えば、朝型の人にとって「朝の1時間は昼の3時間に匹敵する」と言われるくらい、朝は生産性が高く、作業に向いている時間です。会社のためにどうしてもこなさなければならない残業は、効率的に「朝」にこなし、短く済ませるのがVIPの作法です。

一方、夜は自分に集中できる時間です。「今後何をすべきなのか?」「どんなスキルを身につけるのが最適なのか?」などを考えたり、自分にない能力を持っている人と交流したりして刺激を受けるには、夜が最適。ですから、デキる人の仕事を手伝うなど、自分の成長のための投資は、夜に行うといいでしょう。

朝型でない人は、これまでの自分の経験から、なんとなくでも「作業に向いている時間」と「考えるのに向いている時間」が分かるはずです。上で述べた朝型の時間配分をずらしてあてはめてみてください。

ただし、間違っても単なる残業を「自主トレタイム」に詰め込んではいけません。ここは未来の自分のためにプラスアルファのスキルを身に着けるための時間であることを、決して忘れないでください。その上で、ぜひあなたがすべきビジネス自主トレを「朝と夜(もしくは自分の生活リズムにフィットする時間)」に仕分けしてみてください。たったそれだけで、あなたの付加価値は思った以上に成長すると思います。

まとめ

働き方改革で「長時間労働」はなくなりつつあります。しかし一方で、老後の生活費は年金だけでは足りないともいわれ、定年後も働く必要が出るなど「長期間労働」は現実の問題となりつつあります。

楽しく、そして長く働き続けるためには、今の勤め先を「お金がもらえるスポーツジム」ととらえ、自ら積極的に「自主トレ」に励み、付加価値向上を図らなくてはいけない時代になっていくと思います。

「人の行く裏に道あり花の山」という茶の大家・千利休の言葉があるように、目の前の仕事や自己プロジェクトに対して、あえて自分に負荷をかけるような「自主トレ」モードで挑み、逆張りをする。これが将来、長期間労働の時代を生きる自分を輝かせてくれることにつながるのかもしれません。

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プロフィール

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。
著書に、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)『1秒内定面接術」』(インプレス)など。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界からキャリアの悩みをなくすこと」をミッションとする。

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