ドラマ「SUITS」織田裕二演じるエリート弁護士に学ぶ、上司の言葉が理不尽だと思ったときの対処法

10月から始まったドラマ『SUITS』は、織田裕二演じる「負け知らず」のエリート弁護士と、中島裕翔演じる若手“ニセ”弁護士がタッグを組んで難題を解決するリーガルドラマです。

ドラマの中で、織田裕二さん演じる弁護士・甲斐正午は時に厳しい言葉を浴びせかけ、若手弁護士・鈴木大輔(中島裕翔さん)はうんざりしてしまいます。自分が職場で、上司から厳しい言葉をかけられて納得できない時、どう受け止めてどう行動すればいいでしょうか。様々な事業や、話題のキャンペーンを成功に導いているThe Breakthrough Company GO 代表取締役 三浦崇宏さんに、ドラマのような言葉を上司に言われた時の切り替え方を伺いました。

The Breakthrough Company GO 代表取締役 PR/Creative Director 三浦 崇宏さん

博報堂・TBWA\HAKUHODOを経て2017年独立。日本PR大賞、グッドデザイン賞、カンヌライオンズの各賞などを受賞。NTTdocomoやLINEの新規事業などをプロデュース。またペイミーやスマートドライブといったスタートアップのサポートも実施。集英社の漫画『キングダム』のPRやバカルディの完全招待制フリーパーティー「BACARDI “Over The Border” 2018」のメッセージ広告、アパレルブランド・クレストブリッジの“おでかけ試着”サービスも話題に。Twitter:@TAKAHIRO3IURA

【1】クライアントの言う通りにしたのに上司に怒られた。それはなぜ?

セクハラ訴訟の解決を任された若手弁護士・鈴木は、訴訟相手との示談交渉の場で、クライアントの要求とまったく違う方法で解決しようとする甲斐に不満をぶつけます。【2話より】

鈴木「なんであんな約束しちゃったんですか」
甲斐「クライアントを救うためだろ」
鈴木「(中略)でもそれは、クライアントの意志に反しています」
甲斐「(中略)言ったろ、クライアントに同情するな」

“言いなり”では、クライアントを幸せにできない


【ビジネス現場ではこう動く】プロフェッショナルの世界では、クライアントの言うことを聞くことがベストな選択とは限りません。このセリフは、「クライアントの言葉にすべて従うことが、クライアントを幸せにするわけではない」という意味です。とても正しいことだと思います。

自動車メーカー「フォード」を創業したヘンリー・フォードは「もし人々に何が欲しいかを聞いていたら、自動車ではなくもっと早い馬が欲しいと答えたはずだ」という言葉を残しています。ビジネスの世界では、クライアントの言っていることを100%その通りにすると、だいたい失敗するんです。

クライアントは自社の事業とその周辺にばかり目が行きがちですが、営業やエンジニア、コンサルタントなどクライアントを外側から見ている人は、世の中の流れや業界の動向、クライアントの立ち位置などを広い視野で見ています。

クライアントにとってベストな解決策はなんだろうと、本質的なところから考えて提案するのがプロフェッショナル。クライアントの言う通りにしたとしても、それが本質的な解決につながっていなければ上司に叱られて当然です。クライアントの要望はいったん受け止めながらも、何がクライアントを「幸せ」にするのかもう一度考えてみましょう。

【2】いろいろ事情があるのに「言い訳するな」と言われたら?

エリート弁護士・甲斐の指示通りに仕事ができず、訴訟に負けそうになった若手弁護士・鈴木は、必死に「なぜできなかったのか」を説明しますが……【2話より】

甲斐「確かに、お前は弁護士失格だ、けどそれは、経歴詐称してるからでも、ミスをしたからでもない。「本気じゃない」からだ。(中略)そうやって逃げ場つくりながら生きてる半端な人間は、何やらせたってまともな仕事なんてできっこない」

本気の失敗には、学びと成長という報酬がある


【ビジネス現場ではこう動く】本気の人は、言い訳をしないし逃げ場もつくりません。そういう人は、一つの仕事に対して、あらゆる可能性を試しています。上司に「これはやった?」「この方法は試した?」「どれぐらいやった?」と聞かれて、言い訳せずに「やってみました」「何回もやりました」と返せるならOK。うまくいくはずだと思うことを全力でやったのなら、次にいけばいい。たとえうまくいかなくても、必ず成長しています。

「本気」の真髄は、失敗した時に「これは失敗だった」と気付けることです。本気でやると、学びと成長があるんです。それは言い訳をしていたら得られません。

本気でやった結果の失敗のいいところは、「そのやり方はダメだった」ということがわかること。エジソンも、「私は一回も失敗したことはない、ただ、1万通りのうまくいかない方法を発見しただけだ」と言っています。これは失敗ではなく成長です。

もし本気でやらなかったらどうなるか。それは関わるあらゆる人の時間が無駄になってしまいます。中途半端にやった自分の時間も無駄だし、上司からしてみれば「上司の自分が本気でやったら、うまくいくんじゃないの?」と再検証が必要になってしまう。

僕は「報われない努力はない」と思っています。もちろん努力したからって、必ず成功するわけではありません。しかしあらゆる可能性をすべて試して、やるべきことを本気でやり尽くした人は、確実に成長できます。努力の報酬とは、成功ではなく成長なんです。だからきれいごとではなく、努力は必ず報われるんです。

成長したいと思うなら、失敗するときも本気でやるべき。きちんと失敗しないから学べないし、成長もしないんです。言い訳したくなっても「でも」「だって」は封印して、あらゆる可能性を全てやりきってみるべきです。

【3】教えてくれなければ、わかるわけがないと感じたら?

