妻が突然「仕事辞めたい」…こんなとき夫はどうする?

「働く女性の成功、成長、幸せのサポート」という理念のもと、キャリア支援やコンサルティング、現在では結婚コンサルタントなど、幅広い領域で活躍されている川崎貴子さん(川崎さん執筆の過去記事はこちら)。そんな川崎さんが、「“共働き夫婦”に立ちはだかるさまざまなお悩み」に、優しくも厳しくお答えするこのコーナー。第3回目の今回は、「仕事を辞めたい」という奥様を持つ、旦那さんからのお悩みです。

 

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<今回の相談内容>

妻が「仕事を辞めたい」と言っています。辛い状況が続いてまで、仕事を続けてほしくはないと思っていますが、正直私一人だけ働いて、一家を養っていけるかどうかは不安です。転職も勧めますが、今はそういう気持ちには全くなれないとのこと…できれば妻には仕事を続けてほしいと思っているのですが、どうすればいいでしょうか?

(31歳・結婚3年目・子ども無し)

私は、拙書「愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる」の中でも、女性達に繰り返し「キャリアを手放すな!」と書いておりますし、「キャリ婚」という共働き推奨サイトまで主宰している、いわばゴリゴリの「専業希望反対派」なんですね。稼ぐことも、家事も育児も、夫と妻の両輪で回していく事がこれからの夫婦に必要なスキルであり、家族のリスク回避だと思うからです。

そのような考えを持つに至ったのは、24年間の人材サービス業を通じて多くの悲劇的なケースに遭遇してきたからです。「夫の会社が倒産した」「夫がリストラにあった」「夫が病気で倒れた」と長いブランクを携えて仕事を探す専業主婦たちの相談に何度も乗りましたが、生活費を稼げる仕事だけでも厳しく、家のローンや子供の教育費をカバーできる仕事は更に見つからず、「あの時仕事を辞めないで続けておけばよかった。」と、悔し涙を流す元キャリア女性達の姿を何度も目の当たりにしてきました。

ですから「結婚したらとりあえず仕事を辞めて~。」というビジョンを語る若いお嬢さんには問答無用で後ろから羽交い絞め。そして、「キミが仕事を手放さない事が、いつかキミの大事な人を守る武器になるんだよ。」と耳元で鬱陶しくささやき続けているのです

「共働き夫婦の真価」が問われる時

ですから相談者さんの奥様にも「辞めてはなりませぬ。」とささやきたいところなのですが、いま奥様は仕事や仕事先の人間関係か何かでかなりのストレスを感じている、いわばピンチの状態にいて、夫であるあなたに、ただひたすら助けを求めているのではないでしょうか?

そして、共働き夫婦のリスク回避とは、一時期に片方が倒れそうになっても片方が支えられるということであり、今まさにその「共働き夫婦の真価」が問われている時なのでは?

私の友人女性は、元々共働きだった夫が、うつ病が原因で仕事を辞めてしまったのですが、彼女が大黒柱となり昨年までの2年間を乗り切りました。もちろん、生活も相当切り詰めながら。でも、彼女はいつも明るかったし、愚痴も言いませんでした。私が心配して聞くと、「でもさ、10年前、私の仕事がピンチでお金入れられなかったとき、彼がフリーの仕事を辞めて就職してくれて、支えてくれたじゃない?だから、今度は私の番なんだ。」と、彼女は笑顔でそう答えるのでした。

彼女の夫は2年間家事をしながらできるだけゆっくり過ごしつつメンタルクリニックに通って健康を取り戻し、昨年末にとうとう転職先が決まりました。外部からは、二人の夫婦仲は更に深まったように見えます。

「病める時も健やかなる時も、喜びの時も悲しみの時も、富める時も貧しき時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすこと」を、結婚する時に我々は神に誓いました。神に誓わなくても親族や友人に誓い、何より自分に誓った筈です

夫婦の間で何か不協和が起きた時に、二人がこの誓いを思い出し、互いに真心を尽くすことを遂行すれば、二人の幸せのビジョンはシンクロしていける、と私は思います。

 

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8,568通り、あなたはどのタイプ?

相手の中で整理がつくまで「聞き役」に徹せよ

ということで、今回の相談者さんへの私の回答は、

「もっと妻の話をちゃんと聞け」

です。

まずはご自身の「妻が仕事を辞められたら困る。」という不安を一旦置いておいて、もっと奥様の話をじっくり、懇切丁寧に聞いてあげてください

解決しようとしないで、話の腰をおらずに。ただただ話を上手に聞いてもらえるだけで、人のストレス値は大幅に下がります。ストレス値が下がれば、休むべきか、病院に行くべきか、転職した方がいいのか、部署異動を願い出た方がいいのか、奥様の中で整理がつくようになります。時間を取って向かい合い、どうか「愛を持って」聞き役に徹してみてください。

「奥様の今の気持ちを解ろうと努力する事」

が、今、相談者さんができる「その命ある限り真心を尽くすこと」ではないでしょうか?

著者:川崎貴子

1972年生まれ。埼玉県出身。
1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性に特化した人材紹介業、教育事業、女性活用コンサルティング事業を展開。2017年3月に同社代表を退任し、同年4月よりリントス(株)代表に就任。女性誌での執筆活動や講演多数。著書に『結婚したい女子の為のハンティング・レッスン』『私たちが仕事を辞めてはいけない57の理由』『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』『上司の頭はまる見え。』『モテと非モテの境界線』がある。株式会社ninoya取締役を兼任し、2016年11月より、働く女性の結婚サイト「キャリ婚」を立ち上げる。婚活結社「魔女のサバト主宰。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。女性マネージメントのプロ」「黒魔女」の異名を取る。12歳と5歳の娘を持つワーキングマザーでもある。

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