『会社を辞めないという選択』著者に聞く、会社の財産を使って起業家のように働く5つのポイント

やりたい仕事ができない、上司とうまくやっていく自信がない、会社の将来が不安…さまざまな理由から、会社を辞めたいと思うことはありませんか?

新たな価値を創造し、社会を変革すべく起業したいと考える人もいるでしょう。

しかし、「今の会社にいるからこそできる大きな仕事がある」と説くのは、1000社近くのスタートアップ起業を見続けてきた起業家・奥田浩美さん。そこで今回は、2015年2月に奥田さんが上梓した『会社を辞めないという選択』から、会社を辞めずに起業家のように働き、戦略的に大きな仕事をなし遂げる5つのポイントをご紹介します。

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1.会社を「究極のチーム戦」と考える

会社を辞めて起業するとしても、何らかの形で人とお金を集めて事業を起こすことになります。一人ではできないことでも、自分にはない知識や経験を持つメンバーを集めることによって、同じ目的に向かうことが可能となるからです。ならば、自分でゼロから人を集めて会社を作るよりも、まずは現在の会社でできることを見直してみてはどうかと、同書では投げかけています。会社は、同じ目的に向かうチームメンバーと「スポンサー付きの究極のチーム戦」であるという考え方です。会社という「財産」を使って何がやれるのか、逆に自分は会社に何を与えられるのかを考えると、自身の価値や方向性が見えてくるのではないでしょうか。

2.VS志向を止める

会社員としての立場を語るときに、「会社VS個人」「大組織VS個」といった位置づけをすることが多いが、そのVS志向がチーム戦の妨げになるというのが奥田さんの持論。自分と異なる立場や価値観に対して、「スタートアップVS大企業」「男VS女」「都会VS地方」というような二極の対立で捉えるのではなく、それぞれの価値観や立場を理解する。VS志向を止め、チーム戦は自分とは異なる考え方の集合体だと考えれば、より戦力が高められるはずです。

3.苦手な人を持ち駒にする

人は誰しも苦手だと思う相手がいるもの。会社員の仕事の悩みにも「社内の人間関係」が多く挙げられますが、苦手な人と一緒に仕事をするのはストレスにもなります。しかし、自分と意見が合わない・対立するということは、「自分では表現できない部分を持っている貴重な存在」とも言えます。「あの人の強引さが苦手」を「あの人の積極性はすごいな」という評価に変えてみましょう。戦力として持ち駒だと考えれば、チームメンバーとして有益だと割り切れることもでき、戦力アップします。実際に嫌な要素を分解・分析してみると、それでも嫌だと思う相手はとても少ないものなのだそうです。

4.オープンイノベーション志向を持つ

新たなビジネスモデルと作る際に、社内のリソースだけでは不足する知識やスキル、経験が足りないケースは往々にしてあるもの。そのように感じた時は社内だけにこだわらず、積極的に社外でも仲間を増やす努力をしましょう。これからは共創(Co-creation)の時代。大企業とスタートアップ、企業と消費者が組んで製品やサービスを開発することで、新たなイノベーションが次々と生まれています。発注の立場で指示するだけではなく、社外の情報・発想や価値観を吸収し、共に考え、創ることで、新たな価値を提供することができるのです。

5.人・お金・時代に対する感覚を養う

ビジネスに欠かせない要素である「人・お金・時代」。会社の仕事に必要なお金は、もちろん会社が出してくれるもの。しかし、自分の仕事に対して出資者感覚を持っている人は意外と少ないのではないでしょうか。起業するとなれば、資金調達は大変で重要なものとなります。自分たちがやっていることが何の役に立ち、どう利益を生み出すのか感覚を養うことは非常に有益です。また、今はとても変化のスピードが早い時代なので、3年先に社会で求められるものに取り組んでいくことも必要です。大企業は完成品だと思っている人が多いかもしれませんが、200年、300年続いている会社は常にその時代に合った何か新しいものを生み出していくからこそ、生き残っていけるのです。

スタートアップを支援する各種イベントや、ビジネスコミュニティの仕掛け人としても知られる奥田さん。企業経営者にもスタートアップを目指す学生にいつも言っている言葉があるそうです。

  • 素直であること
  • 人に頼れること
  • 自分自身が変化できる人であること
  • 異質な考え方を受け入れること
  • 新たな価値観を共創すること

社外のさまざまな立場の人と協働し、共に新たな価値を創造する「共創」や、企業内部と外部の技術やアイデアを組み合わせて、革新的な価値を生み出す「オープンイノベーション」などのキーワードが示すように、「会社」という枠にとらわれる時代ではなくなってきています。起業家のように新しい価値を創造する会社員の存在は、非常に重要な存在になってくるはずだと、奥田さんは言います。

つまり「会社を辞めないという選択」とは、会社にしがみつけという意味ではなく、会社の中にいても外にいても、どんな立場でも社会は変えられるから、「会社」にこだわる必要はないということ。

まずは自分のいる場所から会社の中をじっくり見て、何が使えるのか、もらえるのか、何が与えられるのかを、奥田さんのアドバイスのように縦・横・斜めに眺めてみると、もっと今の仕事が面白くなるかもしれませんよ。

参考書籍:「会社を辞めないという選択」/奥田浩美/日経BP社

f:id:pinq4387:20150319115023j:plain▲著者:株式会社ウィズグループ、株式会社たからのやま代表取締役 奥田浩美さん
MacworldやWindows Wolrd、interop、Google Developer Dayをはじめとする数々のIT系大規模コンファレンスの事務局統括・コンテスト企画などを行う株式会社ウィズグループ創業者。2013年には株式会社たからのやまを設立。2014年より、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の未踏IT人材発掘・育成事業の審査委員を務め、若い世代の新たなチャレンジを支援している。これまでに携わったITイベントの数は300以上。のべ動員数は10万人以上。数億円規模のイベントをいくつも成功に導いている。近書に『人生は見切り発車でうまくいく(総合法令出版)』、『ワクワクすることだけ、やればいい!(PHP研究所)』がある。
●『会社を辞めないという選択』「特設サイト

文:馬場美由紀

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