Web面接(オンライン面接)ってどうすればいいの? ──対策法・注意点をプロが伝授!

新型コロナウイルス感染症の拡大で、これまで原則として対面で行われていた採用面接を、Web会議システムを使ったオンライン面接に切り替える企業が増えている。だが、いきなりWeb面接といわれても「不慣れだし心配」「ノウハウやポイントなどを知りたい」という人も多いのではないだろうか。そこで、キャリアコンサルタント福島知加さんに、Web面接の基本的な手順から、注意点・対策法をアドバイスしてもらった。

WadachiLab.代表 福島知加さん

福島知加さん沖縄県在住。株式会社リクルートライフスタイルにてコンサルティング営業に携わった後、IT企業での採用・人材育成統括、就職支援機関のキャリアコーチ・研修講師を経て、2017年4月に独立。現在は人材育成・採用コンサルティング、キャリア相談、女性支援事業を展開し、中小企業の人材育成や組織活性、商工会や研修企業主催の「マナー・コミュニケーション」「女性活躍」の研修講師を務め、年間で70社、2000人ほどの支援に携わっている。

新型コロナウイルス感染症の拡大で増えるWeb面接

Web面接とは企業の面接担当官と求職者のパソコンやスマートフォン間をインターネット回線でつなぎ、会話をするというもの。新型コロナウイルス感染症の蔓延で、リモート型のコミュニケーション手段を通常業務の中に取り入れる企業が増えている。

福島さんは、企業の人事部に勤めていた頃に、毎日4~5回のWeb面接をこなしていたこともあり、Web面接のメリット・デメリットに対する知見が深い。

「この数年、遠隔地にいる求職者向けにWeb面接を活用したいという企業は増えています。企業もコストを削減できるし、求職者もわざわざ企業を訪ねなくてもよいという利点があります。今年は急激なコロナウイルス感染症の拡大で、当初は対面を予定していた面接を急きょWeb面接に切り替える企業が目立ちます。最終の役員面接などはやはり対面で行う企業がほとんどですが、それまでの1次、2次面接はすべてオンラインでやるというところもあります」(福島さん)

Web面接に必要なツールとアプリケーション

Web面接に必要なツールは、最低でも通信回線、パソコン、カメラ、マイクとアプリケーション(アプリ)だ。かつてはテレビ会議用の高価な機材が必要だったが、最近はパソコンとWebブラウザで会議できるツールが普及しつつある。通信回線さえ確保できれば、パソコンではなく、スマートフォンやタブレットでも参加できる。

Web面接は何日何時に開始するかを、あらかじめメールなどで打ち合わせておく必要がある。通常はWeb面接のツールとアクセス方法が示され、そこにログインすることで画面と音声を共有できる。

アプリにはWeb面接に特化したシステムもあるが、個人が無料で使えるものが普及しており、Web面接を行うためのインフラのハードルは限りなく低くなっている。

これらのツールは機能も充実しており、対話だけでなく、メッセージング機能を使ったテキスト送受信、資料添付などができるようになっているものも増えている。

パソコンを操作する手元

Web面接の敵は通信回線の不安定さ・バッテリー・騒音

しかし、Web面接を成功させるためには技術的にいくつかの注意点がある。福島さんがまず挙げるのは「通信回線の不安定さ」だ。

「以前に比べて通信回線についての不安定さは軽減されていると思いますが、インターネット回線は途中で切れてしまうことがあります。画像が乱れたり、音声がブツブツと途切れたり、途切れないまでもハウリングなどを起こして聞き取りづらくなることも。

これではお互いにストレスがたまる一方です。同じインターネット回線を使うにしても、カフェなどが提供する公衆無線よりは、自宅のWi-Fiの方が安定しています。さらにWi-Fiよりは有線LANの方が、回線がより安定しているのでベターでしょう」

バッテリーの残量にも注意

Web面接はスマートフォンでも可能だが、やはり画面の大きさなどを考えると、パソコンの方がWeb面接には向いている。ノートパソコンやスマートフォンを使う場合は、バッテリーの残量にも注意が必要だ。スマートフォンも手持ちではなく、スタンドにしっかりと固定するなどの工夫が必要だ。

事前に留守番電話設定や通知音オフ、アプリ通知もオフに

「スマートフォンでは途中で電話がかかってきたり、ほかのアプリの通知で中断せざるを得なかったりすることもあります。Web面接の間は、アプリの通知はオフにする。電話も留守番電話にしておくということも、小さなことですが大切なポイントです」

Web面接が初めてという人は、事前のテストが不可欠。まずはアプリをダウンロードして、自分のパソコンで使えるかどうかを確認しておこう。アプリによっては、自分で音声テストをする機能があるものも。「初めての人は、事前に友人・知人とつないで、練習を重ねておくと安心です」と、福島さんはアドバイスする。

Web面接は自宅で行うのがお勧め

Web面接の本番スタート前に準備しておくべきことは何だろうか。Web面接を行う環境など、福島さんのアドバイスをもとに注意点をまとめてみたので、参考にしてほしい。

10分前にはログインしておこう

事前にもらっているWeb面接用のURLがあれば、10分前にはログインしておく。

「ログインできたら、メッセージ機能で『本日はよろしくお願い申し上げます』と伝えておけば、相手も面接を進める準備ができます」

服装は基本的に上下ともにスーツで臨もう

Web面接でも服装は、基本的にスーツ。できるだけフォーマルな服装が望ましい。ただ、一部、服飾系の会社など、その人のファッションセンスも面接のポイントであるような場合は、それをさりげなく見せられるような服を着て臨むのもありだろう。