甲斐のアソシエイトとして本格的にサポートをすることになった鈴木。甲斐のそばについて、仕事を教えてもらおうとしますが甲斐はそっけない態度を取ります。【3話より】

鈴木「今日は、10時に青山でしたよね?」
甲斐「だから?」
鈴木「一緒に行きます、なるべく甲斐先生の仕事を近くで……」
甲斐「その必要はない、とても大切なお客さまなんだ。わかるな?」
鈴木「じゃあ、僕は何をすれば?」
甲斐「自分で考えろ、弁護士は個人事業主だ」

仮説は行動でしか検証できない


【ビジネス現場ではこう動く】教えてほしがってばかりの“くれくれ君”になる前に、自分なりの考えでいいので仮説を立てて動いてみること。すると上司の仕事と自分の差に大きな発見があり、成長していきます。上司に一から十まで教わり、それをもれなくミスなく全部覚えるなんて、どだい無理なこと。いったん「手を動かしてから学ぶ」方が成長は早いと思います。

誰かのノウハウを読んだり聞いたりするだけで変われると思ったら大間違い。手を動かすことでしか、人は成長しません。「本を読んだら、変わりました!」なんて錯覚です。上司の教えなんて、なくていい。その前にまず行動してみましょう。

「行動すること」そのものが仮説検証のプロセスです。なぜなら必ず行動する前に、自分なりに「こうしたらうまくいくんじゃないか」と考えるはずだから。営業職なら、「自分がユーザーだったらこういうことを言われたら買うだろうな」ということを考えてみればいいのです。

若手のうちは自分の考えに自信がなかったり、間違っていたら怒られるのではと思いがちですが、それでも良いのでどんどん仮説を立てて動くこと。そうしなければ、何が間違っているかもわかりません。上司の100点満点のやり方を真似しても、劣化コピーにしかなりません。

一度自分で考えてやってみて、そしてうまくいかなかった時こそ成長のチャンス。ここでようやく上司との差がわかるはずです。上司との差をまざまざと見せつけられ、悔しい思いをするでしょう。だからこそ、上司の言うことを聞いたり、何が自分と違うのか考えたり、歯を食いしばってチャレンジしたりなど次のステップへと進むのです。

成長する人とは、猪突猛進で壁にぶつかってそれからハッと気づくようなタイプ。一見泥くさいように見えますが、有名な外資系コンサルティング会社でも、クライアントの現場を徹底的に取材するし、その会社で何カ月も一緒に働いてみたりしています。どれだけかっこよく働いているように見える人でも、「行動すること」によって仮説を検証しているのです。

まとめ

失敗=トライ&エラーの回数です。たとえ失敗しても、「これでまた強くなった」と思える人が伸びる人。ビジネスの失敗なんて、死ぬわけじゃないし、成長に不可欠なプロセスだと思って楽しめばいいんです。仮説と検証を繰り返すスピードを早めて、どれだけ繰り返せるかが、早く成長するための鍵。とにかく行動あるのみです。

<番組情報>

『SUITS/スーツ』(フジテレビ、月曜21:00~)

全米メガヒットドラマ『SUITS』原作のリーガルドラマが「月9ドラマ」として登場。10年ぶりに月9の主演を飾る織田裕二とHey! Say! JUMPの中島裕翔がバディとして、さまざまな難題を、法律の力で解決していく。負け知らずの敏腕弁護士・甲斐正午(織田裕二)は、勝つためなら違法行為すれすれの大胆な方法もいとわない。そのアソシエイトが、驚異的な記憶力を持つ鈴木大輔(中島裕翔)だ。甲斐の冷徹かつダイナミックな解決策が病みつきになると、SNSを中心にじわじわと話題に。出演は、織田裕二、中島裕翔、新木優子、中村アン、磯村勇斗、今田美桜、小手伸也、鈴木保奈美 他。

WRITING:石川香苗子
新卒で大手人材系会社に契約社員として入社し、2年目に四半期全社MVP賞、年間の全社準MVP賞を受賞。3年目はチーフとしてチームを率いる。フリーライターとして独立後は、マーケティング、IT、キャリアなどのジャンルで執筆を続ける。IT系スタートアップ数社のコンテンツプランニングや、企業経営・ブランディングに関するブックライティングも手がける。学生時代からシナリオ集を読みふけり、テレビドラマで卒論を書いた筋金入りのドラマ好き。

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