母国語も文化もバラバラ…“多国籍”な会社から見る、社員の「多様性」を受け入れるということ

隅田川とスカイツリーを臨む、東京都墨田区のブラステル本社オフィス。ここでは、日本語、英語など多様な言語が飛び交い、20以上の国と地域出身のスタッフが働いています。多種多様なスタッフとサービスがそろった当社を率いるのは、ブラジル生まれ日系2世の代表2人。今回は、そんなブラステルの自己紹介です。

※本記事は、「PR Table」より転載・改編したものです。

まるで人種のるつぼ。母国語や文化などすべてがバラバラのスタッフ

「ハロー」「お疲れさまです」「ボン・ジーア」

隅田川とスカイツリーを見渡せる、東京・墨田区のブラステル本社オフィス。ここでは、日本語、英語、ポルトガル語をはじめ、多様な言語が飛び交い、2017年3月現在、20以上の国と地域出身のスタッフ約100人が働いています。

基本の社内公用語は日本語ですが、社内の掲示物や連絡メールの多くは、日本語・英語・ポルトガル語の3カ国語展開。昼食時の社内のカフェテリアをのぞけば、スパイスの良い香りもすれば、日の丸弁当を食べるスタッフもいます。

多様性は国籍や出身地に留まりません。スタッフの性別、学歴、年齢だけでなく、宗教、人種、母国語、文化、習慣も実にさまざまです。
ブラステルは、1996年の会社設立以来、外国人の日本滞在環境の快適化と日本企業のグローバル化に貢献するサービスを展開してきました。240の国と地域に格安で国際電話がかけられるプリペイドカード「ブラステルカード」が在日外国人の間で爆発的に広まり、2012年に開始した国際送金サービスも後押しし、在日外国人コミュニティで非常に高い認知度を誇っています。

一方で、創業当時は1割程度だった日本人ユーザーも、IP電話アプリサービスや、法人向けクラウド型IP電話事業の導入などを経て、年々増加傾向にあり、サービスの多様化・多国籍化が進んでいます。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

“大変なぜいたく”を手が届くところまで。日系2世が見出したビジネスのヒント

▲2008年撮影。写真左・川合 健司  右・田辺 淳治

多国籍環境の理由、それは共同創業者・共同代表2人がブラジル生まれの日系2世だということに関係があります。
創業者・共同代表の1人、川合健司は、ブラジル・サンパウロ生まれの日系2世。サンパウロの大学で電子工学を学んだあと1983年に群馬県の県費留学生として初来日しました。25歳のときでした。

自分のルーツである、日本を一度見てこよう――
そんな軽い気持ちで、1年ぐらい日本に滞在するつもりが、30年以上経ち、2018年現在に至ります。
「1年ぐらい」の日本滞在が、30年以上になった背景には、1990年の入国管理法の改正がありました。

日系2世3世に、日本で就労可能なビザが与えられるようになり、日本に出稼ぎにくる日系外国人が急増したのです。当時の日系ブラジル人たちは、家族を故郷に残して来日しているケースが多く、国際電話は、家族と連絡を取り合う唯一の、そして大切な通信手段だったのです。

しかし、当時ブラジルまでの国際電話は1分360円。家族とゆっくり近況報告や悩み相談をするのは、高額の通話料がかかる、大変なぜいたくでした。

「ブラジル人をはじめ、外国人の日本滞在環境の快適化に貢献したい」

身近にいる同郷の人たちの悩む姿を見て、川合は何かできないだろうかと考えます。

そこで、もう1人の創業者・共同代表の田辺淳治と在日外国人向け事業を模索していた川合は、コールバックと呼ばれるシステムを利用し、約半額の1分186円でブラジル国際電話サービスを提供したのです。これは、当時としては画期的な安さでした。

川合と田辺の創業者2人と、雇った1人のアルバイト。広告も出さず、周囲にも「半年持たないだろう」と思われていたこのサービスは、在日外国人の間の口コミで爆発的に広まり、経営は3年で軌道に乗りました。

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私たちの「当たり前」が、他宗教ではNGに?それぞれの文化を理解すること