「上着はスーツ・ネクタイなのに、下はパジャマや短パンで面接に臨む方がいますが、全身スーツにしましょう。面接の時にふと立ち上がったらボトムスの状態がわかってしまい、面接担当官の印象が悪くなってしまったという事例もあります」

部屋の背景は無地、静かな環境を準備しよう

Web面接とはいえ、通常の対面面接と同じ心構えで臨むことは大切だ。自宅からのアクセスの場合、どういう部屋で行うかも重要。基本は静粛を保つこと、BGMは不要。カメラに映し出される部屋の背景は無地がよい。背景がごちゃごちゃしていると、面接担当官の目がそこにいき、関心が分散されてしまうことがあるからだ。

「採用担当者になりたての頃に面接をした方は、部屋中にアニメのポスターを貼っていました。気になってつい尋ねると、その方は一生懸命好きなアニメの話をし始めました。結果、30分の面接の半分がアニメの話になってしまいました。ほかのテーマの話も深めたかったのですが、時間が足りませんでした。これが、アニメーション会社の面接だったらよかったんでしょうけど・・・」

また、自室からのWeb面接の途中に、家族に話しかけられないように面接することを予め伝えておこう。

声や手振りの大きさは通常の「1.3倍」を心がける

パソコンを操作する女性

目線はカメラに向ける

最近のパソコンは、ディスプレイの上部に自分を映し出すカメラ付きであることが多い。一方、面接担当官の顔は通常、Web面接ツールの画面下や横に映し出される。求職者がその面接担当官の画像にばかり視線を合わせてしまうと、相手からは伏し目がち、あるいは目をそらしているように見られてしまう。

できるだけ上部のカメラのほうに視線を合わせることが、Web面接のコツだ。
「自分の顔が一番すっきり見える角度は気にした方がいいですね」と福島さん。

メモを取ることだけに集中しないのがコツ

Web面接の利点は、相手が見えないデスクの上などにメモを置いたりすることができるところ。しかし、メモばかり見ているとこれも相手からは伏し目に映る。基本的には、できるだけカメラを見て話すようにしよう。

顔映りをよくする方法

「Web面接には、テーブルは白いものを選ぶ、あるいはテーブルに白い紙を置くという人もいますね。下からの反射光で顔が白く、明るく見える。プロのフォトグラファーがよく使う“レフ板”効果が期待できます」

一見、高度なテクニックのようだが、手間は少ない。ぜひ試してみてほしい。

話し方、ジェスチャーを工夫

Web面接では回線の問題があって、音がかすれたりすることも多い。

「そこで私は普段の1.3倍ぐらいの気持ちで、大きな声を出したほうがいいとアドバイスしています。また、身振り手振りを伴った方が、話し手の表情も豊かになる。これも、通常の1.3倍ぐらいを心がけたいですね」

話し方も対面の面接よりは、気持ち短めに語尾を区切るほうがいい。これも音声が不安定なことがあるので、語尾がはっきりしないと、話の内容がきちんと相手に伝わらないからだ。お互いの音声がかぶるとさらに聞き取りづらくなるのは、Web面接のデメリットだ。

トランシーバーではこちらからの話を終えて相手の発話を促す時に「オーバー」と返すルールがあるが、Web面接でも自分の話の最後に、「以上です」と返すことを意識したほうがいいと言う、福島さん。

「留意点はあるものの、面接全体での話し方は対面と変わりません。大切なのは相手のペースに合わせて話すということ。自分だけ早口、あるいはゆっくりすぎると会話にリズムが生まれない。ペースに合わせることは、相手の話を遮らず、きちんと耳を傾けることができているという証拠。こういう話し方をいつも以上に心がければ、ポイントも高くなります」

面接途中に接続できなくなったら別手段で連絡を取る

Web面接では、途中で画像や音声が途切れ、そのまま再接続ができなくなるという最悪のことも起こりうる。そうしたリスクが発生することを踏まえて、企業の担当者の緊急連絡先を必ず知っておかなくてはいけない。

万一、通信が途絶えたら、すぐに電話やメールなどで連絡し、日時をあらためたり、Web面接から電話に切り替えるなど、善後策について指示を仰いだり、協議する必要がある。

面接を録画する場合は許可を取る

Web面接の専用ツールには、面談の間の動画を録画する機能があるものもある。求職者にとっては、面接の振り返りをするときに便利だ。ただ、これも相手があること。事前に「録画してもよろしいですか」と了解を取ろう。

アイコンは履歴書の写真を使う

また、Web面接ツールには、プロフィールのアイコンを表示する機能がある。

「友達との会話なら、アニメのアイコンを使っても問題ありませんが、企業との面接では基本的に履歴書に添付した写真と同じものを使った方が無難です」

Web面接で大切なのは「事前準備」

総じて、Web面接にはインターネットやパソコン、アプリなどを使う分、その操作に習熟しておくことが欠かせないということ。それが心の準備にもなり、不測の事態をリカバリーする知恵にもつながる。

「Web面接は、リアルの対面面接と基本的に変わることはありません。今後、Web面接はどんどん増えていくでしょう。だから、苦手意識は持ってほしくない。すべて備えあれば憂いなしです」と、福島さんはアドバイスを送ってくれた。

取材・文:広重隆樹 編集:馬場美由紀
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