「理想が高すぎてついて行けない…」ダメ出しに怯える夫と怒れる妻――共働き夫婦 家事育児の実態~夫のホンネ、妻のホンネ~vol.01

怒れる妻と怯える夫のイラスト

※本記事はiction!特集企画「共働き夫婦 家事育児の実態~夫のホンネ、妻のホンネ~」vol.01(2019年6月25日掲載)より転載した記事を一部改編して掲載しております。

「スマホばかり見て、子どもが泣いても気づかないのはいかがなものか(妻・28歳)」
「家事をやっても、やり方が気に食わないのかすぐに怒る(夫・47歳)」

このように、配偶者の家事育児に対してどう感じているのかを調べたところ、夫も妻も沢山の不満・言い分を抱えていることが分かりました。今回は、そうした不満の内容にスポットをあて、夫婦がすれ違っている要因を探っていきます。

「はたらく育児」を応援しているiction!では、どうしたら共働き夫婦それぞれの抱えている不満が解消でき、ごきげんな毎日を送れるのかを探るため、夫婦ともに週5日以上勤務かつ、1日平均6時間以上勤務の世帯の共働き夫婦、1,039組にホンネを調査しました。(詳しい調査概要はこちら)

夫に不満を募らせる妻たち

そもそも、週5勤務の共働き夫婦は配偶者の家事・育児にどのくらい納得しているのでしょう。そこには明らかな男女差がありました。

夫婦別「配偶者の家事・育児不満度」についてのアンケート結果

夫の家事育児に不満がある女性は、52.9%と半数越え。男性より20ポイントも高いのは、共働き夫婦であっても女性がより多くの家事育児を引き受けている現状と重なります。

その一方で、「家事育児で配偶者を頼りにしているか」を問うと、約8割の女性が夫を頼りにしていると回答。「まったくアテにしていない訳ではないものの、納得はしていない」が、妻側のホンネのようです。

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妻のダメ出しに怯える夫たち

女性が不満とストレスを抱えている隣で、男性は家事・育児をどう考えているのでしょうか。「自分が仕事と家事・育児を両立することは考えていない」と回答した男性は、わずか7.1%。男性の9割以上は自身が家事・育児に参加するつもりであるようです。

では、お互いへの不満はなぜ生まれるのでしょう。「家事・育児において困っていること」について尋ねてみたところ、夫と妻では見事に意見がすれ違っている事実が見えてきました。

夫婦別「家事・育児において困っていること」についてのアンケート結果

男性側で特徴的だったのは、「家事・育児に協力しているつもりが、妻から文句を言われる」が上位(35.8%)なこと。その一方で女性の場合は、「夫が家事に協力的でない」が高い傾向にあります。

つまり、「協力してくれないと怒る女性」VS「協力しているのにダメ出しをされる男性」という食い違いが浮かび上がって見えます。

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すれ違う、互いの言い分

では、実際にあがったそれぞれの不満の一部を見てみましょう。

妻・夫に対してのそれぞれの不満コメント一覧

【1】夫の雑な家事を嘆く妻 VS 妻の一言にやる気を失う夫

妻が夫に抱く不満で多いのは、家事・育児のレベルが自分の基準と違うこと(中途半端)。「私がやり直しをしなければならないので二度手間になる」といった意見もありました。その一方で、男性側は「細かいことが気になるのは分かるが、あまりうるさく言われたくない」、「家事をやっても感謝してくれない」という意見。男性なりに努力はしているものの、認められないためやる気を失くしている様子です。

【2】夫はなぜ家事・育児に消極的なのか?

妻からは、夫の家事・育児へのスタンスに対する意見も多く寄せられました。たとえば、「言わない限り動いてくれない」「あくまでも私(妻)のサポート役で、自主性がない」という意見。『家事・育児は女性がメインで男性はサブ』という意識が態度や行動に見え隠れしているようです。しかし、その原因はすべて夫の意識の問題なのでしょうか。【1】の意見を踏まえると、もしかしたら夫が主体的に家事・育児を行った場合でも、妻が必要以上に委縮させている可能性がありそうです。

【3】妻のあるべき姿(期待する役割)が男女で異なる!?

女性側に特徴的だった意見には、「(夫は)自分のことくらい、自分でやってほしい」もありました。そんな意見とは正反対に、男性側は「自分(夫)をほったらかしにしないでほしい」「母親としてだけでなく、妻としても機能してほしい」という声が散見されます。つまり、男性が妻に期待する役割の中には、「夫の身の回りの面倒を見る」が含まれていそう。自分が家事育児へ参加することに前向きな男性ですら、この意識はいまだ根強いようです。

子どもを最優先にしながら、夫婦でフェアな状態を模索する、現代の共働き夫婦

このように、すれ違う意見ばかりをご紹介してきましたが、共働き夫婦が不平不満を言ってばかりかと言えば、そうではありません。たとえば、「自分がもっとするべき・したいと思うこと」。夫も妻も、子どもへの時間を増やしたいという回答で一致しており、仕事との両立に悩みながらも、子ども最優先に暮らそうとする共通意識が見て取れます。

夫婦別「自分がもっとするべき・したいと思うこと」についてのアンケート結果

また、妻に家事・育児の負荷をかけていることを、夫は理解している様子。「妻の自由時間を増やしたい」と考えている夫が多いことは、妻への労いと共に、自らが家事・育児を引き受けようとする姿勢も感じられます。

夫婦別「夫婦間の家事育児の両立において重要だと思うもの」についてのアンケート結果

このように、お互いに言い分はあっても、日々の生活には相手の存在が必要なことをちゃんと分かっているのが今回の調査に回答いただいた共働き夫婦。では、お互いが不平不満を少なく暮らしていくには、どうしたら良いのでしょうか。そのヒントとして、「共に不満がない」と回答した夫妻の意見をご紹介したいと思います。

“妻の家事は少し雑なところがあり、僕がやり直すこともある。でも必要以上には言わない。それが秘訣(夫・33歳)”

“はじめは育児も家事も女の私がするものだと思われていたし、夫は手伝うという感覚が抜けていなかった。しかし、たくさん話し合い少しずつやってもらうことを増やして、今は不器用ながら出来ることを考えて沢山協力してくれている。分からないからやらなかっただけで、少しずつ教えたらやってくれるようになったのが嬉しいし、人柄の良さを感じて惚れ直した。(妻・26歳)”

いかがでしょうか?細かなやり方や考え方が違うのは、家族でも少なからずあるもの。多少の違いは認め合って、納得のいく家事・育児体制が実現できると良いですね。

一部改編:リクナビNEXTジャーナル編集部
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