▲ブラステルインターナショナルフードフェスティバルの様子

在日ブラジル人マーケットからはじまったサービスですが、ブラステルのサービスは口コミで広まり続け、在日外国人コミュニティの間で高い認知度を誇る企業に成長しました。

国際電話の会社としてスタートしたブラステル。日本における国際通信のリーディングカンパニーとしてのノウハウを活かし、法人向けクラウド型IP電話や個人向けIP電話アプリ050Freeの提供と、顧客やマーケットの変化を見極めて、随時新しいサービスを提案してきました。
2012年には、送金の需要が高い外国人マーケットの顧客基盤を持つ強みを活かして、国際送金事業にも参入。

ペルー、フィリピン、タイ、ネパール、中国、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア――これらのお客様に対応するため、ブラステルが徹底したのは、お客様の母国語でサービス案内をするということでした。
カスタマーサービスセンターには、10カ国語以上のネイティブスピーカーが配置され、それぞれの言葉での顧客問い合わせに対応します。
これによって、お客様の価値観や文化をしっかりと理解したスタッフによる、お客様に寄り添ったカスタマーサービスを提供するだけでなく、各スタッフの意見を取り入れ、マーケットごとに異なる戦略を立てることも可能になりました。

例えば、ある国の記念日や宗教行事に合わせて、該当マーケット限定のスペシャルキャンペーンを行ったり、各コミュニティの交流会やパーティに参加したり。(一例を挙げると、私たちは代々木公園で開催されるブラジルフェスティバルに毎年参加しています)
また、全マーケット共通で作成していたパンフレットのデザインが、実はある宗教では不適切なものであることが判明し、事前に使用を差し止め、お客様の目に触れずに済んだこともありました。

「文化=それぞれの考え方」の尊重が、滞在環境の最適化につながる

▲共同創業者・共同代表 近影

国際電話、通信、国際送金、法人事業、インバウンド――
さまざまな事業を、さまざまなスタッフが運営していく中で、当然ミスコミュニケーションが生まれることもあります。自社サービスに関して、スタッフ一人ひとりがきちんと把握できていなかったり、顧客情報を共有できていなかったり…。

これを解決するために、社内で「カダストロ」と呼ばれている顧客情報管理システム上での情報管理を徹底。個人のお客様のご意見やご要望、法人のお客様とのプロジェクト概要などを社内で共有できるようにしました。
それに伴い、個人情報の保護に関する社内の意識を高めるために、個人情報を適切に取り扱う事業者を認定する「プライバシーマーク」の取得に向け、社内研修を実施。2018年3月現在、実地審査を経て審査機関に申請を行なっています。

一方で、スタッフ間でのより円滑なコミュニケーションのために、社内交流の場を増やすことも提案されました。
どうすれば、より深くお互いのことを知ることができるだろう?と、あるスタッフが提案したのが「ブラステル インターナショナルフードフェスティバル」。

各スタッフが、自分の出身国の名物料理や、得意料理を持ち寄って、社内のラウンジで振る舞う、というイベントです。

ブラジル出身スタッフの作る、ライスプディン。

マレーシア出身スタッフの作るカレー。

日本のスタッフも負けじと、味噌汁、煮物、太巻きなどを持ち寄ります。

「○○さんがこんなに料理上手だなんて、知らなかった!」

「これおいしいね!今度作り方教えてよ!」「レシピが知りたい!」と、話の輪が広がります。

「常に相手の文化を尊重すること」

これは、数十か国から移民を受け入れた、多民族国家ブラジルで育った川合と田辺が、常に言っていることです。

「相手」とは、お客様であり、社内スタッフであり。「文化」とは、特定の国や民族の文化のみを指すのではなく、「相手」一人ひとりのものの考え方や価値観をも意味します。

2016年12月2日、20歳の誕生日を迎えたブラステル。

22年目の2018年、私たちは「外国人の日本滞在環境の最適化と、日本企業のグローバル化に貢献する」という新しい目標を掲げました。

人と人をつなぎ、そして気持ちと気持ちをつなげたい――

そんな思いを胸に、ブラステルの挑戦は続きます。

会社説明会では語られない“ストーリー“が集まる場所「PR Table

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